バターは「牛乳」からクリームを分離させ固めた食品です。バターは「調理油」として利用される事が多く、人気のある食品です。
世界ではどの国がどれくらいバターを生産しているのでしょうか?
世界のバター
生産量
世界のバター生産量
世界一位 インド
世界二位 パキスタン
世界三位 アメリカ
世界のバター 生産量ランキング
Butter and Ghee - Production (tonnes/year)
国 | 生産量 (トン) (t) 2020年 | |
世界合計 | 11,727,811 | |
1 | インド (India) ![]() | 4,551,828 |
2 | パキスタン (Pakistan) ![]() | 1,128,083 |
3 | アメリカ (America) ![]() | 915,348 |
4 | ニュージーランド (New Zealand) ![]() | 505,000 |
5 | ドイツ (Germany) ![]() | 497,109 |
6 | フランス (France) ![]() | 353,500 |
7 | テュルキエ (Turkiye) ![]() | 269,455 |
8 | ロシア (Russia) ![]() | 269,216 |
9 | アイルランド (Ireland) ![]() | 250,800 |
10 | イギリス (U.K) ![]() | 194,000 |
11 | オランダ (Netherlands) ![]() | 191,398 |
12 | イラン (Iran) ![]() | 189,774 |
13 | ポーランド (Poland) ![]() | 184,680 |
14 | ベラルーシ (Belarus) ![]() | 115,840 |
15 | カナダ (Canada) ![]() | 112,374 |
16 | ベルギー (Belgium) ![]() | 112,350 |
17 | ブラジル (Brazil) ![]() | 110,800 |
18 | エジプト (Egypt) ![]() | 101,056 |
19 | ウズベキスタン (Uzbekistan) ![]() | 97,909 |
20 | イタリア (Italy) ![]() | 94,030 |
21 | 中国 (China) ![]() | 92,035 |
22 | オーストラリア (Australia) ![]() | 83,537 |
23 | デンマーク (Denmark) ![]() | 75,000 |
24 | ウクライナ (Ukraine) ![]() | 69,600 |
25 | 日本 (Japan) ![]() | 62,441 |
26 | フィンランド (Finland) ![]() | 61,000 |
27 | 韓国 (Korea) ![]() | 58,774 |
28 | ネパール (Nepal) ![]() | 58,750 |
29 | ミャンマー (Myanmar) ![]() | 50,657 |
30 | スペイン (Spain) ![]() | 46,000 |
31 | アフガニスタン (Afghanistan) ![]() | 44,084 |
32 | スイス (Switzerland) ![]() | 42,725 |
33 | タンザニア (Tanzania) ![]() | 40,644 |
34 | スウェーデン (Sweden) ![]() | 38,370 |
35 | モロッコ (Morocco) ![]() | 38,082 |
36 | オーストリア (Austria) ![]() | 35,860 |
37 | アルゼンチン (Argentina) ![]() ![]() | 33,333 |
38 | バングラデシュ (Bangladesh) ![]() | 31,044 |
39 | ポルトガル (Portugal) ![]() | 30,445 |
40 | チリ (Chile) ![]() | 25,640 |
41 | アゼルバイジャン (Azerbaijan) ![]() | 23,792 |
42 | メキシコ (Mexico) ![]() | 23,645 |
43 | チェコ (Czech) ![]() | 22,798 |
44 | コロンビア (Colombia) ![]() | 21,870 |
45 | ニジェール (Niger) ![]() | 21,384 |
46 | カザフスタン (Kazakhstan) ![]() | 19,904 |
47 | ウルグアイ (Uruguay) ![]() | 19,685 |
48 | ケニア (Kenya) ![]() | 17,443 |
49 | ノルウェー (Norway) ![]() | 16,300 |
50 | エチオピア (Ethiopia) ![]() | 15,752 |
51 | 南スーダン (South Sudan) ![]() | 15,500 |
52 | 南アフリカ共和国 (South Africa) ![]() | 14,747 |
53 | リトアニア (Lithuania) ![]() | 14,032 |
https://www.fao.org/faostat/en/#data/
©FAO
各国のバター 生産量
バターのエネルギー
バターは100gあたり約740カロリーと非常に高カロリーな食品です。
無塩バター
生乳には塩分が含まれているため、「無塩バター」という表示は現在使用する事ができません。無塩バターは現在「食塩不使用」という表示で販売されています。
発酵バターってなに?
「発酵バター」は生産プロセスの中に「乳酸菌を利用した発酵」があります。発酵させるとバターの風味が強くなり、「バターらしさ」が増します。バターの風味を利用したいお菓子やパンなどは発酵バターを利用し、風味を抑えたい場合は「無発酵バター」が利用されます。
ギーバター
「Ghee(ギー)」とはバターを煮詰めて水分・タンパク質などを取り除いた「油」です。ギーはタンパク質が99%以上取り除かれており、腐敗しずらく常温で保存が可能です。非常に体に良い油とされており、世界中で利用されています。
ギーは「調理油」として利用されます。ギーは煙が立ちにくく、発煙点は約「250度」とされています。
インド
バター 生産量
2019年にインドは4,551,828トンのバターを生産しています。
世界で生産されているバターの38.81%がインドで生産されています。
バターはインドで利用されているヒンディー語で「मक्खन(マッカン)」です。
インドのバター生産地
インドでは主に北部のウッタル・プラデーシュ州、中西部のマハーラーシュトラ州、北部のヒマーチャル・プラデーシュ州、パンジャーブ州、中北部のマディヤ・プラデーシュ州、北西部のラージャスターン州、南部のタミル・ナードゥ州などで多く生産されています。
インドのギーバター文化
インドでは紀元前1000年~500年頃に「バラモン教」を主体とした文化が広まっており、この時代からギーバターが利用されていました。食品として利用される他に「薬」としても利用されていました。
ギーは長期保存が可能
ギーは長期保存が可能な食品です。インドでは個人でバターからギーを作る家庭も多く存在しますが、「ギーは健康に悪い」と考える人も一部存在します。
パキスタン
バター 生産量
2019年にパキスタンは1,128,083トンのバターを生産しています。
世界で生産されているバターの9.61%がパキスタンで生産されています。
バターはインドで利用されているヒンディー語で「مکھن(マッカン)」です。
パキスタンの乳製品の生産
パキスタンでは酪農が盛んにおこなわれており、生産された牛乳は「チーズ」「バター」「ギー」などに加工され、多くの国々へ輸出されています。輸出先は主に中国やロシアで、近年多くの国からの需要の増加により更に生産量が増加すると思われます。
無駄になる乳製品が多い
パキスタンでは酪農をおこなっている80%が小規模な酪農家であり、仲介業者が買い取りをおこなっています。牛乳の輸送が適切な方法でおこなわれていない場合が多く、腐敗してしまう牛乳も多くなっています。
アメリカ
バター 生産量
2019年にアメリカは915,348トンのバターを生産しています。
世界で生産されているバターの7.80%がアメリカで生産されています。
アメリカのバター生産地
アメリカでは西部のカルフォルニア州でのバターの生産量が多くなっています。北東部のウィスコンシン州が酪農の地として非常に有名でしたが、最近ではカルフォルニア州での生産量が増加しており、生産量はウィスコンシン州を超えています。その他には北東部のアイダホ州・北西部のニューヨーク州・南東部のテキサス州などで多くバターの原料となる牛乳が生産されています。
減少するバターの消費量
アメリカでは1930年をピークにバターの消費量が大きく減少しています。かわりに「マーガリン」の消費が増加しましたが、90年代にマーガリンの消費量は大きく減少しており、バターの消費量が再び増加傾向にあります。
ニュージーランド
バター 生産量
2019年にニュージーランドは505,000トンのバターを生産しています。
世界で生産されているバターの4.30%がニュージーランドで生産されています。
ニュージーランド最大の輸出は「乳製品」
ニュージーランドは非常に多くの酪農がおこなわれています。生産された乳製品は主に海外へ輸出されており、ニュージーランドの経済を支える重要な生産品です。また、中国企業などがニュージーランドの大手加工業者を買収しており、中国からの多くの投資を受けています。とくにバターの増産などに力を入れており、バターの生産量は今後増加すると思われます。
酪農は主に北島でおこなわれている
ニュージーランドの牛乳の生産は北島が多く、北オークランド地方・南オークランド地方の生産がとくに多くなっています。
ドイツ
バター 生産量
2019年にドイツは497,109トンのバターを生産しています。
世界で生産されているバターの4.23%がドイツで生産されています。
バターはドイツ語で「Butter(ブター)」です。
ドイツは酪農家が少ない
ドイツでは酪農家が減少しており、現在酪農をおこなっている人はドイツ国民の1%以下になります。近年燃料費などの高騰により、採算が採りづらくなっており、酪農を離れる人が増加しています。
ドイツのバター生産地
ドイツでは酪農が主に南東部のバイエルン州、北西部のニーダーザクセン州などで盛んにおこなわれています。
フランス
バター 生産量
2019年にフランスは353,500トンのバターを生産しています。
世界で生産されているバターの3.01%がフランスで生産されています。
バターはフランス語で「Beurre(ブアー)」です。
バターの原料となる「牛乳」の生産量減
フランスではバターの生産量が減少しています。牛乳の生産量が減少しており、牛乳を原料とした加工品の生産が減少しています。理由は燃料の高騰化・干ばつなどにより酪農を続ける事が難しくなっています。
フランスの牛乳生産地
フランスでは主にブルターニュ地域圏、ノルマンディー地域圏、ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏などの北部から北西部で多くの酪農がおこなわれています。
テュルキエ
バター 生産量
2019年にテュルキエは269,455トンのバターを生産しています。
世界で生産されているバターの2.29%がテュルキエで生産されています。
バターはテュルキエ語で「Tereyağı(テレヤウ)」です。
バターの名産地【トラブゾン県】
テュルキエ北東部に位置するトラブゾン県はバターの名産地です。トラブゾン県で生産されるバターは国内で「トラブゾンバター」と呼ばれ、テュルキエで一番美味しいバターとして有名です。
増加するバターの生産量
テュルキエではバターの生産量が増加しています。バターの原料となる「牛乳」が増産されており、バターやクリームの生産量も増加しています。
テュルキエのバター生産地
テュルキエは中南部のコンヤ県・西部のイズミル県・バルケスィル県・中西部のアフィヨンカラヒサール県・南西部のブルドゥル県などで多くのバターの原料となる「牛乳」が生産されており、バターなどに加工もされています。
ロシア
バター 生産量
2019年にロシアは269,216トンのバターを生産しています。
世界で生産されているバターの2.29%がロシアで生産されています。
バターはロシア語で「масло(マースラ)」です。
ロシアのバター生産地
ロシアでは主に中南部のアルタイ地方・中南西部のタタールスタン共和国・西部のヴォロネジ州・南東部のクラスノダール地方・中南西部ウドムルト共和国などで多くのバターが生産されています。
バターの価格が上昇
ヨーロッパでは牛乳の生産量の減少により、バターの価格が上昇しています。現在も燃料代の高騰化により、バターなどの加工品の価格が大きく上昇する可能性があります。
アイルランド
バター 生産量
2019年にアイルランドは250,800トンのバターを生産しています。
世界で生産されているバターの2.13%がアイルランドで生産されています。
アイルランドでは「英語」が利用されています。
アイルランドのバター生産
アイルランドの酪農は「酪農協同組合」によって管理されてどの地域にどれだけの量を提供するかが取り決められています。生産が多い地域は南部のコーク県が多く、その他に中南部のリムリック県・ティペラリー県・南部のケリー県などで多くなっています。
コーク県でバターの生産量が多い理由
中世のコーク県ではバターの取引を規制するために「取引所」が設けられています。古くからバターの取引が盛んな地域で、現在も多くのバターが生産されています。
水不足
アイルランドでは2022年から大規模な干ばつが発生しています。酪農だけではなく、農業全体に深刻なダメージを与える可能性があり、牛乳や加工品の生産量が減少する可能性があります。
イギリス
バター 生産量
2019年にイギリスは194,000トンのバターを生産しています。
世界で生産されているバターの1.65%がイギリスで生産されています。
イギリスのバター生産地
イギリスでは主に南東部のデヴォン州・ウェールズ南西部のディベド州・北西部のカンブリア州などで酪農が盛んにおこなわれています。
バターが好まれる理由
バターは古くから存在する食材ですが、古代ギリシャなどでは「農民」の食べるものとして扱われていました。16世紀になると一般的に食べられるようになり、温暖な気候を有しているヨーロッパの南部では「油」として利用され、北欧のような寒い地域では「バター」として利用される事が多くなりました。
まとめ
日本でバターが広まったのは明治時代になります。明治には「牛乳」の生産がおこなわれており、バターの生産も同時におこなわれるようになりました。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
サムネイル: 「Pixabay」から商用利用可能な写真を加工・利用しています。