世界の天然ガスによる
CO2(二酸化炭素)の排出量
天然ガスは「ロシア」「イラン」などの産出国からお主に国をまたぐ「パイプライン」で各国々へ輸出され、気体燃料として暖房の燃料などに利用されます。寒さが厳しい国は冬の間に暖房をつけっぱなしにする国が多く、ガスで水を温め、室内に張り巡らせています。
世界では天然ガスによりどのくらいCO2が排出されているのでしょうか?
液体燃料による
CO2排出量
世界の液体燃料によるCO2排出量
世界一位 米国
世界二位 ロシア
世界三位 中国
世界の気体燃料によるCO2排出量
CO2 emissions from gaseous fuel consumption
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国 | 液体燃料による CO2排出量 (全体) (t) 2016年 | 液体燃料による CO2排出量 (1人あたり) (t) 2016年 | 液体燃料による CO2排出量 (シェア率) (%) 2016年 |
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世界合計 | 7,322,549,217 | - | 100.00 | |
1 | 米国(USA) | 1,498,556,220 | 4.57 | 20.46 |
2 | ロシア | 850,380,967 | 5.86 | 11.61 |
3 | 中国 | 403,091,308 | 0.30 | 5.50 |
4 | イラン | 381,015,968 | 4.75 | 5.20 |
5 | 日本 | 232,916,839 | 1.83 | 3.18 |
6 | カナダ | 217,027,728 | 6.00 | 2.96 |
7 | サウジアラビア | 212,975,693 | 6.37 | 2.90 |
8 | ドイツ | 161,080,309 | 1.95 | 2.19 |
9 | イギリス | 158,960,783 | 2.42 | 2.17 |
10 | メキシコ | 151,579,112 | 1.24 | 2.07 |
11 | アラブ首長国連邦 | 135,022,607 | 15.01 | 1.84 |
12 | アルゼンチン | 102,268,963 | 2.34 | 1.39 |
13 | カタール | 96,145,073 | 37.04 | 1.31 |
14 | インド | 95,829,711 | 0.71 | 1.30 |
15 | エジプト | 94,901,960 | 0.95 | 1.29 |
16 | 韓国 | 94,619,601 | 1.84 | 1.29 |
17 | インドネシア | 91,260,629 | 0.34 | 1.24 |
18 | テュルキエ(旧トルコ) | 87,630,299 | 1.08 | 1.19 |
19 | タイ | 84,608,691 | 1.19 | 1.15 |
20 | オーストラリア | 79,122,859 | 3.27 | 1.08 |
21 | アルジェリア | 78,741,491 | 1.95 | 1.07 |
22 | ウズベキスタン | 75,012,152 | 2.38 | 1.02 |
23 | パキスタン | 74,982,816 | 0.35 | 1.02 |
24 | マレーシア | 73,585,689 | 2.33 | 1.00 |
25 | オランダ | 68,774,585 | 4.01 | 0.93 |
26 | ブラジル | 66,116,010 | 0.31 | 0.90 |
27 | カザフスタン | 65,800,648 | 3.63 | 0.89 |
28 | ウクライナ | 58,638,997 | 1.30 | 0.80 |
29 | スペイン | 57,348,213 | 1.23 | 0.78 |
30 | バングラデシュ | 53,593,205 | 0.33 | 0.73 |
31 | オマーン | 51,583,689 | 11.72 | 0.70 |
32 | トルクメニスタン | 48,899,445 | 8.33 | 0.66 |
33 | ベネズエラ | 48,796,769 | 1.58 | 0.66 |
34 | クウェート | 41,627,784 | 10.28 | 0.56 |
35 | トリニダード・トバゴ | 37,803,103 | 25.72 | 0.51 |
36 | ベラルーシ | 36,042,943 | 3.71 | 0.49 |
37 | ポーランド | 33,516,380 | 0.86 | 0.45 |
38 | ベルギー | 32,749,977 | 2.89 | 0.44 |
39 | ナイジェリア | 31,862,563 | 0.16 | 0.43 |
40 | バーレーン | 27,194,472 | 19.29 | 0.37 |
41 | コロンビア | 21,910,325 | 0.46 | 0.29 |
42 | アゼルバイジャン | 21,525,290 | 2.15 | 0.29 |
43 | ルーマニア | 20,630,542 | 1.04 | 0.28 |
44 | ベトナム | 20,384,853 | 0.21 | 0.27 |
45 | シンガポール | 19,849,471 | 3.47 | 0.27 |
46 | ハンガリー | 18,386,338 | 1.87 | 0.25 |
47 | イスラエル | 18,037,973 | 2.21 | 0.24 |
48 | ペルー | 17,102,888 | 0.54 | 0.23 |
49 | オーストリア | 16,450,162 | 1.88 | 0.22 |
50 | チェコ | 16,068,794 | 1.52 | 0.21 |
51 | イラク | 14,297,633 | 0.36 | 0.19 |
52 | ノルウェー | 12,680,486 | 2.42 | 0.17 |
53 | チュニジア | 11,943,419 | 1.02 | 0.16 |
54 | 南アフリカ | 10,131,921 | 0.17 | 0.13 |
55 | チリ | 9,959,572 | 0.55 | 0.13 |
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各国の気体燃料による
CO2排出量
気体燃料とは?
「Liquefied Natural Gas(液化天然ガス):LNG」「Liquefied Petroleum Gas(液化石油ガス):LPG」などの気体の燃料です。冷却したり圧力を加える事により液体になり、輸送がしやすくなります。
「都市ガス」とは?
気体燃料に「におい」を付けガス漏れなどに直ぐに気付ける様にした物です。「メタン」「LNG」が利用されます。
「LPガス」とは?
「プロパン」「ブタン」などで、液体に加工した物を気体に戻し利用しています。ボンベに入れられている事が多くなります。
米国
気体燃料によるCO2排出量
情報
米国の気体燃料によるCO2排出量
世界で排出される「気体燃料を使用して排出されるCO2」は約20.46%がアメリカから排出されています。
LNGの輸出量が増加
米国は「ルイジアナ州」「テキサス州」であらたにLNGの生産拠点が出来上がり、国内のLNG生産量が更に増加する予定です。世界情勢の悪化により、天然ガスの需要と供給が変化しており、米国での天然ガスの生産量が増加しています。
気候変動問題
国内で気候変動問題に関心を持つ人が多く、天然ガスを含めた化石燃料の利用の制限を唱える人が多くなります。
ロシア
気体燃料によるCO2排出量
情報
ロシアの気体燃料によるCO2排出量
世界で排出される「気体燃料を使用して排出されるCO2」は約11.61%がロシアから排出されています。
天然ガス生産大国
天然ガス・石油の埋蔵量が多く、パイプラインを通してヨーロッパに供給していましたが、「2022年ロシアのウクライナ侵攻」により供給が停止しています。
ガス代を払わないウクライナ
戦争が始まる以前からウクライナのガス代の未払い問題などが発生しており、ロシアはウクライナのガス供給を停止しています。
中国
気体燃料によるCO2排出量
情報
中国の気体燃料によるCO2排出量
世界で排出される「気体燃料を使用して排出されるCO2」は約5.50%が中国から排出されています。
急激に成長する中国経済
中国の経済は著しく成長しており、天然ガスを含めたエネルギーの利用が増加しています。天然ガスによるCO2の排出量は一人当たり非常に低くなっていますが全体の排出量が多くなります。
エネルギー依存からの脱却
中国は自国で産出されるエネルギーが限られており、海外から多くのエネルギー資源を輸入しています。自国では主に「石炭」が産出されますが、国内の供給量は限られています。また、「太陽光」などの持続可能なエネルギーの開発も力を注いでおり、エネルギー生産量が増加しています。
イラン
気体燃料によるCO2排出量
情報
イランの気体燃料によるCO2排出量
世界で排出される「気体燃料を使用して排出されるCO2」は約5.20%がイランから排出されています。
資源大国イラン
天然ガスの埋蔵量は世界第二位とされており、非常に多くのガス田が国内に存在します。主にテュルキエ(旧トルコ)やアラブ諸国にエネルギーを輸出していましたが、「2022年ロシアのウクライナ侵攻」以降、ヨーロッパ諸国のエネルギーの需要が増加しており、積極的に参入を試みています。
体裁を受けていたが・・・
イスラム教を主体とするイランは「反イスラエル」を唱える武力組織などを支援や、核開発問題などから多くの先進国から体裁を受けていましたが、2015年にイラン核合意が締結され、一部の制裁が解除されています。天然ガス産業の発展を加速させていますが、現在も反イスラエルを唱えており、再び問題になる可能性があります。
日本
気体燃料によるCO2排出量
情報
日本の気体燃料によるCO2排出量
世界で排出される「気体燃料を使用して排出されるCO2」は約3.18%が日本から排出されています。
海外からのエネルギー依存
日本は資源エネルギーが非常に乏しい国であり、天然ガスを含め、ほぼすべての資源エネルギーを海外から輸入しており、天然ガスの輸入先は「オーストラリア」「カタール」「マレーシア」「ロシア」などです。
国内のガス代の高騰化
先進国の多くの国々でガス代を含む光熱費が高騰しています。ヨーロッパの多くがロシアから天然ガスの供給を受けていましたが現在は停止しており、他の国からの供給を増加させています。
カナダ
気体燃料によるCO2排出量
情報
カナダの気体燃料によるCO2排出量
世界で排出される「気体燃料を使用して排出されるCO2」は約2.96%がカナダから排出されています。
天然ガス生産国
カナダは国内で非常に多くの天然ガスを生産しており、国内で生産された天然ガスは米国を中心に多くの国へ輸出されます。
先住民族ウェットスウェテンとの問題
天然ガスのパイプライン建設に対し「ブリティッシュ・コロンビア州」の先住民民族「Wet'suwet'en(ウェットスウェテン)」との間に大きな争いが発生しています。建設会社はこの土地を古来から守るウェットスウェテンの許可を得なかったとされ、建設の中止を求めています。
サウジアラビア
気体燃料によるCO2排出量
情報
サウジアラビアの気体燃料によるCO2排出量
世界で排出される「気体燃料を使用して排出されるCO2」は約2.90%がサウジアラビアから排出されています。
資源エネルギーの宝庫
サウジアラビアは石油の産出国として非常に有名ですが、天然ガスの生産国でもあり、近年は天然ガスの開発も進んでいます。液化天然ガス(LNG)の需要が上昇しており、「アジア地域」を中心に輸出されています。
新たなビジネスの模索
化石燃料を軸にサウジアラビアの経済は回っていますが、世界では化石燃料の使用を止める方向に舵が切られており、新たに国を支えるビジネスの模索がおこなわれています。
ドイツ
気体燃料によるCO2排出量
情報
ドイツの気体燃料によるCO2排出量
世界で排出される「気体燃料を使用して排出されるCO2」は約2.19%がドイツから排出されています。
天然ガス消費大国
国内の天然ガスの生産量は少なく、国内で使用される天然ガスの多くを海外から輸入しています。輸入先は「オランダ」「ノルウェー」「ロシア」などから輸入していましたが、世界情勢の悪化により、現在はロシアからの輸入を停止しています。
新たに天然ガスの採掘も
国内の天然ガスの生産拡大へ向け、禁止されている「水圧破砕法:環境汚染や地盤への影響を懸念される方法」を含め、開発を進めるべきだとしています。
イギリス
気体燃料によるCO2排出量
情報
英国の気体燃料によるCO2排出量
世界で排出される「気体燃料を使用して排出されるCO2」は約2.17%がイギリスから排出されています。
北海油田
「英国」「オランダ」「デンマーク」「ドイツ」「ノルウェー」に経済水域にまたがる油田であり、パイプラインを通じて「英国」「スコットランド」「ノルウェー」に輸送されます。北海油田は英国内で利用されるエネルギー需要の一部を賄う重要な油田であり、現在も開発が続けられています。
メキシコ
気体燃料によるCO2排出量
情報
メキシコの気体燃料によるCO2排出量
世界で排出される「気体燃料を使用して排出されるCO2」は約2.07%がメキシコから排出されています。
メキシコの天然ガス
メキシコは中米・南米最大の天然ガス生産国であり、「ブルゴス盆地」を含めたメキシコ湾側で生産されています。また、パイプラインを通じて「米国」からも天然ガスが輸入されています。
新たな開発
メキシコの人口は増加しており、国内の資源エネルギーの開発が進んでいます。環境問題を配慮した持続可能なエネルギーの開発も進めており、国内のエネルギー生産量は大きく増加すると思われます。
まとめ
天然ガスの環境汚染
天然ガスは「石油」に比べ環境汚染が少ないとされますが、「メタン漏れ」「水圧破砕法による水源汚染」「土壌汚染」「水圧破砕法による地震の発生の可能性」など様々な問題があり、2050年までにCO2の排出量ゼロを掲げる国の多くは利用を停止したいと考えています。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
サムネイル: 「Pixabay」から商用利用可能な写真を加工・利用しています。