世界の賃金の差は大きく、ヨーロッパ諸国では平均時給が高く、アジアでは平均時給が低い傾向があります。
世界ではどの国がどれくらい平均時給を受け取っているのでしょうか?
世界の時給ランキング
世界の時給ランキング
世界一位 スイス
世界二位 ノルウェー
世界三位アメリカ
世界の時給ランキング
Minimum wage - hourly
国 | 最低時給 (Minimum hourly wage) 2022年 | |
1 | スイス (Switzerland) ![]() | 2,708円 (CHF19.00) |
2 | ノルウェー (Norway) ![]() | 2449.91円 (NOK175.47)* |
3 | アメリカ (ワシントンDC) (America) ![]() | 2,232円 (USD16.10) |
4 | オーストラリア (Australia) ![]() | 2,050円 (AUD21.38) |
5 | デンマーク (Denmark) ![]() | 2,049円* (DKK110.00) |
6 | ルクセンブルク (Luxembourg) ![]() | 1,813円 (EUR13.05) |
7 | ニュージーランド (New Zealand) ![]() | 1,802円 (NZ$21.20) |
8 | カナダ (Canada) ![]() | 1654円 (CND15.65) |
9 | イギリス (U.K) ![]() | 1,535円 (GBP9.50) |
10 | フランス (France) ![]() | 1,466円 (EUR10.57) |
11 | モナコ (Monaco) ![]() | 1,456円 (EUR10.48) |
12 | アイルランド (Ireland) ![]() | 1,454円 (EUR10.50) |
13 | ドイツ (Germany) ![]() | 1,449円 (EUR10.45) |
14 | サンマリノ共和国 (San Marino) | 1,284円 (EUR9.24) |
15 | イスラエル (Israel) ![]() | 1,212円 (NIS29.03) |
16 | ニューカレドニア (New Caledonia) ![]() | 1,106円 (CFP956.00) |
17 | スペイン (Spain) ![]() | 1,087円 (EUR7.82) |
18 | 日本(東京) (Japan) ![]() | 1,041円 |
19 | 韓国 (Korea) ![]() | 940円 (W9,160) |
20 | アンドラ (Andorra) ![]() | 928円 (EUR6.68) |
21 | バハマ (Bahamas) ![]() | 725円 (BSD5.25) |
22 | プエルトリコ (Puerto Rico) ![]() | 704円 (USD5.08) |
23 | キプロス (Cyprus) ![]() | 691円* (EUR4.90) |
24 | 香港 (Hong Kong) ![]() | 661円 (HK$37.50) |
25 | リトアニア (Lithuania) ![]() | 621円 (EUR4.47) |
26 | ポーランド (Poland) ![]() | 579円 (PLN19.70) |
27 | マカオ (Macao) ![]() | 550円 (MOP32.00) |
28 | チェコ (Czech) ![]() | 543円 (CZK96.40) |
29 | エストニア (Estonia) ![]() | 543円 (EUR3.86) |
30 | スロバキア (Slovakia) ![]() | 516円 (EUR3.71) |
31 | 中国(北京) (China) ![]() | 506円 (RMB25.30) |
32 | バルバドス (Barbados) ![]() | 499円 (BBD7.25) |
33 | セントクリストファー ネイビース (Saint Kitts and Nevis) ![]() | 461円 (EC$9.00) |
34 | ルーマニア (Romania) ![]() | 435円 (RON15.24) |
35 | パラオ (Palau) ![]() | 416円 (USD3.00) |
36 | セーシェル (Seychelles) ![]() | 394円 (SCR38.27) |
37 | ハンガリー (Hungary) ![]() Population: 9,684,700 | 392円 (HUF1,150.00) |
38 | トリニダード・トバゴ (Trinidad and Tobago) ![]() | 359円 (TTD17.50) |
39 | ブルガリア (Bulgaria) ![]() | 277円 (BGN3.92) |
40 | アルゼンチン (Argentina) ![]() ![]() | 255円 (255.66) |
41 | ミクロネシア連邦 (Micronesia) ![]() | 242円 (USD1.75) |
42 | グレナダ (Grenada) ![]() | 230円 (EC$4.50) |
43 | ガイアナ (Guyana) ![]() | 230円 (GYD347.00) |
44 | ベリーズ (Belize) ![]() | 226円 (BZD3.30) |
45 | パナマ (Panama) ![]() | 218円 (PAB1.57) |
46 | フィジー ((Fiji) ![]() | 217円 (FJD3.48) |
47 | アルバニア (Albania) ![]() | 216円 (ALL183.00) |
48 | モロッコ (Morocco) ![]() | 214円 (MAD16.31) |
49 | 南アフリカ共和国 (South Africa) ![]() | 189円 (ZAR23.19) |
50 | マレーシア (Malaysia) ![]() | 178円 (MYR5.77) |
51 | ホンジュラス (Honduras) ![]() | 173円 (HNL30.87) |
52 | ケニア (Kenya) ![]() | 156円 (KES135.86) |
*ランキングは国で「最低時給を設定している国のみ」になります。
*日本円価格は2022年8月30日の日本円のレートで換算しています。
*最低時給は2022年8月30日までの価格になります。
各国の時給
世界の物価上昇
世界は大きな物価の違いがあり、生活費が大きく異なります。日本も物価の高い一国ですが、日本の物価は30年以上大きな変化がなく、他の先進国・発展途上国は物価の上昇が続いています。
最低時給を設定していない国が多い
多くの国々では「最低時給」を設定していません。日本では設定されていない「最低月給」を設定している国が多く、国によっては「最低日給」「最低週給」を設定している国も存在します。
州によって時給が違う
日本は「都道府県」によって最低時給額が異なります。【アメリカ】【中国】【イギリス】などが導入しており、都市部と郊外で大きな物価の違いがあります。
ヨーロッパは時給を設定していない国が多い
ヨーロッパではデンマーク・フィンランド・イタリア・オーストリア・スウェーデン・キプロスが時給の設定をしていません。
「世界の生活費ランキング」の記事はこちらになります。よろしかったらご覧ください。
「世界の年収ランキング」の記事はこちらになります。よろしかったらご覧ください。
スイスの時給
生活費
月給50万円以下は貯金が難しい
スイスは世界一物価の高い国の一国として有名で、国民の平均月給も高くなっています。国内の物価が非常に高く、月給が50万円以下の国民はほどんど「貯金」ができないといわれています。
国内と国外の物価の相殺
物価の高いスイスは「高額な関税」により輸入品の値段を上昇させ、国産品との差額を調整しています。調整額は減少しつつありますが、それでも国内生産品の価格は世界平均の45%以上を上回っています。
政府が国内の農業の維持
スイスでは農家がスイス政府から支援を受けており、農業に対する大きな補助金が支払われています。スイスでは外国から輸入される農作物と国内で生産される農作物に価格に大きな差がある場合、多くの農家が廃業に追い込まれてしまいます。補助金の額は農業から得られる収入の50%を超えており、「国内で農業の維持」のために非常に大きな額を補助金として支払っています。
スイス国内の物価
価格 | |
平均月給 | 月70~80万円 |
アパートの家賃 (1~3部屋) | 月20~40万円 |
電気代 (25坪) | 月3万円 |
インターネット 使用量 | 月7,500円 |
タクシー (1km) | 550円 |
牛肉 (1㎏) | 6,800円 |
鶏肉 (1㎏) | 3,400円 |
コーヒー (1杯) | 670円 |
ノルウェーの時給
生活費
ヨーロッパの中でもとくに物価の高い国
北欧でも特に物価の高いノルウェーは、ヨーロッパの中でも特に物価の高い国の一つです。
ノルウェーには「最低時給」が存在しない
ノルウェーは「最低時給」が設定されていません。しかし、外国人が不当な扱いを受けないようにそれぞれの業種に「最低時給」が適応されます。ホテルやレストランの時給は2022年8月現在で NOK175.47(約2449円)となっており、経験の浅い建設労働者の時給はNOK198.30(約2768円)になっており、時給の改定は頻繁におこなわれています。
物価の高い【ノルウェー】のからくり
ノルウェーには「北海油田」が存在しており、「天然資源」の産出国の一つです。天然資源で得た富で「投資」を行い、更に多くの富を得ています。
安い物でも高く売る
ノルウェーでは物価を維持するために海外から安い価格で輸入された衣服などを国内で高い値段で販売し、大きな収入を得ています。
ノルウェーの物価
価格 | |
平均月給 | 月40~50万円 |
アパートの家賃 (1~3部屋) | 月15~25万円 |
電気代 (25坪) | 月2万8000円 |
インターネット 使用量 | 月7,500円 |
タクシー (1km) | 210円 |
牛肉 (1㎏) | 4,000円 |
鶏肉 (1㎏) | 1,900円 |
コーヒー (1杯) | 620円 |
アメリカの時給
生活費
アメリカで働く「不法労働者」
アメリカの労働者の5%程度の人が「不法労働者」です。【メキシコ】【南米】から違法に国境を渡り、アメリカで労働をおこなう人が多く存在しています。
アメリカの賃金は高い
アメリカでは非常に賃金が高く、雇用主は従業員に多くの賃金を払う必要があります。経営を続けるためには安い賃金で人を雇う必要があり、違法労働者などを低賃金で働かせる雇用主が多く存在します。
不法移民の数は減少傾向にありますが、アメリカでは低賃金で「建設業」「農業」などの労働者を雇うのは難しく、現在も多くの違法労働者がアメリカで仕事をしています。
アメリカ(ワシントンDC)国内の物価
価格 | |
平均月給 | 月70~80万円 |
アパートの家賃 (1~3部屋) | 月40~60万円 |
電気代 (25坪) | 月2万円 |
インターネット 使用量 | 月8,000円 |
タクシー (1km) | 190円 |
牛肉 (1㎏) | 2,500円 |
鶏肉 (1㎏) | 1,700円 |
コーヒー (1杯) | 670円 |
オーストラリアの時給
生活費
多くの出稼ぎ労働者
オーストラリアの賃金も非常に高く、日本人の18歳~30歳までの人は「ワーキングホリデー」というビザの申請が可能になります。ワーキングホリデービザの申請により12ヶ月間の滞在が可能になり、その期間に1雇用主の元で6ヵ月までの就労が可能になります。「英語を学びながら働きたい」という人が多く、オーストラリアではワーキングホリデーを利用した多くの労働者が滞在しています。
現地雇用は難易度が高い
外国人がオーストラリアで「正社員」として働くには「TSS(Temporary Skill Shortage Visa)ビザ」が必要になります。このビザは雇用主・職種・就労者の審査があり、大学などで習得した「学位」などにより職種が限定されます。また、「2年以上の職務経験」が必要になります。
オーストラリア国内の物価
価格 | |
平均月給 | 月50~60万円 |
アパートの家賃 (1~3部屋) | 月18~30万円 |
電気代 (25坪) | 月2万円 |
インターネット 使用量 | 月1万6,000円 |
タクシー (1km) | 200円 |
牛肉 (1㎏) | 1,800円 |
鶏肉 (1㎏) | 1,100円 |
コーヒー (1杯) | 450円 |
デンマークの時給
生活費
デンマークは最低賃金が決められていない
デンマークは最低賃金が法律で決められていませんが、労働組合のような組織によって最低賃金が設定されています。
物価はドイツよりも高め
北欧のデンマークも物価が高く、隣接するドイツよりも若干物価の高くなっています。
高騰が懸念される光熱費
ヨーロッパ全体で「光熱費」が高騰しています。ヨーロッパでは【ロシア】から算出される「天然ガス」を多く輸入しており、ガスパイプライン「Brotherhood(ブラザーフッド)」は【ウクライナ】を経由して多くの国々へガスを輸出しています。
ロシアの銀行は「体裁」を受けており、ヨーロッパからの送金が難しく、「ガスの支払い」をおこなわないヨーロッパの国々に対し「ガスの供給の制限」をおこなっています。
デンマーク国内の物価
価格 | |
平均月給 | 月40~50万円 |
アパートの家賃 (1~3部屋) | 月10~20万円 |
電気代 (25坪) | 月2万5,000円 |
インターネット 使用量 | 月4,500円 |
タクシー (1km) | 280円 |
牛肉 (1㎏) | 1,800円 |
鶏肉 (1㎏) | 1,300円 |
コーヒー (1杯) | 700円 |
ルクセンブルグの時給
生活費
様々な国と隣接する国
ルクセンブルグは「フランス」「ベルギー」「ドイツ」と国境を接している国です。ルクセンブルグには「金融センター」が存在しており、イギリス・ドイツなどと並び金融業に力を注いでいます。平均月給も他のヨーロッパよりも高く、生活費も高くなっています。
買い物は賢く
ルクセンブルグ国内では「消費税」「酒税」が安く設定されています。そのため隣国から酒を買いにルクセンブルグなどを訪れる人が多くまっています。
ルクセンブルグ人の資産
ルクセンブルグでは平均の家庭の純資産(銀行預金・住居・不動産・車・貴重品・そ株式などの合計)が約769,000ドル(約8886万円 2022年2月)で、非常に高い純資産を保有しています。
ルクセンブルグの物価
価格 | |
平均月給 | 月50~60万円 |
アパートの家賃 (1~3部屋) | 月20~40万円 |
電気代 (25坪) | 月3万7,000円 |
インターネット 使用量 | 月7,000円 |
タクシー (1km) | 400円 |
牛肉 (1㎏) | 2,400円 |
鶏肉 (1㎏) | 1,700円 |
コーヒー (1杯) | 480円 |
ニュージーランドの時給
生活費
食料品などは日本と変わらない
ニュージーランドは家賃などの物価が日本と比べ高くなっていますが、食料品などは日本と差ほど物価が変わりません。国内で畜産業などが盛んにおこなわれており、肉や乳製品の生産が多くなっています。
外食などが高い
欧米では基本的に外食費は高めに設定されていますが、ヨーロッパやアメリカでは燃料費や材料費が高騰しており、レストランなどでは20%程度の値上げをおこなっています。
ニュージーランドの物価
価格 | |
平均月給 | 月30~40万円 |
アパートの家賃 (1~3部屋) | 月12~20万円 |
電気代 (25坪) | 月1万7,000円 |
インターネット 使用量 | 月7,000円 |
タクシー (1km) | 250円 |
牛肉 (1㎏) | 1,800円 |
鶏肉 (1㎏) | 1,200円 |
コーヒー (1杯) | 440円 |
カナダの時給
生活費
インフレにより時給の上昇
カナダでも物価が急激に上昇しており、最低賃金も2022年の6月に一時間あたり15.20カナダドルから15.65カナダドル(ブリティッシュコロンビア州)に引き上げられています。
州によって時給が違う
カナダでは州によって時給が違います。時給が一番安いのは中部のサスカチュワン州で、11.81カナダドルになります。(2022年8月)一番時給が高いのは北東部のヌナブト準州で、16カナダドルを超えています。
カナダの物価
価格 | |
平均月給 | 月40~50万円 |
アパートの家賃 (1~3部屋) | 月15~27万円 |
電気代 (25坪) | 月1万9,000円 |
インターネット 使用量 | 月9,000円 |
タクシー (1km) | 220円 |
牛肉 (1㎏) | 1,900円 |
鶏肉 (1㎏) | 1,500円 |
コーヒー (1杯) | 480円 |
イギリスの時給
生活費
イギリスの最低賃金
イギリスでも2022年の物価上昇により、最低賃金が引き上げられています。イギリスでは物価の高騰により賃金は2010年から大きく上昇しており、2010年に5.93ポンドから62%上昇しています。
上昇するエネルギー価格
イギリスではガスの値段が高騰しており、家庭をひっ迫しています。また、天然ガスから作られる「二酸化炭素」なども生産が減少しており、二酸化炭素が利用される「ビール」なども生産が減少しています。
イギリスの物価
価格 | |
平均月給 | 月30~40万円 |
アパートの家賃 (1~3部屋) | 月10~25万円 |
電気代 (25坪) | 月2万9,000円 |
インターネット 使用量 | 月5,000円 |
タクシー (1km) | 200円 |
牛肉 (1㎏) | 1,400円 |
鶏肉 (1㎏) | 900円 |
コーヒー (1杯) | 470円 |
フランスの時給
生活費
フランスには簡単な雇用形態が存在しない
フランスでは日本の「アルバイト」「パート」などの雇用形態が存在しません。雇用には「契約書」を作成し、短期間の労働の場合は「期限付きの労働契約書」を作成します。契約書には給与の他に有給の日数、仕事をやめる場合の契約の解除などを雇用主と相談し作成します。
フランスの物価
価格 | |
平均月給 | 月30~35万円 |
アパートの家賃 (1~3部屋) | 月8~23万円 |
電気代 (25坪) | 月2万2,000円 |
インターネット 使用量 | 月4,000円 |
タクシー (1km) | 250円 |
牛肉 (1㎏) | 2,500円 |
鶏肉 (1㎏) | 1,500円 |
コーヒー (1杯) | 400円 |
まとめ
日本の「非正規雇用者」の平均時給は非常に低く、「発展途上国」と同レベルになりつつあります。「円」の価値も下落していて、「日本に対する信頼」が失われつつあるのかもしれません。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。