主食として消費する国も多いプランテン
プランテンは「調理用バナナ」であり、甘みが少ないバナナです。主食として消費する国が多く「イモ」のように「茹でる」「揚げる」などの調理がおこなわれ消費します。生で食べられる事はあまりありません。
プランテンはどの国がどのくらい生産しているのでしょうか?
世界のプランテン
生産量ランキング
世界のプランテンの生産量
世界一位 ウガンダ
世界二位 コンゴ民主共和国
世界三位 ガーナ
世界のプランテン 生産量ランキング
Plantains and cooking bananas
Production
国 | 生産量 (t) 2022年 |
---|---|
世界 | 44,150,813.38 |
ウガンダ | 10,440,849.48 |
コンゴ民主共和国 | 4,887,511.00 |
ガーナ | 4,819,198.63 |
カメルーン | 4,660,386.86 |
フィリピン | 3,113,583.75 |
コロンビア | 2,478,699.19 |
コートジボワール | 2,113,309.21 |
スリランカ | 1,529,919.00 |
ミャンマー | 1,281,597.92 |
ドミニカ共和国 | 1,151,333.00 |
ルワンダ | 903,785.66 |
エクアドル | 857,561.89 |
キューバ | 672,515.91 |
ベネズエラ | 665,317.00 |
タンザニア | 580,216.96 |
ボリビア | 484,875.06 |
ギニア | 482,539.33 |
マラウイ | 400,366.18 |
ガボン | 352,081.52 |
ニカラグア | 332,486.30 |
グアテマラ | 276,030.86 |
ハイチ | 247,177.66 |
パナマ | 228,787.52 |
バングラデシュ | 183,438.00 |
ガイアナ | 123,681.00 |
プエルトリコ | 103,688.61 |
ホンジュラス | 92,649.28 |
中央アフリカ共和国 | 89,076.60 |
コンゴ | 84,860.74 |
コスタリカ | 82,891.78 |
ジャマイカ | 60,586.00 |
ギニアビサウ | 56,088.60 |
リベリア | 51,275.79 |
エルサルバドル | 47,310.96 |
シエラレオネ | 46,629.75 |
赤道ギニア | 41,021.58 |
サントメ・プリンシペ | 40,865.19 |
ケニア | 34,167.72 |
オセアニア | 13,037.66 |
スリナム | 10,651.74 |
フィジー | 10,132.51 |
ドミニカ | 8,625.03 |
トリニダード・トバゴ | 5,323.94 |
セントビンセント グレナディーン諸島 | 4,904.77 |
ベリーズ | 4,662.00 |
セントルシア | 2,500.00 |
トンガ | 2,317.88 |
ポリネシア | 2,317.88 |
グレナダ | 2,273.00 |
ミクロネシア | 308.77 |
ニューカレドニア | 278.5 |
バルバドス | 265 |
バハマ | 199.75 |
ブルネイ | 9 |
ブルンジ | - |
ラオス | - |
ナイジェリア | - |
ペルー | - |
各国
プランテン【調理用バナナ】
情報

プランテンのエネルギー
プランテンの重さは1本約200gであり、皮をむくと約120gになります。カロリーは1本約86kcalです。
プランテンは「イモ」に近い
プランテンは「バナナ」ですが、基本的に調理して利用される果物のため、「イモ」に近い食材として消費されます。主食として消費する国も多く、アフリカや太平洋の島国などで多く消費されています。
日本で見かける事はない
バナナを主食として消費する国は「アフリカ」「カリブ諸国」「オセアニア」であり、島国が多くなりますが、日本で「バナナ」の栽培は難しく、プランテンを日本で見かける事はほぼありません。
美味しいの?
プランテンは「甘みが無い硬いバナナ」です。調理する必要があり、基本的に生で食べません。
栄養はあるの?
バナナと同じく栄養があり、「ビタミンC」がバナナより多く含まれています。
流行る?
流行らないと思います。総合的に見て日本ではバナナの方が利用価値が高いです。
「世界のバナナ生産量ランキング」の記事はこちらになります。よろしかったら一緒にご覧ください。
「世界のバナナ消費量ランキング」の記事はこちらになります。よろしかったら一緒にご覧ください。
ウガンダ
プランテン 情報
ウガンダのプランテン
ウガンダで利用されるスワヒリ語でプランテンは「Mpanda(パンダ)」です。
ウガンダのプランテン生産
ウガンダでは農家全体の75%以上がバナナ・プランテンを生産しています。様々な種類のプランテン栽培されており、ウガンダの主食を支えています。
プランテンの調理方法
ウガンダでは「Matooke(マトーケ)」と呼ばれる「チマキ」に似た調理方法でプランテンを良く食べます。
甘いプランテンも存在する
ウガンダには「Gonja(ゴンジャ)」と呼ばれる「通常のプランテンより甘い種」が多く栽培されており、揚げるなどの調理がおこなわれ消費されます。
また、ウガンダではプランテンを発酵させた「酒」も生産されており、プランテンから作られた「Waragi(ワラギ)」という蒸留酒が人気です。プランテン以外に「キャッサバ」なども原料になります。
プランテンの消費も多い
ウガンダでは1日に約1kgのプランテンが消費されています。
ウガンダのプランテン生産地
主に東部の「カプチョルワ県」でプランテン生産がおこなわれています。カプチョルワ県は「エルゴン山」の麓に存在しており、プランテンを栽培するのに適した気候を有しています。
気候変動問題
近年、気候変動の影響と思われる大雨などが続いています。洪水などが多発し、プランテンや、その他の作物の栽培に甚大な影響を与えています。
カメルーン
プランテン 情報
カメルーンのプランテン
カメルーンで利用されるフランス語でプランテンは「planter(プランテー)」です。
カメルーンはどこ?
カメルーンはアフリカ大陸の西部に位置し、「ナイジェリア」「チャド」と国境を接しています。プランテンの生産はアフリカ大陸の西部が多く、カメルーンも世界有数のプランテン栽培地になります。
カメルーンのプランテン生産
カメルーンは非常に多くのプランテンを生産しており、「ウガンダ」「ガーナ」「コンゴ民主共和国」同等の量を生産しています。国内では主食の一つとして消費される他に、様々な料理に利用されています。
カメルーンのプランテン生産地
主に「南部」でプランテン生産がおこなわれています。
北部と南部で主食の傾向が違う
カメルーン北部では「トウモロコシ」「ソルガム」などが主食として用いられる事が多くなっていますが、南部では「プランテン」「キャッサバ」の消費が多くなっています。
プランテンの輸出
カメルーンはバナナ・プランテンの他に「カカオ」「コーヒー」などが多く輸出されています。「原油」の産出国であり、サブサハラ地帯の中では経済的に余裕があります。
南米でバナナ・プランテンの需要が増加しており、カメルーンのプランテンの生産量は今後増加すると思われます。
コンゴ民主共和国
プランテン 情報
コンゴ民主共和国のプランテン
コンゴ民主共和国で利用されるフランス語でプランテンは「planter(プランテー)」です。
コンゴ民主共和国の主食の一つ
コンゴ民主主義共和国ではプランテンが「キャッサバ」の次いで生産されており、主食の一つとして国内で非常に多く消費されます。
100種以上のプランテン
コンゴ民主共和国には100種類以上のプランテンが存在するとされています。プランテン・バナナの研究は現在も続けられており、今後は生産量の増加と共に気候変動問題に適応した種や、厳しい環境でも栽培が可能なプランテンなどが開発されると思われます。
バナナの病気
コンゴ民主共和国だけではありませんが、世界中でバナナの病気が発生しています。バナナは「連作障害:同じ場所で生産を続けると生産量が低下したり作物に影響がでる」が発生する植物であり、「輪作」や、場所を移して栽培する必要がります。また、土の中に存在する「カビ」などが「バナナの木を枯らす」などの原因になっており、何らかの対策が必要になると思われます。
コンゴ民主共和国の餅「Fufu(フフ)」
コンゴ民主共和国では「キャッサバ」から作られる「Fufu(フフ):キャッサバを粉状にして水を加え餅状にした物」が主食の一つとして消費さえていますが、フフにプランテンを加える場合も多くなります。
フフの作り方は国・地方により異なり、中央アフリカでは「キャッサバ」をメインにしていますが、「米」「ジャガイモ」を利用する地域も存在します。
コンゴ民主共和国のプランテン生産地
主に南部の「カサイ州」「ルルア州」、中南部の「東カサイ州」、東部の「南キヴ州」、北東部の「北キヴ州」、南西部などで様々な種類のプランテンが栽培されています。
ガーナ
プランテン 情報
プランテンはガーナの主食の一つ
ガーナでは「ヤムイモ」「キャッサバ」を主食として主に消費していますが、プランテンも主食の一つとして非常に多くの消費量があり、年間平均約100㎏以上のプランテンを消費しています。
生産の質が悪い
ガーナではバナナ・プランテンを非常に多く生産していますが質が悪く、害虫や病気にかかるプランテンが多くなる傾向があります。ガーナ全体的の20%~50%のプランテンに問題があるとされ、一部の農家では80%以上のプランテンに問題があります。
問題のあるプランテン対策
病気に強い品種の開発、栽培にコストがかからない新種の開発などがおこなわれています。
ガーナのプランテン
茹でたプランテンがスープ・シチューなどに加えられる事が多く、「炒めたプランテンと黒豆」が一般的なガーナの朝食のメニューです。
ガーナのプランテン生産地
主に南東部の「イースタン州」、南部の「アシャンティ州」「ブロング=アハフォ州」など湿度の高い南部で生産がおこなわれています。
フィリピン
プランテン 情報
フィリピンのプランテン
フィリピンで利用されるタガログ語でプランテンは「Plantain(プランテン)」です。
ミンダナオ島のバナナ生産が多い
フィリピンは「2018年に生産されたバナナ」の80%以上が「ミンダナオ島」で生産されています。
主にミンダナオ島の北部の「北ミンダナオ」、南東部「ダバオ」、南西部の「ソクサージェン」などで生産されており、99%が「キャベンデッシュ種」になります。
バナナは連作障害を起こしやすい
バナナは連作障害を起こしやすい果物です。南米では2~3度収穫した後、場所を移して栽培します。
これは土壌の栄養分を「農作物」が吸い上げてしまう事により、土壌の栄養分が減少し、病気などにもかかりやすくなります。減少した土壌の栄養を回復させるため土地を休ませる必要があり、場所を移して栽培をおこないます。
違う作物に切り替える
作物の連作障害を避けるには「連作障害に強い品種に切り替え」や、土壌のバランスを改善するために「違う作物の作付け」が必要になります。
「小麦」なども連作障害を起こす作物であり、ロシアでは小麦と共に「ルピナス」を植え、土壌のバランスを整えるなどの農業がおこなわれています。この方法は「除草剤」「肥料」を利用しない新しい農業であり、小麦の生産量も1.3倍に増加するなどメリットも大きくなっています。
ナイジェリア
プランテン 情報
ナイジェリアのプランテン生産地
主に南部の「アクワ・イボム州」、南東部の「クロスリバー州」、南部の「イモ州」、中南部の「エヌグ州」、南部の「リバーズ州」「エド州」「デルタ州」、南西部の「ラゴス州」「オグン州」、中南西部の「オスン州」「オヨ州」など南部でプランテン生産がおこなわれています。
もっとも投資額が少ないビジネス
ナイジェリアでは「バナナ生産」が最も低予算で始められる「ビジネス」として紹介されていています。プランテンは成長が非常に速く、一本のプランテンの木から5束~15束のプランテンが収穫できるため、ナイジェリアでもっとも生産性高く信頼できる生産物として多く栽培されています。
揚げたプランテンが人気
ナイジェリアでは「揚げたプランテン」が特に人気があるようです。お菓子などに加工されたプランテンも非常に多く、国内で人気があります。
ラゴスの人口爆発
ナイジェリアの南西部の「ラゴス」は「世界一の人口都市」になると予想されています。現在の人口は約800万人~1000万人であり、爆発的に人口増加が続き5000万人を超えると予想されています。
コロンビア
プランテン 情報
コロンビアのプランテン
コロンビアで利用されるスペイン語でプランテンは「Plantain(プランテン)」です。
コロンビアのプランテン生産地
主に北東部の「アラウカ県」でプランテンの生産量が多く、国内で生産されるプランテンの15%以上がアラウカ県で生産されています。
その他に中部の「メタ県」「カサナレ県」、中北部の「カルダス県」、中部の「キンディオ県」、中西部「リサラルダ県」、中西部「トリマ県」、南西部「カウカ県」、北西部の「アンティオキア県」、西部の「チョコ県」「コルドバ県」でプランテン生産がおこなわれています。
生産量の増加
コロンビアはプランテンの需要が増加しており、生産量が増加しています。海外輸出もおこなっており、「米国」「イギリス」などへの輸出量が増加しています。
コートジボワール
プランテン 情報
コートジボワールのプランテン
コートジボワールで利用されるフランス語でプランテンは「planter(プランテー)」です。
コートジボアールのプランテン生産
非常に多くの「カカオ」「コーヒー」「カシューナッツ」が生産されており、生産品の多くが海外へ輸出されています。主食となる「キャッサバ」「プランテン」は自給自足が基本であり、主に国内で消費されています。
増加する人口
国内の人口が増加しており、主食となる「キャッサバ「プランテン」の生産量が増加してます。
コートジボアールのプランテン生産地
主に南東部のラギューヌ地方「Akoupé(アクーペ)」で多くのプランテンが生産されています。
ミャンマー
プランテン 情報
ミャンマーのプランテン
ミャンマーで利用されるビルマ語でプランテンは「တူနီးရှား(テヌシャー)」です。
中国からの投資により生産量が増加
中国は国内の人件費の高騰が続いており、人件費が安い海外でバナナ生産をおこなう投資などがおこなわれています。ミャンマーの中国資本の農園などでは生産されたバナナはコストが非常に安くすみ、ミャンマーの北部地域では中国企業によるプランテーションの争奪戦が発生してます。
中国のバナナ爆買い
中国のでバナナは人気が高く、多くの海外で生産したバナナを国内へ輸出しています。一部の農家では農薬による土壌汚染などが発生しており、問題になっています。
ドミニカ共和国
プランテン 情報
ドミニカ共和国のプランテン
ドミニカ共和国利用されているスペイン語でプランテンは「Plantain(プランテン)」です。
ドミニカ共和国のプランテン生産地
主に北部の「エスパイジャト州」、中部の「ラ・ベガ州」、中部の「Hermanas Mirabal(エルマナス ミラバ州)」、中北西部の「サンチェス・ラミレス州」、北部の「バルベルデ州」、南西部の「バラオーナ州」、北西部の「モンテ・クリスティ州」などでプランテン生産がおこなわれています。
ドミニカ共和国は大きい
ドミニカ共和国はカリブ諸島に浮かぶ島であり、人口は1千万人を超えています。フルーツの消費量が非常に多く、柑橘系フルーツなども多く消費されます。
生産したフルーツは主に米国へ輸出
ドミニカ共和国で生産されたフルーツは主にアメリカへ輸出されています。
まとめ
日本ではプランテンが生産されていない
日本はプランテンを生産していません。生産はプランテンを主食にする国が多く、生産地域は限定的です。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Plantains and cooking bananas, Production (t)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2021年09月22日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。