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しびれる辛さ!世界のクローブ 生産量ランキング

世界各国に人気が上昇!しびれるスパイス

「クローブ」は強い香りと刺激がある風味の「スパイス」です。「中国」から伝わったとされるクローブは日本では古墳時代中期から利用されており、奈良時代には「薬」「芳香剤」とて利用されていました。

クローブはどの国がどのくらい生産しているのでしょうか?

世界のクローブ【チョウジ】
生産量 ランキング

世界のクローブ生産量
世界一位 インドネシア
世界二位 マダガスカル
世界三位 タンザニア

世界のクローブ 生産量ランキング
Cloves
Production (tonnes/year)

生産量
(t)
2022年
世界183452.31
インドネシア133955
マダガスカル24307.82
タンザニア8562.41
コモロ7277.87
スリランカ5722
ケニア2041.97
中国1320.19
マレーシア224.71
グレナダ40.33
メキシコ0
モロッコ0
セーシェル0
トーゴ0

各国
クローブ 情報

クローブのエネルギー
クローブは100gあたりのエネルギーは約270Kcalです。

クローブとは?
クローブはフトモモ科の植物「チョウジノキ」の花のつぼみを乾燥させた「香辛料」です。歴史は古く、縄文時代中期~後期にかけて日本に伝わり、奈良時代にその利用方法が記された書物などが見つかっています。古くから「薬」として利用される事が多く、「胃薬」などとして利用されていました。

また、強い香りから「臭みをとる香草」「芳香剤」としても利用されていました。

どうやって使うの?
辛味があり、舌が痺れるような刺激があります。基本的に肉料理や魚料理に加えられます。

クローブの語源
形が「獣の爪」のような形をしており、爪を意味するラテン語の「clavus(クラブス)」が語源です。

クローブの鮮度チェック
クローブの鮮度は「茎を爪の先で強く押した時に少量の油を分泌」する場合は新鮮です。または「水に浮かべ垂直に浮く or 沈ずむ」場合は新鮮です。古くなったクローブは水平に浮きます。

日本では「粉状」になったクローブが良く利用されていますが、単体でも販売されています。

インドネシア
クローブ 情報

インドネシアのクローブ
クローブはインドネシア語で「Cengkeh(チェンケン)」です。

クローブの栽培には雨量が必要
クローブの栽培は栽培に「適した土壌」「適切な気候」「1500mm以上の年間降水量」が必要であり、インドネシアはクローブの栽培に適した土地を有しています。

クローブ農家の高齢化
インドネシアは非常に多くのクローブを生産していますが「農家の高齢化」が深刻化してきています。

収穫は手作業
インドネシアはクローブの収穫が手作業でおこなわれています。クローブの木は背が高く、「はしご」をかけて登る必要があるため、高齢者には危険な作業になります。

収益性の高い生産物
クローブは収益性の高い生産品です、日本でも非常に高額で取引されており、1キログラムあたり4000円~5000円(2023年)で販売されています。インドネシアは農家で収穫されたクローブを企業に売却するのが一般的であり、日本の「農協」に近いシステムになります。

インドネシアのクローブ生産地
主にジャワ島の「東ジャワ州」「マルク諸島のマルク州」「スラウェシ島」「カリマンタン島の東カリマンタン州」でクローブ栽培がおこなわれています。

マダガスカル
クローブ 情報

マダガスカルのクローブ
クローブはマダガスカルで利用されるフランス語で「Clous de girofle(クロウデジーフレ)」です。

マダガスカルのクローブ栽培
マダガスカルにクローブがやってきたのは1800年代です。マダガスカルの住民により持ち込まれた苗木を本土に植え、栽培が開始されました。

クローブの生産地
クローブはマダガスカルの「東海岸」に沿って生産面積が拡大し、1920年~1930年の間にクローブ生産量が大きく増加しています。クローブ栽培はマダガスカル全土に広がり、「米」「野菜」などの収益が得られない10月~3月に収穫され、国内の重要な収入源になります。

クローブがもたらす様々な効果
クローブには「抗菌」「殺菌」「防腐」「抗酸化」「麻酔」「鎮痛」「抗炎症」などの効果があり、「薬」としても利用されています。

タンザニア
クローブ 情報

タンザニアのクローブ
クローブはタンザニアで利用されるスワヒリ語で「Karafuu(カラフ)」です。

タンザニアのクローブ生産地
タンザニアではアフリカの東海岸のインド洋に浮かぶ「ザンジバル諸島」でクローブの栽培がおこなわれています。ザンジバル諸島は「ザンジバル革命政府」が統治する自治政府が存在します。

増加する人口問題
タンザニアはザンジバルのクローブ生産・群島の森林保全を推進していますが、観光地として有名なザンジバル諸島の人口が増加していており、「建物の建築」「投資家に土地を売却」「リース契約」などがおこなわれています。

ザンジバルでは政府の土地売却や開発計画に対し、大きな懸念を抱いています。

コモロ
クローブ 情報

コモロのクローブ
クローブはコモロで利用されるフランス語で「Clous de girofle(クロウデジーフレ)」です。

コモロはどこ?
コモロスは「マダガスカル」の近くに存在する島国であり、主に観光業を生業としています。

生産されたクローブは世界中に輸出されている
コモロは非常に多くのクローブを生産しており、国内で生産されたクローブが世界中に輸出されています。主な輸出先は「インド」「アラブ首長国連邦」「アメリカ」「ドイツ」「パキスタン」「ギリシャ」「ベナン」「フランス」「ベトナム」などです。

人口が増加している
コモロは人口は増加しており、今後もクローブの生産量が増加すると思われます。

石油産出国
コモロは少量ですが「石油」を産出する国であり、月間400リットル程度の石油が算出されています。算出された石油は主に「フランス」へ輸出されます。

スリランカ
クローブ 情報

スリランカのクローブ
クローブはスリランカで利用されるシンハラ語で「කරාබු නැටි(カラブネティ)」です。

スリランカのクローブの歴史
スリランカにクローブが導入の時期は不明ですが、スリランカの位置は海運上「アジア」から「ヨーロッパ」「アフリカ」「中東」などへ輸出をおこなう際に立ち寄る場所であり、様々なスパイスが集まる場所でした。

アラブ人、またはスリランカへの入植者がクローブを国内へ持ち込み、栽培が開始されたと思われます。

クローブは貴重な香辛料
「ナツメグ」「コショウ」と共にクローブは香辛料の一つとして重宝されました。中世ではクローブはアラブ人により取引されており、15世紀にポルトガル人も取引を開始しています。ポルトガルに運ばれたクローブはヨーロッパへ運ばれ、1キログラムあたり7グラムの「金」と同等の価値で取引されていました。

その後、スペインやフランスも取引を開始し、フランスの配置にあった「ザンジバル諸島」「マダガスカル」などの西インドで栽培が開始されました。

スリランカのクローブ生産地
主に「中部州」、南西部の「ケガラ県」「マータレー県」などの中部でクローブ栽培がおこなわれています。

ケニア
クローブ 情報

ケニアのクローブ
クローブはケニアで利用されるスワヒリ語で「Karafuu(カラフ)」です。

ケニアのクローブ生産地
主に北東部の「タンガ州」「Muheza District(ムヘザ県)」で多くのクローブが生産されています。ムヘザ県では様々なスパイスが生産されており、「カルダモン」「シナモン」なども栽培されています。

シナモンやクローブなどの貴重なスパイス
ケニアでは貴重なスパイスを栽培する事が可能な暖かい土地を有しています。香辛料の栽培に対する投資なども活発におこなわれており、今後も生産量が増加すると思われます。

中国
クローブ 情報

中国のクローブ
クローブは中国語で「丁香(ディンシャン)」です。

漢方薬として利用
中国でもクローブの歴史は古く、食用以外に「薬」として利用されます。

中国の「五大香辛料」
日本の調味料「さしすせそ」のように、中国にも「五大香辛料」が存在します。中国では「アニス」「クローブ」「シナモン」「サンショウ」「フェンネル」です。

中国のスパイス生産地
主に南部の「広西チワン族自治区」で多くのスパイスが生産されています。広西チワン族自治区ではクローブ以外にもアニス・シナモン・コショウなどが生産されており、中国で利用される多くのスパイスの産地です。

マレーシア
クローブ 情報

マレーシアのクローブ
クローブはマレーシアで利用されるマレー語で「bunga cengkih(ブンガチェンキー)」です。

マレーシアのクローブ生産
主に北西部の「ペナン州」で多くのクローブが生産されています、ペナン州では「ナツメグ」も多く生産されており、中国やヨーロッパなどへ輸出がおこなわれています。

マレーシア料理を引き立たせるスパイス
マレーシアでは料理の味を引き立たせるために多くのスパイスが利用されます。「クローブ」「アニス」「カルダモン」を加えた「ビリヤニ:インドのチャーハン」はマレーシアでも人気があり、その他の多くの料理にスパイスが利用されます。

グレナダ
クローブ 情報

グレナダはどこ?
グレナダはカリブ諸島に浮かぶ島国の一つです。

グレナダで成長するスパイス栽培
グレナダでは「ナツメグ」「シナモン」「クローブ」などの貴重なスパイスの栽培が可能な土地を有しており、国内の貴重な収入源です。近年、気候変動の影響と思われる「ハリケーン」などが多発しており、農業に甚大なダメージを受けています。スパイス農家も深刻な影響を受けている地域があり、非常に大きな問題になっています。

まとめ

日本では生産されていない
日本にはクローブが5世紀~6世紀に紹介され、貴重な輸入品として扱われていました。現在、日本ではクローブを生産していません。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Cloves (whole stems), raw, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2021年10月02日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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