世界一消費される果物バナナ
主食としての消費も
バナナは熱帯・亜熱帯で栽培される植物であり、「主食」として消費する国も多く存在します。日本でも栽培されていますが限定的であり、国内で流通するバナナの大多数が輸入品になります。
世界ではどの国がどのくらいバナナを生産しているのでしょうか?
世界のバナナ
生産量 ランキング
世界のバナナの生産量
世界一位 インド
世界二位 中国
世界三位 インドネシア
世界のバナナ生産量ランキング
Bananas
Production (Tonnes/year)
国 | 生産量 (t) 2022年 |
---|---|
世界 | 135,112,326.37 |
インド | 34,528,000.00 |
中国 | 11,776,800.00 |
インドネシア | 9,245,427.05 |
ナイジェリア | 8,019,203.34 |
ブラジル | 6,854,222.00 |
エクアドル | 6,078,788.71 |
フィリピン | 5,899,704.79 |
グアテマラ | 4,762,666.77 |
アンゴラ | 4,589,099.00 |
タンザニア | 3,500,880.33 |
メキシコ | 2,600,601.48 |
コロンビア | 2,521,732.57 |
ベトナム | 2,514,820.16 |
コスタリカ | 2,494,250.00 |
ペルー | 2,392,584.29 |
ルワンダ | 2,208,467.63 |
ケニア | 1,902,000.00 |
ドミニカ共和国 | 1,397,441.99 |
タイ | 1,288,312.50 |
ブルンジ | 1,271,767.56 |
パプアニューギニア | 1,227,633.25 |
エジプト | 1,213,697.51 |
エチオピア | 1,096,005.28 |
テュルキエ | 997,244.00 |
スーダン | 947,228.64 |
カメルーン | 878,280.32 |
バングラデシュ | 826,179.00 |
コンゴ民主共和国 | 808,443.00 |
ラオス | 737,470.00 |
ホンジュラス | 559,262.55 |
コートジボワール | 531,382.44 |
ベネズエラ | 528,550.00 |
マリ | 524,896.00 |
南アフリカ | 502,069.00 |
モザンビーク | 466,534.00 |
マラウイ | 420,705.99 |
パナマ | 397,575.92 |
マダガスカル | 388,459.63 |
スペイン | 348,870.00 |
台湾 | 334,843.94 |
モロッコ | 334,537.00 |
マレーシア | 329,572.65 |
ネパール | 317,534.00 |
カンボジア | 310,000.00 |
ボリビア | 308,180.58 |
オーストラリア | 280,836.63 |
ハイチ | 240,356.93 |
キューバ | 237,354.44 |
ギニア | 229,998.67 |
フランス | 225,530.00 |
パキスタン | 215,570.00 |
ジンバブエ | 197,458.44 |
イスラエル | 183,000.00 |
アルゼンチン | 176,654.89 |
中央アフリカ共和国 | 142,580.14 |
リベリア | 142,303.39 |
イエメン | 138,743.59 |
イラン | 132,277.93 |
ガーナ | 109,873.86 |
プエルトリコ | 102,163.51 |
パラグアイ | 94,318.99 |
ニカラグア | 89,584.94 |
コンゴ | 89,082.48 |
ベリーズ | 86,210.00 |
レバノン | 81,658.60 |
コモロ | 80,959.82 |
ジャマイカ | 72,848.00 |
セントビンセント グレナディーン諸島 | 59,380.97 |
ブルキナファソ | 46,360.39 |
ヨルダン | 42,829.24 |
セネガル | 36,000.00 |
赤道ギニア | 30,865.47 |
ポルトガル | 28,460.00 |
トーゴ | 24,357.57 |
ソマリア | 23,610.48 |
ポリネシア | 23,445.01 |
サウジアラビア | 22,400.00 |
サモア | 21,974.04 |
ベナン | 20,386.93 |
ガイアナ | 18,687.00 |
オマーン | 18,427.00 |
ガボン | 18,282.09 |
エスワティニ | 17,956.92 |
バヌアツ | 17,062.17 |
エルサルバドル | 13,989.23 |
ドミニカ | 11,524.46 |
バハマ | 10,114.35 |
フィジー | 10,097.31 |
モーリシャス | 9,829.00 |
ミクロネシア | 9,580.41 |
ギニアビサウ | 8,392.38 |
スリナム | 7,947.09 |
キリバス | 7,540.87 |
セントルシア | 7,015.00 |
サントメ プリンシペ | 5,885.16 |
キプロス | 5,480.00 |
ギリシャ | 4,700.00 |
カーボベルデ | 4,628.00 |
アメリカ合衆国 | 3,517.31 |
パレスチナ | 3,379.41 |
トリニダード・トバゴ | 3,286.01 |
グレナダ | 2,558.00 |
ブータン | 2,139.16 |
ミクロネシア | 2,039.53 |
セーシェル | 1,992.71 |
ニューカレドニア | 1,879.10 |
ブルネイ | 1,673.00 |
トンガ | 867.41 |
ザンビア | 689.75 |
東ティモール | 638.33 |
アラブ首長国連邦 | 335.55 |
ソロモン諸島 | 318.93 |
ツバル | 290.65 |
バルバドス | 259.00 |
アルジェリア | 236.75 |
モルディブ | 217.31 |
フランス領ポリネシア | 210.86 |
シリア | 197.00 |
ニウエ | 82.03 |
日本 | 18.26 |
トケラウ | 15.98 |
アンティグアバーブーダ | 7.04 |
クック諸島 | 4.05 |
オーストリア | 0.00 |
バーレーン | 0.00 |
ベルギー | 0.00 |
ブルガリア | 0.00 |
クロアチア | 0.00 |
チェコ | 0.00 |
デンマーク | 0.00 |
エストニア | 0.00 |
フィンランド | 0.00 |
ドイツ | 0.00 |
ハンガリー | 0.00 |
アイルランド | 0.00 |
イタリア | 0.00 |
クウェート | 0.00 |
ラトビア | 0.00 |
リビア | 0.00 |
リトアニア | 0.00 |
ルクセンブルク | 0.00 |
マルタ | 0.00 |
オランダ | 0.00 |
ポーランド | 0.00 |
大韓民国 | 0.00 |
ルーマニア | 0.00 |
シンガポール | 0.00 |
スロバキア | 0.00 |
スロベニア | 0.00 |
南スーダン | 0.00 |
スウェーデン | 0.00 |
ウガンダ | 0.00 |
各国
バナナ 生産量

バナナの重さ・エネルギー
バナナの重さは1本約200gであり、皮をむくと約120gになります。カロリーは1本約80~90カロリーです。
バナナは一日何本まで食べて良いの?
日本の果物の摂取量の目安は1日200グラムであり、バナナに換算すると1本~2本程度になります。バナナを主食として消費する国々でも1日の摂取量は1日に2本程度になります。
バナナは世界一消費される果物?
はい。バナナは世界一多く消費される果物です。1位バナナ、2位リンゴ、3位ミカンの順で消費が多くなります。バナナは「プランテン:調理用バナナ」などが主食として消費する国が多く、更に世界中に輸出され、寒冷な土地でも食べることが可能な果物です。
「バナナの消費量ランキング」の記事はこちらになります。よろしかったら一緒にご覧ください。
バナナには「甘味が少ない調理用バナナ」が存在し、多くの国で「主食」として消費されています。
「調理用バナナ(プランテン)の生産量ランキング」の記事はこちらになります。よろしかったら一緒にご覧ください。
インド
バナナ 情報
インドのバナナ
バナナはインドで利用されるヒンディー語で「केला(ケラ)」です。
インドのバナナの品質が向上
近年、インドのバナナの品質が向上しており、国外への輸出量が増加しています。輸出先は「アラブ首長国連邦」「バーレーン」「エジプト」「サウジアラビア」「カタール」「イラン」などの中東やアフリカ諸国に輸出しています。
輸送期間が短い
「フィリピン」「インドネシア」などバナナ輸出強豪国は、西アジア(主に中東)へのバナナの輸送に3週間程度の時間を要しますが、インドで生産されるバナナは1週間程度で到着します。インド産のバナナの輸送は「地理的に有利」であり、西アジアへの輸出が増加しています。
なぜ今までインド産のバナナ
輸出されなかったか?
インド産のバナナは「品質」に問題があり、海外への輸出量が限定的でしたが、現在は品質の向上・国内の交通インフラの整備・保存施設などが建設され、低価格で質の良いバナナが短時間で海外へ輸出しています。
国内の農作物は「生産から販売」までのスピードが向上しており、今後バナナを含めた多くの農作物の輸出が更に増加すると思われます。
日本はインド産バナナを輸入していない
現在、日本はインド産のバナナを輸入していません。
中国
バナナ 情報
中国のバナナ
バナナは中国で利用される「中国語で香蕉(シャンジャオ)」です。
中国でバナナの人気が上昇
国内で非常に多くのバナナを栽培していますが、バナナ需要が追いつかず、他国から多くのバナナを輸入しています。
日本のフィリピン産バナナの関税
日本はフィリピン産バナナに8%~16%の関税をかけており、フィリピン政府は「関税の撤廃交渉」を日本政府とおこなっています。日本は「フィリピン産バナナの輸入量世界一」でしたが、2018年から「中国」がフィリピン産バナナの輸入量世界一になっています。
バナナの爆買い
国内でバナナの人気が上昇しており、「ミャンマー」などバナナの生産が可能な中国近辺の国々の土地を買い上げ、中国資本のバナナ農園が経営・生産されたバナナを中国へ輸出しています。労働者は元々その場所でバナナ生産をしていた人が多く、「給料が大きく上昇」するなど利点がありますが、農園で利用される農薬により「土壌汚染」などの問題も発生しています。
インドネシア
バナナ 情報
インドネシアのバナナ
バナナはインドネシア語で「Pisang(ピーサング)」です。
インドネシアのバナナ生産地
バナナは「インドネシアで最も生産量が多い果物」であり、インドネシアの経済を支える重要な輸出品です。主に「ジャワ島」で生産されていますが、「スマトラ島」でも多くのバナナが栽培されています。
調理用バナナ「プランテン」
日本では馴染みのない調理用バナナ「プランテン」がインドネシアで多く生産されています。プランテンは通常のバナナと味が大きく異なり甘味が少なく、基本的に「蒸す」「茹でる」「揚げる」などの調理をおこないます。
東南アジアやカリブ諸国などで「主食」として消費されるため、消費量が多くなります。
ブラジル
バナナ 情報
ブラジルのバナナ
バナナはブラジルで利用されるポルトガル語で「Banana(バナナ)」です。
ブラジルのバナナ生産地
主に南東部の「サンパウロ州」、「バイーア州」、「ミナスジェライス州」「サンタカタリーナ州」で多くのバナナが生産されており、これらの州の生産量は国内で生産されるバナナの半数を超えます。
国内で生産されたバナナの多くが国内で消費されますが、隣国の「コスタリカ」「ウルグアイ」などに少量輸出しています。
輸出量が少ない
国内のバナナは品質・輸送などに問題があり、「フィリピン」「コスタリカ」「エクアドル」など「バナナ輸出強豪国」などに比べバナナの輸出が限定的です。
エクアドル
バナナ 情報
エクアドルのバナナ
バナナはエクアドルで利用されるスペイン語で「Banana(バナナ)」です。
日本でも販売されている
エクアドル産バナナ
エクアドル産のバナナは非常に品質が良く、「米国」「ヨーロッパ」などに多く輸出しています。2019年の輸出量は650万トンを超えており、世界で輸出されるバナナの24%がエクアドル産になります。日本もエクアドルから多くのバナナを輸入しており、輸入量は10万トンを超えています。
エクアドルのバナナ生産地
主に南部の「エル・オロ県」、南西部の「グアヤス県」、中南西部の「ロス・リオス県」などで多くのバナナ生産がおこなわれています。
エクアドルの重要な輸出品
エクアドルのバナナは「石油に次ぐ重要な輸出品」であり、エクアドルの経済を支える重要な生産物です。
フィリピン
バナナ 情報
フィリピンのバナナ
バナナはフィリピンで利用されているタガログ語で「saging(サーギン)」です。
フィリピンのバナナ生産地
国内で生産されるバナナの80%以上が「ミンダナオ島」で生産されており、ミンダナオ島北部の「北ミンダナオ」、南東部の「ダバオ」、南西部の「ソクサージェン」で生産され、99%が「キャベンデッシュ種」になります。
キャベンデッシュを蝕む病気「パナマ病」
キャベンデッシュ種は「病気に強い品種」として品種改良され、世界中で生産されるバナナの多くがキャベンディッシュ種ですが、近年「パナマ病」と呼ばれる病気に罹るバナナが増加しており、「木が枯れる」など大きな被害を受けています。
バナナは連作障害を起こしやすい
バナナは「連作障害:同じ場所で生産を続けると生産量が減少するなど」を起こしやすい果物であり、多くの国々では2~3回収穫した後、場所を移して栽培されます。
これは土壌の栄養分を「農作物」が吸い上げてしまう事により土壌が弱る事が原因であり、病気などにも罹りやすくなります。これを防ぐだめには「土壌を休ませる」「土地に栄養を与える」などの対応が必要になります。
また、「連作障害に強い品種に切り替え」や、土壌のバランスを改善するために「違う作物の作付け」などもおこなわれ、農家により対応が大きく異なります。
「小麦」なども連作障害を起こす作物であり、ロシアやウクライナでは小麦と共に「豆科の植物」植え、土壌のバランスを整える農業がおこなわれています。
また一部の農場では「ルピナス」を小麦と同時に栽培し、土壌のバランスを保っています。「除草剤」「肥料」を利用しない新しい農業であり、小麦の生産量(一部の農家では1.3倍程度)も増加してます。
アンゴラ
バナナ 情報
アンゴラのバナナ
バナナはアンゴラで利用されるポルトガル語で「Banana(バナナ)」です。
アンゴラはどこ?
アンゴラはアフリカ大陸の南東に位置し、「コンゴ共和国」「ザンビア」「ナミビア」と国境を接しています。
アンゴラのバナナ生産地
アンゴラは「アフリカ最大のバナナ生産国」であり、主に北西部の「ベンゴ州」、西部の「ベンゲラ州」の生産量が多く、多くの「キャベンデッシュ種」が国内で生産されています。バナナはアンゴラの経済を支える重要な生産物の一つです。
アンゴラは石油生産国
アンゴラは1955年に石油が発掘され、石油産出国の一つです。ナイジェリアに次いで多くの石油を産出していましたが、原油価格の急落以降、生産量は減少しています。
グアテマラ
バナナ 情報
グアテマラのバナナ
バナナはグアテマラで利用されるスペイン語で「Banana(バナナ)」です。
グアテマラのバナナ生産地
主に中部の「アルタ・ベラパス県」にある「サンタ・イサベル農園:個人経営」、南部の「エスクィント」、西部の「サン・マルコス県」、南部の「スチテペケス県」、中南西部の「ソロラ県」、南東部の「ケツァルテナンゴ県」で多くのバナナが生産されています。
コスタリカでは2万5千人以上の労働者がバナナ生産に従事しています。
サンタ・イサベル農園
サンタ・イザベル農園は個人経営の農園ですが、国内で生産されるバナナの30%以上がサンタ・イザベル農園で生産されています。農園では様々な農作物が生産されており、農園で生産される「コーヒー豆」は世界中で有名です。日本でも購入する事が可能です。
タンザニア
バナナ 情報
タンザニアのバナナ
バナナはアンゴラで利用されるスワヒリ語で「ndizi(ンディジィ)」です。
利用される肥料
タンザニアではバナナの栽培に「有機肥料」「無機肥料」が利用されます。
「無機肥料」とは
「無機肥料」は「無機質」からなる肥料であり、鉱山などから産出される「鉱物」などの人工的に生産される化学物質になります。直接植物に吸収され、素早い成長・生産量の増加に繋がります。
「有機肥料」とは
「有機肥料」は「有機物」からなる「動物性の肥料」であり、土の中の細菌などを増殖される目的で利用します。有機肥料には「油」「骨粉」「灰」などが含まれ、「野焼き」は植物が「灰」になり、土壌の細菌を増加させる効果があります。
無機肥料を恐れる農民
タンザニアのバナナ農家はバナナの栽培に利用される「無機肥料」が土壌にダメージを与えると考える人が多く存在します。実際に無機肥料は「土壌が痩せるなどのデメリット」があり、利用には「適正な量」「専門の知識」が必要になります。
コスタリカ
バナナ 情報
コスタリカのバナナ
バナナはコスタリカで利用されるスペイン語で「Banana(バナナ)」です。
コスタリカはどこ?
コスタリカ中米に位置する国であり、「ニカラグア」「パナマ」に国境を接しています。
コスタリカのバナナ生産地
主に西部の「リモン州」で多くのバナナが生産されています。リモン州では70%を超える労働者がバナナ生産に従事しており、生産されたバナナの多くが海外へ輸出されています。
コスタリカで栽培されるバナナの品種
コスタリカでは「キャベンデッシュ」「グランド・ナイン」「グラン・エナノ」「クリオロ」の4つであり、主にキャベンデッシュが栽培されています。
日本
バナナ 情報
日本で栽培されるバナナ
日本では主に「沖縄県」「鹿児島県」でバナナ生産がおこなわれていますが、生産量は限定的です。近年は「茨城県」を含む多くの都道府県で「温室」を利用したバナナ生産がおこなわれています。
世界で広がるバナナの病気
バナナは熱帯・亜熱帯で栽培されるメジャーな植物ですが、フィリピンなどでバナナの病気「パナマ病」などが蔓延しており、生産に影響が出ています。病気は世界中で拡大しており、アジア地域でも大きな被害が出ています。今後生産量にも大きな変化が現れる可能性があり、注視する必要があります。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Bananas, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2023年08月25日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。