一般的に利用されるのは「合成ミント」
「ミント」は調味料の一つとして料理・飲み物に添えられたり、加工品として利用されていますが、現在は「合成ミント」が利用される事がほどんどであり、商業的に天然のミントを生産している国は一部になります。
ミントはどの国がどのくらい生産されているのでしょうか?
世界のミント
生産量 ランキング
世界のミントの生産量
世界一位 モロッコ
世界二位 アルゼンチン
世界三位 メキシコ
世界のミント 生産量ランキング
Peppermint, spearmint
Production
国 | 生産量 (t) 2022年 |
---|---|
世界 | 51,081.46 |
モロッコ | 42,898 |
アルゼンチン | 6,977.3 |
メキシコ | 1,173.38 |
日本 | 32.77 |
台湾 | 0 |
エジプト | 0 |
ジョージア | 0 |
ヨルダン | 0 |
世界のミント
生産量 情報

ミントのエネルギー
ペパーミントは100gあたり約70カロリーです。
ミントのほとんどが「人工物」
ミントは非常に繁殖力が強く「雑草」として扱われる事が多くなりますが、世界で天然のミントを栽培している国は非常に限定的であり、日本も栽培しています。
「お茶として利用」
モロッコではミントを「茶」として利用する事が多く、国内で多くのミントが生産されています。世界的にも珍しい国で、「ミントティー」が大量に消費され、独特な「茶道」まで存在しています。
「ミント」はなぜ「スース―」するの?
ミントには「メントール」という成分が含まれており、この成分が体につくと「冷たい」と感じます。実際に体温が下がるわけではなく、冷たいと感じる反応です。
ミントは様々な品種が存在する
ミントは食用に利用される事もあり、現在は様々な品種が存在します。どのミントも繁殖力が強く、「雑草」扱いされる事がほどんどです。
世界の茶消費量ランキングはこちらになります。よろしかったらご覧ください。
モロッコ
ミント 情報
モロッコのミント
ミントはモロッコで利用されるアラビア語で「نعناع(ナーネア)」です。
ミント生産大国
ミントを商業的に生産している国は限定的であり、モロッコは世界有数のミント生産大国です。
ミントティーが日常的に消費される
モロッコは非常に多くの「ミントティー」を消費する国であり、ミント・茶の消費量が非常に多くなります。
モロッコでは年間約300杯以上の茶が消費されており、そのほとんどがミントティーです。茶の煎れ方にも強いこだわりがあり、自国で多くのミントを生産しています。
加糖されたミントティー
モロッコのミントティーには大量の「砂糖」が投入されます。虫歯になる人が多く、モロッコには多くの「歯医者」が存在します。
ミントティーは淹れ方に注意
ミントティーを作る際に2分以上煮だすと「胸やけ」を起こす恐れがあるので注意が必要です。
モロッコのミント生産地
主に北東部のカサブランカ=セタット地方の「Berrechid(ベリチィド)」で国内で生産されるミントの大多数が生産されています。
アルゼンチン
ミント 情報
アルゼンチンのミント
ミントはアルゼンチンで利用されているスペイン語で「Menta(メンタ)」といいます。
アルゼンチンのミント生産地
主に北部の「サンティアゴ・デル・エステロ州」で国内で生産されるミントの多くが生産されています。
エッセンシャルオイルとしての利用
アルゼンチンは「エッセンシャルオイル」の原料としてミントを多く栽培しています。アルゼンチンの「北西部」「中央部」では「ローズマリー」に近い香りを持つ「Peperina Mint(ぺぺリナ)」という品種のミントが栽培されており、国内外で人気があります。
ぺぺリナミントは薬としても利用されており、下痢、抗炎症、気管支のトラブルに利用される事があります。
天然ミントのエッセンシャルオイルは非常に少ない
天然ミントを利用したエッセンシャルオイルは非常に少なく、人工ミントが利用される事がほとんどです。
メキシコ
ミント 情報
メキシコのミント
ミントはメキシコで利用されているスペイン語で「Menta(メンタ)」といいます。
メキシコのミント生産地
主に北部の「コアウイラ州」、中部の「メキシコシティ」、中北部の「ドゥランゴ州」、中東部の「イダルゴ州」、南部の「オアハカ州」、中部の「ケレタロ州」、中東部の「トラスカラ州」、東部の「ベラクルス州」でミント生産がおこなわれています。
スペイン
ミント 情報
スペインのミント生産量
ミントはメキシコで利用されるスペイン語で「Menta(メンタ)」といいます。
スペインのミント生産
主に北西部の「ピレネー山脈」、北部の「バスク地方」、北西部の「ガリシア州」などでミントが生産されています。ミント生産は非常に限定的であり、主にスペインの北部での生産が多くなります。
生産されたミントは加工品、料理、飲物に利用されますが、一般的には人口的に作られたメントールの利用が多くなります。
様々なハーブ栽培
スペインの温暖な気候を利用した「ラベンダー」「ローズマリー」なども多く利用されています。商業的に生産している地域も多く、バレンシア州などで多くおこなわれています。
日本
ミント 情報
日本のミント生産地
日本は鎌倉時代に中国から伝わった「薄荷(はっか)」の栽培が岡山県で開始されたとしています。明治時代に「北海道」「新潟県」「千葉県」「神奈川県」「愛知県」で本格的に栽培がおこなわれ、国内で生産されたミントが世界中に輸出されました。
昭和中期になると日本のミントは世界的に有名になり、世界で生産されるミントの70%以上が日本で生産されていました。
現在は合成ミントが主流
現在は合成ミントが主流になり、天然のミントはほとんど生産されていません。北海道の「滝上町」で多くのミント生産がおこなわれており、国内で生産されている大多数のミントが滝上町で生産されています。
中国
ミント 情報
中国のミント生産量
ミントは中国語で「薄荷(ブォーカ)」です。
生産されるミントのほとんどが合成ミント
中国は過去にミントを多く生産していましたが、現在は国内で生産されるミントはほどんど存在しておらず、合成ミントの利用が一般的になっています。
中国のミント生産地(過去)
中国では過去に中東部の「安徽省(あんきしょう)」で多くのミント栽培がおこなわれていました。現在も安徽省などでミント生産がおこなわれていますが、限定的になります。
まとめ
ミント生産は世界的に少ない
ミントは簡単に生産できる植物ですが、「雑草」として扱われる事がほとんどで、使用されるミントのほとんどが人工物です。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Peppermint, spearmint, Production (t)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2023年09月21日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。