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世界の両生類の固有種数ランキング

両生類の固有種は
環境の変化に弱い

世界には多くの「両生類」が生息しており、その国にしか存在しない「固有種」なども多く存在します。日本の「サンショウウオ」の多くが固有種で、全滅の危機に瀕している種も存在します。

世界にはどの国にどれくらいの両生類の固有種が存在するのでしょうか?

世界の両生類固有種数
ランキング

世界の両生類(種)
世界一位 ブラジル
世界二位 コロンビア
世界三位
ペルー

両生類の固有種が多い国ランキング
Endemic amphibians (Number of type)

全滅危惧種
(種)
2022年
1ブラジル
(Brazil)
563
2コロンビア
(Colombia)
378
3ペルー
(Peru)
311
4マダガスカル
(Madagascar)
310
5メキシコ
(Mexico)
290
6パプアニューギニア
(Papua
New Guinea)
288
7中国
(China)
251
8インドネシア
(Indonesia)
218
9オーストラリア
(Australia)
209
10ベネズエラ
(Venezuela)
194
11アメリカ
(America)
191
12エクアドル
(Ecuador)
186
13インド
(India)
180
14スリランカ
(Sri Lanka)
101
15マレーシア
(Malaysia)
100
16フィリピン
(Philippines)
94
17タンザニア
(Tanzania)
90
18日本
(Japan)
81
19ベトナム
(Vietnam)
73
20ボリビア
(Bolivia)
72
21カメルーン
(Cameroon)
65
22南アフリカ共和国
(South Africa)
61
23ケイマン諸島
(Cayman Islands)
59
24ホンジュラス
(Honduras)
58
25コンゴ民主共和国
(Democratic Republic
of the Congo)
57
26グアテマラ
(Guatemala)
55
27コスタリカ
(Costa Rica)
52
28パナマ
(Panama)
48
29アルゼンチン
(Argentina)
48
30チリ
(Chile)
42
31カーボベルデ
(Cape Verde)
30
32ガイアナ
(Guyana)
29
33エチオピア
(Ethiopia)
26
34ミャンマー
(Myanmar)
24
35ドミニカ国
(Dominica)
22
36アンゴラ
(Angola)
22
37ハイチ
(Haiti)
21
38ケニア
(Kenya)
20
39台湾
(Taiwan)
18
40タイ
(Thailand)
17
41プエルトリコ
(Puerto Rico)
15
42イタリア
(Italy)
13
43セーシェル
(Seychelles)
11
44フランス領ギニア
(French Guiana)
10
45ネパール
(Nepal)
9
46ニカラグア
(Nicaragua)
8
47テュルキエ
(Turkiye)
8
48カンボジア
(Cambodia)
8
49ギニア
(Guinea)
8
50ラオス
(Laos)
7
51サントメ
プリンシペ
(Saint Thomas
and Prince)
7
52中央アフリカ
(Central African
Republic)
7
53スリナム
(Suriname)
7
54モザンビーク
(Mozambique)
6

各政府の情報などを元に
fumib.netが作成

各国の両生類の固有種
情報

両生類と爬虫類の違い
「水から離れて生活できるか・できないか」などが大きな違いになります。

両生類は「湿地帯や降水量の多い水辺」の近辺に多くに生息します。乾燥した地域にも両生類は存在しますが、限定的になります。

また、両生類は幼生期に「エラ呼吸」をおこない、成長すると「肺呼吸」をおこないます。

両生類が生きる意味
両生類だけではなく、全ての生き物は他の種を捕食する事により生命を育んでいます。生き物が生息する地域にはその生き物が生息するための「食料」が存在し、食べる事ができない種は全滅します。

環境の変化による大きなダメージ
両生類などは環境の変化に非常に弱く、少しの環境の変化により個体数が減少する場合があります。近年は「気候変動」の影響により「環境が変化」してきており、絶滅の危機に瀕する生物なども増加しています。

「世界の動物の固有種ランキング」の記事はこちらになります。


「世界の爬虫類の固有種ランキング」の記事はこちらになります。

関連記事


ブラジル
両生類の固有種
情報

ブラジルの固有種(両生類)
2022年にブラジルでは両生類の固有種が563種存在します。

アマゾンには多くの両生類が生息する
アマゾンなどの「熱帯雨林」は両生類が生活するのに適した環境を有しており、非常に多くの両生類がアマゾン地帯に生息しています。また、アマゾンには今までに発見されていない「新種の両生類」も多く生息している可能性があり、研究が続けられています。

両生類は「蚊」を食べる
両生類は「デング熱」「黄熱病」「チクングニア熱」「マラリア」などの危険なウイルスを保有している「蚊」を捕食します。これらのウイルスを媒介する蚊に刺される事により人が死亡するケースは非常に多く、両生類が減少する事により「蚊による伝染病の死亡率の上昇」に繋がる可能性があります。

果物に寄生する害虫も食べる
両生類は「チチュウカイミバエ」「ミカンコバエ」など「植物に寄生する害虫」なども捕食します。これらの害虫は植物を食い荒らし、果物の収穫に大きな影響を与えます。

両生類は危険なウイルスを媒介する蚊・作物害虫の数をコントロールする役割も果たしており、両生類の個体の減少は人間の生活に大きな影響を与える可能性があります。

アマゾンの森林火災
ブラジルでは近年発生している「森林火災」により、広大な面積の熱帯雨林が焼失しています。両生類の種の保護は人間が住みやすい環境を作るだけではなく森林の保全にも繋がり、地球を守る行動の一つになります。

コロンビア
両生類の固有種
情報

コロンビアの固有種(両生類)
2022年にコロンビアでは両生類の固有種が378種存在します。

両生類の楽園コロンビア
コロンビアには700種を超える両生類が存在しており、国内に広大な「熱帯雨林」を有しています。

「紛争」などで調査が難しい
コロンビアの北東部では「紛争」などが多く、50年近く生物の調査が非常に困難な状態が続いています。これらの地域では「未だに発見されていない多くの新種」が生息していると考えられており、今後あらたに新種の両生類が発見される可能性が高くなっています。

両生類の減少により発生する問題
両生類の減少により害虫の増加、また、両生類を捕食する動物の減少などにより「生態系のバランスが崩れる可能性」があります。

ペルー
両生類の固有種
情報

ペルーの固有種(両生類)
2022年にペルーでは両生類の固有種が311種存在します。

絶滅危惧種も多い
ペルーは多くの両生類が生息しており、国内に両生類が住みやすい様々な環境を有しています。しかし、絶滅危惧種も非常に多く、2022年に118種の両生類の固有種が絶滅の危機に瀕しています。

政府による環境保全
ペルー政府・環境保護団体により、「森林の保全」「絶滅危惧種の保護」などの活動がおこなわれています。しかし、国内に生息する40%の絶滅危惧種の生息地は未だ保護されておらず、近年では「カエルツボカビ症」などを発症する両生類が増加しています。

「カエルツボカビ病」とは?
「カエルツボカビ病」とは「カエルツボカビ」により引き起こされる「両生類の感染症」で、体の表面にカエルツボカビが寄生し増殖します。両生類は「皮膚呼吸」もおこなっており、ツボカビの増殖により皮膚呼吸ができない個体が「酸欠」にお陥り死に至ります。

カエルツボカビ病は爆発的に感染が広がっており、貴重な固有種の減少・絶滅などの要因になっています。

日本でもカエルツボカビ病を発症している両生類が報告されていますが、今のところ大きな問題にはなっていません。

マダガスカル
両生類の固有種
情報

マダガスカルの固有種(両生類)
2022年にマダガスカルでは両生類の固有種が310種存在します。

両生類の減少原因の多くが「カエルツボカビ病」
両生類の減少は「カエルツボカビ病」によって引き起こされる事が非常に多くなっています。

カエルツボカビ病は1970年代から増加し、両生類の輸入などにより各国へ伝播、多くの両生類に感染・大量死を引き起こしています。現在までマダガスカルではカエルツボカビ病が検出しておらず、カエルツボカビ病による両生類の減少は発生していません。

各国でカエルツボカビ病に罹患している両生類の割合
【スリランカ】で60%以上
【メキシコ】で50%以上
【エクアドル】で35%以上
【コロンビア】で30%以上の爬虫類がカエルツボカビ病に罹患しています。

世界的全体では約32%の両生類がカエルツボカビ病に罹患しています。

メキシコ
両生類の固有種
情報

メキシコの固有種(両生類)
2022年にメキシコでは両生類の固有種が290種存在します。

メキシコの主な両生類
メキシコでは「カエル」・「サンショウウオ(イモリなど)」・「アシナシイモリ:ミミズに似た両生類」の3グループに主にわけられ、国内の様々な場所に分布しています。

「イモリ」と「ヤモリ」の違い
「イモリ」は両生類で、「ヤモリ」は爬虫類になります。漢字では(イモリ:井守)・(ヤモリ:屋守)と書きます。

パプアニューギニア
両生類の固有種
情報

パプアニューギニアの固有種(両生類)
2022年にパプアニューギニアでは両生類の固有種が288種存在します。

パプアニューギニアの両生類
パプアニューギニアは温暖な気候で、非常に両生類が住みやすい環境を有しています。パプアニューギニアには190種を超える「カエル」が存在しており、非常に貴重な固有種が多く存在します。

生物や環境の調査は主に隣国の【インドネシア】と共におこなわれていますが限定的で、都市化による森林の伐採・鉱業による水質汚染の脅威にさらされています。水質汚染などは両生類に深刻な影響及ぼすことになり、注意が必要です。

パプアニューギニアの両生類の全滅危惧種(固有種)は2022年に26種とされています。

中国
両生類の固有種
情報

中国の固有種(両生類)
2022年に中国では両生類の固有種が251種存在します。

中国の両生類
中国では主に温かい気候を有する南部に多くの両生類が生息していますが、近年都市化などが進行、絶滅の危機に瀕する両生類の固有種などが増加しています。

食用として利用される両生類
中国では「カエル」などを食用として利用する文化が根付いており、カエルの肉を提供するレストランなども多く存在します。近年「カエル肉」の人気が上昇しており、カエルの「養殖場」なども増加しています。

日本の「ウシガエル」
日本でも食用として「ウシガエル」が米国から輸入・養殖がおこなわれましたが、食用としては習慣化されず、現在は「野生化」したウシガエルが全国に分布しています。

インドネシア
両生類の固有種
情報

インドネシアの固有種(両生類)
2022年にインドネシアでは両生類の固有種が218種存在します。

珍しい固有種の宝庫
インドネシアは日本の5倍以上の面積を有する国で、広大な「熱帯雨林」が国内に広がっています。貴重な両生類の固有種が多く存在しており、新種なども多く発見されています。

10%を超える固有種が全滅危惧種
インドネシアには2022年に24種の両生類の絶滅危惧種(固有種)が存在しており、国に存在する固有種の10%が絶滅危惧種になります。

その中には「非常に深刻な絶滅の危機」に瀕する種も存在しており、保護活動がおこなわれています。

オーストラリア
両生類の固有種
情報

オーストラリアの固有種(両生類)
2022年にオーストラリアでは両生類の固有種が209種存在します。

世界最多のバイオーム
オーストラリアには非常に多くのバイオームを有しており、国内に様々な生物が存在しています。しかし、大部分が「乾燥地帯」であるため、両生類の数は比較的に少なっています。

生息する生物の多くが「固有種」
オーストラリアは「大陸」ですが他の大陸と大きく離れており、国内に生息する生物の多くが固有種になります。両生類に関しては国内に存在する90%以上の両生類が固有種で、「カエル」だけでも100種を超えています。

「カエルツボカビ病」の蔓延
オーストラリアでも「カエルツボカビ病」が蔓延しており、種によっては全滅した種類の両生類などが存在します。

ベネズエラ
両生類の固有種
情報

ベネズエラの固有種(両生類)
2022年にベネズエラでは両生類の固有種が194種存在します。

「アンデス山脈」に両生類が多い
南米ベネズエラにも非常に多くの両生類が存在しており、主に「アンデス山脈」に多くの両生類が存在します。山岳地帯などに生息する両生類は環境の変化に非常に弱く、山岳地帯に生息する両生類の多くが絶滅危惧種になります。

まとめ

環境の変化で絶滅の危機も
両生類は「水の汚染」「森林の伐採」により個体数が減少します。両生類の減少による病気を媒介する虫や作物の害虫などの増加に繋がる恐れがあり、両生類の保護は非常に重要です。

また、両生類の保護は健全な森林を作る事に繋がり、地球や人間にとって理想的な環境繋がると考えられます。

人間の手によって破壊された環境を修復する事は人間の義務だと私は思います。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

fumib.net. "両生類の固有種が多い国ランキング" 2021年2月27日作成。 ©fumib.net. 2024年10月26日最終更新。

サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。

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