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生産国は極めて少ない!世界の蕎麦 生産量ランキング

蕎麦の生産量は少ない

蕎麦を生産している国は少数になります。消費の仕方も大きく異なり、脱穀した「蕎麦の実」を茹で、「米」のように食べるのが一般的な食べ方です。

日本と同様に蕎麦の実から「そば粉」つくり、麺に加工して食べる国は中国・韓国・イタリアになります。

蕎麦は一部の国で非常に人気があり、「主食」の一つとして消費されています。

世界ではどの国がどれくらいの蕎麦を生産しているのでしょうか?

世界のそば
生産量ランキング

世界のそば生産量
世界一位 ロシア
世界二位 中国
世界三位 ウクライナ

世界の蕎麦生産量ランキング
Buckwheat
Production (tonnes/year)

生産量
(t)
2022年
ロシア1,387,940.53
中国506,439.75
ウクライナ160,510.10
カザフスタン89,831.66
アメリカ合衆国89,802.66
ブラジル85,304.66
日本46,879.52
タンザニア27,785.50
ネパール20,423.11
ベラルーシ19,290.00
カナダ17,766.09
大韓民国10,829.00
ブータン1,707.48
ボスニア
ヘルツェゴビナ
1,133.11
南アフリカ224.98
ジョージア224.98
モルドバ113.18
キルギスタン102.91
ウズベキスタン17.00
グアテマラ12.00
タジキスタン0.00
オーストリア0.00

各国のそば
情報

蕎麦のエネルギー

「蕎麦の実」のエネルギーは100gあたり約350~370カロリーです。

蕎麦って海外の人も食べるの?
蕎麦は日本で「麺」に加工されるのが一般的ですが、海外では蕎麦の実を脱穀し、表面の殻を取り除いたものを茹でて食べます。生産量が少ないことから理解できるように、蕎麦を食べる国は限定的です。

蕎麦のカロリーは低い?
他の炭水化物と比べるとカロリーは低めです。また、白米・食パンと比るとGI値(食後血糖値の上昇を示す指標)が若干低い食べ物です。

なぜロシアは蕎麦を多く生産しているの?
蕎麦は寒い気候でも栽培が可能な植物です。蕎麦を主食にしている人も多く、非常に多くの蕎麦がロシア国内で生産されています。緊急事態が発生した場合は一番最初にスーパーマーケットから無くなる食べ物です。

「世界の小麦の生産量ランキング」はこちらになります。よろしかったらご覧ください。


ロシア
そば 情報

ロシアの蕎麦
ロシア語で蕎麦は「Гречневая крупа・Гречка(グレーチュカ)」です。

蕎麦はロシアの重要な主食の一つ
ロシアは「ジャガイモ」を主食とする国ですが、蕎麦もロシア国民を支える重要な主食の一つです。茹でた蕎麦の実を日本人が「米」を食べるような感覚で食べます。

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茹でた蕎麦の実に牛乳を加え「オートミール」や、そば粉を利用した「パンケーキ」など様々な用途で蕎麦を利用します。味は米より「甘みが少ない」ので慣れるまでに時間を要しますが、主食として毎日食べる人も非常に多く存在します。

世界の蕎麦の半分がロシアで生産
世界で生産されている蕎麦の半分がロシアで生産されていています。

日本は主に国産、または中国産の蕎麦を利用しますが、ヨーロッパではロシア産やウクライナ産の取り扱いが多くなっています。世界情勢の悪化により、蕎麦の値段が上昇しています。東欧でも蕎麦の値段が急上昇し、今後も上昇する可能性が高くなっています。

中国
そば 情報

中国の蕎麦
中語で蕎麦は「荞麦面(シャオマイミアン)」です。

日本の蕎麦は中国産が多い
中国も非常に多くの蕎麦を生産しており、日本は主に中国から蕎麦を輸入しています。「即席麺」などに加工されることも多く、ヨーロッパで販売されている蕎麦の即席麺は中国産が多くなります。

中国も蕎麦を麺に加工して食べる文化があり、「牛肉スープの蕎麦」「そぼろ蕎麦」など、日本と異なる「こってりした蕎麦」が好まれる傾向があります。

蕎麦の価格上昇
近年、中国の蕎麦の価格は上昇しており、2割~3割高になっています。「ロシア産の蕎麦」に注目が集まっていますが、ロシア産の蕎麦も中国の動きを見ながら蕎麦を値上げをしています。

フランス
そば 情報

フランスの蕎麦
フランスで蕎麦は「Sarrasin(サハラシン)」です。

フランスの蕎麦消費
フランスもロシア同様に茹でた蕎麦の実を食べます。

フランスの「ブルターニュ地方」は雨が多く、湿度が高い土地で小麦生産に向いていません。ブルターニュ地方は蕎麦生産が有名で、蕎麦を利用した料理が多く存在します。

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蕎麦を利用した「ガレット」は世界的に有名です。

ウクライナ
そば 情報

ウクライナの蕎麦
ウクライナ語で蕎麦は「Гречка(グレーチュカ)」です。

蕎麦はウクライナの重要な主食の一つ
ウクライナも蕎麦を「主食」として消費する国の一つです。

2020年にウクライナでは「小麦」の生産量が24,912,350トンで世界8位、「大麦」の生産量が7,636,340トンで世界9位、「ライ麦」の生産量が456,780トンで世界13位で、非常に多くの穀物を生産している「農業大国」です。

戦争の影響
日本国内でも蕎麦の価格が高騰化していますが、日本はウクライナから蕎麦を輸入していません。ウクライナの穀物は主にヨーロッパへ向けて輸出されており、戦争の影響で日本で蕎麦が食べられなくなる事はありません。しかし、間接的に価格が上昇するなど日本も大きな影響を受けています。

ウクライナでは「ジャガイモ」が主食として消費されます。

「世界のジャガイモ生産量ランキング」の記事はこちらになります。よろしかったらご覧ください。


カザフスタン
そば 情報

カザフスタンの蕎麦
カザフスタンで使用されているカザフ語で蕎麦は「қарақұмық(カラクムィク)」です。

ソビエト連邦の穀物不足を救った
カザフスタンの蕎麦
カザフスタンは旧ソビエト連邦の統治下に置かれた国の一つで、ロシアの食文化の影響を強く受けています。

1954年に旧ソビエト連邦の政治家「ニキータ・フルシチョフ」はカザフスタンでの農業開拓事業を提案し、国内で穀物の生産が始まりました。

穀物不足だったソビエト連邦は「カザフスタン」「シベリア地方」の穀物の生産により、一時的に穀物不足が解消されています。

ポーランド
そば 情報

ポーランドの蕎麦
ポーランド語で蕎麦は「Gryka(グリィーカ)」です。

蕎麦の粥「kasza(カーシャ)」
「カーシャ」はロシア・ウクライナ・ベラルーシ・ポーランドなどで食べられる「粥」です。蕎麦を利用したカーシャは重要な主食の一つとして多くの国で消費されており、ポーランドでも消費されます。

蕎麦のクレープ「naleśniki(ナレシニキ)」
「ナレシニキ」はパンケーキで、ポーランドでは蕎麦粉を混ぜたパンケーキが作られます。蕎麦粉を利用したパンケーキはフランスの「ガレット」や、ロシアの「ブリヌイ」などに利用されます。

米国
そば 情報

アメリカの蕎麦生産
アメリカでは「窒素肥料」が利用される以前は蕎麦の生産が盛んにおこなわれ、非常に人気のある穀物でした。窒素肥料の導入によりトウモロコシや小麦の生産量が増加し、次第に蕎麦の消費量の低下と共に生産量が減少しています。

なぜ窒素肥料が必要なの?
穀物の栽培は土地の栄養を吸い上げます。同じ作物を同じ場所で作り続けると「連作障害」などの問題が発生するため、窒素肥料の利用や「輪作」などがおこなわれます。

健康食として再人気
蕎麦は豊富な栄養素が含まれており、近年、健康食の一つとして人気が再上昇しています。アメリカでも蕎麦の粥が好まれ、フルーツやジャムを加えて朝食などに食べられています。

ブラジル
そば 情報

ブラジルの蕎麦
ブラジルで利用されているポルトガル語で蕎麦は「Trigo mourisco(トリーゴモーリスィコ)」といいます。

ブラジルの蕎麦栽培
蕎麦の成長周期が30日~90日と成長が速く、連作障害を避ける作物として利用される事が多くなります。

ブラジルの蕎麦の利用
ブラジルではパン・パンケーキなど食用の他に肥料などとし蕎麦が利用されます。近年、大麦・蕎麦の麦芽を利用した「ビール」などの発酵飲料の原料としても利用が増加しています。

ビールは「大麦」じゃないの?
ブラジルのビールは大麦以外の原料を45%まで利用しても「ビール」と名乗る事が可能で、「低コストのビール」として人気が上昇しています。

リトアニア
そば 情報

リトアニアの蕎麦
リトアニア語で蕎麦は「grikiai(グリキアイ)」といいます。

バルト三国でも蕎麦を多く生産している
バルト三国もロシア・ウクライナ同様に蕎麦を主食として食べる人が多く、国内で多くの蕎麦が栽培されています。

価格が高騰化
2022年の世界情勢の悪化により蕎麦の値段が高騰化しており、通常の価格の3倍~5倍に上昇しています。2022年後半に価格は下落してきていますが、国内の物価は上昇しており、全体的に食べ物の価格が上昇しています。

日本
そば 情報

日本の蕎麦消費の減少
食の欧米化により蕎麦の消費量は減少してきています。

蕎麦農家も減少傾向で、国内で利用される蕎麦は主に中国で生産された蕎麦が利用されています。世界的に蕎麦の値段は高騰しており、今後、日本国内での蕎麦生産量が増加するかもしれません。

まとめ

価格の高騰化
世界の情勢の悪化により、蕎麦の価格が高騰する可能性があります。日本は主に中国から蕎麦を輸入していますが、中国産の蕎麦の需要の増加により、値段の上昇が懸念されます。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Buckwheat, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2023年06月26日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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