様々な炭酸飲料の原料として利用
「コーラナッツ」は「コーラ」の原料として利用されていましたが、現在は利用されていません。2~4%のカフェインが含まれており、含有量は「カカオ」より多くなります。
コーラナッツはどの国でどのくらい生産されているのでしょうか?
世界のコーラナッツ
生産量ランキング
世界のコーラナッツ生産量
世界一位 ナイジェリア
世界二位 コートジボアール
世界三位 カメルーン
世界のコーラナッツ 生産量ランキング
Kola nuts
Production (tonnes/year)
国 | 生産量 (トン) 2022年 |
---|---|
世界合計 | 315024.47 |
ナイジェリア | 174107.87 |
コートジボワール | 58640.8 |
カメルーン | 48570.69 |
中部アフリカ | 48570.69 |
ガーナ | 24643.73 |
シエラレオネ | 8450.11 |
ベナン | 611.26 |
チャド | 0 |
各国
コーラナッツ 情報

コーラナッツとは?
コーラナッツはアオイ科コラノキ属コラノキ(Cola nitida)という植物の一種で、「オクラ」「カカオ」「ドリアン」などがアオイ科の植物に含まれています。
カフェインが含まれる
コーラナッツの種子には「カフェイン」が多く含まれています。アフリカなどで「嗜好品」として消費されており、強い渋みがあります。
コーラの原料として利用されていた
コーラナッツは名前の通り、「コーラ」の原料として利用されていました。現在コーラナッツを利用したコーラは「クラフトコーラ」の原料として利用される場合がありますが限定的です。
コーラは薬だったの?
薬剤師がコーラナッツから抽出された「香料」「カフェイン」に「炭酸水」「その他の材料」を混ぜて作られた飲み物です。「栄養ドリンク」「神経を落ち着かせる薬」などとして販売されましたが、現在は材料が大きく異なります。
ナイジェリア
コーラナッツ 情報
コーラナッツの生産地
コーラナッツの栽培はアフリカの熱帯熱帯雨林で栽培されています。
西アフリカのナイジェリアではコーラナッツが伝統的に消費されます。「イスラム教」の嗜好品として利用される事が多く、主に南西部の「オグン州」、東部の「クワラ州」、南東部の「オスン州」「オヨ州」で非常に多く生産されており、経済を支える重要な生産品の一つです。
消費が多いのは北部
生産が多いのはナイジェリアの南西部ですが、消費が多いのはナイジェリアの北部です。約2~4%の「カフェイン」を含み、カフェインの含有量は「コーヒー」より多くなります。
コーラの実には非常に強い苦味がありますが、噛んでいるとだんだん甘くなります。
コーラナッツは現在も飲料に利用される
コーラナッツの栽培は醸造所・飲料会社と契約している農家によって栽培されています。
コートジボワール
コーラナッツ 情報
増加するコーラナッツの生産量
コートジボアールではコーラナッツの生産量が爆発的に増加しています。
国内で生産されたコーラナッツは「セネガル」「ブルキナファソ」「ガンビア」「モーリタニア」「ナイジェリア」など多くのアフリカの国々へ輸出されます。
コートジボアールはサヘル諸国(アフリカ大陸の北部・サハラ砂漠南部の半乾燥地帯)に存在し、国内で生産されるコーラナッツの1/4がサヘル諸国へ輸出されます。最も多く輸出されるのが「ナイジェリア」であり、国内で生産された多くのコーラナッツがナイジェリアへ輸出されています。
サヘル地域では「冠婚葬祭」に利用
コーラナッツはサヘル地域で持参金(お金として利用)として利用される事が多く、結婚・洗礼・葬儀などの場で提供されます。古くから続く風習ですが、現在も利用される事が多くなります。
コートジボアールのコーラナッツ生産地
主に南部の「アニェビ=ティアサ州」、南東部の「インデニエ=ジブアリン州」「南コモエ州」、南西部の「低サッサンドラ地方」などで多く生産されています。
カメルーン
コーラナッツ 情報
カメルーンのコーラナッツ生産
カメルーンも限定的にコーラナッツを海外へ輸出しています。おもな輸出先は「ベルギー」「フランス」「チャド」「赤道ギニア」です。
カメルーンでも冠婚葬祭に利用
カメルーンも「サヘル地域」に属しており、コーラナッツは「結婚式」などの大きなイベントでゲストをもてなす重要な「嗜好品」として利用されます。
重要な収入源
カメルーンは「コーヒー」を多く栽培している家庭が多く存在しますが、コーラナッツも貴重な収入源の一つです。栽培には多くの女性が従事しており、「物々交換」などもおこなわれています。
カメルーンのコーラナッツ生産地
主に西部の「北西州」「西部州」「リトラル州」などで多く生産されています。
ガーナ
コーラナッツ 情報
ガーナのコーラナッツ生産
ガーナは将来的にコーラナッツの世界最大の生産地「ナイジェリア」生産量を追い抜くと言われています。
ナイジェリアで生産されているコーラナッツの90%以上が国内消費されており、輸出量は10%程度です。輸出量ではガーナがナイジェリアを上回っており、今後も増加すると思われます。コーラナッツ農家の高齢化や害虫による被害などが拡大しており、国内で生産されるコーラナッツの30~70%が損傷を受けています。
ガーナのコーラナッツ生産地
主に東部の「イースタン州」、中南部の「アシャンティ州」、中部の「ブロング=アハフォ州」、南東部の「ヴォルタ州」「ウェスタン州」でコーラナッツが生産されており、中部~南部にかけて生産がおこなわれています。
シエラレオネ
コーラナッツ 情報
シオラレオネでも冠婚葬祭にコーラナッツを利用
シエラレオネでは他のサヘル地帯同様にコーラナッツが「儀式・式典」の際に利用される傾向があり、ゲストの歓迎・商談の成立・和解を示す際の嗜好品として贈られる事が多くなります。
断食の際に利用
シオラレオネはイスラム教徒が大半を占めています。イスラム教には「ラマダーン」という断食をおこなう期間があり、日中は食事をとりません。ラマダーン期間中は日没から食事が始まり、水・生姜・コーラの実・唐辛子・砂糖を加えら一種の「クラフトコーラ」を作り提供される事があります。
シエラレオネのコーラナッツの生産地
主に東部の「東部州」でコーラナッツを生産しています。東部州では「コーヒー」「カカオ」なども非常に多く生産しています。
冷蔵庫がない
シエラレオネは冷蔵庫が無い家が多く、コーラナッツの保存は「マンゴーの葉」などでつくられたバスケットに保管される事が多く、6か月以上保管する事が可能です。
ベナン
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ベナンのコーラナッツ生産地
主に「南部地域」でコーラナッツの生産がおこなわれています。
ベナンの森林破壊
ベナンでは新たな農地開拓により多くの森林を伐採しており、森林破壊に拍車をかけています。アフリカの多くの国で人口増加が続いており、ベナンの人口も大きく人口が増加しています。様々な作物が増産されると同時に開拓が進み、今後も環境破壊が続くと思われます。
持続可能な農業
世界では「持続可能な農業」を求められていますが、アフリカ諸国は貧困層が多く、持続可能な農業な農業を行なうには資金不足であり、非常に難しいと思われます。現在も「「炭」を利用して調理をおこなう家庭がほとんどであり、持続可能な農業をおこなう以前に様々な問題を抱えています。
チャド
コーラナッツ 情報
チャドはどこ?
チャドはアフリカ大陸の中央に位置し、「サヘル地帯」に属します。多くの地域が砂漠に覆われており、生産されている作物は限定的になります。農業がおこなわれているのは主に南部であり、コーラナッツの生産も主に南部でおこなわれています。
チャドもコーラナッツは冠婚葬祭で
チャドもイスラム教を主体とする国で、コーラナッツが冠婚葬祭時の贈り物として利用されています。
イスラム教の中でも少ない「嗜好品」
イスラム教には食のタブーが多く意が必要です。ハラール食(イスラム教で認められた食品)以外を口にする事が宗教で禁じられており、贈り物などは注意が必要です。
まとめ
日本ではコーラナッツが生産されていない
日本でコーラナッツは生産されていませんが、国内でクラフトコーラの人気が上昇しています。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Kola nuts, Production (t)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2023年2月27日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。