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世界のジャガイモ 生産量ランキング

ジャガイモは非常に多くの国で主食として消費される食物です。厳しい環境でも栽培が可能であり、多くの国で生産されています。

世界ではどの国がどのくらいジャガイモを生産しているのでしょうか?

世界のジャガイモ
生産量ランキング


世界のジャガイモ生産量
世界一位 中国
世界二位 インド
世界三位 ウクライナ


世界のジャガイモ生産量ランキング
Potato - Production

生産量
(トン)
(t)
2021年
世界合計376,119,974.4
1中国
(China)
94,362,175
2インド
(India)
54,230,000
3ウクライナ
(Ukraine)
21,356,320
4アメリカ
(America)
18,582,370
5ロシア
(Russia)
18,295,535.1
6ドイツ
(Germany)
11,312,100
7バングラデシュ
(Bangladesh)
9,887,242
8フランス
(France)
8,987,220
9ポーランド
(Poland)
7,081,460
10エジプト
(Egypt)
6,902,816.96
11オランダ
(Netherlands)
6,675,590
12カナダ
(Canada)
6,372,183
13パキスタン
(Pakistan)
5,872,960
14ペルー
(Peru)
5,661,443
15イギリス
(U.K)
5,306,719.81
16テュルキエ
(Turkiye)
5,100,000
17ベルギー
(Belgium)
4,807,731
18アルジェリア
(Algeria)
4,360,880
19カザフスタン
(Kazakhstan)
4,031,581.7
20ベルギー
(Belgium)
3,871,470
21ブラジル
(Brazil)
3,853,464
22ネパール
(Nepal)
3,325,231
23ウズベキスタン
(Uzbekistan)
3,285,646
24アルゼンチン
(Argentina)
2,954,797.87
25コロンビア
(Colombia)
2,621,344
26イラン
(Iran)
2,599,088.74
27南アフリカ共和国
(South Africa)
2,595,280
28デンマーク
(Denmark)
2,374,600
29日本
(Japan)
2,130,905.95
30ケニア
(Kenya)
2,107,824
31スペイン
(Spain)
2,081,110
32メキシコ
(Mexico)
1,947,760.98
33モロッコ
(Morocco)
1,641,853
34マラウイ
(Malawi)
1,428,644.64
35ルーマニア
(Romania)
1,397,840
36イタリア
(Italy)
1,362,130
37インドネシア
(Indonesia)
1,361,064
38キルギス
(Kyrgyzstan)
1,289,108
39ボリビア
(Bolivia)
1,272,648.97
40オーストラリア
(Australia)
1,267,638.64
41ナイジェリア
(Nigeria)
1,216,884.87
42エチオピア
(Ethiopia)
1,141,856.23
43タンザニア
(Tanzania)
1,075,445.79
44アゼルバイジャン
(Azerbaijan)
1,061,957.7
45チリ
(Chile)
994507.8
46ルワンダ
(Rwanda)
938,281
47タジキスタン
(Tajikistan)
903,000
48アフガニスタン
(Afghanistan)
864,771.99
49スウェーデン
(Sweden)
826,000
50オーストリア
(Austria)
769,690
51チェコ
(Czech)
671,860
52レバノン
(Lebanon)
659,481.06
53韓国
(Korea)
653,125.04
出典: United Nations Food and Agricultural Organization (FAO) 2021年から作成
https://www.fao.org/faostat/en/#data/
©FAO


各国のジャガイモ生産量

 
ジャガイモの重さ・エネルギー

ジャガイモは1個約125gで、エネルギーは約85カロリーです。


生産量は4位

ジャガイモは「トウモロコシ」「米」「小麦」に次ぐ生産量を誇る作物であり、多くの国が「主食」として消費しています。


トウモロコシってそんなに食べる?

トウモロコシは人間の食料として消費される以外に家畜の飼料・加工品・バイオ燃料など様々な用途がある作物です。


ジャガイモの歴史は浅い

ジャガイモがヨーロッパで一般的に消費されるようになったのは16世紀以降になります。大航海時代に南米からヨーロッパへ伝わりますが、大規模な「飢饉」の発生により小麦などの生産量が減少、ジャガイモが一般的に消費されるようになりました。


ジャガイモは「ナス」の仲間

ジャガイモはナス科ナス属の多年草であり、小さな果実が生ります。一般的に消費されるのは土の中にある茎が肥大化した物であり、レンコン・タマネギ・ワサビ・ショウガなども土の中の茎が一般的に消費されます。


 「世界の小麦生産量ランキング」の記事はこちらになります。よろしかったら一緒にご覧ください。


 「世界の蕎麦生産量ランキング」の記事はこちらになります。よろしかったら一緒にご覧ください。


中国
ジャガイモ生産量


中国のジャガイモ生産量

2021年に中国はジャガイモを78,183,874トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの21.77%が中国で生産されています。

ジャガイモは中国語で「土豆(トゥードウ)」です。


中国のジャガイモの普及

ジャガイモは1600年以降に広くアジアで普及し「東アジアの主要な食料資源」になりました。明王朝みんおうちょう(1368~1644) 末期に導入されたジャガイモは「皇室の珍味」として扱われていましたが、1700年代後半には一般的に普及し、中国の人口増加と共に「ジャガイモは一般的な食料の一つ」なります。


中国のジャガイモ栽培

ジャガイモは痩せた土地・山間部・冬場の「他の作物の休眠中」に栽培が可能な農作物です。中国はジャガイモの栽培面積の6割が山間部・寒冷地・貧困地域に分布しており、「生命維持のための重要な主食」となる作物の一つです。

イギリスでも「小麦」が不作の年にジャガイモの栽培が拡大するなど、食糧難に強い作物の一つです。

インド
ジャガイモ 生産量


インドのジャガイモ生産量

2021年にインドはジャガイモを54,230,000トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの14.41%がインドで生産されています。

ジャガイモはインドで利用されるヒンディー語で「आलू(アールゥ)」です。


インドのジャガイモ生産

インドは非常に多くのジャガイモを生産しており、生産されたジャガイモの大多数が国内で消費されています。インドではジャガイモを利用した料理が多く存在しており、ジャガイモや野菜を香辛料で炒めた「ザブジ」、ひよこ豆とジャガイモを加えたカレーなど主に家庭料理


人手不足のジャガイモ農家

「人件費の高騰」「農村部の人口流出」などにより、ジャガイモ農家は「人手不足」に陥っていています。人手不足を解消する「農機具の導入」を行う農家も多くなっているようですが、コストがかかるなど課題が多くなっています。


インドの南北の食文化の違い
 
インドでは「ナン」など「小麦」を利用した「パン」を主食として消費している印象がありますが、パン食が多くなっているのはインドの北部になります。南インドは「菜食主義者」が多く、「米」や「ジャガイモ」が主食となっています。

ウクライナ
ジャガイモ 生産量


ウクライナのジャガイモ生産量

2021年にウクライナはジャガイモを21,356,320トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの5.67%がウクライナで生産されています。

ジャガイモはウクライナ語で「картопля(カルト―プリャ)」です。


ウクライナを支える主食

東ヨーロッパの多くの国々は「ジャガイモ」を主食としており、ウクライナの食生活を支える重要な作物の一つです。


ソフホー

旧ソビエト連邦占領下時のウクライナはソビエト連邦が促進した「ソフホーズ」と呼ばれる「集団農業化政策」が行なわれ、自営業農家の土地が国の管理下に置かれました。

「ソフホーズ」は富を得ていた大規模農家などを含む全ての農家が「国営農業の労働者」になり、社会主義の元に「平等」になりましたが、戦時中では外貨を獲得するために作物の輸出がおこなわれ、輸出は飢饉は発生した中でもおこなわれました。獲得した外貨で「工業化」がおこなわれましたが、「ノルマ」をこなすため必要以上の摂取がおこなわれ、ウクライナでは300万人以上が餓死したとされます。


日本の農協のモデル

「ソフホーズ」「コルホーズ」は基本的に優れたシステムであり、日本の「農協」もコルホーズがモデルになっています。「集団農業」は小規模農家などでも「一定の価格で作物の買取をおこなう」など利点が多くなりますが、「度が過ぎたやり方」は非常に危険であり、中国の「大躍進政策」でも大量の餓死者が発生しています。

ロシア
ジャガイモ 生産量


ロシアのジャガイモ生産量

2021年にロシアはジャガイモを18,295,535.1トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの4.86%がロシアで生産されています。

ジャガイモはロシア語で「Картошка(カルトーシュカ)」です。


寒冷なロシアに適した作物

ロシアは寒冷な土地が多く、作物の栽培は主に温暖な気候を有している南部でおこなわれています。ジャガイモは寒冷な土地でも栽培が可能な作物であり、寒冷な土地を有する多くの国々がジャガイモを主食として消費しています。

ロシアは寒さに強い「大麦」「ライ麦」などのも多く生産しており、それらを原料として作られる「黒パン」がロシアでは有名です。

 
ロシアのジャガイモの歴史

ロシアのジャガイモの起源は17世紀~18世紀に「ピョートル1世」が「オランダで食べたジャガイモをロシアへ持ち帰って広めた」と言う伝説があります。ジャガイモは栽培が非常に困難だったジャガイモはロシアの地に馴染まず、芽や「ソラニン」により緑色に変色した部分には毒があり、中毒を起こした国民から「悪魔の実」と忌み嫌らわれました。

19世紀になり、飢饉の発生などにより皇帝「ニコライ一」が飢饉にも強い「ジャガイモの栽培の義務付け」をおこないましたが、ジャガイモの事を良く知らない人が多く、50万人の市民が義務付けに対し「暴動」を起こしました。

栽培の義務付けは停止されましたが、次第にジャガイモは定着し、現在ではロシアの主食の一つとして消費されています。

アメリカ
ジャガイモ 生産量


アメリカのジャガイモ生産量

2021年にアメリカはジャガイモを78,183,874トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの21.77%がアメリカで生産されています。


ジャガイモはアメリカの主食のひとつ

アメリカでもジャガイモを「主食」としている人が多く、アメリカの食生活を支える重要な作物です。


ジャガイモの不足

2021年にカナダのバンクーバーで発生した大規模な水害により、ジャガイモの生産量が大きく減少しています。カナダでは「気候変動」が原因と思われる山火事による森林の減少、大雨による水害が増加しており、農業に致命的なダメージを与えています。さらに「Covid-19」による物流網の鈍化などが慢性的に発生し、輸出量が減少しています。

日本も「フライドポテト」を取り扱うアメリカのチェーン店などのジャガイモの不足が発生し、「供給量を制限」するなどの対策が取られました。


変化する環境

過酷な環境でも栽培が可能な作物の生産量などが増加し、飢饉などは減少しましたが、気候変動の影響と思われる災害による作物の生産量の減少が発生しています。世界の人口は100億人まで増加すると考えられており、今後新たな問題が発生する可能性があります。

ドイツ
ジャガイモ 生産量


ドイツのジャガイモ生産量

2021年にドイツはジャガイモを11,312,100トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの3.00%がドイツで生産されています。

ジャガイモはドイツ語で「Kartoffel(カルト―フェル)」です。


伝統的なドイツのジャガイモの食べ方

ジャガイモはドイツで主食の一つとして消費されています。

ドイツにはジャガイモの伝統的な食べ方があり、ジャガイモをフォークの背で潰して食べます。ナイフでジャガイモを切る行為は、「ジャガイモが茹でられていない」「洗い物が楽になる」「料理した人に悪い印象を与える」などドイツ人に聞いても良くわからない説明をされますが、ドイツでジャガイモが一般的に消費されるようになったのは18世紀からになり、一般的に「マッシュポテト」が好まれました。


なぜマッシュポテトが好まれたの?

ジャガイモは新しい作物であり、ドイツでは「消化が悪い食物」と考えられていました。また、カットしたジャガイモは変色が早く、切られないで調理される事が多かった事や、食品を加工する機械が普及していた事などが根底にあると考えられています。

バングラデシュ
ジャガイモ 生産量


バングラデシュのジャガイモ生産量

2021年にバングラデシュはジャガイモを9,887,242トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの2.62%がバングラデシュで生産されています。

ジャガイモはバングラデシュで利用されるベンガル語で「আলু(アル)」です。


Covid-19によりジャガイモの消費が減少

バングラデシュは非常に多くのジャガイモを生産していますが、2020年から発生したCovid‐19の影響により、ホテルやレストランのジャガイモの利用が減少しています。ジャガイモの価格が下落し、農家やジャガイモを扱う企業に致命的なダメージを与えており、深刻な問題になっています。

バングラデシュはジャガイモの輸出にも力を注いでいますが輸出量は少なく、「外国産のポテトチップス」などが国内に多く輸入されています。

フランス
ジャガイモ 生産量


フランスのジャガイモ生産量

2021年にフランスはジャガイモを8,987,220トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの2.38%がバングラデシュで生産されています。

ジャガイモはフランス語で「Patate(パータテ)」です。


フランスのジャガイモの歴史

フランスは17世紀に薬剤師「アントワーヌ=オーギュスタン・パルマンティエ」により有名になったとされています。フランスではジャガイモが「ハンセン病」を引き起こす要因と考えられ、国内でジャガイモの栽培が禁止されましたが、パルマンティエは様々な方法でジャガイモの普及活動を行い、少しずつ消費されるようになりました。

1785年にフランスの北部で発生した飢饉により、小麦などのかわりにジャガイモの消費が増加し、フランス全土で消費されるようになりました。

ポーランド
ジャガイモ 生産量

 
ポーランドのジャガイモ生産量

2021年にポーランドはジャガイモを7,081,460トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの1.88%がポーランドで生産されています。

ジャガイモはポーランド語で「Ziemniak(ジェムニャク)」です。


ポーランドのジャガイモの歴史

ポーランドでジャガイモが栽培が開始されたのは18世紀前後であり、一部の貴族や王族の土地で栽培されました。

ポーランドも非常に寒冷な土地を有しており、作物が育ちにくい環境ですが、寒冷な土地や冬の間に栽培可能なジャガイモは農家の間で次第に浸透し、現在では主食の一つとして非常に多く栽培されています。

エジプト
ジャガイモ 生産量


エジプトのジャガイモ生産量

2021年にエジプトはジャガイモを376,119,974.4トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの1.83%がエジプトで生産されています。

ジャガイモはエジプトで利用されるアラビア語で「البطاطس(アルバターティス)」です。


エジプトのジャガイモ生産地

主に北部の「ブハイラ県」「ミヌーフィーヤ県」「ダカリーヤ県」「ガルビーヤ県」「カリュービーヤ県」「ギザ県」などで主に生産されています。


エジプトの穀物生産量

エジプトは「小麦」「トウモロコシ」「米」の順に生産量が多く、ジャガイモは国内で4番目に生産量が多い生産物になります。消費量も非常に多く、エジプト料理にも多くのジャガイモが利用されます。

オランダ
ジャガイモ 生産量


オランダのジャガイモ生産量

2021年にオランダはジャガイモを6,675,590トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの1.77%がオランダで生産されています。

ジャガイモはオランダ語で「aardappel(アルダープル)」です。

 
ヨーロッパ諸国に輸出されるジャガイモ

オランダ国内で「500種類以上のジャガイモ」が生産されています。オランダのジャガイモは加工品としてヨーロッパ各国へと輸出されており、加工品は主にポテトチップス・冷凍ポテト・ベイクドポテト・ジャガイモ粉になり、オランダはヨーロッパ最大のジャガイモ輸出国です。

 

日本
ジャガイモ 生産


日本のジャガイモ生産量

2021年に日本はジャガイモを2,130,905.95トン生産しています。世界で生産されるジャガイモの0.56%が日本で生産されています。

日本のジャガイモ生産量日本一は北海道(約79%)、二位は鹿児島県(3~4%)、三位が長崎県(3~4%)です。


諸説あるジャガイモの「名前の由来」

日本にジャガイモが伝わったのは1598年にオランダから伝わったとされています。名前の由来はインドネシアのジャカルタで、「ジャカルタからきたイモ」という説がありますが、ポーランドなど「ジャガイモ」に近い発音をする国も存在しています。

北海道などで栽培がはじまり、イギリスなどで栽培されていた品種を日本の土地に合うように品種改良をしたものが現在のジャガイモになります。

まとめ


飢饉を期に普及した食料

ジャガイモは飢饉を期に普及した食料であり、日本でも非常に多く生産される食物です。また、日本では主食として扱われる事はありませんが、多くの国が主食として頻繁に消費され、生産量も非常に多くなります。


今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


サムネイル: 「Pixabay」から商用利用可能な写真を加工・利用しています。

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