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北米の生産量が多い!世界のブルーベリーの生産量ランキング

寒冷な地方で栽培が可能
ブルーベリー

ヨーロッパのブルーベリー生産量が増加しています。北欧などで需要が増加し、ヨーロッパ全体でもブルーベリーの消費量が増加しています。

世界ではどの国がどれくらいブルーベリーを生産しているのでしょうか?

世界のブルーベリー
生産量ランキング

世界のブルーベリーの生産量
世界一位 米国
世界二位 ペルー
世界三位 カナダ

世界のブルーベリー生産量ランクング
Blueberry
Production (Tonnes/year)

生産量
(t)
2022年
世界1,228,595.98
アメリカ合衆国317,150.00
ペルー292,584.00
カナダ180,117.00
チリ122,512.15
スペイン70,420.00
メキシコ67,304.53
ポーランド64,000.00
モロッコ30,250.00
ポルトガル19,050.00
ドイツ15,370.00
オセアニア10,095.70
イタリア9,250.00
オランダ8,100.00
フランス7,611.00
オーストラリア6,285.96
ロシア4,200.00
ニュージーランド3,809.74
ルーマニア3,330.00
オーストリア2,060.00
クロアチア730.00
スイス706.00
ベルギー700.00
ウズベキスタン667.59
アジア667.59
リトアニア650.00
ラトビア420.00
スロベニア370.00
フィンランド180.00
スロバキア170.00
ウクライナ150.00
ブルガリア140.00
デンマーク110.00
スウェーデン100.00
ハンガリー60.00
ノルウェー38.00
台湾0.00
エストニア0.00
ギリシャ0.00
日本0.00
キルギスタン0.00
マルタ0.00

各国のブルーベリー
情報

ブルーベリーの重さ・エネルギー
ブルーベリーは1粒約1gで、一粒約0.6Kcalです。

ブルーベリーの原産地
ブルーベリーの原産地は不明です。元となった植物が南アメリカに存在し、カリブ海諸国を経て北アメリカ大陸に渡ったとされていますが、ヨーロッパ・アジア・アフリカ・コーカサス地方にも似たような植物が自生しています。

北欧の生産量は少ない
ブルーベリーは北欧で多く生産している印象がありますが、実際の生産量は多くありません。

舌が青くなるのは「アントシアニン」が
含まれているから
ブルーベリーには「アントシアニン」が多く含まれています。アントシアニンは色素の事で、紫外線やウイルスなどから守る働きをします。単純に「体を黒くしておけば紫外線のダメージは受けにくいだろう」と言う事でブルーベリーの実は青色になります。

ブルーベリーは目に良いの?
ブルーベリーに含まれる「アントシアニン」が紫外線から身を守る=目も紫外線から守るという「迷信」です。

ドイツでは第二次世界大戦中にイギリスの戦闘機パイロットがあまりに優秀だったため、「イギリス人パイロットは暗闇でも目が良く見えるように『ニンジン』を食べているから、『ブルーベリー』を食べているから」などという新聞記事を発行しています。

迷信ではありますが、ブルーベリーには様々な栄養素が含まれており、非常に体に良いフルーツです。疲労回復にも効果があり、疲れている方や、深夜に何故かブルーベリーの事が気になって私の記事を読んでいる方などにオススメです…

アントシアニンは植物の抗酸化物質としても知られています。

中国
ブルーベリー 情報

中国のブルーベリー
ブルーベリーは中国語で「蓝莓(ランメイ)」です。

中国のブルーベリー生産地
主に中南部の貴州省(きしゅうしょう)・中部の四川省(しせんしょう)・東部の安徽省(あんきしょう)・北東部の遼寧省(あんきしょう)・東部の山東省(さんとんしょう)でブルーベリー栽培がおこなわれています。

ブルーベリー生産は2000年代から
中国はブルーベリー生産が商業的に開始されたのは2000年代です。現在は加工所なども非常に多く、国内でも人気がある食べ物の一つです。

米国
ブルーベリー 情報

米国のブルーベリーの歴史
アメリカではブルーベリーが古来から栽培されており、ネイティブアメリカンと密接な関わりがあります。夏の間に収穫したブルーベリーを乾燥させ、「冬の間の保存食」「薬」として利用されました。

ブルーベリーは実際に「白内障」「緑内障の予防」に利用される事があります。ブルーベリーに含まれる「アントシアニン」には血流を促進させる効果があり、細かい血管が多い目の眼精疲労などに効果があります。「クランベリー」にも同様の効果があり、疲労回復以外に「尿路結石」「下剤」としても利用される事があります。

ブルーベリーの栽培
アメリカの北東部のニュージャージー州の農園の経営者が植物の研究をおこなっていた「フレデリック・コビル博士」と協力し、農園でブルーベリーの栽培が始まりました。1911年から開始されたブルーベリー栽培は1912年に成功し、1916年には商業的にブルーベリーの販売が開始されます。

現在は様々なブルーベリーの品種がアメリカで栽培されており、農園の経営者「エリザベス」と名付けられた品種も存在します。

ペルー
ブルーベリー 情報

ペルーのブルーベリー
ペルーで利用されているスペイン語ブルーベリーは「Beloo azul(ベルーアズール)」です。

日本へは輸出していない
ペルーは非常に多くのブルーベリーを生産していますが、日本への輸出はまだ開始されていません。2017年にブルーベリー輸出解禁の要請を出しており、現在は調査や試験の予定を立てている段階になります。

日本への輸入解禁は非常に長い時間を要し、ペルー産のブルーベリーが日本の食卓に並ぶのはもう少し先になりそうです。

増加するブルーベリー生産量
ペルーはブルーベリーの生産量を爆発的に増加させており、生産したブルーベリーを様々な国へ輸出しています。

カナダ
ブルーベリー 情報

カナダに広がるブルーベリー農園
カナダの都市郊外にはブルーベリー農園が広がっており、シーズンになると「ブルーベリー狩り」に訪れる人が増加します。農園はブルーベリー以外に「イチゴ」「ラズベリー」を栽培している農家が多く、様々なベリーを楽しむ事ができます。

カナダのブルーベリー生産地
カナダは主に北西部のブリティッシュコロンビア州で多くのブルーベリーを生産しており、国内で生産される「ハイブッシュベリー種」の90%以上がブリティッシュコロンビア州で生産されています。

「ハイブッシュベリー種」
日本でも多く生産されている品種で、耐寒性が強い品種になります。

日本では主に東北地方で生産されていますが、栽培は酸性土壌への改良が必要になります。ハイブッシュベリーの栽培には7度以下の気温が400~1200時間以上必要とされています。

チリ
ブルーベリー 情報

チリのブルーベリー
チリで利用されているスペイン語ブルーベリーは「Beloo azul(ベルーアズール)」です。

チリのブルーベリー生産地
主に中部のマウレ州でブルーベリー生産がおこなわれています。マウレ州では様々な作物の栽培がおこなわれており、生産された作物の多くが海外へ輸出されます。

南米の農業の強み
一般的にブルーベリーは6月~9月(日本の場合)になりますが、南米は北半球と収穫時期が異なり、10月~4月になります。

メキシコ
ブルーベリー 情報

メキシコのブルーベリー
メキシコで利用されているスペイン語ブルーベリーは「Beloo azul(ベルーアズール)」です。

メキシコのブルーベリー生産
メキシコは農業大国であり、国土の半分以上が農地として利用されています。

ブルーベリーは主に中部のハリスコ州・中西部のミチョアカン州・中央のグアナフアト州・北西部のシナロア州で栽培されています。ブルーベリーの人気は年々上昇しており、生産量は増加しています。

どうやってブルーベリーを食べるの?
生食以外にブルーベリーレモネード・スムージー・ブルーベリーケチャップ・ソースなど様々な用途でブルーベリーが消費されます。

スペイン
ブルーベリー 情報

スペインのブルーベリー
ペルーで利用されているスペイン語ブルーベリーは「Beloo azul(ベルーアズール)」です。

スペインのブルーベリー生産地
非常に多くのブルーベリーが南部のアンダルシア州ウエルバ県で栽培されています。ウエルバ県は非常に温暖な気候を有しており、生産されるブルーベリーは「ハイブッシュベリー」が多くなります。

温かい気候でも栽培可能?
「ハイブッシュベリー種」の栽培は7度以下の気温が800時間以上続く環境が良いとされますが、7度以下の気温が年間400~1200時間でも栽培が可能とされています。

ブルーベリーは酸性の土壌を好みますが、肥料を利用する事によりアルカリ性の土壌でも栽培が可能です。ブルーベリーは栽培に多くの水が必要で、「灌漑農業:人工的に水を引き込む農業で、ブルーベリーの場合はスプリンクラーなどで水を散布する場合が多い」をおこなう農家が多く、近年では適正な温度・湿度・水やりをコントロールする「スマート農業」などを取り入れる農家が増加しています。

スペインは農業大国
ベリー系は「イチゴ」の生産に力を注いでいますが、近年は「ブルーベリー」「ラズベリー」などの生産も増加しています。

ポーランド
ブルーベリー 情報

ポーランドのブルーベリー
ポーランドブルーベリーは「jagoda(ヤゴーダ)」です。

爆発的に増加する生産量
ポーランドではブルーベリーの生産量が爆発的に増加しています。近年、非常に甘いブルーベリーの品種が多く誕生しており、子供からの人気が上昇しています。夏のシーズンには「イチゴ」と共に市場に並び、ヨーロッパ全体で消費量が増加しています。

ポーランドで生産されるブルーベリーは主にヨーロッパ諸国へ輸出されます。

日本へはまだ輸出されない
ポーランドは日本にブルーベリーを輸出していません。

輸入解禁要請は2021年7月15日におこなられ、今後、輸入解禁に向けて試験・調査の計画の提出などがおこなわれます。

ポルトガル
ブルーベリー 情報

ポルトガルのブルーベリー
ポルトガルブルーベリーは「mirtilo(ミルチーノ)」です。

ポルトガルのブルーベリー生産地
ポルトガルの気候はスペインと似ており、場所によってはブルーベリーの栽培が可能です。南部のアルテージョ県オデミラ市・リスボン県などでブルーベリ―生産がおこなわれており、主に北欧に出荷されています。

増加するプランテーション
近年、北欧のブルーベリー需要が爆発的に上昇しており、ポルトガル・ドイツ・オランダでブルーベリーの生産量も増加しています。

移民の労働者
ブルーベリーの需要増加により、栽培プランテーションが増加しています。ポルトガルでは労働者不足が深刻な問題であり、海外から外国人労働者を多く雇っています。南アジア・インド・バングラデシュ・ネパールなどからの労働者も多く、低賃金・劣悪な環境で労働させられるなどの問題が発生しています。

ドイツ
ブルーベリー 情報

ドイツのブルーベリー生産量
ドイツブルーベリーは「Blaubeere(ラウベーラー)」です。

ドイツのブルーベリー生産地
ドイツ北西部のニーダーザクセン州の北東部「リューネブルガーハイデ」は自然保護区で、ドイツ最大のブルーベリー生産地になります。保護区内には50の農園と500ヘクタールを超えるブルーベリー農園が広がっており、非常に質の良いブルーベリーが生産されています。ニーダーザクセン州は合計2000ヘクタール以上のブルーベリー農園が存在しているとされ、国内で生産されるブルーベリーの70%以上になります。

リューネブルガーハイデで栽培されるブルーベリーは自然栽培でおこなわれており、天候による影響を受けやすくなっています。2020年に発生した寒波により、ヨーロッパの多くの国々で農作物に影響が出ましたが、リューネブルガーハイデで栽培されるブルーベリーへの影響は限定的でした。

リューネブルガーハイデのブルーベリーのシーズンは9月までになります。

イタリア
ブルーベリー 情報

イタリアのブルーベリー
イタリアブルーベリーは「mirtillo(ミルティーロ)」です。

イタリアのブルーベリーの生産地
イタリア北東部のヴェネト州ヴェローナ県はブルーベリーの生産に適した土地を有しており、50ヘクタールの土地を利用してブルーベリー栽培をおこなっています。

自生しているブルーベリー
古くからイタリアの山岳地帯ではブルーベリーが自生していました。イタリアでは自生しているブルーベリーを消費する事が多く、「ハイブッシュベリー」の栽培が商業的に開始されたのは1930年になります。

オランダ
ブルーベリー 情報

オランダのブルーベリー
オランダブルーベリーは「bosbes(ボスベス)」です。

増加するブルーベリー生産地
オランダではブルーベリー・ラズベリー・ブラックベリーの生産量が増加しています。ブルーベリーの消費量は北欧を含め欧州全体で需要量が増加しており、ヨーロッパ全体でブルーベリーの生産量が増加しています。

オランダのブルーベリーは温室栽培が多い
オランダのブルーベリー栽培は温室で栽培している事が多くなっています。東ヨーロッパや南ヨーロッパなど安価にブルーベリ―を生産している国が増加していますが、オランダのブルーベリーは非常に質が良く、北欧などに需要があります。

日本
ブルーベリー 情報

日本のブルーベリー生産地
生産量が多いのは長野県・東京都・群馬県です。東京都は非常に多くのブルーベリーを生産しており、青梅市や八王子市などでブルーベリー生産がおこなわれています。

日本のブルーベリーの歴史
1951年にアメリカからブルーベリーが輸入されたのがキッカケで栽培が開始されました。

まとめ

ブルーベリーの人気が上昇
ブルーベリーの需要がヨーロッパで上昇しています。「グラノーラ」などにブルーベリーを加える事が多く、健康的な食事が好まれるヨーロッパやアメリカで消費が増加しています。

今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Blueberries, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2023年06月25日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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