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主にタイヤに利用!世界のゴム生産量 ランキング

ゴムの発展は世界を変えた

自動車・オートバイなど「人を高速で運ぶ」乗り物は日々進化しています。世界で使われる「ゴム」の75%以上が「自動車のタイヤ」として利用されており、生活に無くてはならない必需品です。

ゴムはどの国でどのくらい生産されているのでしょうか?

世界
ラバー 生産量

世界のゴムの生産量
世界一位 タイ
世界二位 インドネシア
世界三位 ベトナム

世界のゴム生産量 ランキング
Natural rubber in primary forms
Production (tonnes/year)

生産量
(トン)
2022年
世界合計 15,125,392.71
タイ 4,825,906.65
インドネシア 3,135,287.00
ベトナム 1,339,533.20
コートジボワール 1,286,000.00
中国 843,000.00
インド 843,000.00
フィリピン 415,749.65
カンボジア 394,700.00
マレーシア 377,047.00
ミャンマー 299,600.00
ラオス 288,400.00
ブラジル 250,178.00
ナイジェリア 149,396.65
ガーナ 117,000.00
グアテマラ 111,300.00
リベリア 107,100.00
メキシコ 101,887.90
スリランカ 70,867.00
カメルーン 50,500.00
ガボン 25,700.00
バングラデシュ 23,000.00
エクアドル 19,496.35
コロンビア 18,000.00
ギニア 15,346.50
パプアニューギニア 5,500.00
コンゴ民主共和国 5,400.00
ボリビア 2,700.00
コンゴ 2,283.25
中央アフリカ共和国 1,188.89
ブルネイ 267.38
ドミニカ共和国 57.29

各国
ゴム 情報

ゴムの歴史
「インド」で利用されていた天然のゴムはコロンブスにより1490年にヨーロッパに伝えられます。ヨーロッパに伝わったゴムは実用化されるまでに時間がかかり、1700年代に「ゴム製の布」「ゴム製の靴」などが作られるようになりました。

19世紀になり「タイヤ」として利用されるようになります。タイヤの利用が増加するにつれゴムに合わせた「道」が舗装されるようになり、現在では「タイヤを装備した自動車」が走る前提で道路がつくられています。

現在は様々な目的で利用される
ゴムは様々な目的で利用されます。主に「タイヤ」としての利用が多く、世界で生産されるゴムの75%以上がタイヤとして利用されていますが、タイヤ以外のゴム製品も非常に多く、生活の中で欠かせない製品です。

天然のゴムは「ダイオキシン」を出さない
天然のゴムは「科学物質」を含まないため、燃やしても有害なガスが発生しません。土に埋めても分解され、地球に優しい製品として注目を浴びていますが、硬度を出すには化学製品を混ぜる必要があり、処理も適切に行う必要があります。

タイ
ゴム 情報

タイのゴム
ゴムはタイ語で「ยาง(ヤン)」です。

世界一のゴム生産国
タイは世界一の天然ゴム生産地であり、生産したゴムを多くの国へ輸出しています。世界で生産されるゴムの30%以上がタイで生産されており、主な輸出先は、「中国」「マレーシア」「アメリカ」「日本」「韓国」「ヨーロッパ」へ輸出しています。480万トン生産されたうちの約400万トンが海外へ輸出しており、タイの経済を支える重要な生産品です。

ゴム手袋の需要増
Covid-19の感染拡大により、「ゴム手袋」などの需要の増加していますが、自動車業界の低迷によりタイヤの需要が鈍化しています。現在は経済が回復してきており、ゴムの輸出量も増加しています。

隣国の生産量増
近年では「カンボジア」「ラオス」「ミャンマー」「ベトナム」でもゴム生産に力を入れており、タイのゴム生産量は鈍化する可能性があります。

タイのゴム生産地
主に南部の「スラートターニー県」「ソンクラー県」「ナコーンシータンマラート県」「トラン県」「ヤラー県」「ナラーティワート県」、南西部の「パンガー県」、中南部の「ラヨーン県」、南西部の「クラビー県」、北東部の「ブンカーン県」で生産されており、タイの南部の生産量が多くなります。

インドネシア
ゴム 情報

インドネシアのゴム
ゴムはインドネシア語で「Karetカーレ)」です。

インドネシアのゴム生産地
インドネシアは天然ゴムの生産が非常に有名であり「スマトラ島」「カリマンタン島」で多く生産されています。

主にスマトラ島南部の「南スマトラ州」、スマトラ島北部の「北スマトラ州」、スマトラ島東部の「リアウ州」、スマトラ島中部の「ジャンビ州」、カリマンタン島西部の「西カリマンタン州」、カリマンタン島南部の「南カリマンタン州」などで多くのゴムが生産されています。

ゴム生産は小規模農家が多い
インドネシアでは1980年代からゴム農園を持つ農家の80%が小規模農家により運営されています。

ゴム農家は年々増加していますが、インドネシア政府管理の大規模ゴム農園によるゴムの生産量は減少しています。これは民間でゴム生産をおこなう小規模農家の増加・生産量増加により、需要量が満たされており、政府は「パーム油」など他の作物へ転換をおこなっています。

生産される大多数のゴムが輸出
インドネシアで生産されたゴムの大多数が海外へ輸出されます。生産されたゴムの85%以上が海外へ輸出され、インドネシアの経済を支えています。

ベトナム
ゴム 情報

ベトナムのゴム
ゴムはベトナム語でCao su(カオス)」です。

増加するゴム生産量
ベトナムの天然ゴム生産は1990年以降爆発的に増加しています。

ゴム製品の輸出先
ベトナムのゴム製品は175ヵ国以上へ輸出されています。現在も需要は増加しており、ゴム製品の生産は拡大しています。

質の良いゴムの生産
ベトナムのゴムの80%以上が「小規模農家」により生産されています。小規模農家で生産される天然ゴムの「質」はばらつきがあり、質を一定に保つ事が非常に難しくなります。ゴムの輸出は各国の輸出条件を満たす「質の良いゴム」を生産する必要があり、国全体で質の向上を目指しています。

ゴムの買い取りはトレーダーにより行われる
主に小規模農家で生産されるゴムの買い取りは「トレーダー」を介して買取がおこなわれます。国内では「取引に関する情報の記録」「品質向上における適切な栽培のガイドライン」などを制定する必要があり、取り組みがおこなわれています。

ベトナムのゴム生産地
主に南部の「ビンフオック省」「ビンズオン省」、中部の「ザライ省」などで多くのゴム生産がおこなわれています。

中国
ゴム 情報

中国のゴム
ゴムは中国語で橡胶(シャンチャオ)」です。

中国のゴム生産地
中国の天然ゴムの栽培は1900年代に開始され、急激に生産数を増加させています。主なゴムの生産地は南部の「雲南省(うんなんしょう)」南東部の「海南省(かいなんしょう)」、南東部の「広東省(かんとんしょう)」などで多く生産されています。とくの南部の雲南省での生産が多く、中国国内で生産される50%を超える天然ゴムが雲南省で生産されています。

ゴムの輸出は少ない
中国もゴムを海外へ輸出していますが、輸出量は約6,500トンと非常に少なく、自国での消費が非常に多くなっています。中国国内で消費されるゴムは年間約400万トンを超えており、多くのゴムを海外から輸入しています。

インド
ゴム 情報

インドのゴム
ゴムはインドで利用されるヒンディー語で「रबर(ラバー)」です。

インドのゴム生産
主に南部の「ケーララ州」、東部の「トリプラ州」、東部の「アッサム州」、東部の「メーガーラヤ州」などで多くのゴム生産がおこなわれています。南部のケーララ州でのゴム生産が非常に多く、インド国内で生産される天然ゴムの約75%がケーララ州で生産されています。

気候変動により影響
インドでは気候変動と思われる天候不順が続いており、大雨などが発生しています。国内の天然ゴムの生産量は5%~6%減少しており、Covid-19の影響なども伴い経済が鈍化しており、天然ゴム生産に大きな影響を与えています。

コートジボアール
ゴム 情報

コートジボワールのゴム
ゴムはコートジボアールで利用されるフランス語で「caoutchouc(カウチュー)」です。

増加するゴム生産量
コートジボアールでは「カカオ」の栽培が盛んにおこなわれていますが、「ゴム」の生産は2000年頃から増加しており、現在はコートジボアールを支える重要な生産品の一つです。

コートジボアールのゴム生産地
コートジボアールでは主に南部の「サン=ペドロ州」で栽培されており、南東部の「アニェビ=ティアサ州」「ラミー州」などでも多く生産されています。

コートジボアールに建設される多くのゴム工場
コートジボアールではフランスなどの資本で建設されたゴム工場が多く生産されています。国内では非常に多くのゴム製品が生産されており、海外へ輸出されています。

マレーシア
ゴム 情報

マレーシアのゴム
2021年にマレーシアはゴムを469,669トン生産しています。世界で生産されるゴムの3.34%がマレーシアで生産されています。

ゴムはマレー語でgetah(ゲタ―)」です。

マレーシアのゴム生産
主に「カリマンタン島」でゴム生産がおこなわれており、北部の「サバ州」、カリマンタン島の西部の「サラワク州」などで多く生産されています。

マレーシアのポテンシャル
マレーシアでは多くの「小規模農家」がゴム生産を行なっており、マレーシアで生産されるゴムの80%以上が小規模農家によって支えられています。また、全体で40%生産量程度の生産量を増加される事が可能とされており(40%程度のゴムが収穫されていない)、マレーシアのゴム生産は大きなポテンシャルを秘めています。

フィリピン
ゴム 情報

フィリピンのゴム
ゴムはフィリピンで利用されるタガログ語でgoma(ゴマ)」です。

フィリピンのゴム生産地
主に南部の「ソクサージェン地方」で多くのゴム生産がおこなわれており、国内で生産されるゴムの40%以上がソクサージェン地方で生産されています。また、フィリピン南部の「サンボアンガ半島地方」でも多くのゴム生産がおこなわれており、サンボアンガ半島地方でも国内で生産されるゴムの40%を超えています。

タイヤメーカーは日本やアメリカだけではない
日本にも有名なタイヤメーカーが多く存在しますが、現在その存在が脅かされています。タイヤメーカーはアジア圏で爆発的に増加しており、将来的に外国産のタイヤが日本と同じ様な質で輸入される事は間違いないと思います。フィリピンにも多くのタイヤメーカーが誕生しており、更なる生産者の誕生・質が向上し、安価で価格の安いタイヤが増加する可能性があります。

カンボジア
ゴム 情報

カンボジアのゴム
ゴムはカンボジアで利用されるクメール語で「កៅស៊ូ(カウソウ)」です。

ゴム価格の下落
近年、ゴムを生産する国は増加しており、カンボジアのゴム価格が下落しています。ゴムの取引価格は下落していますが、カンボジアのゴムの需要は多く、多くの国へ輸出がおこなわれています。

カンボジアのゴム生産の歴史
カンボジアでは1900年代に南部の「カンポット州」でゴムの栽培が開始され、現在は中部の「コンポンチャム州」、中東部の「クラチエ州」、北東部の「ラタナキリ州」などで多くのゴム生産がおこなわれています。

ミャンマー
ゴム 情報

ミャンマーのゴム
ゴムはミャンマー語でဗေဒါ(ビダー)」です。

ミャンマーのゴム生産地
主に南部の「モン州」「カレン州」の生産量が多く、約半数のゴムがこれらの州で生産されています。

グアテマラ
ゴム 情報

グアテマラのゴム
ゴムはグアテマラで利用されているスペイン語で「goma(ゴーマ)」です。

グアテマラはどこ?
グアテマラは北米と南米の中間に位置し、多くのゴム生産をおこなっています。グアテマラで生産されてたゴムは米国を中心に非常に多くの国へ輸出され、質の高いゴムが国内で生産されています。

グアテマラのゴム生産
主に南部の「エスクィントラ県」「スチテペケス県」「レタルレウ県」、南東部の「ケツァルテナンゴ県」、西部の「イサバル県」、中部の「アルタ・ベラパス県」、北部の「ペテン県」で多くのゴム生産がおこなわれています。

まとめ

日本はゴムを生産していない
日本ではゴムを生産していませんが多くのタイヤメーカーなどが存在しており、ゴムは日本の生活に必要不可な製品です。世界では「サスティナブル:持続可能」な生産体制が求められており、タイヤなども環境に拝領した製品が今後登場すると思われます。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Natural rubber in primary forms, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2021年09月28日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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