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カレーに加える事も!世界のキマメ 生産量ランキング

キマメの栽培は水が少なくて済む

キマメは年間650㎜以下の非常に雨の少ない地域でも栽培する事が可能な植物であり、水不足が懸念される乾燥地帯での生産が促進されています。

キマメはどの国でどのくらい生産されているのでしょうか?

世界の木豆
生産量 ランキング

世界のキマメの生産量
世界一位 インド
世界二位 マラウイ
世界三位 ミャンマー

世界のキマメ 生産量ランキング
Pigeon peas, dry
Production

生産量
(t)
2022年
世界 5,326,932.03
インド 4,220,190.00
マラウイ 446,588.45
ミャンマー 327,429.31
ケニア 83,816.00
ドミニカ共和国 23,310.25
ウガンダ 18,609.44
ネパール 15,977.00
コンゴ民主共和国 6,889.00
ハイチ 6,088.92
南アメリカ 5,159.56
コロンビア 3,320.80
ブルンジ 2,632.91
パナマ 1,882.14
ベネズエラ 1,838.76
フィリピン 810.76
ジャマイカ 675.00
トリニダード・トバゴ 598.00
グレナダ 471.21
バングラデシュ 454.00
セントビンセント
グレナディーン諸島
411.47
コモロ 389.88
プエルトリコ 231.31
バハマ 185.51
パキスタン 4.39

各国のキマメ
情報

キマメのエネルギー
キマメは100gあたりのエネルギーは約350カロリーであり、平均的な豆と同等のエネルギーがあります。

気候変動に強い植物
キマメは栽培に水が少なくてすむ植物であり、気候変動の影響などで「干ばつ」が多発している地域で栽培が促進されている植物です。また、地下水の減少も深刻な問題になっており、「エジプト」「チュニジア」では水の利用が少なくてすむ「オリーブ」の栽培が増加しています。

キマメは栄養満点
キマメは栄養満点な植物であり、「菜食主義者」が多いインドでは重要な「タンパク源」として消費されます。様々な栄養素が含まれており、鉄分・カルシウム・マグネシウムなどが多く含まれいます。

インド
キマメ 情報

インドのキマメ
キマメはインドで利用されるヒンディー語で「कबूतर मटर(カブータルマタール)」です。

インドのキマメ生産
インドは最大のキマメ生産国であり、キマメを世界一輸入している国でもあります。国内では非常に多くのキマメが生産されており、増加する人口と共にキマメの消費量も増加しています。

キマメが足りない
キマメの国内需要が追い付かないインドでは、隣国のミャンマーなどからキマメを輸入しています。インドでは近年、気候変動の影響と思われる天候不順などが続いており、国内のキマメの生産量の増減が大きく、価格なども大きく変動しています。

気候変動に伴う生産量の増減は今後も続くと思われ、安定したキマメ生産が可能な国からの輸入量を増加させています。

地下水の減少
インドでは農業に多くの「地下水」が利用されています。地下水の量が年々減少しており、今後深刻な「地下水の不足」に見舞われる地域が増加すると思われます。

インドのキマメ生産地
主にインド中西部の「マハラシュトラ州」、中央部の「マディヤ・プラデーシュ州」、南西部の「カルナータカ州」、インド北部の「ウッタル・プラデーシュ州」、西部の「グジャラート州」、インド南西部の「アーンドラ・プラデーシュ州」で生産されています。

キマメはインド原産であり古来から消費されています。

マラウイ
キマメ 情報

マラウイのキマメ
キマメはマラウイで利用されるチェワ語で「Mtola wa njiwaモトラワニワ)」です。

マラウイのキマメ生産地
主に国の南部中心でキマメ生産がおこなわれており、南部の「ムランジェ県」「チョロ県」「ゾンバ県」などの生産量が多くなります。マラウイは国土の大分部を占める巨大な湖「マラウイ湖」が存在していますが、マラウイ湖の水がキマメ生産に利用されているわけではなく、他の作物栽培に利用されています。

小規模農家が多い
キマメ生産は「小規模農家」が大多数を占めており、物流・マーケティングに多くの問題を抱えています。市場への売値も非常に安く、キマメを育てる農家は「貧困層」が多くなっています。

マラウイは「トウモロコシ」生産が盛んであり、トウモロコシの「連作障害:同じ場所で作物を作り続けると土地が痩せ生産量が減少する」を避けるためにキマメが植えられます。キマメはトウモロコシによって吸収された土の養分を回復させる植物で、マラウイでは盛んに植えられます。

ミャンマー
キマメ 情報

ミャンマーのキマメ
キマメはミャンマーで利用されているビルマ語で「ပဲစဉ်းငုံ(ペルチノーン)」です。

ミャンマーのキマメ生産地
ミャンマーでは主に北部のザガイン地方域で多くの豆類が栽培されています。

インドへ輸出依存
ミャンマーで生産されているキマメの大多数がインドへ輸出されています。ミャンマーは輸出先の多角化をおこなっていますが、現在も生産される大多数のキマメがインドへ輸出されています。

キマメはミャンマーで三番目に多く生産される豆類であり、近年、気候変動の影響と思われる天候不順により、生産量の増減が大きくなっています。

連作障害を避けるための作物
国内では多くの作物が栽培されていますが、作物の多くが連作障害を起こします。国内で多く生産される「麦」は土壌の「窒素」を吸い上げ、空気中の窒素を取り込む「大豆」などを植え、土壌の窒素量を増加させます。

大豆と窒素
大豆は成長に多くの窒素が必要になる植物です。大豆の根本には小さなコブがあり、この小さなコブについた「根粒菌」が窒素を大豆の成長に必要な栄養に変えます。土地に残った窒素が次の作物の栄養となり、このような農業を「輪作」といいます。

タンザニア
キマメ 情報

タンザニアのキマメ
タンザニアで利用されるスワヒリ語で「Mbaazi ya njiwa(マージヤニジーワ)です。

タンザニアの農業
主に中北部の「マニャラ州」で多くのキマメ生産がおこなわれます。マニャラ州はキマメを含め「トウモロコシ」「エンドウ豆」「小麦」「タマネギ」「ニンニク」などの作物生産も盛んにおこんなわれています。

アフリカの気候変動
アフリカは雨の少ない地域が多く、農業は主に「川の水」「地下水」を利用した農業がおこなわれています。雨が少ない地域も多く、天候不順による生産量の増減が少ない事が特徴的であり、アフリカの農業に注目が集まっていますが、「干ばつ」などの発生も多くなっています。

病気・害虫の問題
アフリカの農業は天候不順による災害は少なくなっていますが、害虫による被害や病気が発生しています。キマメは水をあまり必要としない植物ですが、「干ばつ」などが発生する地域では生産量の増減があります。

世界全体の気候変動
世界全体で気候変動と思われる天候不順が続いています。大雨などが多発している地域では農業を辞める人も増加しており、影響の少ないアフリカへの投資が増加しています。

ケニア
キマメ 情報

ケニアのキマメ
キマメはケニアで利用されるスワヒリ語で「Mbaazi ya njiwa(マージヤニジーワ)です。

ケニアの農業
ケニアは肥料の必要がないキマメの品種「Mbaazi(ムバジ)」を導入し、栽培しています。ムバジは1ヘクタール(100m×100m)辺り約1300キロのキマメの収穫が可能であり、更に降水量が年間650㎜以下の非常に雨が少ない地域でも栽培する事が可能です。品種改良は続けられており、アフリカの乾燥した土地に適した種が今後も登場すると思われます。

輪作作物
ケニアでは「トウモロコシ」「ソルガム」の連作障害を避けるためにキマメを「輪作」作物として利用する事が多くなります。

ケニアのキマメ生産地
主に南東部の「海岸州」でキマメを含めた多くの農作物が生産されています。

ドミニカ共和国
キマメ 情報

ドミニカ共和国のキマメ
キマメはドミニカ共和国で利用されるスペイン語で「Guisantes de paloma(ギサンテデパロマ)です。

ドミニカ共和国のキマメ生産
ドミニカ共和国では小規模農家により多くのキマメが栽培されており、生産したキマメの80%以上が冷凍商品や缶詰などに加工され、海外へ輸出されています。

ハイチ
キマメ 情報

ハイチのキマメ
キマメはハイチで「Pwa pijon(パワパジョン)です。

ハイチはどこ?
カリブ諸国の「ドミニカ共和国」と国境を接する島国であり、ドミニカ共和国同様に多くのキマメを生産しています。

ハイチのキマメ生産地
主に中部の「ゴナープ島」、中部の「Les Gonaïves(ゴナイプ)」、南部などで豆類の生産がおこなわれています。

ウガンダ
キマメ 情報

ウガンダのキマメ
キマメはウガンダで利用されるスワヒリ語で「Mbaazi ya njiwa(マージヤニジーワ)です。

アフリカの多くの国で消費される「キャッサバ」
アフリカは雨が降らない地域が多く「キャッサバ」などのイモ類、「豆」が生産され、主食としても多く消費されます。

ウガンダの棚田
ウガンダは「棚田」による農業がおこなわれています。国内では大雨や干ばつが頻繁に発生しており、灌漑の管理しやすい「棚田」を取り入れ、農業をおこなう地域が多く存在します。

ウガンダの棚田はアジアの棚田より「幅が大きい」傾向があり、その土地に合わせた棚田が作られています。棚田は土地に水分を残す、水害を減らすなどの効果があります。

ネパール
キマメ 情報

ネパールのキマメ
キマメはネパール語で「परेवा मटर(パリヴァーマター)です。

生産されるキマメはインドへ輸出
ネパールは自国で多くのキマメが生産されていますが、「ミャンマー」同様に生産された大多数のキマメがインドへ輸出されています。

ネパールの食文化は
インドの影響を強く受けている
ネパールの食文化はインドから強く受けており、インド料理が多く存在します。キマメを利用した料理も多く、国内でも多く消費されています。

エジプト
キマメ 情報

エジプトのキマメ
キマメはエジプトで利用されるアラビア語で「Pois d'Angole(プアドンゴーレ)です。

水不足が懸念される
エジプトは砂漠に覆われる国ですが、農業大国であり、国内で生産される作物の多くが海外へ輸出されます。しかし、国内で水不足が懸念されており、「オリーブ」「キマメ」などの栽培に水が少なくて済む植物を増加させています。

コンゴ民主共和国
キマメ 情報

コンゴ民主共和国のキマメ
キマメはコンゴ民主共和国で利用されるフランス語で「Pois d'Angole(プアドンゴーレ)です。

コンゴ民主共和国のキマメ生産地
主に中部・南部でキマメ生産がおこなわれています。

貴重な栄養源
アフリカの国々では多くの貧困層が存在しており、大多数が農業従事者です。栄養失調の子供も多く、豆類はタンパク源として重要な食料です。

まとめ

日本のキマメ生産は限定的
日本のキマメ生産は限定的であり、国内で利用されるキマメの多くが輸入品です。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Pigeon peas, dry, Production (t)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2021年09月24日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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