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Food

世界のひまわり油 生産量ランキング

ヨーロッパでは
ひまわり油が料理油として利用される

ヨーロッパでは菜種油が主に利用されますが、「ひまわり油の利用も一般的であり、ヨーロッパ各国で非常に多く消費され、生活に欠かせない油の一つです。

世界ではどの国がどれくらいひまわり油を生産しているのでしょうか?

世界のヒマワリ油
生産量ランキング

世界のヒマワリ油の生産量
世界一位 ウクライナ
世界二位 ロシア
世界三位 テュルキエ(旧トルコ)

世界のヒマワリ油 生産量ランキング
Sunflower oil - Production (Tonnes/year)

生産量
(トン)
2020年
世界合計20,577,022
1ウクライナ
(Ukraine)
6,084,416
2ロシア
(Russia)
6,024,223
3テュルキエ
(Turkiye)
1,147,000
4アルゼンチン
(Argentina)
1,067,506
5ハンガリー
(Hungary)
652,700
6ブルガリア
(Bulgaria)
602,600
7ルーマニア
(Romania)
497,200
8フランス
(France)
472,200
9スペイン
(Spain)
460,000
10カザフスタン
(Kazakhstan)
351,324
11タンザニア
(Tanzania)
289,300
12南アフリカ共和国
(South Africa)
284,500
13中国
(China)
258,100
14オランダ
(Netherlands)
254,600
15米国
(U.S.A)
228,000
16セルビア
(Serbia)
212,417
17モルドバ
(Moldova)
166,000
18ブラジル
(Brazil)
165,221
19イタリア
(Italy)
142,200
20ポルトガル
(Portugal)
98,600
21ウガンダ
(Uganda)
84,200
22ギリシャ
(Greece)
83,600
23チェコ
(Czech)
82,500
24ドイツ
(Germany)
75,200
25オーストリア
(Austria)
70,700
26ボリビア
(Bolivia)
70,080.92
27インド
(India)
62,600
28パキスタン
(Pakistan)
56,200
29ウズベキスタン
(Uzbekistan)
46,941.87
30スーダン
(Sudan)
37,800
31アゼルバイジャン
(Azerbaijan)
36,642.4
32ベルギー
(Belgium)
34,500
33ミャンマー
(Myanmar)
33,400
34ボスニア
ヘルツェゴビナ
(Bosnia and
Herzegovina)
31,300
35イラン
(Iran)
28,100
36イラク
(Iraq)
26,300
37カナダ
(Canada)
23,200
38クロアチア
(Croatia)
23,200
39スロバキア
(Slovakia)
18,100
40ベラルーシ
(Belarus)
17,052
41モロッコ
(Morocco)
16,600
42ザンビア
(Zambia)
15,300
43タイ
(Thailand)
12,500
44パラグアイ
(Paraguay)
12,300
45エジプト
(Egypt)
9,300
46メキシコ
(Mexico)
9,300
47オーストラリア
(Australia)
9,200
48タジキスタン
(Tajikistan)
8,900
49スイス
(Switzerland)
7,700
50インドネシア
(Indonesia)
7,160.79
51スウェーデン
(Sweden)
7,147.65
52マラウイ
(Malawi)
7,000
53ポーランド
(Poland)
6,870.33
出典: ©United Nations Food and Agriculture Organization
データを元にFumib.netがリストを制作

各国のヒマワリ油
情報

ヒマワリ油のエネルギー
ヒマワリ油のエネルギーは100gあたり約800~900カロリーです。

天ぷらに使われている油は何?
日本で「天ぷら」に使用される油は「サラダ油」全般です。サラダ油は「菜種」「ゴマ」「大豆」「米」「トウモロコシ」「ヒマワリ」「ベニバナ」「綿花」「ブドウ」などです。油によって特徴に異なり、天ぷらには一般的に「菜種」「ベニバナ」が熱に強く、適切と言われています。

天ぷらには高級な「椿油」も利用されており江戸時代から料亭などで利用されていました。「椿油」「オリーブオイル」はサラダ油に該当しません。

二種類以上の油を混ぜた油を「調合サラダ油」といいます。

ヒマワリ油の利用
日本では主に「ドレッシング」「マーガリン」などにヒマワリ油が利用されています。近年ではバイオ燃料への転換もおこなわれており、非常に利用価値の高い油です。

一番安い油
「大豆油」です。大豆油は独特の風味があり、基本的に他の油と混ぜて利用します。北米や南米では大豆を利用した油がバイオ燃料に転換されるのが一般的であり、非常に多くの大豆を国内で生産しています。

日本は大豆の生産量が非常に少なく、主にアメリカ産の大豆を利用しています。

ヒマワリ油が無くなると困る?
日本でヒマワリ油の利用は限定的ですが、ヨーロッパではヒマワリ油を揚げ物や料理油として利用する事が多く、他の油の利用を嫌がる人なども存在します。

ヒマワリ油が無くなる国はどこ?
ウクライナやロシアに輸入依存している「北アフリカ」などです。「アルジェリア」は小麦が既に不足しており、国内のパンが不足するなど非常に大きな問題に繋がっています。

小麦の不足によりスーパーマーケットや専門店が襲われる事件などは発生していませんが、今後、暴動に発展する可能性があります。

ウクライナ
ヒマワリ油 情報

ウクライナのヒマワリ油
ウクライナ語でヒマワリ油は「Соняшникова олія(ソーニャシ二コバ オリーヤ)」です。

世界最大のヒマワリ油生産地
ウクライナは世界最大のヒマワリ油生産地であり、ウクライナ全土でヒマワリが栽培されています。ウクライナにはヒマワリ油の製油所が多く存在し、多くの企業により運営されています。生産された多くのヒマワリ油が海外へ輸出されています。

植物油全体の生産量が多い
ウクライナはヒマワリ油の他に「菜種油」などの多くの植物油が生産されています。ウクライナで生産された植物油はヨーロッパだけではなく約50%がアジア地域に輸出されています。

上昇するヒマワリ油の価格
2022年にロシアの攻撃を受けたウクライナは多くのヒマワリ油の生産者・加工場が深刻なダメージを受けています。ロシア・ウクライナからのヒマワリ油の輸出が停滞しているヨーロッパではヒマワリ油の価格が高騰しており、家庭への負担も大きくなっています。

ロシア
ヒマワリ油 情報

ロシアのヒマワリ油
ロシア語でヒマワリ油は「Подсолнечное масло(パドソ―ルニェチノーイェ マスラ)」です。

ヒマワリ油の歴史
ロシアでは1829年にヒマワリから油を搾油する事に成功し、製油所をヴォロネジ州に設立しました。1860年にはヴォロネジ州に150を超える製油所が建設され、現在もヒマワリ油の生産地として有名です。

料理油はヒマワリ油
ロシアでは料理にヒマワリ油や菜種油が多く利用されます。ロシア料理は揚げ物が多く、サラダなどにも多くの油が利用されます。魚のフライなども良く料理され、ロシアの西部「サンクト・ペテルブルク」では「ワカサギの天ぷら」が有名です。

マヨネーズの消費量が多い
ロシアはマヨネーズやサワークリームの消費量が非常に多くなります。

90年代のロシアは非常に貧しい生活を強いられ食べ物が不足しました。サワークリームやマヨネーズは子供の栄養を補うための「スーパーフード」で、様々な食品に加えられました。現在も非常に多くのマヨネーズがサラダに加えられ、原料にヒマワリ油が多く利用されます。

テュルキエ
ヒマワリ油 情報

テュルキエのヒマワリ油
テュルキエ語でヒマワリ油は「Ayçiçek yağı(アイチェチェク ヤリ)」です。

テュルキエのヒマワリ油生産
テュルキエも非常にヒマワリ油の人気が高く、料理に利用される油はヒマワリ油が多くなります。

テュルキエのヒマワリ油生産地
テュルキエで生産されるヒマワリ油は最西端の「エディルネ県」の生産量が多く、国境を超えた「ブルガリア」「ギリシャ」を含む「トラキア地域」で非常に多くのヒマワリが生産されています。トラキア地域では「輪作」がおこなわれています。

輪作とは?
輪作とは「連作障害」を避けるために同じ場所で違う作物の栽培をおこない、土地の栄養のバランスを保つ方法です。

連作障害とは?
「連作障害」は同じ作物を栽培していると作物が土地の栄養素を吸い尽くし、生産量の減少や味が落ちる現象です。この障害を避けるために違う作物の栽培や肥料を利用する必要があります。

海外では連作障害を避けるために「作物の栽培場所を定期的にかえる」「違う作物を栽培する」「畑を休ませる」などの対策がとられています。

アルゼンチン
ヒマワリ油 情報

アルゼンチンのヒマワリ油
アルゼンチンで利用されるスペイン語でヒマワリ油は「Aceite de girasol(アセイテ デギラソル)」です。

アルゼンチンのヒマワリ油
アルゼンチンではヒマワリ油が基本的に大豆油と混ぜられ、主に加工食品などに利用されています。アルゼンチンは過去に非常に多くのヒマワリを生産していましたが、現在は大豆を育てる農家が多く、ヒマワリの生産量は減少しています。

気候変動の影響
アルゼンチンでは気候変動と思われる「大雨」などが続いており、農作物の生産量が減少しています。ヒマワリも大きな影響を受けており生産量が低下しています。

長雨により「根腐病」なども発生しており、大きな問題になっています。

ハンガリー
ヒマワリ油 情報

ハンガリーのヒマワリ油
ハンガリー語でヒマワリ油は「Napraforgóolaj(ナープラフォゴライ)」です。

ハンガリーのヒマワリ生産地
主に中東部の「ヤース・ナジクン・ソルノク県」、南東部の「ベーケーシュ県」、東部の「ハイドゥー・ビハール県」でヒマワリの生産がおこなわれています。

減少するヒマワリ油の輸出量
ハンガリーは2000年代からヒマワリ油の輸出量を爆発的に増加させていましたが、2012年から輸出量が減少に転じています。ロシアやウクライナなどが安い価格で海外へ輸出しているため、ハンガリーの輸出量は少なくなります。

ヒマワリ油の主な輸出先は「ドイツ」「オランダ」「ウクライナ」「ロシア」「イタリア」「ルーマニア」「スロバキア」「モルドバ」などで、主にヨーロッパへ輸出しています。

ブルガリア
ヒマワリ油 情報

ブルガリアのヒマワリ油
ブルガリア語でヒマワリ油は「Слънчогледово олио(スルゥンチョゴレェドォボ オリオ)」です。

上昇するヒマワリ油の価格
ブルガリアも2022年の世界情勢の悪化により、ひまわり油の価格が上昇しています。

ブルガリアはヒマワリ油を料理に利用する事が多く、生活の必需品です。多くの人がヒマワリ油を購入するためにスーパーマーケットや専門店で列を作り、店側は「1人に付き4本」までの購入制限をするなどの対策がとられています。店によってはヒマワリ油の取り合いになるなど警察沙汰になっています。

2023年になり、品不足は解消され、価格も安定してきています。

備蓄はかなり多い
国内に十分なヒマワリ油の備蓄があり、4年分間供給できる量を備蓄しています。国内で非常に多くのヒマワリ油を生産しており、ヒマワリ油が無くなる事はありません。

日本でも「不足するかもしれない」という不安から「買いだめ」する人が多いようにブルガリアでも非常時には買いだめする人が多くなります。

ルーマニア
ヒマワリ油 情報

ルーマニアのヒマワリ油
ルーマニア語でヒマワリ油は「Napraforgóolaj(ナープラフォゴライ)」です。

ルーマニアのひまわり油生産
国内で非常に多くのヒマワリ油が生産されており、需要の10倍を国内で生産しています。生産された多くのヒマワリ油は輸出され、主に「ブルガリア」「ハンガリー」「オランダ」「テュルキエ」「フランス」「スペイン」「アジア」などへ輸出されています。

国民の不安
ルーマニアでは2022年の世界情勢の悪化により物価が上昇しています。ウクライナやロシアのひまわり油の輸出が鈍化しており、国内のヒマワリ油を含めた食料の価格が上昇しています。

国内では市民の不安を払拭するために自国のヒマワリ油の生産量をメディアで積極的に発信するなどの対策をおこなっています。

フランス
ヒマワリ油 情報

フランスのヒマワリ油
フランス語でヒマワリ油は「Huile de tournesol(フリーレ デトルネソル)」です。

フランスのヒマワリ油生産
主に「ロワール川下流の地域」でヒマワリが生産されており、輪作がおこなわれています。春先に種まきがおこなわれ、収獲が9月に終わり、秋から冬にかけて違う作物を栽培しています。

ヒマワリ油の増産
フランスは「ウクライナ」を含む東ヨーロッパから多くのヒマワリ油を輸入しています。2022年の世界情勢の悪化により、輸入先をフランスに切り替える国が増加すると思われ、小麦やヒマワリ油の増産を決定しています。

ヒマワリ油に関してはヒマワリの作付け面積を現在より30%拡大させるなどの対策がとられており、ひまわり油の生産量は今後増加すると思われます。

スペイン
ヒマワリ油 情報

スペインのヒマワリ油
スペイン語でヒマワリ油は「Aceite de girasol(アセイテ デギラソル)」です。

スペインもヒマワリ油の購入制限
2022年にスペインの多くのスーパーマーケットでヒマワリ油の購入制限がおこなわれました。1人あたり1リットルのボトル3本まで、又は5リットルのボトルを1本までと制限する販売店が多くなりましたが、現在は制限がありません。

スペインも備蓄がある
スペインもヒマワリ油の備蓄がありますが、ヒマワリ油を含めた食料品の価格が上昇しています。

カザフスタン
ヒマワリ油 情報

カザフスタンのヒマワリ油
カザフスタンで利用されるカザフ語でヒマワリ油は「Күнбағыс майы(クンバギス マイィ)」です。

過去に日本から支援
カザフスタンは国内のヒマワリ油の生産量が国内需要を賄えず、多くを海外から輸入しています。2007年に日本政府はヒマワリを生産をおこなう農家に対し資金を提供しており、カザフスタン国内でヒマワリの増産が行なわれました。その結果、ヒマワリ油の生産量が大きく増加しています。

雨不足
カザフスタンは気候変動と思われる雨不足が発生しており、ヒマワリの生産量の増減が大きくなっています。カザフスタンの気候に適したひまわりの種の開発、専門家によるヒマワリ生産の包括的な指導がおこなわれ、生産量は増加しています。

しかし、水不足による農業の問題は深刻化しており、今後なんらかの対策が必要になると思われます。

日本
ヒマワリ油 情報

日本のヒマワリ油生産量
日本は北海道で1000~1500トン程度生産しています。

国産のヒマワリ油は高級品
日本でもヒマワリ油を生産していますが限定的で、生産されているヒマワリ油は非常に高級品です。日本では「植物油」の多くが海外からの輸入品で、日本の食料自給率を下げている原因でもあります。

日本の食料自給率
2020年の日本の食料自給率は37%と公表されていますが、これは「カロリーベース」という計算方法になります。

カロリーベースとは生産物の重さを日本人に必要なカロリーで割った数字になります。

日本の野菜の自給率は79%・芋類の自給率は63%・食用穀物の自給率が63%・肉類の自給率が50%になっています。自給率が特に低い生産物は大豆などの豆類で7%になります。

日本は大豆などの豆類をほどんど国内で生産しておらず、大多数をアメリカやブラジルから輸入しています。中国も豆類の自給率が低くなっていますが、近年増産しています。

まとめ

世界情勢の悪化
世界情勢の悪化により、生産量が多いロシアやウクライナからヒマワリ油の輸入が難航しています。アフリカなどの国々が影響を受けており、価格が高騰するなどの問題が生じています。

日本への影響は限定的ですが取引価格が上昇しており、国内の販売価格に影響を及ぼす可能性があります。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

サムネイル: 「Pixabay」から商用利用可能な写真を加工・利用しています。

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