Image:https://pixabay.com

Food

カリンと違うの?世界のマルメロ 生産量ランキング

海外でジャムなどに利用されるマルメロ

マルメロは「カリン」「木瓜」にた果物ですが、マルメロの実は「うぶ毛」があり、日本では限定的に生産されています。語源はポルトガル語ですが、原産は中央アジアです。

マルメロはどの国がどのくらい生産しているのでしょうか?

世界のマルメロ
生産量ランキング

世界のマルメロの生産量
世界一位 テュルキエ(旧トルコ)
世界二位 中国
世界三位 ウズベキスタン

世界のマルメロ 生産量ランキング
Quinces
Production (tonnes/year)

生産量
(t)
2022年
世界702,015.15
トゥルキエ197,503
中国110,559.73
ウズベキスタン90,871.09
イラン90,160.08
モロッコ50,688.5
アゼルバイジャン42,942.7
アルゼンチン29,221.47
セルビア10,865
ロシア8,500
アルジェリア8,021.23
ウクライナ6,926.72
ボスニア・ヘルツェゴビナ6,361
メキシコ5,734.79
アルバニア5,330
ウルグアイ5,042
チュニジア4,326.43
ペルー3,589.45
イスラエル3,530
シリア3,047
ジョージア2,600
モルドバ共和国2,600
キルギス2,182.71
アルメニア2,058.6
イラク1,773.62
イエメン1,573.04
北マケドニア1,502
ニュージーランド1,346.07
カザフスタン697.88
スイス660
チリ574.01
ブラジル437
南アフリカ431
ボリビア130
日本115.66
エジプト46.34
ヨルダン41.87
パレスチナ25.14
オーストラリア0
ベラルーシ0
レバノン0

各国のマルメロ
情報

マルメロの重さ・エネルギー
マルメロは1個約180gでエネルギーは約105カロリーになります。

マルメロって何?
マルメロは「バラ科マルメロ属」の果物になります。「セイヨウカリン」と呼ばれることがありますが、カリンは「バラ科カリン属」です。マルメロもカリン同様にフルーティな香りがありますが、酸味が強く硬いため、生食には向きません。「ジャム」「果実酒」などへ加工される事が多く、海外でもジャムなどが販売されてます。

日本でも限定的に栽培されており、ジャムなどに加工される事が多くなります。

マルメロの原産地
マルメロの原産地は「北コーカサス地方」「中央アジア」と言われています。日本には江戸時代に伝わった植物であり、ポルトガルから伝わったため、英語の「Quinces(クインス)」ではなく、ポルトガル語の「Marmelo(マルメロ)」の名で定着しました。

テュルキエ
マルメロ 情報

テュルキエ(旧トルコ)のマルメロ
マルメロはテュルキエ語で「Ayva(アイヴァ)」です。

テュルキエのマルメロ生産
テュルキエは自国で生産されるマルメロの40%以上を海外へ輸出しています。輸出先は45ヶ国を超え、主に「ロシア」「ドイツ」へ輸出しています。

テュルキエのマルメロ生産地
主に西部の「デニズリ県」で多くのマルメロが生産されています。デニズリ県は緑豊かな渓谷に囲まれた肥沃な土地を有しており、9月から11月に収穫がはじまります。

古代からジャムなどに加工されていた
マルメロは古代から消費されている果物の一つであり、古代ローマでは生鮮果実として消費される以外にジュース・蜂蜜漬け・ジャム・香水などに加工、利用されていました。

中国
マルメロ 情報

中国のマルメロ
マルメロは中国語で「榅桲(ウェンポー)」です。

中国のマルメロ生産
「カリン」は中国原産であり、英語では「Chinese quince(チャイニーズクインス)」と呼ばれますが、セイヨウカリン・カリン・マルメロは別属です。

中国のマルメロ生産地
主に西部の「新疆ウイグル自治区」、東部の「北京市」、南部の「雲南省」などでマルメロ栽培がおこなわれています。マルメロは北コーカサス・中央アジアが原産とされていますが、中国でも野生のマルメロが自生しています。

ブルガリアから導入された
中国で消費されているマルメロは2012年にブルガリアから導入されたものが多く、東部の「山東省(さんとんしょう)」で栽培が開始されました。

ウズベキスタン
マルメロ 情報

ウズベキスタンのマルメロ
マルメロはウズベキスタンで利用されるウズベク語で「Behi(べヒ)」です。

有名なマルメロの生産地

ウズベキスタンは有名なマルメロの生産地であり、ウズベキスタンで生産されたマルメロは「ラトビア」などヨーロッパへ輸出されています。

ウズベキスタンのマルメロの生産地
主に西部の「フェルガナ州のソフ地区」、西部の「タシュケント州のNanai(ナナイ)」「 Bostanlyk(ボスタンリク)」などで多くのマルメロが生産されています。

栽培は海抜1000mを超える山岳地帯でおこなわれており、一般的なマルメロよりも小ぶりなのが特徴です。

マルメロ栽培に適した気候
ウズベキスタンはマルメロの栽培に適した気候を有しており、質の良いマルメロが国内で生産されています。

イラン
マルメロ 情報

イランのマルメロ
マルメロはイランで利用されるペルシャ語で「به(デッ)」です。

イランのマルメロ生産地
イランは温暖な気候で果物を栽培しやすい土地を有しており、様々な果物が国内で栽培されています。マルメロはイラン原産言われており、古くから栽培される果物の一つです。

主に中部の「ファールス州」「エスファハーン州」、南東部の「ケルマーン州」、北西部の「アルダビール州」などで多くのマルメロが生産されており、地方によって呼び名が異なります。

ジャムなどに加工される事が多い
イランではマルメロがジャム・ゼリー・コンポートなどに利用され、「咳止め」などとしても利用される事が多くなります。

モロッコ
マルメロ 情報

モロッコのマルメロ
マルメロはモロッコで利用されるアラビア語で「سفرجل(サファルヤル)」です。

マルメロを利用した料理
モロッコでは「タジンポット」と呼ばれる「土鍋」が調理器具として利用されます。タジンポットはフタが円錐状であり、のぼった湯気が冷やされ「水滴」となり再び鍋に戻る構造になっています。水の少ない地域で利用される鍋であり、モロッコでも利用される事が多くなります。

マルメロと肉をタジンで煮込んだ料理などが国内で人気であり、マルメロの収穫時期になると料理される事が多くなる料理です。

生産されたマルメロは輸出される
モロッコで生産されたマルメロの多くが海外へ輸出されています。主な輸出先は「スペイン」「カナダ」「ニジェール」などです。

アゼルバイジャン
マルメロ 情報

アゼルバイジャンのマルメロ
マルメロはアゼルバイジャン語で「heyva(ヘイヴァ)」です。

農業に対する補助金
アゼルバイジャン政府は様々な農作物の栽培に対し「補助金を支給」しています。補助金を利用して果物栽培をおこなう農家も多く、国内で様々な作物が栽培されています。

アゼルバイジャンのマルメロ生産地
主にカフカス山脈を流れる「クラ川」「アラス川」などが流れる「中南部」でマルメロ栽培がおこなわれています。

アゼルバイジャンは柿が有名
アゼルバイジャンは「柿」を多く栽培しています。アゼルバイジャン語で「xurma(ホルマ)」といい、アラビア語の「ナツメヤシ」を意味します。

なんで「ナツメヤシ」なの?
旧ソ連圏の統治に置かれた国ではカキを「ホルマ」と呼ぶ事が多くなります。ナツメヤシと間違えロシアに伝わった事が原因だと思われます。

アルゼンチン
マルメロ 情報

アルゼンチンのマルメロ
マルメロはアルゼンチンで利用されるスペイン語で「Membrillo(メンブリーロ)」です。

アルゼンチンのマルメロ生産地
主に西部の「メンドーサ州」で多くのマルメロ栽培がおこなわれています。中南部の「リオネグロ州」、西部の「ブエノスアイレス州」でもマルメロ栽培がおこなわれています。

マルメロの栽培には注意が必要
マルメロには「ミバエ」などの害虫が付きやすく、他の果物にも影響を与えかねないため、完熟前に早摘みする農家が多くなります。

セルビア
マルメロ 情報

セルビアのマルメロ
マルメロはセルビア語で「дуња(デゥーニャ)」です。

ヨーロッパはマルメロの生産量が少ない
ヨーロッパはマルメロの生産が非常に少なく、主に「中央アジア」中心におこなわれています。マルメロの利用は限定的であり、果実酒やジャムなどに加工される事が多くなります。セルビアではマルメロ栽培が古くからおこなわれていますが、他の果実と比べると生産量は少なくなります。

アルジェリア
マルメロ 情報

アルジェリアのマルメロ

マルメロはアルジェリアで利用されるアラビア語で「سفرجل(サファルヤル)」です。

アルジェリアのマルメロ生産地
主に北部の「モスタガネム県」などで多くのマルメロが生産されています。モスタガネム県はモモ・アプリコット・プラムなど果物も栽培されており、国内で消費される以外に海外へ輸出しています。

アルジェリアの農業
アルジェリアの国土の多くが砂漠で覆われており、農業は主に「北部」でおこなわれています。近年はオリーブなどの水の使用が少なくてすむ植物の栽培が増加しており、隣国のエジプトでも増加しています。

ロシア
マルメロ 情報

ロシアのマルメロ
マルメロはロシア語で「Айва(アイヴァ)」です。

ロシアのマルメロ生産地
主に北コーカサスに位置する南西部の「アストラハン州」「ヴォルゴグラード州」の生産が多くなります。ロシアの北コーカサス地方は温暖な気候を有しており、様々な野菜・果物が生産されており、主に国内に提供されています。

マルメロの原産地
マルメロの原産は北コーカサス地方と言われています。4000年以上前から栽培されていたとされ、主にジャム・ジュースなどに加工されています。

まとめ

生産量は世界的に少ない
マルメロは利用は限定的であり、生産量も他の果実と比べて少なくなっています。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Quinces, Production (t)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2021年09月25日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。

-Food