柿は中国や日本が原産
柿は中国や日本原産の果物です。海外では日本名と同じように「カキ」と呼ばれていたり、「ホルマ」や「ペルシモン」と呼ばれる事があります。
世界ではどの国がどのくらい柿を生産しているのでしょうか?
世界のカキ
生産量ランキング
世界の柿生産量
世界一位 中国
世界二位 韓国
世界三位 日本
世界のカキ 生産量ランキング
persimmons - Production (tonnes/year)
生産量 (t) 2022年 |
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世界 | 4,436,474.68 |
中国 | 3,396,270.40 |
大韓民国 | 231,523.36 |
日本 | 216,100.00 |
アゼルバイジャン | 184,290.90 |
ブラジル | 165,086.41 |
ウズベキスタン | 83,642.81 |
台湾 | 80,723.81 |
イラン | 55,284.28 |
イスラエル | 30,471.59 |
パキスタン | 24,812.69 |
ネパール | 3,013.69 |
ニュージーランド | 2,807.28 |
オーストラリア | 2,059.87 |
チリ | 747.41 |
メキシコ | 647.41 |
ブータン | 233.80 |
イタリア | 94.69 |
出典: ©United Nations Food and Agriculture Organization
データを元にFumib.netがリストを作成
各国の柿
情報
柿の重さ・エネルギー
柿の重さは1個約250gで、エネルギーは約130~140カロリーです。
柿の原産地
柿は日本・中国・韓国などに自生しており、原産は中国の揚子江沿岸だといわれています。日本国内の生産量は世界的に見ても多い果物でありますが、輸出などは非常に限定的になります。
柿の種類
柿は「カキノキ属」であり、カキノキ属に含まれる種は700種~1000種といわれています。
ヨーロッパはスペイン産の柿が多い
ヨーロッパは冬になると「スペイン産」「イタリア産」の柿が多くの国々で販売されます。日本の柿と比べると実が大きく軟らかい柿であり、スプーンですくって食べます。
生産地は限定的
柿の生産は限定的です。「チリ」などの南米でも生産が開始されており、徐々に生産量が増加しています。
中国
柿 情報
中国の柿
柿は中国語で「柿子(シージー)」です。
柿はアジア原産
柿は「中国南部」が原産とされていますが、古来から中国に甘柿は存在しておらず、甘柿は日本で自生していたとされています。
中国の柿の生産地
柿は主に南部の「広西チワン族自治区」の生産量が多く、国内で生産されている柿の70%が広西チワン族自治区で生産されています。その他には東部の「山東省(さんとんしょう)」、中東部の「山西省(さんせいしょう)」、中部の「湖北省(かほくしょう)」、中南部の「湖南省(こなんしょう)」、東部の「江蘇省(こうそしょう)」「安徽省(あんきしょう)」、北東部の「北京市」「天津市(てんしんし)」などで多く生産されています。
中国の柿は柔らかい
中国で販売されている柿は非常に軟らかい柿が多く、「トマト」に近い食感になります。完熟したものは非常に甘く、ヨーロッパ同様にスプーンですくって食べます。
日本のように固めで甘い柿は「硬柿子」や「甜脆柿」と呼ばれており、見つけるのが難しいかもしれません。
スペイン
柿 情報
スペインの柿
柿はスペイン語で「Caqui(カーキー)」です。2017年にスペインは柿を約40万トン生産していました。近年のデータはありませんが、ヨーロッパではスペイン産・イタリア産の柿をよく見かけるので、多くの柿を生産していると思われます。
スペインの柿生産地
主に東部の「バレンシア州」、南部の「アンダルシア州」、南東部の「ムルシア州」の柿の生産が多くなっています。
ヨーロッパの柿生産の中心
スペインの柿生産量は2000年頃から大きく増加しています。柿の生産は商業的におこなわれており、生産された柿の約80%がフランス・ドイツ・イタリアなどのヨーロッパの各国に輸出され、大きな利益をあげています。
スペインの柿も非常に柔らかい
スペインの柿は非常に実が軟らかく、スプーンですくって食べます。
柿の販売は秋から冬にかけて各国のスーパーマーケットや市場で開始され、スペインでも非常に人気のある果物のひとつです。最近では日本で生産されている固くて甘い柿も販売されています。
韓国
カキ 情報
韓国の柿生産量
柿は韓国語で「감(カーム)」です。
韓国の柿生産地
主に南西部の「光陽市(クァンヤンし)」「求礼郡(クレぐん)」「順天市(スンチョンし)」「長城郡(チャンソンぐん)」「霊岩郡(ヨンアムぐん)」を含む「全羅南道(ぜんらなんどう:전라남도)」
南東部の「義城郡(ウィソンぐん)」「蔚山広域市(ウルサンこういきし)」「慶州市(キョンジュし)」「山清郡(サンチョンぐん)」「河東郡(ハドンぐん)」「密陽市(ミリャンし)」「昌寧郡(チャンニョンぐん)」を含む「慶尚北道(けいしょうほくどう:경상북도)」で多くの柿が生産されています。
柿の生産は韓国南部に多い
南部で生産される柿は1920年代に日本から持ち込まれ栽培が開始されました。柿は中国・韓国・日本で自生している果物であり、韓国の北部には自生している柿が多く存在しています。
韓国の柿は柔らかい
韓国の柿も非常に軟らかいものが多く、追熟を待ち、軟らかくなったものをスプーンで食べます。「干し柿」も有名で、クルミを干し柿で巻いた「柿の胡桃巻:곶감쌈」などが有名です。
日本
柿 情報
日本の柿の生産地
日本で柿の生産量が多い都道府県一位は「和歌山県」であり、日本全体で生産されている柿の約18~22%が和歌山県で生産されています。隣の奈良県の生産量も非常に多くなります。
非常に歴史の古い果物
日本の柿の歴史は古く、縄文時代の遺跡から柿の種の化石が発見されており、古くから柿が消費されていたと思われます。奈良時代には一般的に流通しており、米より高い価格で取引されていました。
いくらだったの?
現在の価格に置き換えると1㎏で約2000~2500円ぐらいで取引されていたと思われます。柿は当時の米の価格から1.3~1.6倍の価格で取引されていました。
アゼルバイジャン
柿 情報
アゼルバイジャンの柿生産
柿はアゼルバイジャン語で「Xurma(ホルマ)」です。
名前の由来
旧ソ連圏の国々では柿をロシア語の「ホルマ」と呼ぶ事が多くなります。ペルシア語で「ナツメヤシ」がホルマといわれており、ナツメヤシと間違えてロシアに伝わった事が原因だと思われます。
アゼルバイジャンの柿の生産地
主に東部の「シャムキル県」、北部の「Balakan District(バラカン県)」、中部の「ギョイチャイ県」「アグダシュ県」、北部の「ハチマズ県」で柿が生産されています。とくに東部のシャムキル県の生産量が多く、国内で生産される柿の約30%がシャムキル県で生産されています。
アゼルバイジャンの柿も非常に柔らかい柿が多く、スプーンですくって食べます。
南アフリカ共和国
柿 情報
南アフリカの柿生産地
主に南部の「西ケープ州」で生産されています。南アフリカは生産した果物の多くを輸出しており、主な輸出先はイギリスやアメリカなどが多くなります。
また、生産した柿は「干し柿」などに加工される事も多く、1990年代から生産量が増加しました。
ブラジル
柿 情報
ブラジルの柿
柿はブラジルで利用されるポルトガル語で「caqui(カーキー)」です。
ブラジルの柿の生産地
主に南東部の「サンパウロ州」、南部の「リオグランデ・ド・スル州」、南東部の「ミナスジェライス州」、「リオデジャネイロ州」で多く柿が生産されています。とくに南東部のサンパウロ州は柿の生産量が多く、国内で生産されている柿の半数を超えています。
2方向からやってきた柿
ブラジルに柿が伝わったのは「ポルトガル」からで、1890年になります。同時に日本人が1920年代にブラジルに移住し、日本から持ち込まれた柿の栽培が開始されました。このような伝わり方をする果物は世界的に見ても非常に稀で、ブラジルでは現在も多くの柿が生産されています。
ウズベキスタン
柿 情報
ウズベキスタンの柿
柿はウズベキスタンで利用されるウズベク語で「xurmo(フルマ)」です。
ウズベキスタンで生産される干し柿
ウズベキスタンは中央アジアに位置しており、アジアの文化を多く受けている国の一つです。ヨーロッパでは珍しい「干し柿」も生産されており、ロシア・ウクライナ・カザフスタンなどへ輸出しています。
干し柿の需要は高い
ウズベキスタンで生産されて干し柿の需要は高く、多くの国へ輸出しています。海外の需要が高いため、国内のマーケットでの流通は限定的になります。
ヨーロッパでも流行るかも
干し柿はヨーロッパでは流通していません。柿は比較的に新しい果物なので、今後、干し柿が流行るかもしれません。
台湾
柿 情報
台湾の柿
柿は台湾語で「柿子(シーズー)」です。
台湾の柿生産地
主に北西部の「苗栗県(びょうりつけん)」、南部の「嘉義県(ジアイけん)」、中部の「台中市(たいちゅうし)」、北西部の「新竹県(しんちくけん)」「北浦郷(きたうらきょう)」などで多く柿が生産されています。
台湾の干し柿
台湾は干し柿の干し方が日本と異なります。日本のように軒先に吊るすのでは無く、小ぶりの柿である「石柿」「筆柿」などを金属の網の上にヘタを下にして干します。秋には柿を軒先に柿を干す光景が広がります。
イタリア
柿 情報
イタリアの柿生産量
柿はイタリア語で「cachi(カーキー)」です。
イタリアの柿生産地
イタリアでは主に南西部の「カンパニア州」、北東部の「エミリア=ロマーニャ州」で多くの柿が生産されており、国内で生産される柿の90%がこれらの州で生産されています。その他には北部の「ベネト州」、北西部「マルケ州」、南部の「シチリア州」でも柿の栽培がおこなわれています。
イタリアの柿の歴史
イタリアは1880年に南西部のカンパニア州で柿の生産が開始されました。生産は徐々に拡大し、現在も非常に多くの柿が生産されています。イタリア語で「カキは下品な言葉」であり、「KAKI MERA(リンゴの柿)」などと表記されている事があります。
イラン
柿 情報
イランの柿
柿はイランで利用されるペルシャ語で「خرمالو(ホルマール)」です。
イランの柿の生産地
主に南西部の「ファールス州」、北部の「マーザンダラーン州」、中西部の「ゴレスターン州」で多くの柿が生産されています。とくに南西部の「ファールス州」の柿の生産量が多く、イランで生産される柿の約30%がファールス州で生産されています。
「種」の無いカキはどうやって増やすの?
ヨーロッパの柿は種がありません。柿は基本的に種の無い品種の柿を「接ぎ木」で増やします。イランでも接ぎ木で柿の木を増やしており、種のある柿はほどんどありません。
まとめ
柿の生産地はまだまだ少ない
柿の生産が増加したのは1990年代であり、生産地は限定的です。南米などで生産が増加している傾向があり、今後、生産量が増加すると思われます。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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