日本もニンジン生産大国
ニンジンは日本も非常に多く生産されている野菜であり、世界の生産上位国になります。中国の生産量が非常に多く、全体的にアジア地域の生産量が多くなります。
世界でニンジンはどの国がどのくらい生産しているのでしょうか?
世界のニンジン
生産量 ランキング
世界のニンジンの消費量
世界一位 中国
世界二位 ウズベキスタン
世界三位 米国
世界のにんじん生産量ランキング
Production
Carrots and turnips (tonnes/Year)
地域 | 生産量 (t) 2022年 |
---|---|
世界 | 42,233,349.85 |
中国 | 18,676,442.03 |
ウズベキスタン | 3,915,983.46 |
アメリカ合衆国 | 1,381,461.00 |
ロシア | 1,362,175.81 |
イギリス | 887,502.00 |
テュルキエ | 790,983.00 |
ドイツ | 780,490.00 |
ウクライナ | 748,930.00 |
インドネシア | 737,965.25 |
パキスタン | 679,652.00 |
フランス | 662,410.00 |
日本 | 627,448.93 |
カザフスタン | 621,402.58 |
ポーランド | 619,600.00 |
オランダ | 488,880.00 |
アルジェリア | 427,954.95 |
タジキスタン | 415,952.94 |
モロッコ | 405,068.70 |
スペイン | 387,910.00 |
イタリア | 353,500.00 |
メキシコ | 348,899.93 |
カナダ | 348,135.00 |
イラン | 328,224.71 |
ベラルーシ | 324,136.13 |
アルゼンチン | 300,281.81 |
オーストラリア | 294,000.00 |
コロンビア | 291,278.51 |
ベルギー | 249,600.00 |
ナイジェリア | 237,952.89 |
ベネズエラ | 230,700.86 |
ペルー | 226,764.00 |
南アフリカ | 222,287.00 |
エジプト | 213,789.71 |
チュニジア | 210,238.04 |
スリランカ | 194,637.00 |
キルギスタン | 186,363.00 |
イスラエル | 161,023.00 |
アンゴラ | 154,188.00 |
チリ | 147,142.84 |
オーストリア | 118,410.00 |
スウェーデン | 113,950.00 |
ポルトガル | 100,060.00 |
グアテマラ | 97,714.76 |
大韓民国 | 94,943.20 |
ケニア | 93,964.76 |
台湾 | 91,658.28 |
ボリビア | 91,312.28 |
ルーマニア | 86,490.00 |
ニジェール | 76,722.02 |
ニュージーランド | 75,795.80 |
フィンランド | 75,760.00 |
デンマーク | 74,610.00 |
トルクメニスタン | 71,747.55 |
モンゴル | 71,519.39 |
ハンガリー | 70,620.00 |
フィリピン | 67,927.12 |
スイス | 63,668.00 |
アイルランド | 62,370.00 |
ドミニカ共和国 | 59,156.48 |
セルビア | 51,790.00 |
ノルウェー | 49,642.00 |
リトアニア | 46,570.00 |
スーダン | 46,545.62 |
ルワンダ | 44,812.32 |
エクアドル | 42,153.76 |
サウジアラビア | 38,958.00 |
アゼルバイジャン | 38,920.60 |
ジャマイカ | 36,887.00 |
リビア | 33,608.63 |
チェコ | 32,790.00 |
バングラデシュ | 31,149.00 |
セネガル | 28,500.00 |
ウルグアイ | 26,678.01 |
エチオピア | 26,457.22 |
マリ | 23,697.00 |
ヨルダン | 23,455.38 |
モルドバ共和国 | 23,000.00 |
ニカラグア | 22,089.74 |
シリア | 20,107.00 |
オマーン | 20,091.00 |
コスタリカ | 19,111.66 |
スロバキア | 19,010.00 |
ギリシャ | 17,700.00 |
アルメニア | 15,756.40 |
イエメン | 14,581.60 |
ラトビア | 12,330.00 |
エストニア | 11,460.00 |
クロアチア | 10,020.00 |
マダガスカル | 9,600.10 |
ブルガリア | 9,540.00 |
アルバニア | 9,538.80 |
パラグアイ | 8,423.95 |
ボスニア・ヘルツェゴビナ | 8,294.00 |
パレスチナ | 5,105.76 |
ホンジュラス | 4,707.02 |
モーリシャス | 4,547.00 |
北マケドニア | 4,325.00 |
レバノン | 4,234.22 |
スロベニア | 4,210.00 |
マラウイ | 4,100.71 |
ボツワナ | 3,926.69 |
ブータン | 3,649.38 |
イラク | 2,903.00 |
ナミビア | 2,746.81 |
パナマ | 1,717.45 |
アイスランド | 1,625.00 |
キプロス | 1,610.00 |
カーボベルデ | 1,515.00 |
ルクセンブルク | 1,470.00 |
ジョージア | 1,400.00 |
マルタ | 1,050.00 |
サントメ・プリンシペ | 982.55 |
ベリーズ | 914.00 |
ドミニカ | 576.44 |
セントビンセント グレナディーン諸島 | 505.76 |
コンゴ | 505.26 |
クウェート | 474.94 |
コンゴ民主共和国 | 418.66 |
バルバドス | 340.00 |
フランス領ポリネシア | 198.77 |
ポリネシア | 198.77 |
ジンバブエ | 177.67 |
アラブ首長国連邦 | 139.06 |
グレナダ | 76.09 |
セントクリストファー ネイビース | 69.00 |
バーレーン | 33.84 |
カタール | 31.56 |
セントルシア | 17.00 |
ジブチ | 16.60 |
アンティグア・バーブーダ | 6.08 |
インド | - |
南スーダン | - |
トリニダード・トバゴ | - |
出典: ©United Nations Food and Agriculture Organization
データを元にFumib.netがリストを作成
各国のニンジン
情報
ニンジンの重さ・エネルギー
ニンジンの重さは一本約150gで、エネルギーは約60カロリーです。
ウサギの食害
ニンジンといえば「ウサギ」の好物という印象がありますが、スペインではウサギによる食害に悩まされています。スペイン北西部のカスティーリャ・イ・レオン州では1ヘクタールあたりに600匹のウサギが生息しており、食害により農作物へ甚大な被害を受けています。
日本でも食害の増加
日本でも野生動物による食害は多く、農作物に被害が出ています。日本は小規模農家が多く、個々にバリケードを設置するなど対策がとられていますが、スペインでは「緊急事態宣言」を発令するなど大きな問題になっています。
「世界のキャベツ生産量ランキング」の記事はこちらになります。よろしかったらご覧ください。
「世界のニンニク生産量ランキング」はこちらになります。よろしかったらご覧ください。
中国
ニンジン 情報
中国のニンジン生産
中国語でニンジンは「萝卜(ルゥォブォ)」です。
世界生産の半数が中国
中国は非常に多くのニンジンを生産しており、世界で生産されるニンジンの40パーセントが中国で生産されています。日本で販売されているニンジンの大多数が国産ですが、約10~15%のニンジンが中国からの輸入品になります。冷凍食品などに多く利用されています。
中国のニンジンの歴史
ニンジンは「ヒマラヤ・中央アジア」が原産とされています。ニンジンの栽培が開始された場所は不明とされていますが、カザフスタン・キルギスタン・タジキスタン・トルクメニスタン・ウズベキスタンなどで栽培が開始されたと考えられています。
ニンジンはシルクロードを経由しユーラシア大陸の東西に運ばれ、14〜17世紀に中国・インド・日本に伝わったとされています。
濃度を超える農薬の検出
中国産のニンジンから基準値を超える農薬が検出されており、中国から輸入されるニンジンに対し、食品衛生法に基づいた「農薬の残留検査」の義務付けが行なわれています。
基準値を超える農薬が検出された食品は販売・輸入が禁止され、消費者の口に入る事はありませんが、1本1本すべてのニンジンに対し検査をする事は困難になり、農薬の基準値を超えたニンジンが稀に国内に入ってしまいます。
基準値を超えた農薬は「人体に影響にないレベル」で、食べても問題ないとされていますが、日本でも非常に多くのニンジンを生産しており、「特別栽培農産物」「有機JAS認証」を取得している「安全性」が高い国産のニンジンなどが多く販売されています。
ウズベキスタン
ニンジン 情報
ウズベキスタンのニンジン
ウズベキスタンで使用されているウズベク語でニンジンは「Sabzi(サブジ)」です。
ウズベキスタンのニンジン
ウズベキスタンでは様々な種類のニンジンが生産されており、日本で見かける事の少ない「黄色いニンジン」が多く販売されています。「Uzbek golden carrot(ウズベキスタンの金色のニンジン)」などと呼ばれており、様々なウズベキスタン料理に利用されます。
中央アジアの「ピラフ」
中央アジアから東ヨーロッパでは「ピラフ」の人気が高く、非常に多くのニンジンが利用されます。日本のピラフは「海老」を加える事が多くなりますが、中央アジアから東ヨーロッパのピラフには牛肉・羊肉が加えられます。
米国
ニンジン 情報
米国のニンジンの歴史
ニンジンが米国に上陸したのは17世紀の「バージニア州」になります。イギリスからの入植者により栽培が開始され、同時期に「キュウリ」の栽培もおこなわれました。ニンジンは19世紀になっても食用として消費される事はほどんどありませんでしたが、家畜の飼料として利用され、多くの家庭で栽培されていました。
米国のニンジンの消費
ニンジンは米国で6番目に消費される野菜(2020年に年間3.4㎏の消費)で、主に「サラダ」として消費される事が多くなります。その他にスナックなどのお菓子、料理の付け合わせとして利用されています。
ニンジンはベータカロチン・ビタミン・カリウム・ミネラル・食物繊維が含まれています。
米国は健康志向の人が増加しており、食事に野菜を積極的に取り入れる人が増えています。スムージー・ジュースなども人気があります。
ロシア
ニンジン 情報
ロシアのニンジン
ロシア語でニンジンは「Морковь(マルコーブ)」です。
ソビエト連邦によって広まった料理
ニンジンが多様される「ピラフ」は中央アジアの料理ですが、「旧ソビエト連邦」時に多くの国に伝わり、現在は非常に多くの国で食べられます。自国で人気があるスパイスなどが加えられ、レシピなどが国によって若干異なります。
ロシアのキムチ
東ヨーロッパでは「Корейская Морковь(韓国風ニンジン)」というサラダがスーパーなどで販売されています。これはロシアで誕生した「キムチ」で、韓国のキムチとはかけ離れた「フルーティでちょっと甘い」味がします。東欧では「カボチャの種」が加えられている事が多く、ロシアでは「ゴマ」が加えられます。
一番人気があるサラダは「Салат Оливье(オリビィエサラダ)」で、モスクワで生まれたポテトサラダです。日本の「ポテトサラダ」に似たサラダで、ニシンの塩漬け・ジャガイモ・ハム・グリンピース・ニンジンなどが細かくカットされ、「マヨネーズ」「サワークリーム」などを和えて食べます。
ドイツ
ニンジン 情報
ドイツのニンジン
ドイツ語でニンジンは「Karotte(カローテ)」といいます。
ドイツのニンジン生産
デュッセルドルフ・ケルン・エッセンなどが位置する西部のノルトライン=ヴェストファーレン州で国内で生産されている約30%のニンジンを生産しています。次いでニーダーザクセン州、ラインラント=プファルツ州が多く生産しています。
ドイツのニンジンサラダ
ドイツでも国内で提供される多くのサラダにニンジンが利用されます。ドイツでは細かくスライスしたニンジンとすりおろしたリンゴで作られた「Karottensalat(カロッテンサラート)」が人気で、スーパーやレストランで提供されています。
ドイツではサラダにリンゴが多様される
ドイツはサラダに多くにリンゴを利用します。ポテトサラダ・卵サラダ・キュウリのサラダなどにリンゴが加えられ、2019年には一人あたり18.97kgのリンゴを消費しています。
イギリス
ニンジン 情報
オランダからやってきたニンジン
イギリスでは一般的に赤紫色のニンジンが普及していましたが、16世紀に「オレンジ色のニンジン」がオランダ人入植者によりイギリス南部・西部で栽培が始まりました。
入植者は主に綿花の栽培・加工をおこなっていましたが、農家なども多く入植していており、イギリスにニンジンの栽培方法などが紹介されました。
肉料理の香辛料として利用
16世紀のイギリスではニンジンが肉料理の香辛料として利用されています。16世紀には様々なハーブが利用されており、様々なハーブ記した本などが見つかっています。
ニンジンを食べると目が良くなる
ニンジンには「ビタミンA」が多く含まれています。ビタミンAが不足すると「夜盲症」という「暗闇で見えずらくなる症状」があらわれ、回復にはニンジンを食べる事が有効的といわれています。
ドイツでは第二次世界大戦中にイギリスの戦闘機パイロットがあまりに優秀だったため「イギリス人パイロットは暗闇でも夜目が利くようにニンジンを食べている」という新聞記事を発行しています。
ウクライナ
ニンジン 情報
ウクライナのニンジン
ウクライナ語でニンジンは「морква(マルコーバ)」です。
「オリビィエサラダ」はウクライナの新年の料理
「オリビィエサラダ」はウクライナの新年に欠かせないポテトサラダです。ウクライナではオリビィエサラダに「牛タン」が加えられ、クリスマスや新年に必ず用意される料理の一つです。オリビィエサラダの消費が増える年末はニンジンの価格が上昇する傾向があり、通常価格の2倍以上の値を付ける事があります。
パキスタン
ニンジン 情報
パキスタンのニンジン
パキスタンで利用されるウルドゥー語でニンジンは「گاجر(ガーチェ)」です。
パキスタンのニンジン生産量
主に東部のパンジャーブ州での生産が多く、国内で生産される70%のニンジンがパンジャーブ州で生産されています。生産したニンジンの輸出も多く、主にアラブ首長国連邦・オマーン・カタール・サウジアラビアなどに輸出しています。
インドネシア
ニンジン 情報
インドネシアのニンジン
インドネシア語でニンジンは「wortel(ウォルテル)」です。
暑い国でもニンジンは栽培できるの?
ニンジンの栽培は15度~20度ぐらいの涼しい気候が適温とされています。気温が高すぎる場合は成長が妨げられ、味が悪くなります。インドネシアは熱帯雨林気候に属しており、ニンジンの栽培に適した気候とはいえませんが、国内で多くのニンジンが栽培されています。
インドネシアのニンジンの生産地
ジャワ島西部に位置する「西ジャワ州」「中部ジャワ州」、ジャワ島東部に位置する「東ジャワ州」、スマトラ島の北部に位置する「北スマトラ州」、スマトラ島西岸の「ブンクル州」「中部スマトラ州」、スラウェシ島の南西半島部に位置する「南スラウェシ州」、スラウェシ島北東部のミナハサ半島に位置する「北スラウェシ州」、スマトラ島南部に位置する「ランプン州」、スマトラ島南部に位置する「南スマトラ州」の順にニンジンが生産されています。
フランス
ニンジン 情報
フランスのニンジン
フランス語でニンジンは「carotte(キャロット)」です。
フランスのニンジン生産地
主に北西部のノルマンディー地域圏、ブルターニュ地域圏で国内で生産されるニンジンの20%以上が生産されています。ノルマンディー地域圏に位置する「モン・サン=ミシェル」周辺にもニンジン畑が広がっています。
日本で使われる農薬が禁止
EUでは日本で土壌中の線虫や害虫を防除する燻蒸剤「ジクロロプロペン」が禁止されています。フランス北西部の「クレアンス」ではジクロロプロペンが禁止されてから1年間の間に20%の生産者が廃業に追い込まれ、その年の生産量は50%減少しています。
フランスでは禁止された農薬に対して補償金の支払いがなく、多くの農家が不満を漏らしています。
ポーランド
ニンジン 情報
ポーランドのニンジン
ポーランド語でニンジンは「marchewka(マルケフカ)」です。
輸出されるポーランドのニンジン
ポーランドはヨーロッパの中でニンジン生産のリーダー的存在です。生産されたニンジンの多くが輸出され、主にスロバキア・チェコ・ルーマニア・ドイツ・リトアニアなどに輸出されています。
ポーランドのニンジンの生産地
東中部の「マゾフシェ県」、中部の「クヤヴィ=ポモージェ県」、東部の「ルブリン県」、中西部の「ヴィエルコポルスカ県」中部の「ウッチ県」、南東部の「シフィェンティクシシュ県」で国内の70%のニンジンが生産されています。「玉ねぎ」に次ぐ生産量があり、非常に多くのニンジンが国内で生産されています。
世界情勢によりニンジンの価格の上昇
ポーランドはウクライナにニンジンを輸出しています。世界情勢の悪化により、ポーランドからウクライナへ輸出されているニンジンの量が減少していています。国内需要の上昇と輸出の需要が増加し、国内のニンジンが不足しているため価格が高騰化しています。
カザフスタン
ニンジン 情報
カザフスタンのニンジン生産
カザフスタンで利用されるカザフ語でニンジンは「сәбіз(サビズ)」です。
カザフスタンで生産されるニンジン
カザフスタンではトマト、玉ねぎに次ぎニンジンが栽培され、北東部のパヴロダル州・南部のジャンブール州・南カザフスタン州・東部の東カザフスタン州で主に栽培されています。ニンジン生産はカザフスタンの農業の5~6%を占め、非常に多くのニンジンが生産されています。
輸出が禁止されるニンジン
カザフスタンでは春にニンジンとジャガイモが輸出などにより国内の自給量が不足するた価格が高騰する傾向があります。価格の高騰に歯止めをかけるためにジャガイモとニンジンの輸出を政府が制限し国内の価格を安定化させています。輸出の制限は1月から行われ、2月下旬まで行なわれています。
日本
ニンジン 情報
日本のニンジン生産地
日本でも非常に多くのニンジンが生産されています。ニンジンは日本全国で生産されていますが、主に生産量が多いのは北海道・千葉・青森で・10万トンを超えています。
日本のニンジンの歴史
日本では16世紀~17世紀にかけて中国から伝わっています。現在流通しているオレンジ色のニンジンとは異なり、「金時にんじん(赤色のニンジン)」という種になります。
まとめ
ニンジンの品種改良
ニンジンは「子供の好きな野菜」にも選ばれる野菜ですが、大人は「ニンジンは苦い」という印象がある人が多く、好きな野菜に選ぶ人が少なくなっています。現在、日本で販売されているニンジンは非常に甘く、人気の野菜の一つになります。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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