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便秘の解消に!世界のナツメヤシ 生産量ランキング

砂漠のお菓子「デーツ」
ヨーロッパでも人気

ナツメヤシはヤシ科に属する常緑の高木であり、果実は砂糖菓子のような甘味があります。一般的に「デーツ」と呼ばれ、ヨーロッパでも非常に人気があるフルーツです。

世界ではどの国がどのくらいナツメヤシを生産しているのでしょうか?

世界のデーツ
生産量 ランキング

世界のナツメヤシ生産量
世界一位 エジプト
世界二位 サウジアラビア
世界三位 アルジェリア

世界のナツメヤシ 生産量ランキング
Dates
Production

生産量
(t)
2022年
世界9,747,570.04
エジプト1,733,432.48
サウジアラビア1,610,731.00
アルジェリア1,247,403.75
イラン1,030,459.72
パキスタン732,935.96
イラク715,293.32
スーダン442,667.08
アラブ首長国連邦397,328.94
オマーン376,980.00
チュニジア369,000.00
リビア187,870.08
中国161,120.80
モロッコ137,393.77
クウェート103,111.98
テュルキエ97,560.00
イエメン67,001.32
イスラエル62,717.00
アメリカ合衆国60,010.00
カタール30,191.70
ヨルダン30,000.00
パレスチナ25,494.04
モーリタニア22,145.59
チャド21,373.30
メキシコ19,720.18
ニジェール16,523.18
ソマリア14,259.59
バーレーン13,800.00
アルバニア12,084.00
シリア2,382.00
ナミビア1,773.94
ベナン1,419.05
ケニア1,118.18
マリ702.88
カメルーン587.24
ペルー481.01
エスワティニ309.97
ジブチ131.00
コロンビア56.00
南スーダン0.00

各国
ナツメヤシ 情報

ナツメヤシの重さ・エネルギー
ナツメヤシは1粒約10~20gエネルギーは約24カロリーです。

ダイエット中のお菓子に
ナツメヤシは「脂質」「コレステロール」ナトリウム」を含みません。非常に甘く満足感がある食物で、ダイエットに最適な果物です。

便秘解消に
ナツメヤシには多くの食物繊維が含まれており、便秘に良いとされます。

「世界のデーツ消費量ランキング」の記事はこちらになります。よろしかったらご覧ください。


エジプト
ナツメヤシ 情報

エジプトのナツメヤシ
エジプトで利用されるアラビア語でナツメヤシは「بلح(バラーン)」です。

ナツメヤシはエジプトで一般的なスイーツ
エジプトでナツメヤシは非常に人気が高く、一般的なスイーツの一つとして食べられています。

生産量が増加
「エジプト」「アルジェリア」は水資源が乏しい国であり、近年、水の利用が少ない作物の生産に注目が集まっています。ナツメヤシは栽培に水が少なくてすむ植物であり、ナツメヤシや「オリーブ」の生産量が増加しています。

輸出量は増加傾向
「物流」「包装」に問題を抱えており、輸出量が限定的でしたが「国連開発産業開発機関(UNIDO)」「農地開拓省」「産業貿易省」と協力し、生産・マーケティング・輸出・研究・パッケージングなど、包括的にナツメヤシのブランディングに力を注いでいます。輸出量は増加傾向にあり、ナツメヤシの輸出単価も上昇しています。

エジプトのナツメヤシの輸出量は今後も増加すると思われます。

サウジアラビア
ナツメヤシ 情報

サウジアラビアのナツメヤシ
サウジアラビアで利用されるアラビア語でナツメヤシは「بلح(バラーン)」です。

砂漠の国の生産品
サウジアラビアはナツメヤシの主要な生産国の一国であり、サウジアラビア国内に300種、3100万本のナツメヤシの木が存在します。

石油依存からの脱却
サウジアラビアは国内で産出される「石油」に経済依存しており、石油以外の生産品のシェアを高めるためにナツメヤシの生産に力を入れています。ナツメヤシの生産量は増加傾向にあり、今後も更に増加すると思われます。

次世代エネルギー
サウジアラビアは「雨」がほどんど降らない国です。近年「太陽光」などの次世代エネルギーに目を向けられており、投資が増加しています。世界は「化石燃料」の利用を2050年に止める事を目標としており、化石燃料を基盤としている国々で石油・天然ガスにかわる収入源が模索されています。

イラン
ナツメヤシ 情報

イランのナツメヤシ
イランで利用されるペルシャ語でナツメヤシは「تاریخ(ホルマ)」です。

輸出先の拡大を模索
世界に3000種類以上のナツメヤシが存在しており、イランでは90種類以上のナツメヤシが生産されています。海外へ輸出されるナツメヤシは10種を超え、輸出先は主にヨーロッパ・アメリカ・ロシアなどに輸出されています。イラン政府は国内で生産されるナツメヤシの輸出シェア30%を目指しており、インド・中国に対し輸出の拡大させています。

ナツメヤシの収穫は都市・品種によって異なりますが、7月~11月まで続きます。

イランのナツメヤシ生産地
主に南部の「ファールス州」、南西部の「フーゼスターン州」「ブーシェフル州」、南部の「ホルモズガーン州」、南東部の「ケルマーン州」、中部の「ヤズド州」、東部の「ケルマーンシャー州」、西部の「イーラーム州」、南東部の「スィースターン・バルーチェスターン州」などで多くのナツメヤシが生産されています。

イランの農業は主に北部のカスピ海側と南部の地中海側でおこなわれていますが、ナツメヤシは乾燥した土地でも栽培が可能なため、雨が少ないイラン中部でも栽培がおこなわれています。

アルジェリア
ナツメヤシ 情報

アルジェリアのナツメヤシ
アルジェリアで利用されているアラビア語でナツメヤシは「بلح(バラーン)」です。

アルジェリアのナツメヤシ生産
アルジェリアでナツメヤシ生産が開始されたのは14世紀初期になります。現在は国内に1400万本以上のナツメヤシの木が存在しており、質の良いナツメヤシを国内で生産しています。

アルジェリアのナツメヤシ生産地
主に北東部の「ビスクラ州」で生産されており、国内で生産されるナツメヤシの半数以上がビスクラ州で生産されています。

ナツメヤシの女王
ナツメヤシの「女王」といわれる「Deglet Nour(デグレットノール)」という品種が国内生産シェアの20%を占めており、ヨーロッパへ輸出されるナツメヤシもデグレットノールが多くなるます。日本で販売されている品種もデグレットノールが多くなります。

デグレットノールの意味は「光の指」です。

ナツメヤシはの栽培期間は4年以上
ナツメヤシの栽培期間は実を結ぶまでに4年~8年を要します。非常に乾燥した砂漠地帯で育つ貴重な果実ですが、栽培にある程度の水が必要になります。

イラク
ナツメヤシ 情報

イラクのナツメヤシ生産量
イラクで利用されるアラビア語でナツメヤシは「بلح(バラーン)」です。

イラクのナツメヤシ生産
過去に世界で生産されているナツメヤシの3/4がイラクで生産されていましたが、戦争により国内に存在していたナツメヤシの木が3300万本から900万本まで減少しており、160ヵ所存在していたナツメヤシの加工場は現在6ヵ所になります。

戦争による土壌汚染
戦争により土地が汚染され、ナツメヤシを含む作物の生産が困難な地域も存在しています。他に「水(地下水)の使い過ぎ」天候不順による干ばつにより「塩害」などが増加しており、野菜・果物が大きな被害を受けています。

イラクのナツメヤシ生産地
主に南東部の「バスラ県」、東部の「マイサーン県」「ワーシト県」、南部の「ムサンナー県」、中南部の「カーディーシーヤ県」、南西部の「ナジャフ県」、中部の「カルバラー県」「バービル県」、西部の「アンバール県」、中部の「バグダード県」、東部の「ディヤーラー県」、中北部の「サラーフッディーン県」などで多くのナツメヤシが生産されています。

パキスタン
ナツメヤシ 情報

パキスタンのナツメヤシ
パキスタンで利用されるウルドゥ語でナツメヤシは「کھجور(ケジュー)」です。

パキスタンのナツメヤシ生産地
主に南西部の「バローチスターン州」で多くのナツメヤシが生産されており、パキスタン国内で生産されるナツメヤシの40%以上がバローチスターン州で生産されています。

生産量の低下
国内で多くのナツメヤシが生産されており、北米・ヨーロッパ・アジアなどへ輸出されていますが限定的です。国内のナツメヤシの需要は限られており、ブランディングなどもあまりおこなわれていないため、生産量が減少しています。

日本でもナツメヤシの認知度は低く、口にした事が無い人がほとんどだと思います。

スーダン
ナツメヤシ 情報

スーダンのナツメヤシ
スーダンで利用されるアラビア語でナツメヤシは「بلح(バラーン)」です。

スーダンのナツメヤシ生産地
主に「北部州」、北東部の「ナイル川州」、中部の「ハルツーム州」でナツメヤシが生産されています。

ナイル川の水を利用した農業
主に「スーダン南部」で農業がおこなわれていますが、それ以外の地域はナイル川の水を利用した「灌漑農業」がおこなわれています。「スーダン」「エジプト」はナイル川の水が生命線であり、水の減少は死活問題になります。

近年、ナイル川上流のエチオピアで建設された「大エチオピア・ルネサンスダム」の利用によりナイル川の水の量が減少する恐れがあり、紛争に発展する可能性があります。

オマーン
ナツメヤシ 情報

オマーンのナツメヤシ
オマーンで利用されるアラビア語でナツメヤシは「بلح(バラーン)」です。

オマーンのナツメヤシ生産
非常に多くのナツメヤシが国内で生産されており、食用に向かないナツメヤシは「家畜への飼料」として利用されています。

オマーンのナツメヤシ生産地
主に北部の「北バーティナ行政区」、中部の「ダーヒリーヤ行政区」、北部の「南バーティナ行政区」、北東部の「北シャルキーヤ行政区」、北東部の「ザーヒラ行政区」でナツメヤシ生産が多くなっています。

アラブ首長国連邦
ナツメヤシ 情報

アラブ首長国連邦のナツメヤシ
アラブ首長国連邦で利用されるアラビア語でナツメヤシは「بلح(バラーン)」です。

アラブ首長国連邦のナツメヤシ生産地
アラブ首長国連邦で一番多くナツメヤシが生産されておる地域は東部の「アル・アイン」であり、国内で生産されるナツメヤシの8%以上がアル・アインで生産されています。

アラブ首長国連邦のナツメヤシ生産
アラブ首長国連邦には約4100万本以上のナツメヤシの木が存在しているとされ、国内で非常に多くのナツメヤシが栽培されています。

チュニジア
ナツメヤシ 情報

チュニジアのナツメヤシ生産
チュニジアで利用されるアラビア語でナツメヤシは「بلح(バラーン)」です。

チュニジアはどこ?
チュニジアはアフリカ大陸の北に位置し、「アルジェリア」「リビア」と国境を接しています。チュニジアも石油産出国であり、多くの石油が産出されています。

近年は「太陽光」などの再生可能エネルギーにも力を入れていています。

チュニジアのナツメヤシ生産地
主に西部の「トズール県」、南西部の「ケビリ県」で多くのナツメヤシが生産が生産されています。

チュニジアのオアシス「ジェリド湖」
「ジェリド湖」はチュニジアの西部に位置する巨大な湖で、「塩湖」になります。ジェリド湖では「塩」の生産が盛んにおこなわれており、ジェリド湖周辺でナツメヤシ生産がおこなわれていますが、湖の水は利用されていません。

まとめ

ナツメヤシの効果
ナツメヤシには「アンチエイジング」「むくみの解消」「ストレスの緩和」「腸内環境の改善」など様々な効果があり、ヨーロッパでは日常的に消費される食物です。

砂漠などの極めて水の少ない地域で生産可能な植物であり、中東などのイスラム教を主体とする国々で非常に重要な食物です。伝統的にラマダン中の食事として消費されるなど、イスラム教を信仰する国々で多く栽培される傾向があり、消費も多くなります。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Dates, Production (t)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2021年09月02日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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