世界中で消費される人気ナッツ
クルミの原産地は「ヨーロッパ南西部」から「アジア西部」とされており、世界中で多く消費される種実類です。
世界ではどの国がどれくらいクルミを生産しているのでしょうか?
世界のくるみ
生産量 ランキング
世界のクルミの生産量
世界一位 中国
世界二位 米国
世界三位 イラン
世界のクルミ生産量ランキング
Walnuts with shell
Production (tonnes/year)
国 | 生産量 (t) 2022年 |
---|---|
世界 | 3,874,024.70 |
中国 | 1,400,000.00 |
アメリカ合衆国 | 682,200.00 |
イラン | 355,039.94 |
トゥルキエ | 335,000.00 |
メキシコ | 176,892.92 |
チリ | 153,000.00 |
ブルキナファソ | 134,955.37 |
ウクライナ | 107,660.00 |
ギリシャ | 60,680.00 |
ルーマニア | 53,400.00 |
フランス | 49,680.00 |
ウズベキスタン | 48,179.68 |
エジプト | 24,187.31 |
アルゼンチン | 22,636.47 |
イタリア | 21,870.00 |
アフガニスタン | 20,000.00 |
モルドバ共和国 | 18,800.00 |
スペイン | 16,590.00 |
ベラルーシ | 16,540.41 |
パキスタン | 15,026.00 |
ボスニア・ヘルツェゴビナ | 14,737.00 |
アゼルバイジャン | 13,646.50 |
シリア | 13,310.00 |
モロッコ | 12,736.00 |
セルビア | 11,836.00 |
ポーランド | 10,700.00 |
ネパール | 10,237.00 |
ジョージア | 8,800.00 |
ポルトガル | 7,130.00 |
ハンガリー | 6,450.00 |
キルギス | 6,233.70 |
北マケドニア | 6,165.00 |
ブラジル | 6,127.00 |
オセアニア | 5,952.26 |
オーストラリア | 5,332.75 |
オーストリア | 4,940.00 |
ブルガリア | 4,040.00 |
アルメニア | 3,648.80 |
カザフスタン | 3,093.38 |
レバノン | 3,073.70 |
スイス | 2,039.00 |
イラク | 1,470.78 |
スロベニア | 1,260.00 |
大韓民国 | 1,156.40 |
クロアチア | 920.00 |
モンテネグロ | 723.17 |
ニュージーランド | 619.50 |
パレスチナ | 327.55 |
ペルー | 243.89 |
スロバキア | 140.00 |
キプロス | 130.00 |
リトアニア | 130.00 |
北欧 | 130.00 |
ブータン | 129.43 |
チェコ | 120.00 |
ルクセンブルク | 30.00 |
ヨルダン | 10.05 |
朝鮮民主主義 人民共和国 | - |
エストニア | - |
フィンランド | - |
インド | - |
アイルランド | - |
ラトビア | - |
マルタ | - |
ニューカレドニア | - |
ロシア | - |
スウェーデン | - |
イエメン | - |
各国
クルミ 情報

クルミの重さ・エネルギー
クルミの重さは一粒約3.7gであり、エネルギーは約25カロリーになります。
ナッツ類のアレルギー
クルミを含めたナッツ類でアレルギーを引き起こす人が多く、注意が必要です。クルミはアレルギー表示の義務化が決定しており、クルミに強い交差抗原性(似た食べ物でアレルギーを引き起こしてしまうなど)がある「ペカンナッツ」にも注意が必要です。
クルミの可食部は種の中
クルミの木には実がなります。実の中にある種を割り、種の中にある「仁(ニン)」という部分が可食部になります。
「仁」に含まれる成分には有毒なものがあり、クルミに含まれる「アブシジン酸」という成分が含まれおり、「毒」として扱われる場合があります。この成分を取り除くために「水に漬ける」「ローストする」などの加工がおこなわれます。
クルミは昔から食べられている
クルミは保存が効くため、日本では古来から保存食として利用されてきました。クルミを利用した料理は非常に多く、江戸時代にはクルミを利用した様々なお菓子が販売されていました。
クルミの原産地
クルミの原産地は「イラン」だと考えられています。
中国
クルミ 情報
中国のクルミ
クルミは中国語で「核桃(フータオ)」です。
中国のクルミ生産地
主に南西部の「雲南省(うんなんしょう)」、中北東部の「山西省()」、北東部の「河北省(かほくしょう)」、中部の「陝西省(せんせいしょう)」、北部の「甘粛省(かんしゅくしょう)」、中西部の「青海省(せいかいしょう)」「チベット自治区」、南西部の「新疆(しんきょう)ウイグル自治区」、東部の「山東省(さんとんしょう)」、東部の「浙江省(せっこうしょう)」などでクルミの栽培がおこなわれています。
雲南省では1860平方キロメートル(香川県とほぼ同じ面積)の広大な森林でクルミを生産しています。中国のクルミの植栽面積は6万ヘクタール以上であり、現在も増加しています。
中国のクルミを利用した料理
中国では様々な料理にクルミが利用されますが、日本同様に「菓子」などに利用される事も多くなります。ローストしたクルミに「蜂蜜」「ゴマ」を和えた「琥珀胡桃(フーポゥフータオ)」です。
米国
クルミ 情報
米国のクルミ生産地
主に西部の「カルフォルニア州」でおこなわれており、アメリカ国内で消費されるほぼ全てのクルミがカルフォルニア州で栽培されています。アメリカのクルミ生産はロサンゼルス出身の銀行家「オズロ・W・チャイルズ」により1856年に開始されました。オズロは園芸家でもあり、カルフォルニア州でクルミ以外に「オレンジ」を含む様々な果物生産を開始しています。
現在はカルフォルニア州の盆地全体でクルミ生産がおこなわれています。
健康食品として消費
クルミは非常にカロリーの高い食品ですが、クルミには「オメガ3脂肪酸」など心臓病にかかるリスクや血圧を低下させる成分が含まれており、食事に積極的に取り入れる人が増加しています。
イラン
クルミ 情報
イランのクルミ
クルミはイランで利用されるペルシャ語で「گردو(ゲルドゥ)」です。
イランはクルミの原産地
イランはクルミの原産地であり、紀元前7000年前から人類が食用としていた最古の木の実です。イランを中心とした古代ペルシャで良く食べられていた形跡があり、現在も非常に多くのクルミが消費されています。
様々なイラン料理に利用
イランはクルミを利用した料理・お菓子など様々な料理が存在しており、イランの食生活を支える重要な食物の一つです。
イランのクルミ生産地
主に南部の「ファールス州」、北西部の「東アーザルバーイジャーン州」「ハマダーン州」、西部の「ロレスターン州」、中南東部の「ケルマーン州」、北西部の「ガズヴィーン州」、西部の「ケルマーンシャー州」、北部の「アルボルズ州」、北西部の「ザンジャーン州」で生産されています。
テュルキエ
クルミ 情報
テュルキエのクルミ
クルミは テュルキェ語で「Ceviz(チェビズ)」です。
テュルキエの蜂蜜菓子「バクラヴァ」
テュルキエはクルミを利用したペイストリー「バクラヴァ」が非常に有名です。バクラヴァは「オスマン帝国」時代から人気のある菓子で、当時のコンスタンチノープル(現在のイスタンブール)で作られました。
古くから存在する菓子ですが、現在も非常に人気のあり、空港・土産物店など至る所で購入する事が可能です。日持ちする菓子であり、日本でも購入する事が可能です。
テュルキエのクルミ生産地
主に南西の「デニズリ県」で非常に多くのクルミが生産されています。その他に西部の「マニサ県」、北西部の「ブルサ県」、北部の「チョルム県」、南東部の「ハッキャリ県」などで多く生産されています。
チリ
クルミ 情報
チリのクルミ
クルミは チリで利用されるスペイン語で「Nuez(ノエズ)」です。
チリのクルミ生産地
主に中部の「首都州」「バルパライソ州」「リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州」、中北部の「コキンボ州」、中南部の「ラ・アラウカニア州」などで多くのクルミが生産がおこなわれています。
クルミの主な輸出先
チリで生産されたクルミの多くが海外へ多く輸出されており、「ヨーロッパ」「アラブ首長国連邦」などへ多く輸出されています。
ブルキナファソ
クルミ 情報
ブルキナファソのクルミ
クルミは ブルキナファソで利用されるフランス語で「noyer(ノアイェー)」です。
ブルキナファソの主要産業
ブルキナファソの主要産業は「綿花」です。国内で採掘される「金」に次ぎ収入がある生産品になりますが、綿花の栽培には大量の水が必要になり、生産は主に南部でおこなわれています。
ブルキナファソのナッツ産業
クルミ以外に「シアバター:シアーバターノキから採れる植物性脂肪」「カシューナッツ」などが国内で栽培されており、生産されたナッツの多くを海外へ輸出しています。
メキシコ
クルミ 情報
メキシコのクルミ
クルミは メキシコで利用されるスペイン語で「Nuez(ノエズ)」です。
増加するメキシコ生産量
メキシコのクルミ生産は1990年代から爆発的に生産量が増加してます。2000年代からも更に生産量は増加しており、2007年にクルミの生産量が10万トンを超えています。
メキシコのクルミ生産地
主に北東部の「チワワ州」のクルミ生産量が多く、国内で生産されるクルミの過半数以上がチワワ州で生産されおり、約半分が海外へ輸出されています。その他に北東部の「ソノラ州」、北部の「コアウイラ州」、中北部の「ドゥランゴ州」、北東部の「ヌエボ・レオン州」、中東部の「イダルゴ州」「プエブラ州」、中部の「サン・ルイス・ポトシ州」「アグアスカリエンテス州」、南部の「オアハカ州」で生産されています。
ウクライナ
クルミ 情報
ウクライナのクルミ
クルミはウクライナ語で「волоський горіх(ボロースキ ゴリフ)」です。
ウクライナのクルミ生産地
主に西部の「ザカルパッチャ州」「リヴィウ州」、中西部の「フメリニツキー州」、中南西部の「チェルニウツィー州」、南西部の「イヴァーノ=フランキーウシク州」、西部の「テルノーピリ州」、中部の「キロヴォフラード州」、中西部の「ヴィーンヌィツャ州」、中東部の「ポルタヴァ州」、北東部の「ハルキウ州」、中部の「チェルカースィ州」などで生産されており、中部~西部の生産量が多くなります。
国内への供給量が多い
クルミの木は「木材」として非常に利用価値があり、日本でも多く利用されています。国内のクルミ自給量が10%を下回る国が多く、食用としてクルミを海外から輸入する国が多くなります。
ウクライナのクルミの自給率は約40~50%であり、他国と比べて非常に多く生産されています。
ギリシャ
クルミ 情報
ギリシャのクルミ
クルミはギリシャ語で「καρυδιά(カリキィア)」です。
ギリシャのクルミ生産地
主に中部の「エヴリタニア県」「フティオティダ県」「フォキダ県」、南部の「アルカディア県」「アハイア県」「コリンティア県」「ラコニア県」、中北西部の「アルタ県」「ヨアニナ県」、中部の「カルディツァ県」、中東部の「ラリサ県」、中部の「トリカラ県」、北部の「コザニ県」でクルミが生産がおこなわれています。
ギリシャでも消費が多い「バクラヴァ」
ギリシャでも中東などで人気があるパイ菓子「バクラヴァ」の人気が非常に高く、日常的に消費される菓子の一つです。国内にはクルミや「アーモンド」を利用した「Καρυδόπιτα(カリドピタ)」というケーキの人気が高く、バクラヴァ同様に日常的に消費されます。
ルーマニア
クルミ 情報
ルーマニアのクルミ
クルミはルーマニア語で「Nuez(ノエズ)」です。
ルーマニアのクルミ生産地
主に中西部の「Orăștie(オラシュティーネ)」「Orăștioara(オーラシュティワーラ)」、南西部の「Orșova(オルソバ)」、中北部の「Oresani(オレサ二)」などでクルミ生産がおこなわれています。
ヨーロッパのクルミ生産国
ルーマニアのクルミ生産量は多く、ヨーロッパで消費されるクルミの多くがルーマニアで生産されています。クルミの原産国は「イラン」と言われていますが、「バルカン半島」でも自生していたと考えられています。
ウズベキスタン
クルミ 情報
ウズベキスタンのクルミ
クルミはウズベキスタンで利用されるウズベク語で「yong'oq(ヤンゴック)」です。
ウズベキスタンのクルミ生産地
主に南東部の「サマルカンド州」、西部の「ジザフ州」、南東部の「カシュカダリヤ州」「スルハンダリヤ州」などでクルミの栽培がおこなわれています。
ウズベキスタンのクルミ生産
ウズベキスタンには大規模なクルミのプランテーションが存在しており、専門家や学者の指導を受けてクルミの生産をおこなっています。ウズベキスタンは「雨」が少なく水資源が乏しい国ですが、旧ソ連占領下時に導入された「綿花」栽培がウズベキスタンの農業の「軸」になっています。綿花は非常に多くの「水」を利用する植物で、国内の水資源が減少するなど大きな問題になっています。ウズベキスタン政府は綿花栽培からの脱却に力を入れており、クルミ生産などに力を注いでいます。
まとめ
日本のクルミ生産
日本でも少量ですが「青森県」「長野県」などでクルミ生産をおこなっています。生産量は年々減少しており、海外からの輸入品が増加しています。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Walnuts, in shell, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2021年08月20日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。