Image:https://pixabay.com

Food

世界のパイナップル 生産量ランキング

「パイナップル」は熱帯原産の多年草であり、熱帯の多くの国で栽培がおこなわれ、日本でも沖縄県を中心に栽培されています。

世界ではどの国がどのくらいパイナップルを生産しているのでしょうか?


世界のパイナップル
生産量 ランキング


世界のパイナップルの生産量
世界一位 コスタリカ
世界二位 インドネシア
世界三位 フィリピン


世界のパイナップル 生産量ランキング
Pineapples - Production (tonnes/year)

生産量
(トン)
(t)
2021年
世界合計28,647,865.69
1コスタリカ
(Costa Rica)
2,938,334
2インドネシア
(Indonesia)
2,886,416.84
3フィリピン
(Philippines)
2,860,202.36
4ブラジル
(Brazil)
2,317,554
5中国
(China)
2,301,836
6タイ
(Thailand)
1,800,558
7インド
(India)
1,799,000
8ナイジェリア
(Nigeria)
1,541,979.75
9メキシコ
(Mexico)
1,271,520.75
10コロンビア
(Colombia)
927,050.01
11ベトナム
(Vietnam)
726,129.64
12ガーナ
(Ghana)
668,093.22
13アンゴラ
(Angola)
663,263
14ペルー
(Peru)
588,175.2
15ベネズエラ
(Venezuela)
478,521.32
16ドミニカ共和国
(Dominican Republic)
443,226.26
17ベナン
(Benin)
406,220
18台湾
(Taiwan)
402,836
19タンザニア
(Tanzania)
372,178.85
20グアテマラ
(Guatemala)
370,863.28
21マラウイ
(Malawi)
334,071.07
22マレーシア
(Malaysia)
323,047.08
23カメルーン
(Cameroon)
312,192.17
24ケニア
(Kenya)
282,655.48
25バングラデシュ
(Bangladesh)
208,141
26エクアドル
(Ecuador)
206,660.42
27コンゴ民主共和国
(Democratic Republic
of the Congo)
190,968.95
28アメリカ
(America)
168,018.41
29南アフリカ共和国
(South Africa)
128,623
30ボリビア
(Bolivia)
86,720.37
31パラグアイ
(Paraguay)
86,092
32マダガスカル
(Madagascar)
85,219.2
33オーストリア
(Austria)
73,944.14
34パナマ
(Panama)
71,612
35ギニア
(Guinea)
68,887
36ホンジュラス
(Honduras)
65,799.97
37ニカラグア
(Nicaragua)
65,727.98
38モザンビーク
(Mozambique)
55,516.23
39ラオス
(Laos)
53,679.62
40スリランカ
(Sri Lanka)
49,106
41ジャマイカ
(Jamaica)
48,634
42ギニア
(Guinea)
32,856
43キューバ
(Cuba)
25,825
44エスワティニ
(Eswatini)
24,832.65
45コロンビア
(Colombia)
23,876.73
46コートジボワール
(Ivory Coast)
23,833.87
47パプアニューギニア
(Papua New Guinea)
23,772.05
48ルワンダ
(Rwanda)
20,786.92
49中央アフリカ
(Central African Republic)
16,898.96
50ウガンダ
(Uganda)
15,604.84
51ネパール
(Nepal)
13,971
52リベリア
(Liberia)
9,130.33
53ザンビア
(Zambia)
9,013.37
出典: United Nations Food and Agricultural Organization (FAO) 2021年から作成
https://www.fao.org/faostat/en/#data/
©FAO


各国
パイナップル 生産量


パイナップルの重さ・エネルギー

パイナップルの重さは1房約1kgであり、エネルギーは約260カロリーになります。


パイナップルに種はあるの?

あります。皮に近い果肉に種があるため、あまり気づかれる事はありません。品種改良された「種無しパイナップル」も多く存在します。


パイナップルって栽培できるの?

できます。種から栽培する以外にパイナップルの頭の葉の部分と実を少し残し「挿し木」として栽培する方法など様々な栽培方法があります。

パイナップルは実がなるまでに約3年の期間を要します。


パイナップルを食べるとなぜ「舌」がしびれるの?

パイナップルに含まれる「ブロメリン」という物質にはタンパク質を分解する作用があり、舌の表面のタンパク質を分解する事により刺激を感じます。

肉を柔らかくするのにパイナップルを利用するのもこの理由になります。


パイナップルの語源は何?

パイナップルはスペイン語の「ピーニャ」と「アップル」が組み合わさった言葉です。「ピーニャ」はスペイン語で「松の実」を意味します。

多くの国でパイナップルは「Ananas(アナナス)」呼ばれています。アナナスはパイナップルの原産地「ブラジル」の原住民「トゥピ語族」の言葉で「松の実」を指す言葉になります。


パイナップルは収穫ごとに小さくなる

収獲ごとに実が小さくなるため、株を3年以上栽培する事はほとんどありません。

コスタリカ
パイナップル 生産量


コスタリカのパイナップル生産量

2021年にコスタリカは2,938,334トンのパイナップルを生産しています。世界で生産されるパイナップルの10.25%がコスタリカで生産されています。

パイナップルはコスタリカで利用されるスペインで「Piña(ピーニャ)」です。


コスタリカはどこ?

コスタリカは北米と南米の中央に位置する小さな国ですが、パイナップルの生産量は非常におおく、生産したパイナップルを世界中に輸出しています。


コスタリカのパイナップル生産地

主に北部の「アラフエラ州」で多くのパイナップル生産がおこなわれています。アラフエラ州で生産されるパイナップルはコスタリカで生産されるパイナップルの60%以上になります。


生産されるパイナップルの多くが輸出される

コスタリカのパイナップル生産は1995年以降、爆発的に数字を伸ばしており、コスタリカの経済を支える重要な生産物の一つです。コスタリカのパイナップルの多くがヨーロッパに輸出されており、ヨーロッパではコスタリカ産のパイナップルを良く見かけます。

インドネシア
パイナップル 生産量


インドネシアのパイナップル生産量

2021年にインドネシアは2,886,416.84トンのパイナップルを生産しています。世界で生産されるパイナップルの10.07%がインドネシアで生産されています。

パイナップルはインドネシアで「Nanas(ナナス)」です。


インドネシアのパイナップル生産地

パイナップルはインドネシア全体で生産されていますが、とくに生産が多い地域はスマトラ島南部の「ランブン州」、ジャワ島西部の「西ジャワ州」が多く、国内で生産されるパイナップルの50%以上がこの2州で生産されています。

インドネシアには大規模なパイナップル加工会社が存在しており、パイナップルの加工品などを多く生産しています。


パイナップルの輸出先

缶詰などに加工されたパイナップルは主に「アメリカ」「スペイン」「ドイツ」「オランダ」「シンガポール」「日本」「中国」「アルゼンチン」などに輸出されており、日本へ生鮮食品としても輸出されています。

近年、インドネシアのパイナップルは質や安全性が上昇しており、輸出量は更に増加すると思われます。

フィリピン
パイナップル 生産量


フィリピンのパイナップル生産量

2021年にフィリピンは2,860,202.36トンのパイナップルを生産しています。世界で生産されるパイナップルの9.98%がフィリピンで生産されています。

パイナップルはフィリピンで利用されるタガログ語で「Pinya(ピーニャ)」です。


フィリピンのパイナップルの歴史

フィリピンにパイナップルが持ち込まれたのは1900年代であり、イギリスの海軍士官「ジェームズ・クック」により持ち込まれたとされています。ジェームズクックは「キャプテンクック」の名前でも有名です。

タガログ語でパイナップルは「Pinya(ピーニャ)」と言い、フィリピン人はピーニャを「フィリピン人の名前」と考えている人が多く存在します。


フィリピンのパイナップルの伝説「ピーニャ」

昔、フィリピンの小さな村に「ピーニャ」という女の子と「お母さん」が住んでいました。ピーニャはだらしない子供で、お母さんの手伝いをする事無く、毎日、外で遊んでいました。

ある日、お母さんの具合が悪くなり、お母さんはピーニャに「ピーニャ、お母さんは具合が悪いからお粥を作って」と頼み事をしましたが、遊びに夢中だったピーニャはお母さんに激怒し、「お粥を作ってほしいの!?お米が見つからないわ!!」と言いました。

とても悲しい気持ちになったお母さんは「お粥はいいわ。かわりにお水を持って来て」と、ピーニャに水を頼みました。

ピーニャはお母さんに更に激怒し「お水がほしいの!?グラスが見つからないわ!?」と言いました。

お母さんは更に悲しい気持ちになり、「あなたはパイナップルのように体中に『目』が生えてしまえばいいわ!何でも見つけられるように!」とピーニャに言いました。

次の日、ピーニャは居なくなってしまいました。お母さんは家の中を良く探しましたが、ピーニャは見つかりませんでした。

お母さんは庭を良く探すと、そこに「パイナップル」が育っていました。ピーニャはパイナップルになってしまったのです。

お母さんはそのパイナップルを育てました。パイナップルは成長し、町全体でパイナップルがとれるようになりました。


これはパイナップルが「ピーニャ」と呼ばれる伝説としてフィリピンでは良く知られている話です。


日本のパイナップルのほとんどがフィリピン産

日本が輸入しているパイナップルの90%以上がフィリピン産です。近年、台湾からのパイナップルが増加しており、フィリピン産のパイナップルの輸入量が減少する可能性があります。


フィリピンのパイナップル生産地

1900年代にアメリカの統治下でミンダナオ島に「スムースカイエン種」が持ち込まれ栽培が開始されました。ミンダナオ南部の「コタバト州」、中部の「ブキドノン州」でも栽培が開始され、パイナップル栽培は拡大していきました。

ブラジル
パイナップル 生産量


ブラジルのパイナップル生産量

2021年にブラジルは2,317,554トンのパイナップルを生産しています。世界で生産されるパイナップルの8.08%がブラジルで生産されています。

パイナップルはブラジルで利用されるポルトガル語で「Abacaxi(アバカシ」です。


パイナップルの原産地

パイナップルの原産地は南米の熱帯地帯であり、「パラナ川」「パラグアイ川」の流域に暮らす先住民により栽培されていました。

1500年代にスペインに運ばれ、「ピーニャインディス:インディアンの松」と呼ばれました。現在でも多くの国がパイナップルをピーニャと呼びます。


パイナップル生産は難しかった

パイナップルは非常にエキゾチックな果物であり、ヨーロッパの貴族達はパイナップルに魅了されました。栽培を試みましたが非常に難しく、巨大なコンサバトリ―(温室)や労働力が必要でした。

1800年代にフランス領ギアナで新種のパイナップル「スムースカイエン」が発見されました。スムースカイエン種はハワイの土地に馴染み、パイナップルの大量生産に成功します。現在もスムースカイエンが世界的なシェアを獲得しており、世界で一番消費されているパイナップルはスムースカイエン種になります。

ブラジルで生産されているパイナップルの約6割がスムースカイエン種です。


ブラジルのパイナップル生産地

北部の「パラ州」、東部の「パライバ州」、南東部の「ミナスジェライス州」、南東部の「リオデジャネイロ州」「トカンティンス州」などで多くのパイナップルが生産されています。

中国
パイナップル 生産量


中国のパイナップル生産量

2021年に中国は2,301,836トンのパイナップルを生産しています。世界で生産されるパイナップルの8.03%が中国で生産されています。

パイナップルは中国で「菠萝(ボーロウ」です。


台湾との「パイナップル問題」

中国は台湾全体で生産されているパイナップルの約10%を中国に輸入していましたが、2021年にパイナップルの「禁輸処置」を発表しています。

中国は「輸入されたパイナップルから害虫が検出された」と発表していますが、台湾独立を掲げる民進党に対しての「経済制裁」ではないかと言われおり、世界中から非難されています。

行き場を失った台湾産のパイナップルは「日本」などが買い取りをおこなっており、日本のスーパーで台湾産のパイナップルを見かける事が多くなっています。


台湾産のパイナップルは美味しい

台湾産のパイナップルは日本人が普段食べているフィリピン産の「スムースカイエン」種を品種改良した種が多く、甘みが更に強いものが多く存在します。

台湾は日本で生産が難しい「マンゴー」「バナナ」なども多く生産しており、海外へ輸出しています。


台湾のパイナップル生産地

主に中部の「南投県(ナントウシェン)」、南西部の「嘉義県(ジァーイーシェン)」「台南県(タイナンシェン)」「高雄県(ゴーションシェン)」、南部の「屏東県(ピンドンシェン)」などの生産量が多く、とくに生産量が多いのは南部の屏東県になります。

タイ
パイナップル 生産量


タイのパイナップル生産量

2021年にタイは1,800,558トンのパイナップルを生産しています。世界で生産されるパイナップルの6.28%がタイで生産されています。

パイナップルはタイで「สัปปะรด(サパロー)」です。


タイのパイナップル生産地

主に南部の「プラチュワップキーリーカン県」、中南部の「ラヨーン県」「チャンタブリー県」「ペッチャブリー県」、北部の「ピッサヌローク県」などで多くのパイナップル生産がおこなわれています。


生産量の減少

タイは「サトウキビ」「ゴム」などの生産量を増加させており、パイナップルの生産量が減少しています。サトウキビは近年、「バイオエタノール」として利用される事が多く、世界中でサトウキビの生産量が増加しています。

タイの一部の地域では気候変動の影響と思われる「干ばつ」などが発生しており、農作物の生産量が減少しています。

インド
パイナップル 生産量


インドのパイナップル生産量

2021年にインドは1,799,000トンのパイナップルを生産しています。世界で生産されるパイナップルの6.27%がインドで生産されています。

パイナップルはインドで利用されるヒンディーで「अनानास(アナナス)」です。


インドのパイナップル生産地

主に南西部の「ケーララ州」「カルナータカ州」、東部の「西ベンガル州」、北東の「ビバール州」、南西部の「ゴア州」、西部の「マハーラーシュトラ州」などでパイナップルが多く生産されています。


パイナップルは「免疫」を高めるフルーツ

パイナップルに含まれる「ブロメライン」には、関節の痛みや炎症を軽減させる作用もあります。他にも様々な栄養素が含まれており、健康を保つためにパイナップルを習慣的に消費している人が多く存在します。

ナイジェリア
パイナップル 生産量


ナイジェリアのパイナップル生産量

2021年にナイジェリアは1,541,979.75トンのパイナップルを生産しています。世界で生産されるパイナップルの5.38%がナイジェリアで生産されています。

ナイジェリアは公用語として「英語」が利用されています。


ナイジェリアのパイナップル生産地

主に南部でパイナップルが生産されています。南部の「アビア州」「アクワ・イボム州」、中南東部の「ベヌエ州」「クロスリバー州」、南部の「エド州」、南東部の「エボニ州」、中南部の「エヌグ州」、南部の「イモ州」、南西部の「オンド州」などで多くのパイナップルが生産されています。


アフリカ最大のパイナップル生産国

ナイジェリアはアフリカ大陸最大のパイナップル産地であり、アフリカ全体でパイナップルの生産量が増加しています。

ナイジェリアの農業は南部が中心であり、パイナップルを含めて多くの農作物が南部で生産されています。中部から北部にかけて「サバンナ気候」を有しており、気候にあった作物を生産しています。

メキシコ
パイナップル 生産量


メキシコのパイナップル生産量

2021年にメキシコは1,271,520.75トンのパイナップルを生産しています。世界で生産されるパイナップルの4.43%がメキシコで生産されています。

パイナップルはメキシコ利用されるスペインで「Piña(ピーニャ)」です。


メキシコのパイナップル生産地

南東部の「ベラクルス州」、南部の「オアハカ州」、南東部の「タバスコ州」キンタナ・ロー州」、中西部の「ハリスコ州」などのパイナップル生産が多くなります。とくに生産量が多いのはベラクルス州であり、国内で生産されるパイナップルの60%以上がベラクルス州で生産されています。


料理の具材として

メキシコはパイナップルを料理の具材の一つとして利用する事があり、肉料理・焼飯・デザートなどにパイナップル加えたメキシコ料理が多く存在します。

コロンビア
パイナップル 生産量


コロンビアのパイナップル生産量

2021年にコロンビアは927,050.01トンのパイナップルを生産しています。世界で生産されるパイナップルの3.23%がコロンビアで生産されています。

パイナップルはコロンビアで利用されるスペインで「Piña(ピーニャ)」です。


コロンビアのパイナップル生産地

主に中北部の「サンタンデール県」、北西部の「ノルテサンタンデール県」の生産量が非常に多く、国内で生産されるパイナップルの45%以上が生産されています。他に中部の「メタ県」、中北東部の「アラウカ県」「カサナレ県」などでも多くのパイナップルを生産しています。

日本
パイナップル 生産量


日本のパイナップル生産量

2021年に日本は7,278.25トンのパイナップルを生産しています。世界で生産されるパイナップルの0.00025%が日本で生産されています。


日本のパイナップル生産地

日本で生産されるパイナップルの99%が沖縄県で生産されています。沖縄県以外での栽培は難しく、沖縄県での栽培も簡単ではありません。

まとめ


生産できる国が限られている

パイナップルは温暖な気候を有する熱帯で生産される果物であり、生産国が限られています。アジア圏の生産量が多くなりますが中米や南米の生産量が多く、カリブ海の島国では日常的に消費される果物の一つです。


今回は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


サムネイル: 「Pixabay」から商用利用可能な写真を加工・利用しています。

-Food