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アジア地域が多い!世界のトウガラシ 生産量ランキング

インド・パキスタンで多く生産される
唐辛子

トウガラシは日本を含めたアジア地域で多く消費されますが、日本ではほとんど生産されていません。

世界ではどの国がどれくらいトウガラシを生産しているのでしょうか?

世界の唐辛子
生産量ランキング

世界のトウガラシの生産量
世界一位 インド
世界二位 バングラデシュ
世界三位 タイ

世界のトウガラシ 生産量ランキング
Chillies and peppers (dry)
production (tonnes/year)

生産量
(t)
2022年
世界4,909,320.76
インド1,874,000.00
バングラデシュ624,825.00
エチオピア329,378.04
タイ327,383.88
中国318,062.72
パキスタン144,160.00
ミャンマー142,459.49
ベナン133,411.51
コートジボワール131,082.64
ガーナ108,170.48
ベトナム99,697.30
ネパール83,898.00
ナイジェリア65,404.97
エジプト62,177.85
メキシコ60,987.42
カメルーン42,762.94
コンゴ民主共和国36,663.31
ヨーロッパ32,989.89
ニジェール31,791.46
ペルー30,962.84
モロッコ27,645.65
ボスニア
ヘルツェゴビナ
25,062.52
ウズベキスタン22,672.91
チュニジア20,186.61
南アフリカ17,775.45
チュニジア15,908.85
アルジェリア14,875.81
カンボジア13,207.58
ラオス12,182.26
スーダン10,327.25
タンザニア6,890.00
南スーダン6,778.84
セネガル4,954.37
マリ4,319.06
シエラレオネ4,272.88
セルビア4,240.30
イラン3,836.22
北マケドニア3,687.07
トーゴ3,494.69
アルゼンチン3,180.23
ケニア3,036.48
ウガンダ3,033.34
マレーシア2,392.69
マダガスカル1,904.17
カーボベルデ1,522.44
キルギスタン1,011.46
シリア928.59
マラウイ643.31
ジブチ542.98
ザンビア434.58
カザフスタン430.50
ブータン158.92
ジンバブエ147.66
中央アフリカ共和国118.16
グレナダ104.70
モルディブ10.23
パプアニューギニア2.16
オセアニア2.16
メラネシア2.16
マカオ0.00
日本0.00
アメリカ合衆国0.00

各国のとうがらし
情報

トウガラシの重さ・エネルギー
乾燥唐辛子の重さは約1本0.6gで、エネルギーは約1.8カロリーです。

辛さの元は「カプサイシン」
トウガラシには「カプサイシン」という化合物が含まれており、辛さを感じます。カプサイシンを食べると脳が「アドレナリン」を分泌させます。アドレナリンによる発汗作用や脂肪を燃焼を促す効果などから、ダイエットとの相乗効果があるとされています。

インド
唐辛子 情報

インドのトウガラシ
インドで利用されるヒンディー語で唐辛子は「मिर्च(ミルチ)」です。

インドの食生活
香辛料大国インドは非常に多くの唐辛子を含む香辛料を生産しており、日常的に多くのスパイスを利用した料理が消費されます。

インドでとくに辛い食べ物を好む地方
インド南東部の「アーンドラ・プラデーシュ州」は非常に辛い料理が好まれる地域です。南東部にはドラヴィダ語を話すインド人が多く、辛味が強い「テルグ料理」などが有名です。

インド北部の食生活
インド北部は中東の文化の影響を強く受けています。「ナンなどのパン」と共に「乳製品」を多く消費します。香辛料はクミン・コリアンダー・シナモン・カルダモンなどを利用した「ガラムマサラ(ミックススパイス)」が多用されます。

インド南部の食生活
インド南部は「菜食主義者」が多く、「米」を主食とした食文化が構成されています。乳製品の消費は限定的で、東南アジア同様に「ココナッツミルク」多用します。クミンなどの香辛料の利用は少なく、クロガラシの種やカレーリーフなどが好まれる傾向があります。トウガラシの利用も非常に多くなります。

バングラデシュ
唐辛子 情報

バングラデシュのトウガラシ
バングラデシュで利用されるベンガル語で唐辛子は「কাঁচা মরিচ মরিচ(カンチャムリーチムリーチ)」です。

バングラデシュのトウガラシの生産地
主に北部の「Bogra(ボグラ)」「Sariakandi(サリアカンディ)」「Sonatala(ソナタラ)」「Upazila(ウラザラ)」などの「ジャムナー川」に沿った地域でトウガラシ生産がおこなわれています。

インドの食文化を受けている
バングラデシュは南インドの食生活の影響を強く受けています。料理に非常に多くのスパイスが利用され、「米」を中心に「ビリヤニ:チャーハンに似た料理」や「カレー」などが好まれます。「ロティ」などのパンも多く消費されます。

タイ
唐辛子 生産

タイのトウガラシ
タイ語で唐辛子は「พริก(プリック)」です。

タイ人の味覚
タイも非常に辛い料理が多く存在し、辛みの少ない料理は「中華料理」などになります。

タイは周辺国から食文化の影響を受けており、香辛料・香味野菜・ハーブなどを多用します。タイ料理は「辛み・酸味・甘味などが混ざり合う非常に複雑な味」が美味とされおり、日本人の口に合わない料理も多く存在します。

レストランなどには砂糖・ナンプラー・唐辛子の酢漬け・粉末唐辛子を入れた容器が用意されており、自分の好みに合わせて調味料や香辛料を追加します。

タイのトウガラシ生産地
主に南部の「ソンクラー県」で多くのトウガラシが生産がおこなわれています。ソンクラ―県で生産されたトウガラシの大多数はマレーシアへ輸出されており、生産されたトウガラシの90%以上がマレーシアへ輸出されています。

中国
唐辛子 情報

中国のトウガラシ
中国語で唐辛子は「辣椒(ラージャオ)」です。

中国で辛い料理が好まれる地域
主に中南部の「湖南省(こなんしょう)」、西部の「四川省(しせんしょう)」、南西部の「雲南省(うんなんしょう)」「貴州省(きしゅうしょう)」で辛い料理が好まれます。

貴州省が辛味の元
貴州省は山岳地帯が多く、農家が好んでトウガラシなどを栽培していました。「塩」が入手しずらかった地域ではトウガラシなどのスパイスが料理に利用され、労働階級の間で多く消費されるようになります。1911年の中国革命と共に社会階級が崩壊し、安価に販売されていたスパイスの利用が急速に拡大しました。

四川料理は辛い!
「四川省」の料理は非常に辛く、「唐辛子」「山椒」「胡椒」などが料理に多用されます。四川省は盆地で湿気・気温が多く、非常に暑い土地になります。

暑い国ではなぜ辛い料理が多いの?
唐辛子に含まれるカプサイシンにより発汗を促し、健康を保つためといわれています。インドやタイも高温多湿の土地が多く、辛い料理が好まれる傾向があります。

中国のトウガラシ生産地
主に西部の「四川省」、中南部の「貴州省」「湖南省」、南西部の「雲南省」、中部の「陝西省(せんせいしょう)」、中東部の「河南省」東部の「山東省(さんとんしょう)」で唐辛子が生産されています。

エチオピ
唐辛子 情報

エチオピアのトウガラシ
エチオピアで利用されているアムハラ語で唐辛子は「ቺሊ(チリ)」です。

エチオピアはどこ?
エチオピアはアフリカ大陸の東に位置し、ナイル川の源流のひとつ「タナ湖」が存在します。

エチオピアは辛い量料理が多い
エチオピアは北アフリカ・西南アジア・アラブ諸国・地中海の食文化の影響を受けています。「バルバレ」というトウガラシ・ニンニク・ショウガ・塩などを挽いて粉にした香辛料がエチオピア料理に多用されます。

エチオピアのトウガラシ生産地
主に南西部の「オロミア州のOmo Nada(オモナダ)」、南西部の「Gojeb(ゴジェブ)」でトウガラシが生産がおこなわれています。

ベナン
唐辛子 情報

ベナンのトウガラシ
ベナンで利用されているフランス語で唐辛子は「Piment(ピーモ)」です。

ベナンはどこ?
ベナンはアフリカ大陸の西部に位置する国です。国民の多くが農業に従事しており、主に「綿花」などを栽培しています。

ベナンのトウガラシ生産地
主に南東部の「ウェメ県」「Plateau(プラテアウ)」、南部の「アトランティック県」「リトラル県」、中南部の「Zou(ゾウ)」「 Collines(コリンズ)」などでトウガラシが栽培されています。

コートジボワール
唐辛子 情報

コートジボアールのトウガラシ
コートジボワールで利用されているフランス語で唐辛子は「Piment(ピーモ)」です。

コートジボアールの歴史
コートジボワールは象牙を意味するフランス語で、14世紀~15世紀にかけて象牙や香辛料の取引のためにヨーロッパの商人などが訪れるようになります。19世紀にフランスの武力支配がおこなわれ、植民地となります。

現在も非常に多くの香辛料を生産しており、世界中に輸出されています。

コートジボワールのトウガラシ生産地
主に中部「ヤムスクロ自治区」、北東部の「グベケ州」、南東部の「インデニエ=ジブアリン州」、北東部の「ゴントゴ州」などで野菜を含む香辛料などが生産されています。

人口の半数以上が農業従事者であり、若者も多くが農業に従事しています。

ミャンマー
唐辛子 情報

ミャンマーのトウガラシ
ミャンマーで利用されているビルマ語で唐辛子は「ငရုပ်သီ(ガヨーディー)」です。

ミャンマーのトウガラシ生産地
主に中央部のマンダレー地域に位置する「Kyaukse(チュウセ県)」「Yamethin(ヤメセン県)」を含む地域でトウガラシ栽培がおこなわれています。

ミャンマーは雨が少ない地域でも「灌漑農業(人工的に水を引き込む農業)」の設備を有さない農家が多く、天候次第の農業がおこなわれています。とくに中部は雨量が少なく、雨季でも200ミリ程度の降水量になります。

「茶」の生産量が多い
ミャンマーは古来から「茶ノ木」の栽培がおこなわれています。イギリスの植民地時代に「紅茶」も定着し、現在は紅茶への加工もおこなわれています。

ガーナ
唐辛子 情報

ガーナのトウガラシ生産地
主に南部の「レゴン」を中心にトウガラシが栽培がおこなわれています。レゴンでは土地に適したトウガラシの品種改良がおこなわれており、将来的に生産量が増加する可能性があります。

多くの人が農業従事者
ガーナは国民の多くが農業に従事しています。国内で生産されるトウガラシは灌漑農業下で栽培される事が少なく、生産量を増加させる事が難しくなります。システムの導入には費用がかかるため、灌漑農業を導入している農家は一部になります。

パキスタン
唐辛子 情報

パキスタンのトウガラシ生産量
パキスタンで利用されるウルドゥ語で唐辛子は「لال مرچ(ラールマチ)」です。

パキスタンのトウガラシ生産地
主に南部の「シンド州」、東部の「パンジャーブ州」、南西部の「バローチスターン州」でトウガラシ生産がおこなわれており、シンド州の生産量が大多数になります。

シンド州は雨量が少なく、非常に暑くなる地域です。農業は「インダス川」の水を利用した灌漑農業がおこなわれていますが、生産物を適切に保管する施設やマーケティングに大きな問題を抱えており、農家の収入は非常に不安定です。

中国の資本で進化する農業
中国企業の資金提供などにより、灌漑施設や肥料の提供などがおこなわれています。質の良いトウガラシをパキスタンで生産し、中国へ独占的に販売する事を目的としておこなわれていますが、パキスタンの農家の多くが「自分達で輸出したい」と考えています。

日本
唐辛子 情報

過去に多くのトウガラシが生産されていた
日本は過去に非常に多くのトウガラシを生産していましたが、海外から安いトウガラシを購入する事ができるため、国内の生産量は大きく減少しています。

日本のトウガラシ生産地
栃木県・大分県・福岡県でトウガラシを生産していますが限定的になります。

まとめ

アジア地域の生産量が多い
辛い料理は世界中で人気があり、トウガラシの生産量の大多数がアジア地域になります。中国で辛い料理を食べなかった地域などでも辛味の強い料理の人気が上昇しており、トウガラシの需要は増加しています。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Chillies and peppers, dry (Capsicum spp., Pimenta spp.), raw, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2021年01月27日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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