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毎日使うなら健康な油を!世界のオリーブオイル 生産量ランキング

健康に良い!使用が増加するオリーブオイル

オリーブから生産される「オリーブオイル」は日本でも非常に人気のある「油」であり、日本でも消費量が増加しています。

オリーブオイルはどの国がどのくらい生産しているのでしょうか?

世界のオリーブオイル
生産量ランキング

世界のオリーブオイル生産量
世界一位 スペイン
世界二位 イタリア
世界三位 ギリシャ

世界のオリーブ生産量ランキング
Olive oil
production (tonnes/year)

地域生産量
(t)
2022年
世界3,348,153.67
スペイン1,492,069.00
イタリア338,631.00
ギリシャ293,000.00
ポルトガル228,954.00
チュニジア222,100.00
モロッコ194,900.00
チュニジア144,200.00
シリア103,892.68
アルジェリア71,000.00
エジプト34,700.00
アルゼンチン30,000.00
チリ24,800.00
ヨルダン23,402.00
オセアニア22,600.00
オーストラリア22,600.00
パレスチナ17,477.00
レバノン17,100.00
リビア17,000.00
アメリカ合衆国16,000.00
イスラエル12,000.00
アルバニア11,500.00
イラン7,030.24
キプロス5,000.00
フランス4,500.00
クロアチア3,500.00
ブラジル3,470.00
北マケドニア1,887.00
ウルグアイ1,780.00
エルエルサルバドル1,557.56
ペルー1,190.40
アゼルバイジャン1,137.00
メキシコ735.03
アフガニスタン728.23
スロベニア284.03
モンテネグロ21.96
マルタ6.54
ウクライナ0.00
ブルネイ0.00

各国のオリーブオイル
情報

オリーブオイルのエネルギー
オリーブは100gあたり約850~900カロリーです。

他のオイルと比べても「カロリー」「糖質」に違いはありませんが、腸内環境を整える「オレイン酸」が含まれています。

オリーブの選び方
緑色・茶色・黒色のオリーブがありますが、種類が違うわけではありません。オリーブは実が成熟する段階で色が変わり、黒は完熟している状態になります。

緑色のオリーブは早摘みのオリーブであり、実が固く塩漬けにしても食感が残ります。黒いオリーブは完熟しており食感が柔らかく、味は緑色のオリーブより濃厚になります。

オリーブオイルの選び方
●緑色・黒色のオリーブで作られれたオリーブオイルは大きく味が異なります。

●緑色のオリーブで作られたオリーブオイルは完熟したオリーブのような主張が無く、「さっぱり」としており料理の味の邪魔をしません。

●黒色のオリーブから作られたオリーブオイルはオリーブの風味が強く、料理油として利用する事が少なくなります。「サラダ」などに多く利用されます。

オリーブオイルの生産国は限られている
オリーブの生産は温暖で乾燥している地域が多く、生産している国はあまり多くありません。

スペイン
オリーブオイル 情報

スペインのオリーブオイル
オリーブオイルはスペイン語で「Aceite de oliva(アッセイテ デ オリーバ)」です。

スペインのオリーブ生産地
スペインは非常に多くのオリーブオイルを生産しており、国内で生産されるオリーブの90%以上がオリーブオイルへ加工されます。南東部の「アンダルシア州」の生産量が多く、中部の「カスティーリャマンチャ州」、南西部の「エストレマドゥーラ州」などでも多くのオリーブオイルを生産しています。

世界中に輸出されるオリーブオイル
スペインで生産されるオリーブオイルは日本を含め世界150ヶ国以上の国々へ輸出されています。スペインの経済を支える重要な輸出品の一つであり、国内の輸出品の中で3番目に多く輸出されています。その他に輸出が多いのは「チーズ」「ワイン」「缶詰食品」などになります。

チュニジア
オリーブオイル 情報

チュニジアのオリーブオイル
オリーブオイルはチュニジアで利用されるアラビア語で「زيت الزيتون(ゼイト ゼイトゥーニ)」です。

チュニジアのオリーブ生産地
主に中東部の「スファックス県」、中部の「シディブジッド県」北東部の「スース県」、中北部の「ケルアン県」などで多くのオリーブ生産がおこなわれています。

主に輸出されている
チュニジアは生産しているオリーブの70%以上を海外へ輸出しており、主にヨーロッパへ向けて輸出しています。

国内の経済を支える重要な生産品
オリーブはチュニジアの経済を支える重要な生産品です。チュニジアなどの「雨が少ない地域」ではオリーブなどの栽培に水が少ない植物の生産が増加しており、今後も生産量が増加すると思われます。

イタリア
オリーブオイル 情報

イタリアのオリーブオイル
オリーブオイルはイタリア語で「Olio d'oliva(オリオ デ オリーバ)」です。

イタリアのオリーブオイル生産地
主に暖かい「南イタリア」でオリーブが多く生産されています。主にに南東部の「プッリャ州」、南部の「カラブリア州」「シチリア州」、南部の「カンパニア州」などに多くの「製油所」が存在しており、オリーブオイルに加工されています。

北部の「トスカーナ州」などでもオリーブを生産しています。イタリアの北部の冬は寒く、霜などによるダメージを防ぐために収獲が早めにおこなわれます。

ギリシャからオリーブが伝わった
オリーブオイルは紀元前4000年前後からインドやアルメニアで「薬」「明かりの燃料」として利用されていた形跡があります。

イタリアにオリーブが伝わったのは紀元前800年前後とされており、ギリシャから伝わったオリーブは主ににイタリア南部の「シチリア島」で栽培されました。ギリシャの衰退とローマ帝国の拡大により、イタリアで多くのオリーブ生産がおこなわれるようになりました。

ローマ帝国時代にはオリーブオイルが「税金」として利用されるなど、非常に価値のあるものとして扱われています。

ギリシャ
オリーブオイル 生産

ギリシャのオリーブオイル
オリーブオイルはギリシャ語で「Ελαιόλαδο(エレオーラド)」です。

ギリシャのオリーブオイル生産地
南部の地中海に浮かぶ「クレタ島」、南東部の「ペロポネソス半島」、中部の「中央ギリシャ」などで生産されています。とくに南部のクレタ島での生産量が多く、ギリシャで生産されるオリーブオイルの40%以上が生産されています。

ギリシャのオリーブオイルの歴史
ギリシャではオリーブの生産が紀元前3000年前後に始まったとされています。オリーブの原産地は「パレスチナ」「トュルキエ」「地中海周辺地域」とされており、エーゲ海やギリシャの島国にも伝わりました。

オリンピックの象徴
ギリシャで始まった「オリンピック」の勝者にはオリーブで作られた「Kotinos(オリーブの冠)」が与えられました。これは「英雄ヘラクレス」が植林したオリーブの木から作られた「冠」であり、非常に名誉ある冠として勝者に与えられました。

「オリーブオイル」なども賞品として贈られており、当時は非常に価値のあるものだった事が理解できます。

テュルキエ
オリーブオイル 情報

テュルキエ(旧トルコ)のオリーブオイル
オリーブオイルはテュルキエ語で「Zeytin yağı(ゼイティ ヤーイ)」です。

テュルキエのオリーブオイル生産地
主に西部の「アイドゥン県」「イズミル県」、南西部の「ムーラ県」、西部の「バルケスィル県」、南部の「ハタイ県」などで多くのオリーブが生産されており、主にエーゲ海・地中海に面した地域で栽培がおこなわれています。

テュルキエでは
古来からオリーブが生産されている
テュルキエはオリーブの木が自生しており、古くから栽培される作物の一つです。「イズミル県のウルラ地区」の遺跡には古くからオリーブの取引をおこなっていた形跡があり、古来から「価値のあるもの」として扱われていました。

モロッコ
オリーブオイル 情報

モロッコのオリーブオイル
オリーブオイルはモロッコで利用されるアラビア語で「زيت الزيتون(ゼイト ゼイトゥーニ)」です。

モロッコのオリーブオイル生産地
主に中部の「アトラス山脈近辺」でオリーブの栽培が盛んにおこなわれています。この地域はオリーブの栽培に適した乾燥した気候を有しており、非常に多くのオリーブ生産がおこなわれています。

スペインとの繋がり
モロッコはスペインから農業支援を受けており、生産されたオリーブオイルがヨーロッパへ多く輸出されています。生産から輸出もスムーズなインフラが整っており、輸出量が非常に多くなります。

アトラス山脈は豊富な資源を有している
アトラス山脈は豊富な天然資源を有しており、鉄・鉛・銅・銀の他に天然ガスなどを産出しています。

シリア
オリーブオイル 情報

シリアのオリーブオイル
オリーブオイルはシリアで利用されるアラビア語で「زيت الزيتون(ゼイト ゼイトゥーニ)」です。

シリアのオリーブオイル生産地
シリアでは主に北部の「アレッポ県」「イドリブ県」、北西部の「ラタキア県」、西部の「タルトゥース県」、中部の「ホムス県」、南部の「ダルアー県」「スワイダー県」、南西部の「クネイトラ県」などで多く生産されています。

国内の経済を支える重要な生産物
シリアで生産されるオリーブオイルは海外への輸出が多く、国内の経済を支える重要な生産品になります。

しかし、内戦などによりオリーブや国内の農業生産が非常に不安定になり、海外からの投資も限定的です。生産量を増産させるには国内情勢を安定化が必要であり、違法に取引されるオリーブオイルなども国内で大きな問題になっています。

アルジェリア
オリーブオイル 情報

アルジェリアのオリーブオイル
オリーブオイルはアルジェリアで利用されるアラビア語で「زيت الزيتون(ゼイト ゼイトゥーニ)」です。

アルジェリアのオリーブオイル生産地
主に北部の「ベジャイア県」「ジジェル県」「ティジ・ウズー県」、北西部の「トレムセン県」、北部の「ブイラ県」「ムシラ県」「ミラ県」などで多くのオリーブオイルが生産されています。

山岳地帯でオリーブ生産がおこなわれる
アルジェリアの北部には「モロッコ」「チュニジア」にまたがる「アトラス山脈」が広がっています。これらの地帯ではオリーブの生産量が多く、この地域でおこなわれる農業の50%以上がオリーブ生産になります。

増産されるオリーブ
アルジェリアはオリーブの植林プロジェクトが進められています。2024年までに40万ヘクタールの土地にオリーブを植林する予定になっており、この面積は現在植えられているオリーブの約2倍で、将来的に大きく生産量が増加すると思われます。

ポルトガル
オリーブオイル 情報

ポルトガルのオリーブオイル
オリーブオイルはポルトガル語で「Azeite(アゼイチェ)」です。

オリーブオイルと宗教
ポルトガルの「カトリック教会」ではオリーブオイルが「聖なる油」として扱われており、オリーブオイルの聖油を病者に塗油し、祈りを捧げるという儀式などが存在します。現在も洗礼式などでオリーブオイルの聖油がされます。

教会の周りに植えられたオリーブ
南ヨーロッパのカトリック教会の周りにはオリーブが植林されている教会を多く見かけます。カトリック教徒が多いポーランドなどは寒冷の土地のためオリーブの栽培が難しくなりますが、古くからカトリック教会とオリーブの木は密接な関係があります。

オリーブの木は「善人」の象徴
オリーブの木が植えられている家には「善人が住む」とポルトガルで信じられています。実際にオリーブを栽培している家庭が多く、ポルトガルは食生活を含め、オリーブオイルを生活の中で消費します。

オリーブオイルの生産地
主に南部の「アレンテージョ地方」で生産されています。アレンテージョ地方で生産されるオリーブは国内で生産されるオリーブの70%を超えています。

エジプ
オリーブオイル 情報

エジプトのオリーブオイル
オリーブオイルはエジプトで利用されるアラビア語で「زيت الزيتون(ゼイト ゼイトゥーニ)」です。

エジプトのオリーブオイル生産地
主に南西部の「ワーディー・ゲディード県(ニューバレー県)」、北部の「ブハイラ県」、東部の「北シナイ県」、中北部の「ファイユーム県」、中部の「アシュート県」、北西部の「イスマイリア県」、中北部の「ギーザ県」などで生産がおこなわれています。

エジプトの農業は基本的に
「ナイルデルタ」でおこなわれる
エジプトは水資源が限られており、ナイル川の河口の「ナイルデルタ」やナイル川に沿って農業がおこなわれています。オリーブは水が少ない国でも生産が可能な植物であり、生産は水の量が極めて少ない南西部などでもおこなわれており、経済を支える重要な生産物の一つです。

エジプトはオリーブの生産量の増産を計画しており、今後オリーブやオリーブオイルの生産量が増加すると思われます。

日本
オリーブオイル 情報

日本のオリーブ生産量
日本のオリーブは2018年(平成30年)に香川県で420トン生産されており、国内で生産されるオリーブの91%が香川県で生産されています。

オリーブを飼料とした家畜の生産
香川県では限定的にオリーブの実を利用して「オリーブ牛」「オリーブ豚」「オリーブ地鶏」などを飼育しています。オリーブを飼料として生産された家畜はフルーティな甘みが特徴的であり、肉の「フルクトース」が上昇し、さっぱりとした味わいになるとされています。

拡大するオリーブ生産
日本のオリーブ生産は香川県で多く生産されていましたが、近年は熊本県や広島県などでも生産が開始されており、今後はオリーブの生産がさらに増加すると思われます。

まとめ

水不足の影響
世界では「水不足」が深刻な問題になっています。「オリーブ」「キマメ」など水の使用が少なくてすむ植物に注目が集まっており、水の利用が制限される国で生産量を増加させるなどの対策が取られています。

今回は以上です。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Olive oil, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2021年07月24日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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