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世界のシアーバター 生産量ランキング

シアバターとはシアの木の実から採れる「油」の事で、非常に高い「保湿力」などから化粧品として利用される事が多くなっています。栽培地は限定的で、アフリカ大陸の「シア―ベルト:シアの木が自生している地域」でおこなわれています。

世界ではどの国がどれくらいシアの実を生産しているのでしょうか?

世界のシアバター(シアの実)
生産量ランキング


世界のシアの実 生産量
世界一位 ナイジェリア
世界二位 マリ
世界三位 ブルキナファソ


世界のシアの実 生産量ランキング
Karite nuts (sheanuts) - Production (tonnes/year)

生産量
(トン)
(t)
2020年
世界合計7461,66
1ナイジェリア
(Nigeria)
345,708
2マリ
(Mali)
167,967
3ブルキナファソ
(Burkina Faso)
140,000
4ガーナ
(Ghana)
33,801
5コートジボワール
(Ivory Coast)
31,644
6ベナン
(Benin)
14,027
7トーゴ
(Togo)
13,019
8中国
(China)
少量
出典: United Nations Food and Agricultural Organization (FAO) 2020年から作成
https://www.fao.org/faostat/en/#data/
©FAO

各国のシアバター生産量


シアバターとは?

「シアの木」の実から採れる「油」です。保湿力が強く、主に化粧品などのクリームとして利用される高級品です。シアの木はアフリカ大陸ののサバンナ地帯に自生していており、アフリカ大陸の東部エチオピア高原から西のギニア湾(シア―ベルト)まで広く自生している植物です。


どの国で栽培されているの?
生産している国はアフリカに多く、ウガンダ・エチオピア・カメルーン・ガーナ・コートジボアール・ギニア・ギニアビサウ・シエラレオネ・スーダン・セネガル・コンゴ民主共和国中央アフリカ・チャド・トーゴ・ナイジェリア・ベナン・ブルキナファソ・マリ・ニジェールなどで栽培されています。


中国でも栽培がおこなわれている

中国でも栽培が可能で、主に南部で栽培されています。


厳しい気候で成長する植物

シアの木はアフリカの厳しい気候で成長します。木の高さは10mを超える物も多く、鳥などが種子を食べアフリカのサバンナ地帯に種子が運ばれ分布が広がりました。

ナイジェリア
シアバター 生産量


2020年にナイジェリアは345,708トンのシアバターを生産しています。

世界で生産されているシアバターの46.33%がナイジェリアで生産されています。

ナイジェリアでは公用語として「英語」が利用され、シアバターはVitellaria(ビテラリアShea tree(シアツリー)です。


シアバターの生産地

ナイジェリア東部のオヨ州がナイジェリアのシアバターの主な生産地になっています。


女性が作業に従事している

ナイジェリアでは収穫されたシアの実を細かくする作業に多くの女性が従事しています。 ナイジェリアには貧困層が非常に多く、家族を助けるために多くの女性がキツイ労働に従事しています。


教育を受けていない女性が多い

シアバターの生産だけではありませんが、多くの農業に従事している女性は教育を受けていない人が多く、非常に厳しい経済状況の女性も多く存在します。シアバターは高値で取引されますが、彼女らに支払われる賃金は非常に低くなっています。家庭を支えるためにシアバターの生産に取り組んでいますが、危険な作業も多く、労働環境の改善などが求められています。


ヨーロッパへ輸出

製造されたシアバターの多くは先進国へ輸出されています。ヨーロッパ・アメリカ合衆国・アジアの市場に供給する輸出業者が多く、現在は世界的に有名です。


品質に問題が多い

シアバターは品質によって大きく価格が異なります。

シアバターの取引業者は「高品質」のシアバターを求めていますが、質の悪いシアバターは安値で取引されるのが現状です。

マリ
シアバター 生産量


2020年にマリは167,967トンのシアバターを生産しています。

世界で生産されているシアバターの22.51%がマリで生産されています。

マリで利用されているフランス語でシアバターは「beurre de karité(ブレデカリティ)」です。


マリはどこ?

マリはアフリカ大陸の東部に位置しており、多くが砂漠に覆われています。農業は主に南部でおこなわれています。


シアバターの生産量増加

マリのシアバターの生産量は20年間の間に6倍増加しています。これは先進国などでシアバターの需要は急増しており、シアバターを生産しているマリでは生産量を大きく増加させています。


マリには非常に貧困層が多い

マリは多くの貧困層の女性がシアバターの生産に携わっています。厳しい労働環境やシアの木の栽培が適切におこなわれておらず、シアバターの質が非常に悪くなり、安値で取引されています。


マリの貧困層

マリは40%以上の人々が貧困層です。質の良いシアバターを生産するには「近代化された設備」が必要になります。設備投資には非常に大きな額の資金が必要になり、国際金融公社(IFC)などから資金援助を受けています。


悪い相乗効果

シアバターの生産は貧困層の女性が軸になっています。女性を奴隷のように扱いたくないと考える先進国では工場を閉鎖したり、輸入先を変えるなどを行っていますが、仕事先が無くなる貧困層をさらに苦しめる結果が生じています。これはシアバターの生産だけではなく、「中国ウイグル地区の綿花」なども同じような状況で、取引を辞める国が増加しています。


マリのシアバター生産地

シアの木は「シア―ベルト」と呼ばれるシアの木の成長に適した地域が存在します。生産は主にマリの南部のシア―ベルト地帯でおこなわれています。

ブルキナファソ
シアバター 生産量


2020年にブルキナファソは140,000トンのシアバターを生産しています。

世界で生産されているシアバターの18.76%がブルキナファソで生産されています。

ブルキナファソで利用されているフランス語でシアバターは「beurre de karité(ブレデカリティ)」です。


ブルキナファソのシアバター生産地

ブルキナファソで生産されるシアバターは主に中西部のシッシリ州・中西部のシッシロ州で生産されています。


シアの木の成長は時間がかかる

シアの木は成長に15年~20年かかります。栽培には長期間を要するため、シアの木が自生している地で農業が新たにはじめられるとしてもシアの木の伐採をする事は無く、非常に大切に扱われています。


経済を支える重要な生産物

ブルキナファソのシアの木は「女性の金」と呼ばれています。シアバターはブルキナファソを支える重要な生産物です。綿花・家畜の次ぐ重要な輸出品で、ブルキナファソの経済を支える重要な生産物です。

ガーナ
シアバター 生産量


2020年にガーナは33,801トンのシアバターを生産しています。

世界で生産されているシアバターの4.52%がガーナで生産されています。

ガーナでは公用語として「英語」が利用され、シアバターは「Vitellaria(ビテラリアShea tree(シアツリー)」です。


ガーナのシアバター生産

ガーナでもシアバターの生産に女性が多く従事しています。ガーナの北西部では自生しているシアの木から実を収穫する事が禁じられている地域がありますが、基本的に自生しているシアの木からはシアの実を収穫する事が可能です。

収穫に力を注げば大きな収入源になりますが木から実を採取する事は非常に難しく、ガーナで自生しているシアの木の60%以上は、収集されていません。


貧困層が多いガーナ

ガーナも貧困層が多く、社会から取り残された女性が多くなっています。現在は先進国などから援助や教育を受け、シアバターも加工方法やビジネスについてのノウハウ・トレーニングがおこなわれています。


ガーナのシアバター生産地

ガーナでは主に北部のノーザン州でシアの木の栽培がおこなわれています。

コートジボアール
シアバター 生産量


2020年にコートジボアールは31,644トンのシアバターを生産しています。

世界で生産されているシアバターの4.24%がコートジボアールで生産されています。

コートジボアールで利用されているフランス語でシアバターは「beurre de karité(ブレデカリティ)」です。


コートジボアールのシアバター生産

コートジボアールにも非常に貧困層が多く、ガーナ同様にシアの木は「女性の金」呼ばれ、貴重な収入源の一つです。


女性が協力し合いシアバターを製造している

コートジボワール北部では、何人かの女性が協力してシアバターの製造および販売する企業を設立しています。コートジボアールの市場でもシアバターは非常に人気があり、簡単に購入する事が可能です。


コートジボアールのシアバター生産地

コートジボアールでは主に北東部のザンザン州でシアの木の栽培がおこなわれています。

ベナン
シアバター 生産量


2020年にベナンは14,027トンのシアバターを生産しています。

世界で生産されているシアバターの1.87%がベナンで生産されています。

ベナンで利用されているフランス語でシアバターは「beurre de karité(ブレデカリティ)」です。


ベナンのシアバター生産地

ベナンでは主に東部のボルグー県・北西部のアタコラ県・中部のコリネス県などでシアの木の栽培がおこなわれています。


進む環境破壊

ベナンでは農業地の開拓などにより森林伐採などがおこなわれ、環境破壊を引き起こしています。一部の地域ではシアの木が約30%しか利用できない地域も存在しており、森林破壊が深刻化しています。

トーゴ
シアバター 生産量


2020年にトーゴは13,019ンのシアバターを生産しています。

世界で生産されているシアバターの1.74%トーゴで生産されています。

トーゴで利用されているフランス語でシアバターは「beurre de karité(ブレデカリティ)」です。


トーゴはどこ?

アフリカ大陸の西部に位置しており、ベナン・ガーナ・ブルキナファソなどと国境を接しています。トーゴも「シア―ベルト」を有しており、シアの木が自生しています。


トーゴのシアバター生産地

トーゴでは主に中部の中央州 などでシアの木の栽培がおこなわれており、シアバターの加工などもおこなわれています。


トーゴでも女性が活躍

トーゴでもシアの実の採取や加工に多くの女性が従事しています。他のシア―ベルト地帯同様に重要な換金源の一つで、生活を支える一部になっています。

中国
シアバター 生産量


2020年に中国は少量のシアバターを生産しています。

全国で生産されるシアバターのごく少量が中国で生産されています。

中国語でシアバターは「乳木果油(ルーム―ギョ―モ―)」です。


中国のシアバター生産地

広東省(かんとんしょう)福建省(ふっけんしょう)雲南省(うんなんしょう)など中国の南部でシアの木の栽培がおこなわれています。


中国で人気が上昇

中国の富裕層の間でシアバターの人気が上昇しており、中国の南部を中心にシアの木の栽培がおこなわれています。

まとめ


日本ではシアの木の栽培はおこなわれていません。観賞用として栽培する事は可能ですが、限定的になっています。


今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


サムネイル: 「Pixabay」から商用利用可能な写真を加工・利用しています。

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