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世界のシアーバター 生産量ランキング

シアバターとはシアの木の実から採れる「油」であり、非常に高い「保湿力」を有している事から化粧品として利用される事が多くなります。栽培地は限定的であり、アフリカ大陸の「シア―ベルト:シアの木が自生している地域」でおこなわれています。

世界ではどの国がどのくらいシアの実を生産しているのでしょうか?

世界のシアバター(シアの実)
生産量ランキング


世界のシアの実 生産量
世界一位 ナイジェリア
世界二位 マリ
世界三位 ブルキナファソ


世界のシアの実 生産量ランキング
Karite nuts (sheanuts) - Production (tonnes/year)

生産量
(トン)
(t)
2021年
世界合計811,370.3
1ナイジェリア
(Nigeria)
342,460.1
2マリ
(Mali)
176,695
3ブルキナファソ
(Burkina Faso)
147,739.2
4ベナン
(Benin)
64,960.2
5ガーナ
(Ghana)
34,063.69
6コートジボワール
(Ivory Coast)
32,322
7トーゴ
(Togo)
13,130.03
8中国
(China)
少量
出典: United Nations Food and Agricultural Organization (FAO) 2021年から作成
https://www.fao.org/faostat/en/#data/
©FAO

各国のシアバター生産量


シアバターとは?

「シアバターノキ」の種子の胚から採れる「脂質」です。保湿力が強く、主に化粧品やクリームとして利用される高級品です。シアの木はアフリカ大陸ののサバンナ地帯に自生していており、アフリカ大陸の東部エチオピア高原~西のギニア湾(シア―ベルト)まで広く自生している植物です。


どの国で栽培されているの?
アフリカ大陸が主な生産地であり、「ウガンダ」「エチオピア」「カメルーン」「ガーナ」「コートジボアール」「ギニア」「ギニアビサウ」「シエラレオネ」「スーダン」「セネガル」「コンゴ民主共和国」「中央アフリカ」「チャド」「トーゴ」「ナイジェリア」「ベナン」「ブルキナファソ」「マリ」「ニジェール」などで栽培されています。


中国でも栽培されている

中国でも栽培が可能であり、少量ですが南部で栽培されています。


厳しい気候で成長する植物

シアの木はアフリカの厳しい環境で成長します。木の高さは10mを超える木が多く、鳥などが種子を運び、アフリカのサバンナ地帯に分布しました。

ナイジェリア
シアバター 生産量


ナイジェリアのシアバター生産量

2021年にナイジェリアは342,460.1トンのシアの実を生産しています。世界で生産されるシアの実の42.20%がナイジェリアで生産されています。

ナイジェリアでは公用語として「英語」が利用され、「Vitellaria(ビテラリア)・Shea tree(シアツリー)」と言われます。


シアバターの生産地

主に東部の「オヨ州」で非常に多くのシアの実が生産されています。


女性が作業に従事している

ナイジェリアでは収穫されたシアの実の加工に多くの女性が従事しています。 ナイジェリアには非常に貧困層が多く、家族を助けるために多くの女性が重労働に従事しています。


教育を受けていない女性が多い

シアの実の生産者だけではありませんが、多くの農業従事者が教育を受けていない傾向があります。重労働で危険な作業も多く、労働環境の改善などが求められています。

シアバターは高値で取引される商品ですが、農業従事者の賃金は非常に低く、貧困層を増加させる要因になっています。


ヨーロッパへ輸出

製造されたシアバターの多くは先進国へ輸出されています。ヨーロッパ・アメリカ合衆国・アジアへ供給する輸出業者が多く、現在は世界的に有名です。


品質に問題が多い

シアバターは品質により大きく価格が異なります。

シアバターの取引業者は「高品質」のシアバターを求めていますが、質の悪いシアバターは安値で取引されています。

マリ
シアバター 生産量


マリのシアバター生産量

2021年にマリは176,695トンのシアの実を生産しています。世界で生産されるシアの実の21.77%がマリで生産されています。

マリで利用されるフランス語でシアバターは「beurre de karité(ブレデカリティ)」です。


マリはどこ?

マリはアフリカ大陸の東部に位置しており、国土の多くが砂漠に覆われています。農業は主に「南部」でおこなわれています。


シアバターの生産量増加

シアバターの生産量は20年間の間に6倍増加しています。先進国でシアバターの需要は急増しており、国内ではシアバターの生産量を増加させています。


マリには非常に貧困層が多い

非常に多くの貧困層の女性がシアバターの生産に携わっています。厳しい労働環境やシアの木の栽培が適切におこなわれておらず、シアバターの質が非常に悪く、安値で取引される傾向があります。


マリの貧困層

国内の40%以上の人々が貧困層です。

質の良いシアバターを生産するには「近代化された設備」が必要になります。アフリカの農業は「灌漑設備:人工的に水を引き込む農業」などの設備投資に大きな資金が必要になり、国際金融公社(IFC)などから資金援助を受けています。


労働者を守るために輸入をやめる

シアバターの生産は主に貧困層の女性が軸になり生産をおこなっています。

女性を奴隷のように扱いたくないと考える先進国は工場を閉鎖したり、輸入先を変えるなど労働者を守る活動をおこなっていますが、仕事が無くなる貧困層を増加させるなどの問題が発生しています。「中国ウイグル地区の綿花生産」も同じような状況であり、労働者を守るために取引を停止する国が増加しています。


マリのシアバター生産地

シアの木は「シア―ベルト」と呼ばれるシアの木の成長に適した地域が存在します。マリのシアの実の生産は主に南部のシア―ベルト地帯でおこなわれています。

ブルキナファソ
シアバター 生産量


ブルキナファソのシアバター生産量

2021年にブルキナファソは147,739.2トンのシアの実を生産しています。世界で生産されるシアの実の18.20%がブルキナファソで生産されています。

ブルキナファソで利用されるフランス語でシアバターは「beurre de karité(ブレデカリティ)」です。


ブルキナファソのシアバター生産地

主に中西部の「シッシリ州」、中西部の「シッシロ州」で多くのシアの実が生産されています。


シアの木の成長は時間がかかる

シアの木は成長に15年~20年の期間を要します。


経済を支える重要な生産物

ブルキナファソのシアの木は「女性の金」と呼ばれています。シアバターはブルキナファソを支える重要な生産物であり、綿花・家畜の次ぐ重要な輸出品です。

ベナン
シアバター 生産量


ベナンのシアバター生産量

2021年にベナンは64,960.2トンのシアの実を生産しています。世界で生産されるシアの実の8.00%がベナンで生産されています。

ベナンで利用されるフランス語でシアバターは「beurre de karité(ブレデカリティ)」です。


ベナンのシアバター生産地

主に東部の「ボルグー県」、北西部の「アタコラ県」、中部の「コリネス県」などでシアの実の栽培がおこなわれています。


進む環境破壊

ベナンでは新たな農地開拓として森林が伐採される事が多く、環境破壊を引き起こしています。

ガーナ
シアバター 生産量


ガーナのシアバター生産量

2021年にガーナは34,063.69トンのシアの実を生産しています。世界で生産されるシアの実の4.19%がガーナで生産されています。

ガーナでは公用語として「英語」が利用され、シアバターは「Vitellaria(ビテラリアShea tree(シアツリー)」です。


ガーナのシアバター生産

ガーナでもシアバターの生産に多くの女性が従事しています。ガーナでは「北西部で自生しているシアの木」から実を収穫する事が禁じられている地域がありますが、基本的に自生しているシアの木からはシアの実を収穫する事が可能です。

収穫に力を注げば大きな収入源になりますが、採取する事は非常に難しく、ガーナで自生しているシアの木の60%以上は、収集されていません。


貧困層が多いガーナ

ガーナは貧困層が多く、社会から取り残された女性なども多くなります。現在は先進国などから援助や教育を受け、仕事に就くことができない女性に「シアバターも加工方法」「ビジネスについてのノウハウ」「トレーニング」などがおこなわれています。


ガーナのシアバター生産地

主に北部の「ノーザン州」でシアの木の栽培がおこなわれています。

コートジボワール
シアバター 生産量


コートジボワールのシアバター生産量

2021年にコートジボワールは32,322トンのシアの実を生産しています。世界で生産されるシアの実の3.98%がコートジボワールで生産されています。

コートジボアールで利用されるフランス語でシアバターは「beurre de karité(ブレデカリティ)」です。


コートジボアールのシアバター生産

コートジボアールは非常に貧困層が多く、ガーナ同様にシアの木は「女性の金」呼ばれ、貴重な収入源の一つです。


女性のシアバター生産

コートジボワール北部では、何人かの女性が協力してシアバターの製造および販売する企業が存在します。コートジボアールの市場でもシアバターは非常に人気があり、簡単に購入する事が可能です。


コートジボアールのシアバター生産地

主に北東部の「ザンザン州」でシアの木の栽培がおこなわれています。

トーゴ
シアバター 生産量


トーゴのシアバター生産量

2021年にトーゴは13,130.03トンのシアの実を生産しています。世界で生産されるシアの実の1.61%がトーゴで生産されています。

トーゴで利用されるフランス語でシアバターは「beurre de karité(ブレデカリティ)」です。


トーゴはどこ?

アフリカ大陸の西部に位置しており、「ベナン」「ガーナ」「ブルキナファソ」などと国境を接しています。トーゴも「シア―ベルト」を有しており、シアの木が自生しています。


トーゴのシアバター生産地

主に中部の「中央州」などでシアの木の栽培がおこなわれており、シアバターの加工などもおこなわれています。


トーゴでも女性が活躍

トーゴでもシアの実の採取や加工に多くの女性が従事しています。他のシア―ベルト地帯同様に重要な換金源の一つであり、生活を支える重要な収入源です。

中国
シアバター 生産量


ナイジェリアのシアバター生産量

世界で生産されるシアの実のごく少量が中国で生産されています。

中国語でシアバターは「乳木果油(ルーム―ギョ―モ―)」です。


中国のシアバター生産地

主に「広東省(かんとんしょう)」「福建省(ふっけんしょう)」「雲南省(うんなんしょう)」などの中国の南部でシアの木の栽培がおこなわれています。


中国で人気が上昇

中国の富裕層の間でシアバターの人気が上昇しており、国内の生産量も増加すると思われます。

まとめ


日本では栽培されていない

日本ではシアの木の栽培がおこなわれていません。観賞用として栽培する事は可能ですが、限定的です。


今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


サムネイル: 「Pixabay」から商用利用可能な写真を加工・利用しています。

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