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世界中で消費される香草!世界のコリアンダー 生産量ランキング

香草は古くから利用される

「パクチー:コリアンダ―」「アニス」「フェンネル:ウイキョウ」など香草は、人気の高い香味料として近年、国内でも多く利用されるようになりましたが、非常に歴史のある植物であり、古来から消費されています。

コリアンダ―・アニス・フェンネルは世界でどの国がどのくらい生産しているのでしょうか?

世界のパクチー
生産量 ランキング

世界のコリアンダ―生産量
世界一位 インド
世界二位 テュルキエ(旧トルコ)
世界三位 メキシコ

世界のコリアンダ―などのハーブ
生産量ランキング
Anise, badian, coriander, cumin,
caraway, fennel and juniper berries, raw
Production

生産量
(t)
2022年
世界 2,751,010.40
インド 1,886,507.99
テュルキエ 346,905.00
メキシコ 138,139.90
ロシア 90,264.14
イラン 61,718.34
中国 52,153.96
シリア 33,142.00
エジプト 29,407.92
モロッコ 28,212.10
ベトナム 19,126.40
アフガニスタン 17,883.38
カナダ 12,189.99
チュニジア 11,143.36
アルゼンチン 7,419.36
エチオピア 4,867.76
ウクライナ 2,870.00
グアテマラ 2,104.36
北マケドニア 1,679.48
タンザニア 1,381.26
オーストラリア 1,163.15
オセアニア 1,163.15
セルビア 948.14
ボスニア・ヘルツェゴビナ 788.85
レバノン 346.12
ブータン 140.00
パレスチナ 117.35
ジンバブエ 85.45
マラウイ 81.01
ケニア 80.12
マダガスカル 73.69
ペルー 59.40
エクアドル 10.41
バングラデシュ -
ジョージア -
トーゴ -

出典: ©United Nations Food and Agriculture Organization
データを元にFumib.netがリストを作成

各国
コリアンダ― 情報

出典: ©United Nations Food and Agriculture Organization
2021年のデータを元にFumib.netがグラフを作成

コリアンダ―のエネルギー
コリアンダ―100gのエネルギーは約30~40カロリーです。

パクチーは「タイ語」
パクチーは「タイ語」なので英語圏では通じません。英語では「Coriander(コリアンダー)」です。名前の由来は古代ギリシャ語の「koris-」になります。

「タイ」で生産されている印象がありますが、実際の生産量は限定的です。

コリアンダ―は「聖書」にも登場する植物
コリアンダ―は聖書にも登場する植物であり、5000年前の遺跡から種子が発見されています。

原産はよくわかっていない
コリアンダ―の原産は「西アジア」「ヨーロッパ」などと言われていますが、似たような種類の植物が多く、原産地は良くわかっていません。

インド
コリアンダ― 情報

インドのコリアンダー
コリアンダ―はインドで利用されているヒンディー語で「धनिया(ダリア)」です。

インドのコリアンダ―生産地
インド中央部の「マディヤ・プラデーシュ州」で国内で生産されているコリアンダ―の過半数以上が生産されています。他に北西部の「ラージャスターン州」、西端の「グジャラート州」でも多くのコリアンダーが生産されています。

薬としても利用
主にコリアンダ―は食用として利用されていますが、コリアンダ―の種子には薬効があり、インド国内で利尿剤・整腸薬などとして利用される事があります。

土壌の改善
インド国内ではコリアンダ―やその他のハーブの生産量を増加させるため、土壌の改善などがおこなわれています。香草の生産量は増加しており、今後もインド全体で生産量が増加すると思われます。

テュルキエ
コリアンダ― 情報

テュルキエ(旧トルコ)のコリアンダー
コリアンダ―はテュルキエ語で「Kişniş(キシニシ)」です。

テュルキエのコリアンダー生産地
主に中南西部の「ウスパルタ県」、中西部の「コンヤ県」、南西部の「ブルドゥル県」などでコリアンダーが多く生産量が多くなっています。

テュルキエの食文化に浸透
テュルキエでは香草の生産量が増加しています。様々な国の食文化を受けているテュルキエは、料理に香草を利用する事が多く、家庭料理などでも香草が利用されます。最近では料理に様々なバリエーションが加えられており、香草の利用も増えています。

メキシコ
コリアンダ― 情報

メキシコのコリアンダー
コリアンダ―はメキシコで利用されるスペイン語で「Cilantro(シランドロ)」です。

メキシコのコリアンダー生産
メキシコ料理にはコリアンダーを含む多くの香草が加えられます。メキシコで生産されるコリアンダ―は一般的に栽培されているコリアンダ―に比べ刺激が強いとされ、料理の強いアクセントとなります。

民間療法としてコリアンダーを利用
メキシコもインド同様にコリアンダーが「薬」として利用されます。民間療法としては発熱・高血圧・便秘・喘息・腹痛虫・蚊に刺され・下痢・マラリアなど様々な治療に用いられますが、実際の効果は不明な部分が多く、注意が必要です。

実際にはどんな効果があるの?
「オクタナール」「コリアンドロール」などの芳香を持つ成分が含まれています。消化を助ける成分が含まれており、古来から「食材の匂い消し」「薬味」として利用されます。

メキシコのコリアンダー生産地
主に西部の「バハ・カリフォルニア・スル州」、中部の「サカテカス州」、中東部の「イダルゴ州」などでコリアンダーが多く生産されています。

ロシア
コリアンダ― 情報

ロシアのコリアンダー
コリアンダ―はロシア語で「Кориандр(コリアンダール)」です。

サラダなどに利用
ロシアではコリアンダーなどの香草が「サラダ」などに利用され、味のアクセントの一つになっています。

ロシアのコリアンダー生産地
主にロシア中部・南部・他の農作物と同様に「北コーカサス地方」で多く栽培されています。

シリア
コリアンダ― 情報

シリアのコリアンダー
コリアンダ―はシリアで利用されるアラビア語で「كسبرة(カスバラ)」です。

シリアのコリアンダー生産地
シリアの北部のアルジャジーラ地方の「ハカサ(Al-Hasakah)」では「クミン」「コリアンダ―」を栽培しており、美しい風景が広がります。コリアンダ―は「小麦」より収益性の高い作物ですが、コリアンダ―の栽培は「土壌の養分を枯渇」させるため、2年間生産した後に小麦を1年間、クミンを1年間、レンズ豆などの豆科の植物を1年間生産する「輪作」が一般的におこなわれています。

ハカサは非常に多くの「小麦」「綿花」も栽培しています。

多くの香草が輸出される
国内で生産されたコリアンダー・クミン・アニス・フェンネルなどを輸出しています。インドに次いで輸出量が多くなりますが、コリアンダーの取引は限定的になります。

イラン
コリアンダ― 情報

イランのコリアンダー
コリアンダ―はイランで利用されるペルシャ語で「گشنیز(ゲシュニース)」です。

イランのコリアンダー生産地
主に西部の「ハマダーン州」でコリアンダーが栽培されており、国内で生産されているコリアンダ―の60%以上がハマダーン州で生産されていています。

イラン料理に多用される
イラン料理にもコリアンダ―などの香草が多く利用され、イラン料理の重要なスパイスの一つです。

好き嫌いがわかれる
アメリカではコリアンダ―の利用は限定的になります。コリアンダーが好まれる国限定的で、好き嫌いの分かれる食べ物の一つです。

中国
コリアンダ― 情報

中国のコリアンダー
コリアンダ―は中国語で「香菜(シャンシャイ)」です。

「チャイニーズパセリ」「メキシカンパセリ」
コリアンダ―は英語圏で「チャイニーズパセリ」「メキシカンパセリ」などと呼ばれる事が多くなっています。

天候不順により価格の高騰
コリアンダ―は降水量の多い地域での栽培に適していません。国内では天候不順によりコリアンダ―の生産量が減少する傾向があり、生産量の少ない年には価格が大きく高騰します。

2018年は天候不順によりコリアンダーの生産量が減少し、肉の価格を超えています。

利益は高いが栽培が難しい
コリアンダ―の生産は「小麦」などの穀物より大きな利益を得る事が出来ますが、収穫が手作業になり、人件費の高騰や連作障害など発生などの問題があります。

中国のコリアンダー生産地
中東部の「湖北省(こほくしょう)」、東部の「山東省(さんとんしょう)」「安徽省(あんきしょう)」「江蘇省(こうそしょう)」「浙江省(せっこうしょう)」などの東部の多くなっていますが、多くの地域でコリアンダーが栽培されています。

エジプト
コリアンダ― 情報

エジプトのコリアンダー
コリアンダ―はエジプトで利用されるアラビア語で「كسبرة(カスバラ)」です。

エジプトのコリアンダー生産地
コリアンダーはエジプトの暑い気候でも栽培する事が可能であり、主に中部の「ミニヤー県」「アシュート県」、中南部の「ケナ県」などナイル川に面した地域でコリアンダーが多く栽培されています。

古代エジプトでも重宝されていた
コリアンダーは古代エジプト文明の「ツタンカーメン」の墓からも発見されています。一説によると、ツタンカーメンは「マラリア」にかかる事が多く、薬としてコリアンダーを利用されていたとされ、古代エジプトでも「薬」として多く利用されていたと思われます。

モロッコ
コリアンダ― 情報

モロッコのコリアンダー
コリアンダ―はモロッコで利用されるアラビア語で「كسبرة(カスバラ)」です。

モロッコのコリアンダー生産地
主に北部の「マラケシュ=サフィ地方」で多くのコリアンダーが生産されています。

モロッコ料理は香辛料が多様される
モロッコ料理は「スペイン」などの影響から地中海料理の影響を受けており、クミンなどの香辛料や香草が多様されます。コリアンダーを含めたハーブも多く利用され、主にスープなどに利用されます。

アフガニスタン
コリアンダ― 情報

アフガニスタンのコリアンダー
コリアンダ―はアフガニスタンで利用されるパシュト語で「دانه(ゾーネ)」です。

アフガニスタンのハーブ栽培
アフガニスタンでは非常に多くのクミン・フェンネル・コリアンダーが栽培されており、コリアンダーの栽培は春の秋の2シーズンに栽培されています。

気候変動の影響
アフガニスタンでは気候変動と思われる「干ばつ」などが発生しており、作物の生産量が大きく減少しています。作物の不作により家畜の飼料も減少しており、大きな問題になっています。

ベトナム
コリアンダ― 情報

ベトナムのコリアンダー
コリアンダ―はベトナム語で「rau mùi(ザオブーイ)」「Mùi ta(ムイタ)」です。

ベトナムのコリアンダー
ベトナムのコリアンダーは「Cambodian mint(カンボジアミント)」「Rau Ram(ラウラム)」よ呼ばれ、ヨーロッパで一般的に販売されている物と比べ味のアクセントが強くなります。一般的なコリアンダーと比べても夏の暑さに強く、栽培が容易になります。

まとめ

日本でも人気
日本でコリアンダーなどの香草がブームになり、現在は一般的に消費される植物の一つになりましたが、好き嫌いがはっきりと分かれる傾向があります。東南アジアでは幼い頃からからコリアンダーを加えた料理を消費している傾向があり、日常的に消費されます。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Anise, badian, coriander, cumin, caraway, fennel and juniper berries, raw, Production (t)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2021年09月04日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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