油以外に「バイオ燃料」として利用
大豆油は「大豆」の種子から採れる油であり、安価なため一般的に加工品に利用される事が多い油です。バイオ燃料の原料としても利用されてるため、多くの国で生産されています。日本の大豆生産量は限定的ですが、輸入大豆を利用して大豆油を生産しています。
世界ではどの国がどのくらい大豆油を生産しているのでしょうか?
世界の大豆油
生産量ランキング
世界の大豆油生産量
世界一位 中国
世界二位 米国
世界三位 ブラジル
世界の大豆油生産量ランキング
Production - Soya bean oil
国 | 生産量 (トン) (t) 2020年 | |
世界合計 | 58,573,015 | |
1 | 中国 (China) | 16,818,500 |
2 | 米国 (America) | 11,331,000 |
3 | ブラジル (Brazil) | 9,557,000 |
4 | アルゼンチン (Argentina) | 7,160,242 |
5 | インド (India) | 1,377,700 |
6 | メキシコ (Mexico) | 882,318 |
7 | ロシア (Russia) | 740,419.6 |
8 | エジプト (Egypt) | 697,400 |
9 | パラグアイ (Paraguay) | 695,600 |
10 | オランダ (Netherlands) | 670,900 |
11 | ドイツ (Germany) | 666,100 |
12 | スペイン (Spain) | 594,000 |
13 | ボリビア (Bolivia) | 548,668 |
14 | タイ (Thailand) | 531,000 |
15 | 台湾 (Taiwan) | 466,100 |
16 | 日本 (Japan) | 452,350 |
17 | イタリア (Italy) | 435,500 |
18 | イラン (Iran) | 431,700 |
19 | バングラデシュ (Bangladesh) | 413,100 |
20 | パキスタン (Pakistan) | 402,700 |
21 | インドネシア (Indonesia) | 393,473.4 |
22 | カナダ (Canada) | 318,788 |
23 | テュルキエ (Turkiye) | 306,300 |
24 | ウクライナ (Ukraine) | 263,699 |
25 | 南アフリカ共和国 (South Africa) | 234,800 |
26 | ベトナム (Vietnam) | 220,700 |
27 | パラグアイ (Paraguay) | 220,000 |
28 | 韓国 (Korea) | 198,000 |
29 | コロンビア (Colombia) | 140,379.9 |
30 | フランス (France) | 140,200 |
31 | イギリス (U.K) | 134,100 |
32 | ナイジェリア (Nigeria) | 120,400 |
33 | マレーシア (Malaysia) | 115,600 |
34 | サウジアラビア (Saudi Arabia) | 114,700 |
35 | チュニジア (Tunisia) | 112,500 |
36 | アルジェリア (Algeria) | 101,700 |
37 | ベラルーシ (Belarus) | 95,956 |
38 | ノルウェー (Norway) | 80,000 |
39 | イスラエル (Israel) | 65,800 |
40 | セルビア (Serbia) | 65,449 |
41 | ルーマニア (Romania) | 64,500 |
42 | ギリシャ (Greece) | 51,900 |
43 | コスタリカ (Costa Rica) | 48,200 |
44 | ザンビア (Zambia) | 39,600 |
45 | レバノン (Lebanon) | 38,400 |
46 | ベルギー (Belgium) | 37,900 |
47 | キューバ (Cuba) | 32,489 |
48 | オーストリア (Austria) | 29,500 |
49 | 韓国 (Korea) | 28,000 |
50 | ハンガリー (Hungary) | 25,400 |
51 | ネパール (Nepal) | 25,400 |
52 | フィリピン (Philippines) | 24,702.35 |
53 | カンボジア (Cambodia) | 24,700 |
データを元にFumib.netがリストを制作
各国の大豆油
情報
日本は「大豆」を輸入している
中国や日本も多くの「大豆油」を生産していますが、国内で生産される大豆の量は限定的であり、海外から輸入しています。「大豆の生産量」「大豆油の生産量」が必ず比例するとは限りません。
大豆油は何に利用されるの?
大豆油は一般的に「マヨネーズ」「サラダ油」として利用されます。「バイオ燃料」に加工される事も多く、車・飛行機などの燃料として利用されています。
大豆からとれる油はどれくらい?
大豆は1キログラムから10~12%の油が抽出可能です。1リットルの油を生産するには約7~9キログラムの大豆が必要になります。
「大豆の生産量ランキング」はこちらになります。よろしかったらご覧ください。
中国
大豆油 情報
中国の大豆
大豆油は中国語で「豆油(トーヨウ)」です。
中国の大豆生産地
主に北東部の「黒竜江省(こくりゅうこうしょう)」の大豆生産量が多く、国内で生産される大豆の50%以上が黒竜江省で生産されています。中国は国内の大豆作付け面積を拡大させており、今後生産量が増加すると思われます。
中国で最も消費される油
大豆油は中国で最も消費される油であり、主に「ブラジル」「アメリカ」から輸入される大豆が原料です。国内で生産される大豆は食品向けに生産されており、「豆腐」などの原料になります。
豆腐はなぜ「腐」の字を使うの?
「納豆は豆を納めると書くが実際は豆が腐る食べ物」「豆腐は豆が腐ると書くが実際は豆を納める食べ物」であり、あべこべになっています。中国では「腐」の字が「固まった」という意味としても利用される事があり、「死体のように固まった豆」として豆腐と呼ばれる説があります。地域によっては違う字があてられる場合もあります。
米国
大豆油 情報
アメリカの大豆生産地
主に中北東部の「イリノイ州」「アイオワ州」「インディアナ州」、北東部の「ミネソタ州」、中北部の「ネブラスカ州」になります。「自国の食料」として利用される大豆は1割程度です。
大豆は日本からアメリカへ伝わった
「日本」からアメリカへ伝わった大豆は「油脂の原料」「家畜の飼料」として利用されるようになり、現在は非常に多くの大豆を生産しています。日本や中国は国内で大豆を生産するよりコストを抑えられるため、アメリカから多くの大豆を輸入し、国内で「大豆油」などの加工をおこなっています。
アメリカ国内では「バイオ燃料」としても利用されており、国内の大豆の価格は「バイオ燃料」の価格により変動します。
ブラジル
大豆油 情報
ブラジルの大豆
ブラジルで利用されるポルトガル語で大豆油は「óleo de soja(オレ デ ソージャ)」です。
ブラジルの大豆生産地
主に「中部から南部」にかけて大豆生産がおこなわれており、「ブラジルの大豆生産量は世界一」です。国内で輸出している大豆の3/4が「中国」へ輸出しており、国内で消費される大豆は少量です。
燃料に一定の量の「バイオ燃料」
ブラジルで利用されている車の燃料には27%のバイオ燃料が利用されています。2029年までに57%まで増加させる計画であり、国内の大豆の生産量が増加しています。
環境に良いのか?悪いのか?
大豆の生産は増加しています。「バイオ燃料」として利用される事が多い大豆ですが、需要の増加により大豆の作付け面積が拡大しています。主に大豆の生産は「アマゾン地帯」でおこなわれており、森林が伐採されています。
アルゼンチン
大豆油 情報
アルゼンチンの大豆
アルゼンチンで利用されるスペイン語で大豆油は「aceite de soja(アセイテ デ ソーハ)」です。
アルゼンチンの大豆生産地
主に東部の「ブエノスアイレス州」、中部の「コルドバ州」、中北東部の「サンタフェ州」、北部の「サンティアゴ・デル・エステロ州」で多くの大豆が生産されています。
いつから大豆生産がはじまったの?
国内で本格的に大豆の生産が開始されたのは1970年代です。様々な物に加工できる大豆は農家の収入に繋がりやすく、多くの農家が大豆生産へ切り替えています。また、小麦などの「連作障害」を避けるための「輪作作物」としても利用されます。
インド
大豆油 情報
インドの大豆
インドで利用されるヒンディー語で大豆油は「सोयाबीन का तेल(ソーヤビーン カテール)」です。
インドの大豆生産地
主に西部の「マハーラーシュトラ州」、中部の「マディヤ・プラデーシュ州」で多くの大豆を生産しています。
生産が拡大したのは1960年代
大豆はヒマラヤ地域からインドへ渡り、1960年代に生産が拡大しています。
インドの大豆の利用
インドは非常に多くの「豆」を生産している国の一つであり、大豆以外の豆も国内で多く生産しています。大豆は健康面などから「他の豆の代替品」として利用される事が多くなっており、「大豆ミート」なども多く利用されています。
メキシコ
大豆油 情報
メキシコの大豆
メキシコで利用されるスペイン語で大豆油は「aceite de soja(アセイテ デ ソーハ)」です。
メキシコの大豆生産地
主に北東部の「タマウリパス州」、中部の「サン・ルイス・ポトシ州」、南部の「チアパス州」、東部の「ベラクルス州」「カンペチェ州」などで多くの大豆が生産されています。
メキシコの大豆の利用
メキシコで利用される大豆の多くが「大豆油」「家畜の飼料」として利用される事が多くなります。食料として利用される事も多く、国内で販売されている「ソーセージ」などの加工品に大豆が多く利用されています。
ロシア
大豆油 情報
ロシアの大豆
大豆油はロシア語で「соевое масло(ソーヤボォエ マスラ)」です。
ロシアの大豆生産地
主に西部の「中央連邦管区」、東部の「極東連邦管区」、西南部の「南部連邦管区」などで大豆生産がおこなわれています。
輸出量が増加
ロシアの大豆の輸出量が増加しています。主に「中国」への輸出量が多くなりますが、隣国の「ベラルーシ」などにも輸出され「油」に加工される事が多くなります。
輪作作物として利用
多くの「小麦」を栽培するロシアでは大豆が「輪作障害」を防ぐための作物として利用されています。
エジプト
大豆油 情報
エジプトの大豆
エジプトで利用されるアラビア語で大豆油は「زيت الصويا(ゼイト スーヤ)」です。
エジプトの大豆生産地
主に南西部の「ワーディー・ゲディード県」などで多くの大豆生産がおこなわれています。
農業大国エジプト
エジプトは国土の95%以上が砂漠に覆われており農業が難しい土地ですが、「灌漑農業」が発達しており、非常に多くの作物を生産する「農業大国」です。
多くの大豆の生産がおこなわれる「ワーディー・ゲディード県」も農業が難しい土地であり、少ない水を利用した「点滴灌漑」などにより作物が栽培されています。
パラグアイ
大豆油 情報
パラグアイの大豆
パラグアイで利用されるスペイン語で大豆油は「aceite de soja(アセイテ デ ソーハ)」です。
パラグアイの大豆生産地
主に東部の「アルト・パラナ県」、南東部の「イタプア県」、東部の「カニンデジュ県」、中東部の「カーグアス県」、中部の「サン・ペドロ県」などで多くの大豆が生産されています。
パラグアイの大豆利用
パラグアイも食料として大豆の消費は限定的です。生産された大豆は「油」「家畜の飼料」として利用される事が多くなりますが、「大豆ミート」「ソーセージ」などにも加工されます。
オランダ
大豆油 情報
オランダの大豆
大豆油はオランダ語で「sojaolie(ソーヤオリ)」です。
オランダの大豆生産量は少ない
ヨーロッパの大豆生産量は「イタリア」「フランス」「ルーマニア」「クロアチア」「オーストリア」の順に多く生産されています。オランダは大豆の生産をほとんどおこなっておらず、「大豆油」の原料として「北米・南米」からの輸入品になります。
オランダの大豆の利用
主に「家畜の飼料」「油」「大豆粉」などに利用されます。ヨーロッパでも車の燃料などに「バイオ燃料」などの「再生可能エネルギー」の利用が法律で定めされています。各国で割合は異なり、フランスでは20%以上と多く、ヨーロッパ全体でも8%を超えています。
まとめ
大豆は利用価値が高い
大豆は利用価値が非常に高く、「大豆油」「バイオ燃料の原料」として多く利用されています。気候変動や環境問題などにより、バイオ燃料の利用が増加ており、今後も大豆の生産量は北米・南米を中心に拡大すると思われます。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうごいました。
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