北欧などの寒冷な地域でも栽培される
サクランボ
サクランボはヨーロッパで非常に人気のある果物ですが、全体的な生産量はアジア圏が多く、世界で生産されるサクランボの40%以上がアジア圏で生産されています。
サクランボはどの国がどのくらい生産しているのでしょうか?
世界のさくらんぼ
生産量 ランキング
世界のサクランボの生産量
世界一位 テュルキエ
世界二位 チリ
世界三位 ウズベキスタン
世界のサクランボ 生産量ランキング
Cherries
Production (tonnes/year)
| 生産量 (t) 2022年 |
|
|---|---|
| 世界 | 2,765,827.38 |
| テュルキエ | 656,041.00 |
| チリ | 443,067.19 |
| ウズベキスタン | 216,866.87 |
| アメリカ合衆国 | 210,190.00 |
| スペイン | 116,070.00 |
| イタリア | 107,910.00 |
| イラン | 105,389.53 |
| ギリシャ | 85,050.00 |
| ポーランド | 76,600.00 |
| シリア | 71,546.00 |
| ロシア | 59,400.00 |
| ウクライナ | 58,180.00 |
| ブルガリア | 53,920.00 |
| ドイツ | 38,470.00 |
| 中国 | 35,730.83 |
| フランス | 34,990.00 |
| ルーマニア | 34,320.00 |
| レバノン | 28,313.95 |
| ボスニア ヘルツェゴビナ | 25,364.00 |
| ポルトガル | 24,680.00 |
| アルバニア | 24,357.00 |
| セルビア | 22,947.00 |
| オーストラリア | 18,818.01 |
| カナダ | 18,345.00 |
| 日本 | 16,100.00 |
| モロッコ | 15,915.18 |
| アルメニア | 11,821.40 |
| モルドバ共和国 | 11,800.00 |
| ハンガリー | 11,610.00 |
| アゼルバイジャン | 11,510.50 |
| アルジェリア | 11,158.61 |
| インド | 10,934.45 |
| ベルギー | 8,280.00 |
| オランダ | 8,200.00 |
| オーストリア | 7,600.00 |
| アルゼンチン | 7,387.64 |
| ジョージア | 7,100.00 |
| 北ヨーロッパ | 5,943.60 |
| 北マケドニア | 5,768.00 |
| スイス | 5,609.00 |
| ベラルーシ | 4,990.86 |
| キルギスタン | 4,640.83 |
| チュニジア | 4,418.67 |
| イギリス | 4,098.60 |
| イスラエル | 4,001.00 |
| ニュージーランド | 3,663.04 |
| パキスタン | 2,761.73 |
| ガイアナ | 2,323.05 |
| モンテネグロ | 2,091.48 |
| スリナム | 1,883.44 |
| チェコ共和国 | 1,840.00 |
| クロアチア | 1,800.00 |
| 南アフリカ | 1,726.00 |
| スロベニア | 1,700.00 |
| ノルウェー | 1,125.00 |
| パレスチナ | 1,088.02 |
| ヨルダン | 1,063.27 |
| ボリビア | 903.43 |
| デンマーク | 700.00 |
| スロバキア | 680.00 |
| カザフスタン | 337.00 |
| メキシコ | 188.15 |
| リトアニア | 20.00 |
| ルクセンブルク | 20.00 |
| ペルー | 2.64 |
| エストニア | - |
| フィンランド | - |
| マルタ | - |
各国のサクランボ
情報

サクランボの重さ・エネルギー
さくらんぼは一粒が約6gでエネルギーは約3.6カロリーになります。
酸味の強いサクランボ
海外では多くのサクランボが生産されていますが、「酸味の強いサクランボ」も生産されており、主に調理・ジャム・シロップ・スープなどに利用されます。サクランボのジャムを利用する国は多く、ロシアや東ヨーロッパでは日常的に消費されるジャムの一つです。
世界のサクランボの品種の数
世界には1000種類以上のサクランボの品種が存在しており、人気があるフルーツです。
サクランボの実はなぜ2個なの?
サクランボの花芽からは通常2輪の花が咲きます。受粉が正常におこなわれた場合は実を2個つけます。
サクランボの種には毒がある
サクランボの種には「アミグダリン」という「シアン化水素」を発生させる可能性がある物質が含まれています。動物などが誤って飲み込んでしまった場合、中毒を起こす可能性があり注意が必要です。
青梅・アンズ・桃などにも含まれています。
テュルキエ
サクランボ 情報
テュルキエ(旧トルコ)のサクランボ
テュルキエ語でサクランボは「Kiraz(キラズ)」です。
サクランボの原産地
テュルキエはサクランボの原産地の一つとされており、「スミミザクラ」などの原種に近いとされるサクランボが多く自生しています。非常に酸味が強い品種ですが、加工用として用いられる事が多くなります。
テュルキエのサクランボ生産地
主に南西部の「ウスパルタ県」、西部の「マニサ県」、中西部の「アフィヨンカラヒサール県」、西端部の「イズミル県」、北西部の「ブルサ県」で多くのサクランボが生産されています。
とくににウスパルタ県とアフィヨンカラヒサール県で生産されるサクランボが多く、生産されたサクランボの大多数が海外へ輸出されています。
米国
サクランボ 情報
佐藤錦は米国のサクランボの品種改良
日本のサクランボ「佐藤錦」は明治から限定的に日本に輸入されていた「ナポレオン」の品種改良をおこない、大正時代に「佐藤錦」が誕生しました。
ナポレオンはヨーロッパ原産の品種で、アメリカへ渡った後に日本へ伝わりました。
アメリカのサクランボ生産地
主に北西の「ワシントン州」、西部の「カルフォルニア」「オレゴン州」で国内で生産されている90%以上のサクランボが生産されています。
酸味の強いサクランボの品種は主に北東部の「ミシガン州」で生産されおり、「チェリーパイ」などに利用される事から「タルトチェリー」と呼ばれています。
ワシントン州の桜
ワシントン州には日本から送られた桜の木が植林され、春になると多くの観光客が花見に訪れます。
日本は2000本の桜の木をワシントンへ送りましたが、害虫が多く付着しており、一度全て焼却されています。2年後の1912年に再び「ソメイヨシノ」を含む3000本を超える桜の木が送られ、現在は美しい桜の風景を見る事ができます。
チリ
サクランボ 情報
チリのサクランボ
チリで利用されているスペイン語でサクランボは「Cereza(セレーサ)」です。
チリのサクランボ生産地
主に中部の「マウレ州クリコ県」で多くのサクランボが生産されています。クレコ県から北へ150km行った「首都のサンディエゴ」までの道のりに多くのサクランボ農園が存在します。
日本へも輸出されている
国内で生産された80%のサクランボが輸出されており、主に中国へ輸出されています。
日本へも輸出していますが、日本で販売される外国産のサクランボはアメリカ産が大多数を占めています。チリは南半球に位置しており、サクランボのシーズンは10月から2月です。
整備された植物の検疫
野菜や果物を輸出するには「検疫」が必要になります。ペルーは2000年代から検疫の整備に力を注いでおり、生鮮果実や野菜の輸出がスムーズにおこなわれています。
なんでスムーズなの?
輸出国の検疫機関へ対し、輸出解禁要請・植物の検疫が素早く、「植物検疫証明書」などの発行がスピ―ディにおこなえる体制が整えられています。
ウズベキスタン
サクランボ 情報
ウズベキスタンのサクランボ
ウズベキスタンで利用されているウズベク語でサクランボは「Олча(オルチャ)」です。
ウズベキスタンのサクランボ生産地
主に東部の「サマルカンド」でサクランボ生産がおこなわれています。サマルカンドでは「ザラフシャン川」の水を利用した灌漑農業が可能で、ウズベキスタンでは主に6種類のサクランボが生産されています。
水を無駄にできない
ウズベキスタンは水資源が乏しい国です。「綿花」などの栽培が盛んにおこなわれていますが、綿花栽培により「アラル海」の水が枯渇、漁業を営む人が職を追われるなど大きな問題に繋がっています。
ウズベキスタンのサクランボは
日本へ輸出されていない
ウズベキスタンのサクランボは日本へ輸出されていません。2018年にウズベキスタンから輸入解禁要請されており、今後、試験又は調査の計画の提出などがおこなわれる予定です。
イラン
サクランボ 情報
イランのサクランボ
イランで利用されているペルシャ語でサクランボは「گیلاس(キラス)」です。
イランのサクランボ生産地
主にイラン北西部の「ガズヴィーン州」「東アーザルバーイジャーン州」、北部の「セムナーン州」「テヘラン州」、中西部の「ハマダーン州」、西部の「ロレスターン州」でサクランボが生産されています。
とくにガズヴィーン州の山岳地帯「アラムート」でのサクランボ生産が顕著になっています。
アムラートはイランの山形県
ガズヴィーン州の山岳地帯「アムラート」は冬に栽培に十分な降雨量と春の涼しくて暖かい気候を有しており、サクランボの栽培に適しています。
日本の「山形県」のような場所で、非常に質の良いサクランボ生産がおこなわれています。アムラートでは様々なフルーツが栽培されており、「ザクロ」なども有名です。
イランは国内で様々なフルーツが生産されており、多くのフルーツが海外へ輸出されています。
スペイン
サクランボ 情報
スペインのサクランボ生産量
スペイン語でサクランボは「Cereza(セレーサ)」です。
スペインのサクランボの生産地
主に北東部の「アラゴン州」、南西部のポルトガルと国境を接している「エストレマドゥーラ州」で多くのサクランボを生産しています。
サクランボ摘みのアルバイト
広大な農園を有する農家はシーズンにサクランボ摘みのアルバイトを募集をしています。報酬は1ヵ月間に1200ユーロ(16.2万円 2022年5月換算)と決められており、主に職を持たない人へ勧められています。
イタリア
サクランボ 情報
イタリアのサクランボ
イタリア語でサクランボは「Ciliegia(チリエージア)」です。
イタリアのサクランボの歴史
古代ローマ人がテュルキエ北東部の黒海南岸に面した「ギレスン市」に駐屯した際にサクランボの木を発見し、木をローマへ持ち帰ったことがイタリアにサクランボが伝わったキッカケとされています。現在も春から夏にかけてサクランボが市場に並び、多くの人が購入に訪れます。
ギレンス市は山形県の「寒河江市」と「サクランボの発祥の地」として姉妹提携をおこなっています。
イタリアのサクランボ生産地
主に南東部の「プーリア州」、北西部の「カンパニア州」、北東部の「ベネト州」、中部の「ラツィオ州」、北部の「エミリア=ロマーニャ州」で国内で生産される80%以上のサクランボが生産されています。
ギリシャ
サクランボ 情報
ギリシャのサクランボ
ギリシャ語でサクランボは「Κεράσι(ケラーシ)」です。
ギリシャのサクランボ生産地
主に北部の「ペラ県」、北東部の「イマティア県」「ピエリア県」「ロドピ県」、中央部の「フティオティダ県」、東部の「ラリサ県」でサクランボの生産がおこなわれています。
とくに生産が多いのはペラ県でギリシャで生産されるサクランボの半数が生産されています。
霜による生産量の減少
サクランボは開花の時期に気温が低下した場合、「霜」の影響で受粉が妨げられます。霜の影響により生産量が減少するなど、春に開花する果物の木は影響を受けやすくなります。
ウクライナ
サクランボ 情報
ウクライナのサクランボ
ウクライナ語でサクランボは「Вишня(ヴィーシィニャ)」です。
ウクライナのサクランボ生産地
ウクライナでは全土でサクランボが生産されていますが、主に東部の「ドニプロペトロウシク州」、西部の「リヴィウ州で非常に多くのサクランボが生産されています。
需要が生産量を上回る
ウクライナでは非常に多くのサクランボを生産していますが、国内の需要を満たしていません。隣国のポーランドが非常に多くのサクランボを生産しており、ウクライナへ輸出しています。
東欧でもポーランドで生産されているサクランボが市場で販売されています。
ポーランド
サクランボ 情報
ポーランドのサクランボ
ポーランド語でサクランボは「wiśnie(ヴィーシィニャ)」です。
ポーランドはサクランボの名産地
ポーランドは国内で非常に多くのサクランボを生産しており、主に「サワーチェリー」を生産しています。生産されたサクランボは輸出される事が多く、ヨーロッパの各地でポーランド産のサクランボを購入する事が可能になっています。
ベルギー
サクランボ 情報
ベルギーのサクランボ
ベルギーで利用されているドイツ語でサクランボは「Kirsche(キールシェ)」です。
ベルギーのサクランボ生産地
主にワロン地域でサクランボ生産がおこなわれています。ワロン地域ベルギー南部を占める地域の事で、「ブラバン・ワロン州」「エノー州」「リエージュ州」「リュクサンブール州」「ナミュール州」で構成されています。
北部のフランダース地方でも生産されていますが限定的です。
ビールに加工
ベルギーは「ビール」生産が非常に有名であり、サクランボ加えた「チェリービール」はベルギーの名産品です。
日本
サクランボ 情報
日本のサクランボ生産地
日本は山形県・北海道・山梨県などで多くのサクランボが生産されています。山形県はにサクランボの名産地であり、大正時代に品種改良された「佐藤錦」は山形県で品種改良がおこなわれました。
まとめ
ヨーロッパのシーズンは7月から
地域によって若干シーズンが異なりますが、サクランボのシーズンは6月から7月になります。東欧では「イチゴ」と並ぶ非常に人気のある果物で、販売が開始される夏の市場にはイチゴとサクランボで真っ赤に染まります。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Cherries, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2021年07月05日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。