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世界のビール 消費量ランキング

日本では「若者の酒離れ」が進み、ビールの飲酒量も年々減少しています。世界でもビールの飲酒量は年々減少傾向にありますが、現在も非常に多くのビールが飲酒されています。

世界ではどの国がどれくらいビールを飲酒しているのでしょうか?


記事は「ビール」についての記述になります。日本の法律で二十歳未満の飲酒は「未成年者飲酒禁止法」により禁止されています。

世界のビール
消費量 ランキング


世界のビール消費量
世界一位 チェコ
世界二位 アイルランド
世界三位 オーストリア


ビールの年間飲酒量ランキング
Beer - consumption by country (kg/capita/year)

消費量
(リットル)
(kg)
2020年
1チェコ
(Czech)
136.37
2アイルランド
(Ireland)
124.76
3オーストリア
(Austria)
102.78
4ドイツ
(Germany)
93.97
5ポーランド
(Poland)
93.37
6ルーマニア
(Romania)
91.83
7クロアチア
(Croatia)
83.53
8ガボン
(Gabon)
83.12
9アイスランド
(Iceland)
81.52
10スペイン
(Spain)
80.62
11リトアニア
(Lithuania)
78.09
12ラトビア
(Latvia)
75.98
13アメリカ
(America)
75.52
14ブルガリア
(Bulgaria)
74.56
15ルクセンブルク
(Luxembourg)
72.86
16オーストラリア
(Australia)
72.57
17スロベニア
(Slovenia)
72.45
18ボスニア
ヘルツェゴビナ
(Bosnia and
Herzegovina)
69.77
19セーシェル
(Seychelles)
69.61
20エストニア
(Estonia)
67.44
21モンテネグロ
(Montenegro)
67.40
22メキシコ
(Mexico)
67.26
23ブラジル
(Brazil)
66.57
24ハンガリー
(Hungary)
66.14
25フィンランド
(Finland)
66.01
26ベルギー
(Belgium)
65.89
27ナミビア
(Namibia)
65.64
28パラグアイ
(Paraguay)
64.79
29ニュージーランド
(New Zealand)
64.48
30スロバキア
(Slovakia)
61.56
31カナダ
(Canada)
58.26
32デンマーク
(Denmark)
57.76
33パナマ
(Panama)
57.65
34イギリス
(U.K)
56.53
35チリ
(Chile)
55.8
36フランス領
ポリネシア
(French
Polynesia)
55.77
37ロシア
(Russia)
55.40
38コンゴ共和国
(Republic of
the Congo)
54.80
39ベラルーシ
(Belarus)
54.21
40スウェーデン
(Sweden)
54.13
41ポルトガル
(Portugal)
51.98
42スイス
(Switzerland)
51.75
43アゼルバイジャン
(Azerbaijan)
51.48
44ドミニカ共和国
(Dominican
Republic)
51.37
45セントルシア
(Saint Lucia)
50.51
46セルビア
(Serbia)
50.01
47オランダ
(Netherlands)
49.52
48コロンビア
(Colombia)
46.87
49ノルウェー
(Norway)
Population: 5,378,900
46.8
50トリニダード
トバゴ
(Trinidad and
Tobago)
45.04
51南アフリカ共和国
(South Africa)
45.03
52スリナム
(Suriname)
44.93
53ニューカレドニア
(New Caledonia)
44.36
54ベトナム
(Vietnam)
40.45
世界平均22.65
日本
(Japan)
19.70
出典: United Nations Food and Agricultural Organization (FAO) 2020年から作成
https://www.fao.org/faostat/en/#data/
©FAO


各国のビール消費量


ビールの重さ

1キログラム(Kg)= 1リットル(L)になります。


ビールのエネルギー

ビールは1リットル(L)あたり約330~430カロリー(Kcal)になります。


ビールの原料

ビールの原料には「大麦」が利用されています。苦みや芳香は「ホップ」と呼ばれる植物が利用されており、ビールの腐敗を防ぐ効果もあります。


「アルファ酸」って?

ホップの苦味を表す源です。通常数値で表記されている事が多く、数値が高いほど苦味が強くなります。大体4~8%が基本ですが、10%を超える物も存在します。


「ラガービール」って何?

ラガービールは10℃以下で、時間をかけて発酵させる「下面発酵製法」で造られています。特徴は「冷たくてさっぱりしたビール」で、「日本」「ドイツ」ではラガービールが一般的に飲酒されます。


「エールビール」って何?

20℃前後で短時間で発酵させる「上面酵母製法」で造られます。特徴は「コクのあるビール」で、「常温」で飲酒する国が多く存在します。


「世界の大麦生産量ランキング」はこちらになります。よろしかったらご覧ください。


「世界のホップ生産量ランキング」はこちらになります。よろしかったらご覧ください。


チェコ
ビール 消費量


チェコのビール

チェコ語でビールはPivo(ピボ)」です。一人当たり年間350mlの缶で300本~400本消費している計算になります。


ビールの飲酒はチェコのライフスタイル

チェコではビールの飲酒が「パンを食べる事と変わらない」と考える人が多く、ビールの飲酒の飲酒量が非常に多くなっています。しかし、ビールの飲酒量は世界中で減少傾向にあり、チェコでも飲酒量が減少しています。


ビールの原料「ホップ」を多く生産している

チェコはビールの原料の「苦味」を生み出す「ホップ」を国内で多く生産しています。主なホップ生産地はチェコ北西部「Žatec(ザテック)」で非常に多く生産されており、国内で生産されるホップの約75%がザテックで生産されています。

ザテックで生産されているホップは「Saaz hop(ザーツホップ)」と呼ばれ、世界的で利用される有名なホップです。ザーツホップは「日本」で栽培されるホップにも交配されています。

その他には北部の「Úštěk(ウシュテック)」約で13%、東部の「Tršice(トルシーツェ)」で約11%生産されており、ザテックと共に有名なホップ生産の地になります。


気候変動の影響

近年、気候変動の影響と思われる「天候不順」よりホップの生産量が減少しています。需要が追い付かない年は「過去に生産された古いホップ」の利用、ホップの生産を安定させるために「灌漑農業(人工的に水を引き込む方法)」への切り替えなどがおこなわれています。


チェコの「ピルスナービール」

「ピスルナービール」はチェコ発祥の「ラガービール」になります。日本の「ラガービール」の多くがピルスナービールに分類され、爽やかな味わいと苦みがあります。


「ピルスナービール」ってなに?

チェコ西部の「プルゼニ」で生産されたビールです。ヨーロッパでは「エール酵母」で醸造する「エールビール」が主流でしたが、「ラガー酵母」で醸造する「ラガービール」が流行し、「ピルスナービール」が注目を集めるようになりました。

アイルランド
ビール 消費量


アイルランドのビール飲酒量

アイルランドでは一人当たり年間350mlの缶で300本~400本消費している計算になります。


アイルランドではホップを生産していない

アイルランドではホップの生産が限定的になります。隣国のイギリスもホップの生産量は少量になり、大多数が「輸入品」になります。


米国産のホップの輸入が多い

アイルランドは「米国産のホップ」の輸入量が多く、国内のビールの生産に米国産のホップが利用される事が多いと思われます。「ヨーロッパ産」のホップも輸入されており、「α酸(アルファ酸(ホップに含まれる苦みの元)」が多いホップが利用される傾向があります。


アイルランドのビール

アイルランドでは「エールビール」も非常に多く生産されていますが、全体的に「ラガービール」が好まれる傾向があります。

オーストリア
ビール 消費量


オーストリアのビール消費量

オーストリアで利用されているドイツ語でビールは「Bier(ビア)」です。一人当たり年間350mlの缶で250本~300本消費している計算になります。


オーストリアの「メルツェンビール」

オーストリアでは「メルツェンビール」というラガービールが有名です。メルツェンビールはα酸が低めのホップが利用されているのが特徴で、苦味が少なく甘みがあるビールになります。


オーストリアではホップを生産していない

オーストリアのホップ生産は限定的になります。隣国の「ドイツ」などで非常に多くのホップが生産されており、ドイツやヨーロッパのホップが利用される傾向があります。

ドイツ
ビール 消費量


ドイツのビール消費量

ドイツ語でビールは「Bier(ビーア)」です。一人当たり年間350mlの缶で250本~300本消費している計算になります。


ドイツのホップ生産

ドイツはアメリカに次ぐホップ生産国で、世界二位のホップ生産量になります。ドイツ南部のバイエルン州にある「Hallertau(ハレルタウ)地方」で国内で生産される90%のホップが生産されており、国内で生産されるホップの大多数がハレルタウ地方で生産されています。


ビールの人気低迷

ドイツでは「アルコール離れ」が進行しており、ビールの消費量も大きく減少しています。国内では「高齢化」により健康に問題を抱える人が増加、飲酒を控える人が多くなっています。


世界全体でアルコールの摂取量が低下

「ミレニアル世代」「Z世代」はアルコールの摂取量が少なく、「アルコールを摂取しない人」も多く存在しています。


「コミュニケーション」の多様化

ヨーロッパでも「コミュニケーション」の形が変化しており、「パブなどで仲間と語り合う」という時代から「ネットを利用したコミュニケーション」へ変化しています。

ポーランド
ビール 消費量


ポーランドのビール消費量

ポーランド語でビールは「piwo(ピボ)」です。一人当たり年間350mlの缶で250本~300本消費している計算になります。


ビール大国ポーランド

ポーランドでは非常にビールの人気が高く、主に国内に存在する3つの大きなビール製造会社によって生産・販売がおこなわれています。ポーランドでも「ラガービール」が好まれる傾向があり、日本人の口に合うビールが販売されています。


ポーランドの「ホップ」生産

ポーランドでは国内で13種のホップを生産しています。α酸の高い物から低い物まで生産されており、ポーランドで生産される非常に質の高いビールの味を決めています。ポーランドの各地でホップ生産がおこなわれていますが、とくに生産が多いのはポーランド南東部のLublin(ルブリン)で、ルブリンで生産されるホップはチェコのザースホップと似た特徴があります。

ルブリンで生産されるホップはα酸が低い傾向がありますが、非常に香が良いのが特徴です。

ルーマニア
ビール 消費量


ルーマニアのビール消費量

ルーマニアでビールは「Bere(ベーレ)」です。一人当たり年間350mlの缶で250本~300本消費している計算になります。


ルーマニアは酒税が低い

ルーマニアでは40度を超える酒の酒税が他のヨーロッパ諸国と比べて低く設定されています。

2020年にルーマニアでは「700mlあたり2.09ユーロ(287円 2022年4月)」の税金に対し、一番酒税の高いフィンランドでは「700mlあたり13.66ユーロ(1875円2022年4月)」になり、6倍以上の税金がかけられています。


ルーマニアの伝統的なスピリッツ「ツイカ」

ルーマニアでは「ビール」だけではなく「スピリッツ」も多く消費されます。「プラム」から生産される蒸留酒「ツィカ」が有名で、ツィカは「食前酒」として食事を楽しむために用意される事が多くなります。「ロシアのウォッカ」なども基本的に「食前酒」として飲酒されます。

「祝いの席」「ビジネスミーティング」などでも飲酒される事が多く、「腹を割って話す」「親睦を深める」などの「潤滑剤」として消費されます。

クロアチア
ビール 消費量


クロアチアのビール消費量

クロアチア語でビールは「Pivo(ピボ)」です。一人当たり年間350mlの缶で200本~250本消費している計算になります。


クロアチアはワインの有名な地

クロアチアはワイン造りが有名で、2500年以上前からワインの生産がおこなわれています。ワイン造りは「ギリシャ」から伝わったとされ、アドリア海に面した豊かな土地で「ブドウ」を生産しています。クロアチアでは「ブドウ」「マスカット」どちらも生産していますが、全体的に「白ワイン」の生産量が多く、国内で生産されるワインの60%~70%が白ワインになります。


ワイン」も飲むけど「ビール」も大好き

クロアチアは「フランス」に次ぐワイン消費国で、非常に多くのワインが国内で消費されています。クロアチアのワインは国内消費量が非常に多く、海外にあまり輸出していません。ビールの輸出量も限定的で、国内で生産されるビールの90%が国内で消費されます。

ビールの人気は年々上昇しており、国内で消費される酒の半分がビールになります。

ガボン
ビール 消費量


ガボンのビール消費量

ガボンで利用されているフランス語でビールは「Bière(ビィエーレ)」です。一人当たり年間350mlの缶で200本~250本消費している計算になります。


ガボンはどこ?

ガボンはアフリカ西部にある国で、南大西洋に面した国です。イスラム教徒の割合も低く、一人あたりのビールの消費量はアフリカで一番多く消費されています。


アフリカではどんなビールが人気なの?

「ラガービール」の人気が高く、アフリカの多くの国々が国内でビール生産をおこなっています。原料はアフリカで多く消費される「ソルガム」などを原料にしている国などが多く、「一般的なビールより濁っている」といわれています。


人口増加が続くアフリカ

アフリカの多くの国々では人口が爆発的に増加しており、今後「ビール」の消費量は拡大すると思われます。

アイスランド
ビール 消費量


アイスランドで利用されているフランス語でビールは「Bjór(ビィヨール)」です。一人当たり年間350mlの缶で200本~250本消費している計算になります。


ビールの飲酒は禁止されていた

アイスランドは1989年の3月1日までビールの飲酒が政治的に法律で禁止されていました。アイスランドは1944年に「デンマーク」からの独立を宣言し、「アイスランド共和国」として歩み始めましたが、デンマークで多く飲酒されていた「ビール」は「デンマークを印象する飲み物」としてアイスランドで支持される事はありませんでした。ビールが解禁された3月1日は「ビールの日」として国内で多くのビールが飲酒されます。


アイスランドはビールを生産してるの?

しています。していますが、アイスランドは非常に寒い国で自国での「大麦」の生産が限定的であり、輸入品なども多くなっています。

スペイン
ビール 消費量


スペインのビール消費量

スペイン語でビールは「Cerveza(セルベーザ)」といいます。一人当たり年間350mlの缶で200本~250本消費している計算になります。


スペインのホップ生産の歴史

スペインは戦時中からホップを「ドイツ」から輸入していましたが、戦争の終結と共に荒廃したドイツから「ホップ」の輸入が非常に困難になり、「国内のホップ生産」が議論されました。ホップの生産は基本的に寒冷な土地でおこなわれており、温暖な気候を有するスペインでは栽培が難しいとされましたが、北東部の「Órbigo (オリビゴ)」が比較的にホップの栽培に適した環境を有しており、ホップ生産がおこなわれるようになりました。

オリビゴで開始されたホップ栽培は急成長し、現在もスペインのホップ生産を支えています。(生産量は多くありません)


ワイン生産

スペイン・フランス・イタリアなど比較的に暖かい土地では「ブドウ」の生産が盛んで、ブドウを利用したワインが非常に多く生産されています。近年スペインではワインの消費量が減少しており、ビールの消費量が増加しています。

日本
ビール 消費量


一人当たり年間350mlの缶で200本~250本消費している計算になります。


日本のホップの歴史

日本でホップ生産が開始されたのは「明治時代の北海道」になります。明治4年に北海道の開拓の顧問として招かれていた鉱山技師「トーマス・アンチセル」が北海道に自生しているホップを発見し、明治9年にはホップの栽培開始されています。


日本のホップ生産

日本では主に岩手県・秋田県・山形県などでホップが生産され、大手ビールメーカーなどが国産のホップを利用してビールを生産をおこなっています。

まとめ


ビールの消費量は減少傾向

ビールの飲酒量は年々減少してきています。飲酒量の減少と共に生産量も減少しており、2013年から全体で8%程度生産量が減少しています。「ノンアルコール飲料」「低アルコール飲料」の消費量が増加しており、「ライフスタイルに合った酒の飲み方」が大きく変化してきています。


今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


サムネイル: 「Pixabay」から商用利用可能な写真を加工・利用しています。

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