ヨーグルトに近い?
ヨーロッパで人気のサワークリーム
「サワークリーム」はPH値が4.5の酸性のクリーム(PH値の中性は7.0)で、乳脂肪分は約28%です。フランスでは「クレーム・フレーシュ」と呼ばれ、日本でも製造している企業が存在します。
世界ではどの国がどのくらいサワークリームを生産しているのでしょうか?
サワークリーム
生産量ランクング
世界のサワークリーム生産量
世界一位 ドイツ
世界二位 フランス
世界三位 イタリア
世界のサワークリーム生産量
Cream fresh Production (Tonnes/year)
| 国 | 生産量 (トン) (t) 2020年 | |
| 世界合計 | 3,713,632 | |
| 1 | ドイツ (Germany)  | 530,410 | 
| 2 | フランス (France)  | 477,570 | 
| 3 | イタリア (Italy)  | 280,130 | 
| 4 | ポーランド (Poland)  | 258,140 | 
| 5 | カナダ (Canada)  | 242,982 | 
| 6 | ベルギー (Belgium)  | 234,270 | 
| 7 | ロシア (Russia)  | 195,000 | 
| 8 | スペイン (Spain)  | 171,630 | 
| 9 | ニュージーランド (New Zealand)  | 135,000 | 
| 10 | サウジアラビア (Saudi Arabia)  | 89,508.09 | 
| 11 | オランダ (Netherlands)  | 85,000 | 
| 12 | オーストリア (Austria)  | 75,980 | 
| 13 | スウェーデン (Sweden)  | 74,070 | 
| 14 | ルーマニア (Romania)  | 69,310 | 
| 15 | デンマーク (Denmark)  | 65,900 | 
| 16 | チェコ (Czech)  | 65,690 | 
| 17 | フィンランド (Finland)  | 64,220 | 
| 18 | リトアニア (Lithuania)  | 57,500 | 
| 19 | スイス (Switzerland)  | 38,716.82 | 
| 20 | ノルウェー (Norway)  | 35,113.84 | 
| 21 | クロアチア (Croatia)  | 33,030 | 
| 22 | スロバキア (Slovakia)  | 29,630 | 
| 23 | エストニア (Estonia)  | 29,310 | 
| 24 | ベラルーシ (Belarus)  | 28,319.55 | 
| 25 | イラン (Iran)  | 27,899.25 | 
| 26 | 米国 (U.S.A)  | 27,609.29 | 
| 27 | チュニジア (Tunisia)  | 27,541.51 | 
| 28 | ラトビア (Latvia)  | 27,040 | 
| 29 | カザフスタン (Kazakhstan)  | 26,416.49 | 
| 30 | ポルトガル (Portugal)  | 25,130 | 
| 31 | ケニア (Kenya)  | 24,340.49 | 
| 32 | アイルランド (Ireland)  | 18,800 | 
| 33 | イギリス (U.K)  | 14,680 | 
| 34 | スロベニア (Slovenia)  | 11,920 | 
| 35 | イギリス (U.K)  | 10,475.52 | 
| 36 | エジプト (Egypt)  | 10,146.37 | 
| 37 | ハンガリー (Hungary)  | 10,020 | 
| 38 | インドネシア (Indonesia)  | 9,600.08 | 
| 39 | テュルキエ (Turkiye)  | 9,216.24 | 
| 40 | ブラジル (Brazil)  | 7,831.56 | 
| 41 | グアテマラ (Guatemala)  | 6,684 | 
| 42 | オーストラリア (Australia)  | 6,393.12 | 
| 43 | タイ (Thailand)  | 6,347.5 | 
| 44 | パキスタン (Pakistan)  | 4,398.07 | 
| 45 | アルゼンチン (Argentina)   | 3,493.58 | 
| 46 | キプロス (Cyprus)  | 3,260 | 
| 47 | アイスランド (Iceland)  | 3,150.7 | 
| 48 | ベネズエラ (Venezuela)  | 3,127.7 | 
| 49 | ブルガリア (Bulgaria)  | 2,890 | 
| 50 | エクアドル (Ecuador)  | 2,798.26 | 
| 51 | インド (India)  | 2,787.71 | 
| 52 | 南アフリカ共和国 (South Africa)  | 2,327.91 | 
| 53 | ルクセンブルク (Luxembourg)  | 2,004.75 | 
各国のサワークリーム
情報

サワークリームのエネルギー
サワークリームのエネルギーは100グラムあたり約350~380カロリーになります。日本で販売されているクリームには砂糖が含まれている事が多く、カロリーが高くなります。
サワークリームとは?
サワークリームは「酸っぱいクリーム」の事であり、「クリームを発酵させた乳製品」です。ある程度の期間、冷蔵保存が可能であり、発酵が進行すると酸味が強くなる食品です。
主に東ヨーロッパで好まれる食品であり、スープなどに加えられる事が多くなります。
サワークリームとクリームフレッシュの違い
・サワークリーム
「クリームを発酵させた乳製品」であり、「鋭い酸っぱさ」があります。脂肪分は16 - 21%の脂肪分であり、通常のクリームと比べ低脂肪です。
・クリームフレッシュ
「クリームを発酵させた乳製品」であり、脂肪分は約28%です。サワークリームの一種として扱われますが脂肪分が高く、クリーミー感が強くなります。
・スメタナ
「クリームを発酵させた乳製品」であり、脂肪分は10 - 30%です。発酵により容器を爆発させる事があるため、通常容器に「空気穴」をあけますが、日本では食品に空気穴を開ける事ができないため、販売は限定的です。
各国のサワークリームの違い
サワークリームと普通のクリームの明確な違いは「発酵しているか・発酵していないか」であり、発酵していないクリームは砂糖などが加えられている事が多くなります。
また、脂肪分の量によりクリームの名称が変わる国が多く、国により呼び方が大きく異なります。
「サワークリームはどんな食べ物?」の記事はこちらになります。よろしかったらご覧ください。
ドイツ
サワークリーム 情報
ドイツのサワークリーム
ドイツ語でサワークリームは「Sauerrahm(ザワーハーム)」です。
ドイツの発酵食品
ドイツには多くの発酵食品が存在しており、「ザワークラウト」はドイツを代表する発酵食品の一つです。ザワークラウトは千切りにしたキャベツに塩を加え発酵させる食品であり、肉の付け合わせや様々な食品の「副食」として提供される事が多くなります。
韓国の「キムチ」の様な立ち位置であり、東ヨーロッパでは非常に多く消費されます。また、「ハンガリー」ではサワークリームと合わせて消費される事も多くなります。
ドイツのサワークリームを利用した料理
サワークリームを利用した料理が多く存在しており、「Schwammerl in Rahmsauce:キノコのクリームソース」は非常に有名です。この料理はマッシュルーム・玉ねぎ・ニンニクを炒め、野菜のスープとサワークリームを合わせた料理になります。
フランス
サワークリーム 情報
フランスのサワークリーム
フランス語でサワークリームは「crème aigre(クレメイレ),Crème fraîche(クリームフレーシュ)」です。
フランスのサワークリーム
一般的に「クリームフレッシュ」が利用されます。ヨーロッパの「表示規制」では「クリーム」「乳酸菌」以外の物が加えられているクリームはクリームフレッシュとして扱う事ができなくなり、「crème aigre sans matière grasse:無脂肪サワークリーム」というサワークリームなど様々なクリームが国内に存在します。この無脂肪サワークリームには「ゼラチン」「コーンスターチ」などの「増粘剤:とろみを出す成分」や「防腐剤」が含まれているものが多く、ある程度日持ちします。
フランスでもサラダやスープにサワークリームを加える料理が多く存在しており、その他のヨーロッパ諸国と同じように利用されています。
フランスのサワークリームを利用した料理
フランスでは「クリーム」を利用したデザートが非常に多く、「クリームブリュレ」「マカロン」「ラムババ」などが代表的なデザートです。これらのデザートはサワークリームではなく、通常のクリームを利用するのが一般的ですが、サワークリームが利用される事も多く、フランスの食文化を語るには無くてはならない食材の一つです。
イタリア
サワークリーム 情報
イタリアのサワークリーム
イタリア語でサワークリームは「panna acida(パンナ アチーダ)」です。
イタリアでサワークリームの利用が増加
イタリアは低脂肪の食品を好む人が増加しており、サワークリームの利用が増加しています。
イタリアのサワークリームを利用した料理
イタリアでもサラダやジャガイモ、スモークされたサーモンとサワークリームを和えた料理などが作られます。主に多国籍料理に利用される事が多く、ドイツ料理や北欧料理のトッピングとしても多く利用されています。
ポーランド
サワークリーム 情報
ポーランドのサワークリーム
ポーランド語でサワークリームは「kwaśna śmietana(クワシシュナ スメターナ)」です。
ポーランドのサワークリーム
ポーランドは非常に多くのサワークリームを利用する国であり、様々な料理にサワークリームが利用されます。サワークリームは脂肪分が少なく、近年、クリームやヨーグルトの利用を避け、サワークリームを利用する人が増加しています。
ポーランドのサワークリームを利用した料理
「ボルシチ」が非常に有名であり、東欧やロシアと同様にサワークリームを加えて食べます。ポーランドは「イギリス」のように薄く味付けされた料理が多く、自分で「塩・コショウ」を加え味を調整します。
カナダ
サワークリーム 情報
カナダのサワークリーム
カナダは「カナダ風サワークリーム」というサワークリームが存在していますが、これはロシアの「スメターナ」になります。冷戦中にロシアの名前を商品に入れる事が避けられていたため、カナダ風サワークリームとして販売されていました。
現在もカナダ風サワークリームとして販売されており、一般的なサワークリームと比べ濃厚な味が特徴です。
カナダのサワークリームを利用した料理
カナダは「プーティン(カナダのフライドポテト)」というフライドポテトに「コッテージチーズ」と「グレービーソース:肉汁から作られるソース」をかけた料理が非常に人気があります。
プーティンはケベック州で誕生したB級グルメであり、多くのフランチャイズレストランやファストフード店で販売されており、国民食の一つとして扱われています。
ベルギー
サワークリーム 情報
ベルギーのサワークリーム
ベルギー語で利用されるフランス語でサワークリームは「crème aigre(クレメイレ),Crème fraîche(クリームフレーシュ)」です。
ベルギーのサワークリーム
ベルギーはフランス語を利用する人が多く、サワークリームは一般的にフランス語の「Crème fraîche(クリームフレーシュ)」と呼ばれています。ベルギーでは低脂肪のサワークリームが好まれる傾向があり、スーパーなどで多く販売されています。
ベルギーのサワークリームを利用した料理
国内で様々な料理にサワークリームを利用しますが、サワークリームを利用して作られた「ワッフル」などが有名です。ワッフルはベルギーの国民食であり、至る所で露天販売がおこなわれています。
ロシア
サワークリーム 情報
ロシアのサワークリーム
ロシア語でサワークリームは「сметана(スメターナ)」です。
ロシアの代表的な食品「スメターナ」
「сметана(スメターナ)」はロシアを代表するサワークリームであり、ロシア料理を語るには無くてはならない食品です。ロシア料理はスメタナがマヨネーズ・味噌のように多用され、スープ・野菜のドレッシング・パンケーキなど様々な料理に加えます。
スメタナの利用は80~90年代
サワークリームが多様されるようになったのは90年代であり、「貧しい生活を支える栄養食品」として多く消費されるようになりました。ロシアはサワークリームが加えた状態でスープが提供される事が多く、「ボルシチ」などにもサワークリームが必ず加えられます。
ロシアのサワークリームを利用した料理
サラダにサワークリームを加える事が非常に多く、「Русская красавица:ロシアンビューティー」はロシアを代表するサラダの一つです。細かく角切りにしたハム・ピクルス・トマト・卵・鶏肉・にサワークリームを加え、味の決め手に細かく刻んだチーズを加えます。
スペイン
サワークリーム 情報
スペインのサワークリーム
スペイン語でサワークリームは「CCrea agria(シ クレア アグリア)」です。
「サワークリーム」と「クリームフレッシュ」
「スペイン」「フランス」「イタリア」などのヨーロッパでは「サワークリーム」と「クリームフレッシュ」が明確にわけられています。サワークリームはロシア系の店で扱われておる事が多く、一般にクリームフレッシュが購入されます。
ニュージーランド
サワークリーム 情報
酪農大国ニュージーランド
ニュージーランドは酪農が盛んにおこなわれており、多くの乳製品が生産されています。また、海外にも多くの乳製品が海外へ輸出されており、ニュージーランドの経済を支える重要な生産品の一つです。
「キウイオニオンディップ」
「Kiwi onion dip(キウイオニオンディップ)」といつ細かく刻んだポテトチップスにサワークリームなどを混ぜ、野菜や肉のソースとして利用する調味料が人気があります。海外旅行へ出かけるニュージーランド人はこの調味料を持参する人が多く、他国の料理にキウイオニオンディップを合わせて食事をする人が多く存在します。
サウジアラビア
サワークリーム 情報
サウジアラビアのサワークリーム
サウジアラビアで利用されるアラビア語でサワークリームは「الكريمة الحامضة(アルカリーマット アルハミーダ)」です。
サウジアラビアのサワークリーム
サウジアラビアでサワークリームは非常に人気のある食品であり、一般的にスーパーマーケットなどで販売されています。
サウジアラビアのサワークリームを利用した料理
サワークリームを加えた多国籍料理が多く存在しており、肉料理やスープなどに多用されます。サワークリームを利用した菓子なども多く、国内で人気があります。
スウェーデン
サワークリーム 情報
スウェーデンのサワークリーム
スウェーデン語でサワークリームは「gräddfil(グラッドフッル)」です。
スウェーデンのサワークリーム
国内ではサワークリームが1950年代に販売され人気を得ました。サワークリームは主に「夏の食べ物」として販売されていましたが、様々な料理が紹介され、現在は年間を通して多くのサワークリームが消費されています。
サワークリームの登場後に「コッテージチーズ」なども登場し、スウェーデンの国民食の一つとして定着、現在では様々な料理に利用されています。
スウェーデンのサワークリームを利用した料理
スウェーデンは「ニシンのマリネ」などが非常に有名であり、サワークリームを和えたマリネ、サラダ、ジャガイモなど「ロシア」「ドイツ」などで好まれる料理がスウェーデンでも多く消費される傾向があります。
まとめ
北欧や東ヨーロッパの利用が多い
サワークリームを利用した料理は北欧・ロシア・東ヨーロッパに多く存在し、生産量もヨーロッパが全体の80%を超えています。アジア圏での利用は限定的ですが、サワークリームを利用したお菓子などが増加しています。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Cream, fresh, Production (t)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2022年09月19日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。
 
					