糖分の取り過ぎ!世界の砂糖消費量
日本で「一日の砂糖の摂取目安」は25gとされていますが、実際に摂取される量は多く、世界では更に多くの砂糖が摂取されています。
食料供給量(Food supply quantity)とは?
その期間に人間の食料として利用可能な商品の総量になります。データにはその食べ物が加工された物も含まれます。詳しくは©FAO 「食料供給量(Food supply quantity)の定義」をご覧ください。
砂糖はどの国がどのくらい消費しているのでしょうか?
世界の砂糖
供給量ランキング
世界の砂糖 消費量
世界一位 グアテマラ
世界二位 キューバ
世界三位 バルバドス
世界の砂糖消費量ランキング
Sugar
Food supply quantity (kg/capita/yr)
各国の砂糖
情報
砂糖のカロリー
砂糖のカロリーは1gあたり4カロリーです。
1日の砂糖摂取目安量
WHO(世界保健機関)は1日の砂糖の消費量の目安を「1日の総エネルギーカロリーの5%」に設定しています。日本人の1日の摂取目安カロリーは1400~2000カロリーであり、2000カロリーで換算した場合、1日の砂糖消費量の目安は25gです。
日本で販売される「ジュース」の砂糖使用量は非常に多く、1本あたり約30~60gの砂糖が含まれています。
東南アジアで増加する糖尿病
東南アジアは貧困により、栄養のバランスが採れた食事をとる事ができず「米」を大量に消費してしまう傾向があります。米は多くの「糖分」が含まれており、「糖尿病」を患う人が増加しています。
カリブ海の島国は摂取量が多い
カリブ海の島国は1500年代からヨーロッパからの入植者が奴隷に「サトウキビ」を生産させた歴史があります。現在もサトウキビを生産しており、砂糖の摂取量が多くなります。
ヨーロッパの「甜菜糖」
ヨーロッパは「甜菜」などの野菜から砂糖を生産しています。日本も北海道で甜菜を多く生産しており、国内で生産される砂糖の8割以上が甜菜から生産される砂糖です。
バイオエタノールの生産
「サトウキビ」などの原料から「バイオエタノール」の生産が可能であり、ブラジルやヨーロッパでは車の燃料にバイオエタノールの混合が義務付けられています。近年、バイオエタノールは「持続可能なエネルギー」として利用が拡大しています。
グアテマラ
砂糖 情報
グアテマラの砂糖
グアテマラで利用されるスペイン語で砂糖は「azúcar(アズーカー)」です。
グアテマラはどこ?
グアテマラは「中米」に位置し、メキシコと国境を接しています。グアテマラは「コーヒー豆」「サトウキビ」が盛んに生産されており、農業が経済の2/3を支えています。
非常に治安が悪く、観光には注意が必要です。
気候変動による「サトウキビ」生産量の増減
グアテマラは「気候変動」が原因と思われる天候不順が発生しており、「サトウキビ」の生産量が減少しています。気候変動は隣国の「メキシコ」の農業などにも深刻なダメージを与えており、多くの作物の生産量が減少しています。
グアテマラで人気のデザート「エンパナーダ」
「エンパナーダ」は餃子に似た形をした具入りのパンです。エンパナーダはカリブ諸国で良く食べられるデザートであり、グアテマラではエンパナーダに甘いクリームを詰めて販売されています。
キューバ
砂糖 情報
キューバの砂糖
キューバで利用されるスペイン語で砂糖は「azúcar(アズーカー)」です。
過去にキューバを支えた砂糖生産
キューバで砂糖生産が開始されたのは1523年です。スペインの植民地時代に砂糖の生産体制が整えられ、非常に多くの砂糖が生産されました。19世紀~20世紀にかけて工業化、都市化が進み、さらに砂糖の生産量が増加しています。
生産された砂糖の90%が海外へ輸出され、キューバの経済を支えました。
砂糖一本化からの多様化
砂糖のみで支えられたキューバ経済から脱却するために「フィデル・カストロ」が「産業の多角化」を試みましたが、失敗に終わります。「米国」と仲が悪かったキューバは米国製の工業品や石油などの輸入ができず、「旧ソビエト連邦」を相手に砂糖貿易を続けました。
キューバで人気のデザート「キャラメルプリン」
キューバの「キャラメルプリン」は世界的に有名であり、カリブ海の多くの国々で人気があるスイーツの一つです。
バルバドス
砂糖 情報
バルバドスの「ソーダ税」
2015年からバルバドスは「加糖されたジュース」に税金がかけられています。税率の割合は「10%~20%」であり、「加糖されたジュースの消費量を減らす目的」で制定されています。「果汁100%のジュース」「ココナッツウォーター」「牛乳」「無糖練乳」「粉末飲料」「無糖甘味料」はソーダ税が免除されています。
増税により「加糖された炭酸飲料」の売り上げが約3~4%減少しており、「加糖されていない飲み物」の売り上げは約5%、「水」の売り上げが約7~8%増加しています。
アメリカで一番売れている飲み物は「水」
アメリカは一番「コーラ」が売れている印象がありますが、実際にアメリカで一番売れている飲み物は「水」です。
バルバドスは肥満率が高い
バルバドスは「肥満率」が非常に高く、子供の肥満率は「30%」を超えています。
バルバドスで人気のデザート「シュガーケーキ」
「ココナッツ」「砂糖」を混ぜ合わせ焼いたお菓子です。パイナップル味のシュガーケーキなどがあり、バルバドスでは非常に人気があります。
ガンビア
砂糖 情報
ガンビアの砂糖消費
ガンビアは砂糖を多く生産する国ではありませんが、国内の砂糖需要は非常に高く、海外から多く輸入しています。砂糖は一般的な食品や飲料品に加糖され、国内で多く消費されます。
ガンビアの菓子
ガンビアはいくつか甘い菓子がありますが、フルーツやナッツが利用された伝統的な菓子が多くなります。輸入品も多く、消費量が増加しています。
ベルギー
砂糖 情報
ベルギーの砂糖
ベルギーで利用されるオランダ語で砂糖は「suiker(サウカー)」です。
炭酸飲料の消費量が他のEU諸国と比べ多い
ベルギーは「チョコレート」が非常に有名ですが、チョコレートが原因で「砂糖」の消費量が多いわけではありません。
「炭酸飲料」が砂糖の消費量を押し上げており、他のヨーロッパ諸国と比べても多く消費されます。ヨーロッパは「毎日炭酸飲料を飲む」人の割合が9%であり、ベルギーは11%以上の人が毎日加糖された炭酸飲料を消費しています。
ベルギーで導入されている「砂糖税」
2015年からベルギーでは「砂糖税」を導入しています。砂糖税は「砂糖」「加糖されたジュース」に対し、11.9セント/1リットル(約16円 2023年2月)の税金が課されています。
砂糖税の背景にある「肥満率の増加」
2016年にベルギーの肥満率は22%を超えており、5人に一人が肥満体形です。ヨーロッパでは割と平均的な水準であり、2016年にヨーロッパの中で一番肥満率が高い国は「ハンガリー」であり、肥満率は26%を超えています。
ベルギーで人気のデザート「ワッフル」
ベルギーは非常に「ワッフル」が人気があり、国内に多くのワッフル店が存在します。ワッフルは朝食のメニューとして人気が高く、世界中で様々なワッフルが提供されています。
ニュージーランド
砂糖 情報
ニュージーランドの肥満率はEUよりも高い
2016年のニュージーランドの肥満率はヨーロッパの国々よりも高く、30%を超えています。ニュージーランドの原住民「マオリ族」も砂糖の摂取量が増加しており、大きな問題になっています。
太平洋の島国は砂糖の摂取量が多い
太平洋に浮かぶ島国の多くは1日に非常に多くの砂糖を摂取する傾向が高く、糖尿病や肥満の割合も非常に高くなります。
ニュージーランドも「砂糖税」を検討
ニュージーランドは「砂糖税」が検討されています。「オークランド」は過半数以上が砂糖税に対し肯定的な意見を持つ人が多く、将来的に砂糖税が導入される可能性が高いと思われます。
ニュージーランドで人気の菓子
「アンザック・ビスケット」
ニュージーランドや「オーストラリア」では「アンザック・ビスケット」が人気です。「オーツ麦」「小麦粉」「砂糖」「バター」「メープルシロップ」が原料です。
バーレーン
砂糖 情報
バーレーンの砂糖
バーレーンで利用されるアラビア語で砂糖は「سكر(スーカル)」です。
バーレーンはどこ?
バーレーンは中東に位置する島国であり、サウジアラビアの東に位置します。石油産出国であり、観光地として人気があります。
バーレーンのスイーツ
バーレーンでは「Lugaimat(ルゲマート)」という丸いドーナツ菓子が人気です。ルゲマートは家庭料理として作られる事が多く、ゲストをもてなすデザートとしても良く提供されます。
モーリタニア
砂糖 情報
モーリタニアの砂糖
モーリタニアで利用されるアラビア語で砂糖は「سكر(スーカル)」です。
モーリタニアはどこ?
モーリタニアはアフリカ大陸の北西部に位置する国であり、「西サハラ」「アルジェリア」「マリ」と国境を接しています。
モーリタニアは砂糖生産国
モールタニアは国内で砂糖を生産しています。砂糖産業は非常に重要な産業であり、国内で多くのサトウキビが栽培されています。
モーリタニアの有名な菓子
モーリタニアはイスラム教を主体とする国であり、アラブ諸国から食文化などの影響を受けています。国内では「カダイフ」というトゥルキエ(旧トルコ)で有名な小麦粉で作られた細い麺の揚げ物の菓子の人気が高く、イベントの際に提供されます。
ポーランド
砂糖 情報
ポーランドの砂糖
ポーランドで利用されるポーランド語で砂糖は「cukier(ツーキェル)」です。
ポーランドでも導入された「砂糖税」
ポーランドは一人あたりの砂糖の摂取量が増加しており、国内の肥満率も上昇しています。国内では2021年から「砂糖税」が導入され、加糖された飲み物などに0.7~1ズウォティ(約20~30円 2023年2月)課税されています。
糖尿病は個人だけの問題ではない
糖尿病患者の増加は個人だけの問題ではなく、医療費が増加する事で国にかかる負担も大きくなります。多くの国で「砂糖税」などを導入しており、肥満や糖尿病を防ぐ対策がおこなわれています。
イスラエル
砂糖 情報
イスラエルの砂糖
イスラエルで利用されるヘブライ語で砂糖は「סוכר(スカール)」です。
導入された「砂糖税」
2022年からイスラエルは砂糖税を導入しています。リットルあたり5g以上の糖類を含む甘味料に対しては1シェケル(約38円 2023年12月)の税金がかかり、5g未満の糖類を含む甘味料にたいして0.7シェケル(約27円 2023年12月)の税金がかかります。
イスラエルでも糖尿病や肥満などの健康被害が増加しており、国内で大きな問題になっています。
キリバス
砂糖 情報
キリバスの砂糖
キリバスで利用されるキリバス語で砂糖は「tioka(ティオカ)」です。
キリバスはどこ?
キリバスは太平洋に浮かぶ島国であり、「ニュージーランド」の北に位置しています。主に「タロイモ」「バナナ」「ココナッツ」などが国内で生産されています。
キリバスも肥満が多い
2016年のキリバスの肥満率は46%以上です。「糖尿病」を患う人も非常に多く、成人女性の26%以上・成人男性の24.%以上が糖尿病です。
キリバスで発生している「脚気」
2014年にキリバスの一部で「脚気」が問題になっています。
キリバスは小さな島国のため、自国の食料生産に限界があります。食料の大多数を海外からの輸入に頼っており、「米」「砂糖」「小麦」などが多く消費される傾向があり、食事に極端な偏りが見られます。
キリバスで人気の食べ物「ココナッツ」
キリバスでは「ココナッツ」を利用した料理が多く、様々な食べ物にココナッツや砂糖を合わせて食べます。
トリニダード・トバゴ
砂糖 情報
トリニダード・トバゴはどこ?
トリニダード・トバゴはカリブ海に浮かぶ「トリニダード島」「トバゴ島」からなる島国です。国内で石油と天然ガスが産出され、主にアメリカへ輸出しています。
ジュースの消費量は毎年「約100リットル」
トリニダード・トバゴは「加糖された飲料」の消費量が非常に多く、一人当たりの平均消費量は年間100リットルを超えています。トリニダード・トバゴは2019年から「砂糖税」の導入を検討しており、近い将来に導入される可能性があります。
増加する肥満率
2016年にトリニダード・トバゴの肥満率は人口の18%を超えており、糖尿病患者も12%を超えています。医療費も増加しており、国内で大きな問題になっています。
人気のデザート「バルフィ」
「バルフィ」はインドの菓子で「牛乳」を長時間煮込み、砂糖と合わせた物にナッツを加えた菓子であり、トリニダード・トバゴで非常に人気があります。
マルタ
砂糖 情報
マルタの砂糖
マルタで利用されるマルタ語で砂糖は「zokkor(ザーカル)」です。
肥満率が高いマルタ
国内の食事は高カロリー・高脂質の食べ物が多い傾向があり、肥満率は28%を超えています。
マルタで人気があるスイーツ
中に「リコッタチーズ」がつめられた「カンノーロ」という、筒状のペイストリー菓子が有名です、マルタは「イタリア」「北アフリカ」「イギリス」などから食文化を強く受けており、様々な料理が国内に存在します。
コスタリカ
砂糖 情報
コスタリカの砂糖
コスタリカで利用されるスペイン語で砂糖は「azúcar(アズーカー)」です。
コスタリカはどこ?
コスタリカは「中米」に位置する国であり、国内で「コーヒー」「バナナ」「サトウキビ」「パイナップル」などを生産しています。
エネルギー摂取の10%が砂糖から
コスタリカは1日に摂取するエネルギーのうち、約10%が砂糖によるエネルギー摂取です。これはWHOが目安としてる「5%」の倍になり、2016年のコスタリカの肥満率は25%以上と比較的に高くなっています。
コスタリカで人気のデザート「ライスプリン」
お米をつかったデザートで「米」を「牛乳」で炊き上げ「シナモン」などを加えて食べます。米を使ったデザートはヨーロッパにも多く存在します。
まとめ
世界中で導入されている「砂糖税」
炭酸飲料やソフトドリンクに含まれる砂糖の量は非常に多く、1日に必要な砂糖の摂取量をはるかに超えた砂糖が含まれる飲み物も多く存在します。「肥満率」が上昇している国も多く、「砂糖税」を導入する国は増加してきています。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
FAO, FAOSTAT. "Food Balance Sheets - Sugar (Raw Equivalent), Food supply quantity (kg/capita/yr)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2023年05月31日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。