古来から消費され
世界で主食として消費される
「ミレット」イネ科の植物で、アワ・ヒエ・キビはすべてミレットになります。日本ではイネ・ヒエ・ムギ・マメが古来から生産・消費されている五穀になります。戦後生産量が激減し、現在の生産量は限定的になります。
世界ではミレットがどのくらい生産されているのでしょうか?
世界のミレット
生産量ランキング
世界のミレットの生産量
世界一位 インド
世界二位 ニジェール
世界三位 中国
ミレット 生産量ランキング
Millet
Production (tonnes/year)
各国のミレット
情報
ミレットのエネルギー
ミレットのエネルギーは100gあたり約350Kcalです。
ミレットは多くの国の主食
「ミレット」イネ科の植物で、日本では「粟」「ヒエ」「キビ」などの総称で扱われています。様々な種類が存在し、アフリカなどの国々では主食として消費する国が多くなります。
ミレットとソルガムの違い
「ミレット」に似た「ソルガム」という穀物がありますが、ソルガムはモロコシ科になります。ソルガムはミレットに比べ粒が大きく、味が大きく異なりますが、米を主食とする日本ではどちらも同じように扱われます。
ミレットは種類により大きさが異なります。小さいミレットは英語では「フィンガーミレット」と呼ばれ、粒の大きい物は「パールミレット」などと呼ばれています。どちらもミレットで、イネ科の植物になります。
簡単に説明して
●ミレットはイネ科で、日本では「アワ」「キビ」「ヒエ」。全部ミレット。
●ソルガムはモロコシ科で、日本では「モロコシ」。ミレットでは無い。
●トウモロコシはイネ科で、日本では「トウモロコシ」。
バイオ燃料として利用が可能
ミレットだけではありませんが、多くの穀物が「バイオ燃料」として利用する事が可能です。化石燃料の利用の制限が求められる中、持続可能なバイオ燃料の利用が推進されています。
バイオ燃料の生産には「二酸化炭素」を排出する
バイオ燃料の生産には多くの過程が存在し、その過程で「二酸化炭素」を排出します。過度な生産は逆効果になる恐れもあり、バイオ燃料の理利用は「環境にある程度優しい」程度にと考えるべきです。
森林を新たに伐採し、土地を改良・生産面積を増加させる事は逆に森林破壊・環境汚染に繋がる可能性があり、注意が必要です。
家畜の飼料として利用
穀物の多くが人間の食料として利用されるだけでは無く「家畜の飼料」として利用されます。世界情勢の悪化で穀物の価格が高騰していますが、穀物の価格高騰は最終的に穀物を飼料として消費する家畜の高騰化に繋がり、「肉」の価格を押し上げます。
インド
ミレット 情報
インドのミレット
インドで利用されているヒンディー語でミレットは「बाजरा(バージラ)」です。
インドのミレット生産地
主に南東部の「アーンドラ・プラデーシュ州」、南部の「タミル ナードゥ州」、北西部の「グジャラート州」「パンジャーブ州」、北部の「ウッタル・プラデーシュ州」「カルナータカ州」、北西部の「ラージャスターン州」で多く生産されています。
古代から消費されていた
インドではミレットが紀元前4500年頃から消費されていた痕跡が残っています。
50年前までインドでは主にミレットを「主食」として消費していましたが、食文化の欧米化により国内の食生活は大きく変化してきていています。現在は主に「米」「パン」などが好まれます。
南北で食文化が違う
インド南部は「菜食主義者」が多く、米やミレットの多くが南部で消費されています。
ミレットは「ナン」の材料としても利用される
ナンは基本的に「ムギ」が利用されます。インドでは「肥満率」が上昇しており「糖尿病」を患う人も増加しています。「ミレットを利用したナン」はムギを利用した一般的なナンと比べ「味」「触感」が大きく異なりますが、ナンの材料としても利用する事が可能です。
中国
ミレット 情報
中国のミレット
中国語でミレットは「小米(シャオミー)」です。
中国のミレット生産地
主に北東部の「河北省(かほくしょう)」、東部の「山東省(さんとうしょう)」、中東部の「河南省(かなんしょう)」で多く生産されています。
ミレットの一種は中国の黄河流域が原産地とされており、古くから食料として消費されています。
古来からミレットが生産されている
中国では紀元前2700年頃からミレットの栽培がおこなわれていました。日本のミレットは中国から伝来したとされており、「稲作」が開始される以前から栽培されている植物の一つです。
減少する生産量
中国ではミレットの生産量が他の穀物(トウモロコシなど)の生産量の増加と共に減少しています。ミレットは干ばつに強く、厳しい環境での栽培に適していますが、中国は水資源が豊かな国であり、様々な穀物の栽培が盛んにおこなわれています。
ニジェール
ミレット 情報
ニジェールのミレット
ニジェールで利用されているフランス語でミレットは「Millet(ミレット)」です。
ニジェールの食生活
ニジェールはミレットを主食の一つとして消費しています。
ニジェールは国民の約40%が貧困層といわれ、非常に貧しい国の一つです。国内では「干ばつ」などが多発しており、ミレットなどの穀物の量が減少や価格の高騰し、食糧難に繋がっています。
ニジェールのミレット生産地
主に南部でミレット生産がおこなわれています。とくに生産量が多いのは南部の「マラディ州」、南西部の「タウア州」「ドッソ州」「ティラベリ州」、南東部の「ザンデール州」などになります。
ミレットは干ばつに強い
ミレットはある程度の干ばつに強い植物で、アフリカの降水量が少ない地域でも栽培が可能な植物です。近年、干ばつに強い品種などが研究されており、環境に適した種が誕生しています。
ナイジェリア
ミレット 情報
ナイジェリアのミレット生産
ナイジェリアでは爆発的に増加する人口と共にミレットなどの穀物の生産量が増加しています。ナイジェリアではミレットが主食の一つとして消費される以外にミレットを利用したクッキー・チップスなど様々な食べ物に加工されており、生産量は今後も増加すると思われます。
ナイジェリアのミレット生産地
主に中部の「カドゥナ州」、北東部の「ヨベ州」、中北部の「カノ州」、北東部の「ボルノ州」などで多くのミレットが生産されています。
アフリカで
多く生産されるミレットはパールミレット
アフリカで一番多く栽培される品種はパールミレット(トウジンビエ)になります。パールミレットは干ばつに非常に強く、アフリカで栽培されている「ソルガム」より環境に適応した植物になります。ナイジェリアで栽培されている品種もパールミレットが主に栽培されています。
スーダン
ミレット 情報
スーダンのミレット
スーダンで利用されているアラビア語でミレットは「الدخن(アッドハーン)」です。
スーダンのミレット生産
主に西部でミレット栽培がおこなわれています。主に南西部の「青ナイル州」、南部の「南コルドファン州」、南西部の「センナール州」「ガダーレフ州」、南部の「白ナイル州」、西部の「紅海州」でミレット生産がおこなわれています。
スーダンの農業
スーダンには「Gash delta(ガッシュデルタ地帯)」「Tokar delta(トカラデルタ地帯)」というデルタ地帯があり、この地帯では川の水を利用した「灌漑農業」がおこなわれています。これらの地域ではミレット・ソルガム以外にも果物や野菜なども生産されており、スーダンの農業において非常に重要な場所になります。
マリ
ミレット 情報
マリのミレット
マリで利用されているフランス語でミレットは「Millet(ミレット)」です。
マリのミレット生産
西アフリカに属するマリはミレットなどの穀物を「主食」として多く消費する国の一つです。アフリカの多くの国ではミレットを粉状にすり潰し水を加え「餅」のような食べ物を作ります。マリではこの食べ物が「ウガリ」と呼ばれ、ミレット以外に「キャッサバ」なども原料として利用されます。
この食べ物は国によって名称・原料が異なりますが、見た目や食べ方が似ています。
マリで一番多く生産される穀物は
「トウモロコシ」
マリで一番多く生産される穀物は「トウモロコシ」です。次に「米」の生産量が多く、ミレットは三番目に多く生産される穀物になります。マリでは米の消費も非常に多く、主食として多く消費されています。
セネガル
ミレット 情報
セネガルのミレット
セネガルで利用されているフランス語でミレットは「Millet(ミレット)」です。
セネガルのミレット生産地
主に西部の「カオラック県」、北西部の「ルーガ州」、中西部の「ジュルベル州」、西部の「ティエス州」などでミレットが多く生産されています。
トウモロコシの生産
セネガルは「トウモロコシ」を多く生産していますが、トウモロコシの生産はミレットに比べて多くの「水」が必要になり、水の利用が制限される国では生産が難しくなります。
ミレットはトウモロコシよりも安価に生産する事ができる穀物であり、主食の一つとして多く消費されています。
米も主食として消費される
セネガルは米を主食としている地域が多く、米の生産も盛んにおこなわれています。米の生産は「セネガル川」の流域でおこなわれており、これらの地域では「灌漑農業」が可能になっています。しかし、灌漑のインフラが整っている地域は限定的であり、生産している米以外に海外から多くの輸入米を購入しています。
エチオピア
ミレット 情報
エチオピアのミレット
エチオピアで利用されているアムハラ語でミレットは「ማሽላ(マシラ)」です。
エチオピアのミレット生産
主に北部の「ティグレ州」、北部の「アムハラ州」、中南部の「オロミア州」、北西部の「ベニシャングル・グムズ州」などで多く生産されています。とくに生産量が多いのはアムハラ州で、国内で生産されるミレットの過半数がアムハラ州で生産されています。
輪作作物として利用
エチオピアではミレットが輪作(連作障害を防ぐために違う作物を栽培し、土地のバランスを保つ方法)がおこなわれており、主にマメ科の植物や野菜と共に輪作農業がおこなわれています。
ブルキナファソ
ミレット 情報
ブルキナファソのミレット
ブルキナファソで利用されているフランス語でミレットは「Millet(ミレット)」です。
ブルキナファソのミレット生産地
主に北東部の「サヘル地方」、北西部の「ブクル・デュ・ムウン地方」、北部の「北部地方」、東部の「東部地方」などでミレットが多く生産されています。
ミレットの生産は乾燥地帯が多い
ブルキナファソのミレット生産は北東部のサヘル地方の生産量が多くなります。
サヘル地方は非常に乾燥した地域が多く、水資源が乏しい地域です。これらの地域では水の利用が限定されており、農業が非常に困難です。これらの地域では水の利用が少なくて済むミレットが多く栽培されており、主食として消費されています。
綿花の栽培もおこなわれる
上流域地方では「綿花」栽培なども盛んにおこなわれていますが、綿花の栽培は多くの水が必要になります。栽培は主に経済圏のボボ・ディウラッソなどで行われており、海外へ輸出されています。
チャド
ミレット 情報
チャドのミレット
チャドで利用されているフランス語でミレットは「Millet(ミレット)」です。
チャドのミレット生産地
主に南部の「ゲラ州」などでミレット生産がおこなわれてます。ゲラ州は主に天水農業(灌漑などではなく、雨を利用した農業)がおこなわれており、雨季にあたる6月~10月にかけてミレット・ソルガムなどの栽培がおこなわれます。
また輪作がおこなわれ、ミレットの栽培は3年間ミレットを栽培したのち、10年~15年土地を休耕させるという方法がとられています。
サヘル地帯の農業
サヘル地帯は非常に降水量が少なく、栽培できる作物が限られています。主に「ナツメヤシ」「キマメ」など水の利用が極めて少なくて済む植物が栽培されています。
多くの人が農業に従事している
チャドでは国民の85パーセントが農業に従事しています。
まとめ
日本でも多く栽培されていた
日本でもミレットを生産していますが限定的になります。過去に多くのミレットが生産されていましたが、現在は「米」の生産に置き換わっています。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Millet, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2021年07月21日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。