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世界で一番茶を飲む国はどこ?世界の茶の消費量ランキング

日本は「緑茶」が多く消費される傾向がありますが、世界では「紅茶」「マテ茶」も多く消費される傾向があります。また、「抹茶」の人気が世界中で上昇しており、消費量が増加しています。

食料供給量(Food supply quantity)とは?
その期間に人間の食料として利用可能な商品の総量になります。データにはその食べ物が加工された物も含まれます。詳しくは©FAO 「食料供給量(Food supply quantity)の定義」をご覧ください。

南米ではマテ茶が好まれる
南米では「マテ茶」が好まれます。表は統一性をもたせるために「1カップ4グラム」で計算していますが、マテ茶の場合は「1カップ10グラム」程度利用します。

世界の国々ではどのぐらいお茶を飲み、どのような種類の茶が好まれるのでしょうか?

世界の茶
供給量 ランキング

世界の茶供給量
世界一位 アルゼンチン
世界二位 パラグアイ
世界三位
ウルグアイ

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世界の茶 供給量ランキング
Tea - Food supply quantity
(kg/capita/year)

*一カップ4グラムで計算

世界の茶
情報

世界の茶の供給量
2021年に世界平均で茶を年間0.32kgの茶を供給しており、一人当たり年間80杯の茶の供給量があります。

気候により好まれる茶が異なる
東南アジア・アメリカ・南米などでは「アイスティー」が好まれる傾向があります。

暑い国でも「ホット」を好む国
アフリカ大陸は平均気温が高い国が多くなっていますが、伝統的に「ホットティー」が好まれる傾向があります。北アフリカの国々や中東などはホットティーが好まれ、多くの「砂糖」が加えられます。

ヨーロッパの国々は茶の消費量が低い
ヨーロッパは「紅茶」の消費量が減少しており、「コーヒー」の消費量が上昇しています。とくに北欧のコーヒーの消費量は非常に多く、「コーヒーを飲む休息時間」を設ける人や会社が多く存在します。

南米で消費量が多い「マテ茶」
南米の多くの国は「マテ茶」が非常に多く消費される傾向があり、飲み方に特徴があります。南米はマテ茶を飲む「専用のボトル」を携帯する人が多く、1ボトルに付き茶葉を30g~50g使用するため、必然的に茶の消費量が多くなる傾向があります。

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アルゼンチン
茶 情報

アルゼンチンの茶
アルゼンチンで利用されるスペイン語で茶は「té(テ)」です。

アルゼンチンで愛される「マテ茶」
南米のアルゼンチンは「マテ茶」が人気であり、「パラグアイ」「ウルグアイ」「ブラジル」などの南米は日常的に消費されます。マテ茶の「マテ」は、「ペルー」「エクアドル」「ボリビア」「チリ」「コロンビア」「アルゼンチン」に分布する「ケチュア民族」の言葉で「ヒョウタン」を意味します。

なぜヒョウタン?
南米はマテ茶として利用される「イェルバ・マテ」の茶葉を「ヒョウタン」に入れ茶を飲む習慣があります。現在はヒョウタンが利用は限定的ですが、「ヒョウタン型のボトル」が利用されます。「イェルバ」は「草」を意味する言葉です。

アルゼンチンは牛乳や砂糖をマテ茶に加える
アルゼンチンは「ティーパック」に」加工されたマテ茶も一般的に販売されており、「牛乳」「砂糖」を加え飲まれる事が多くなります。

伝統的な飲み方は「牛乳」を加えたマテ茶に「オレンジの皮」を加えます。

パラグアイ
茶 情報

パラグアイの茶
パラグアイで利用されるグアラニー語で茶は「ñanary(ナーナリ)」です。

パラグアイの「マテ茶」
南米のパラグアイは「マテ茶」が非常に多く消費されます。マテ茶は130を超える農家が「有機栽培」で非常に質の良いマテ茶を生産しています。

通貨のかわりとしても利用された
パラグアイは300年以上マテ茶を生産している歴史があり、一部で「通貨」のかわりとしてマテ茶が利用されました。

輸出量は少ない
2021年にパラグアイは10,000トンの茶を輸出しています。「マテ茶」は南米で非常に人気がありますが、南米以外では消費量が多くありません。

ウルグアイ
茶 情報

ウルグアイの茶
ウルグアイで利用されるスペイン語で茶は「té(テ)」です。

ウルグアイの常識「マテ茶」
ウルグアイは非常に「マテ茶」の消費量が多く、マテ茶を入れた水筒を必ず所持しています。

「ヒョウタン型の水筒」
ウルグアイでは伝統的に「ヒョウタン型の水筒」が利用されており、このヒョウタン水筒に金属のストロー「ボンビージャ」を挿して飲みます。「ボンビージャ」の先端部は茶葉が入らない様に「ストレーナー状」に加工されており、マテ茶の飲料に非常に重要です。

カフェインが含まれているので飲み過ぎに注意!
マテ茶にはコーヒーの1/4程度の「カフェイン」が含まれています。「非常に健康に良い茶」とされていますが、飲み過ぎには注意が必要です。

ホットでもOK!温度は80度ぐらいで
マテ茶は「ホット」でも非常に美味しく飲む事ができますが、沸騰したお湯でマテ茶を淹れるとマテ茶に含まれる「ビタミン」が壊れてしまいます。

80度のお湯で淹れるのがベストとされています。

モーリタニア
茶 情報

モーリタニアの茶消費量
モーリタニアで利用されるアラビア語で茶はشاي(シャーイ)です。

「モーリタニア」はどこ?
モーリタニアはアフリカ大陸の北西に位置する共和国で、99.1%がイスラム教徒になります。

モーリタニアの「ミントティー」と茶道
モーリタニアは「ミント」を加えた緑茶が好まれ、「砂糖」を入れて飲む事を好みます。国内で「提供された茶を断る事は非常に失礼」な事になり、提供された茶を礼儀作法として飲む必要があります。

茶は伝統的に3つのグラスで三杯提供されます。

 一杯目が「人生の様に苦い」
 二杯目が「愛の様に甘い」
 三杯目が「紳士的な死」

という意味があり、このような作法を持つ国は隣国にも存在します。

茶の注ぎ方
茶は一度急須から「一つのグラス」に注がれ、「注がれた茶の熱を冷ます」ように他のグラスへ注がれます。それを何度か繰り返し、再び急須に戻します。急須を再び過熱し、全てのグラスへと茶が注がれます。

茶は何度も高いところから注がれるため、茶が泡立ちます。

リビア
茶 情報

リビアの茶
リビアで利用されるアラビア語で茶はشاي(シャーイ)です。

「リビア」はどこ?
リビアはアフリカ大陸の北に存在しており、97%の国民が「イスラム教」を信仰しています。

独特なお茶「リビアンティー」
リビアは「緑茶」が好まれる傾向があり、飲み方が少し特殊です。

リビアも「茶道」が存在し、モーリタニア同様に「茶を3つのグラスでもてなす」のが基本になりますが、3杯目の茶に「ピーナッツ」「アーモンド」加え茹でます。

リビアは「京都」
リビアはゲストに「簡単に用意できる茶」を提供しません。ティーパックのような簡易なお茶が提供された場合は「帰れ」という意味になります。リビアでも「茶道」を厳守する事が重要視されており、ルール違反は「ご法度」です。

ブラジル
茶 情報

ブラジルの茶供給量
ブラジルで利用されるポルトガル語で茶は「chá(シャー)」です。

南米ブラジルでは「マテ茶」が人気
ブラジルは「マテ茶」を好む傾向があり、消費量が多くなります。ポルトガルの植民地時代から輸入品種の茶を飲む事が増加してきていますが、アマゾンの先住民は伝統的に「マテ茶」を飲んでおり、現在も人気があります。

ブラジルは「加糖」されたお茶が多い
ブラジルは茶を飲む際に加糖される事が多く、「紅茶」にも砂糖が加えられる事が多くなります。

テュルキエ
茶 情報

テュルキエ(旧トルコ)の茶
茶はテュルキエ語で「Çay(チャーイ)」です。

テュルキエで好まれるお茶
テュルキエで好まれる茶は「紅茶」です。少し小さめのグラスで「ホット紅茶」をストレートで飲みます。砂糖を加えて飲む人も多くなります。

テュルキエで有名な「リゼ・ティー」
テュルキエの黒海沿岸に「リゼ」という街があり、そこで収穫された茶を「リゼ・ティー」といいます。リゼ・ティーはテュルキエで非常に人気のある茶であり、テュルキエ全土で飲まれます。

テュルキエのお茶生産の歴史
テュルキエの茶の栽培は1787年の江戸時代にさかのぼります。「日本から輸入された茶の種」をテュルキエ北西の「ブルサ県」に輸入し、栽培を試みましたが気候が合わず「失敗」しています。

1917年にテュルキエで茶の栽培に適した場所の調査がおこなわれ、北東の黒海に面した「リゼ県」で栽培が開始されました。茶の種はロシアの「コーカサス産」の「チャノキ」が利用されました。

香港
茶 情報

香港の茶
香港で利用される広東語で茶は「茶(チャ)」です。

香港で人気がある茶
プーアル茶(雲南省を原産とした黒茶)、ウーロン茶、紅茶の人気が高く、国内で多く消費されます。

香港の伝統的な茶
香港は食事や茶を飲む際に茶碗とティーポットが二つ運ばれてきます。一つのポットには熱いお湯が入れてあり、このお湯で茶器や食器を洗います。誰かに茶を淹れてもらった際は指先で机をトントンと叩き、「ありがとう」を伝えます。

「茶瞑想」
忙しい香港も茶を飲む時間を大切にします。北欧でもティータイムを大切にしており、「リフレッシュタイム」として仕事中にもティータイムを設ける会社が多くなります。

クウェート
茶 情報

クウェートの茶
クウェートで利用されるアラビア語で茶はشاي(シャーイ)です。

クウェートの人気がある茶
クウェートでは紅茶に「シナモン」などのスパイスを加え砂糖と煮込んだ「シナモンティー」が好まれる傾向があり、日常生活の中で頻繁に飲まれます。クウェートは非常に暑い国ですが、アラブ圏は熱い茶が伝統的に飲まれます。

茶は透明なガラスカップに注がれ、ナッツやミントなどが加えられる事も多くなります。

モロッコ
茶 情報

モロッコの茶
モロッコで利用されるアラビア語で茶はشاي(シャーイ)です。

モロッコの「ミントティー」
モロッコでは緑茶の「ミントティー」が好まれ、大量の砂糖を入れるのがモロッコ流です。モロッコにも「茶道」が存在し、茶の淹れ方に「こだわり」があります。

モロッコの茶道
淹れ方
1.やかんに500ミリリットルの水に対し、小さじ2杯程度の茶葉をいれ、15分以上火にかける

2.15分沸かした茶を、掻き回さず、別のやかんに静かに移す

3.砂糖を小さじ5杯加える

4.中火で再び沸かし、「ミント」を大量に加える。大量のミントにより「胸焼け」を起こす可能性があるので、2分以内にミントを取り除く

モロッコには歯医者が多い
モロッコでは2019年に一人あたりの砂糖摂取量が日本人の約4.09倍になります。加糖された砂糖により「虫歯」になる人が非常に多く、モロッコには非常に多くの「歯医者」が存在します。

ミャンマー
茶 情報

ミャンマーの茶
ミャンマー語で茶は「လက်ဖက်ရည်(ラパタイール)」です。

ミャンマーに古来から存在する「緑茶」
ミャンマーは古来から「茶ノ木」の栽培がおこなわれており、日常的に「緑茶」を飲みます。イギリスの植民地時代に「紅茶」が定着し、現在は紅茶も多く消費されています。ミャンマーの紅茶は「練乳」「砂糖」をたっぷり加えて飲むのが主流で、「ミルクティー」のように飲まれます。

ミャンマーのお茶の漬物「ラペソー」
ミャンマーでは乳酸発酵させた「後発酵茶」の漬物「ラペソー」を食べる文化があり、茶を「副食」として消費します。「ラペソー」は各々の好みの調味料と混ぜられ、「国民食」の一つとして人気があります。

シリア
茶 情報

シリアの茶供給量
シリアで利用されるアラビア語でお茶はشاي(シャーイ)です。

シリアでも好まれる「マテ茶」
シリアでも「マテ茶」が好まれる傾向があります。しかし、南米と大きな違いがあり、シリアはマテ茶を「ホット」で飲みます。マテ茶は南米から帰国したシリア人が広めたとされ、宗教の宗派により好まれ方が異なります。

マテ茶の輸入量が多い
シリアでは非常に多くの「マテ茶」を輸入しており、輸入量は世界二位です。

アイルランド
茶の情報

アイルランドの「紅茶」文化
アイルランドで好まれるお茶は「紅茶」です。アイルランドやイギリスでは基本的に紅茶に「牛乳」を加えて提供されるため、カフェなどで紅茶を注文する際は「牛乳」を加えない事を事前に伝える必要があります。

アイルランドの紅茶の歴史
アイルランドの紅茶文化は「イギリスから紅茶を輸入」した事が始まりです。

アイルランドとイギリスは非常に仲が悪く、現在のアイルランド人は「イギリスの紅茶」を好んで買いません。アイルランドは、自国でブレンドした紅茶を購入する傾向があり、一番おいしいと思う紅茶も「アイルランド産」の紅茶を推します。

イギリスもアイルランドも茶の栽培が難しい土地ですが、「茶に関して非常にこだわりが強い国」です。

イギリス
茶の情報

イギリスと言えば「紅茶」
イギリスは「紅茶」を飲む文化が古くから定着しています。イギリスは15世紀頃から「日本」「中国」などと貿易があった「オランダ」を通してから茶を輸入しています。

茶が欲しくて戦争
オランダは「中国」「東南アジア」などの貿易に関して独占的な立場を有しており、1669年には「オランダから茶の輸入を禁止」しています。1672~1674年には「英蘭戦争」に発展し、オランダに勝利したイギリスは中国との貿易で優位に立ち、中国から安定してお茶を輸入する事が可能になりました。

エジプト
茶の情報

砂漠では暑いお茶が好まれる
エジプトでは「紅茶」が好まれ、「ホット」の紅茶を加糖して飲みます。北アフリカ大陸では茶に「ミント」加えられる事が多く、エジプトでもミントが加えられる事が多くなりますが量は少量です。

エジプトでは「コーヒー」も好まれる
エジプトに「コーヒー」がやってきたのは16世紀であり、コーヒーは「紅茶」以前に定着しています。紅茶がエジプトにやって来たのは19世紀であり、「イギリスの植民地時代」に定着しました。1920年代~1950年代に貧しい人々の間でコーヒーの代わりに紅茶が飲まれるようになり、現在はコーヒーと共に非常に多くの紅茶が消費されます。

ロシア
茶の情報

ロシアの「紅茶」文化
ロシアでは「紅茶」が好まれ、加糖をしない「ストレートティー」が好まれます。紅茶に「砂糖」を加える事はほどんどありませんが、紅茶を飲みながら必ず「菓子」を食べる習慣があります。お菓子以外にも「ジャムを加えた紅茶」を飲む習慣があり、「ラズベリー」「イチゴ」などの「ジャム」が常備されています。

ロシアは茶道より「菓子」
ロシア人に茶をいれる場合は必ず「菓子」を用意する必要があります。「チョコレート」が嗜好品とされており、贈り物として「チョコレート」を選ぶ傾向が高くなっています。

菓子が無い場合は茶を提供しない方が良いです。

ロシアの伝統やかん「サマバール」
ロシアでは「サマバール」という「銀色で装飾が施された大型のやかん」で湯を沸かす写真を見かけますが、実際のロシア人は「電気ケトル」でお湯を沸かし、「ティーパック」の茶をいれます。

銘柄は「イギリス」「アイルランド」のようなこだわりはありませんが、お菓子は必ず用意してください。

まとめ

各国にこだわりがある「茶文化茶」
「茶の淹れ方」「飲み方」「茶葉」は各国の個性、こだわりがあります。日本を含め「コミニケーション」の一つとして提供される事が多く、各国の茶を知る事は「文化」を理解する事に繋がります。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Tea (including mate), Food supply quantity (kg/capita/yr)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2021年05月12日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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