ビールの消費量は減少している
日本の「ビール」飲酒量は世界と比べても非常に少なく、世界平均を下回っています。また、「若者の酒離れ」が進行しており、世界中で飲酒量が減少しています。
世界ではどの国がどのくらいビールを飲酒しているのでしょうか?
食料供給量(Food supply quantity)とは?
その期間に人間の食料として利用可能な商品の総量になります。データにはその食べ物が加工された物も含まれます。詳しくは©FAO 「食料供給量(Food supply quantity)の定義」をご覧ください。
*日本は20歳以下の飲酒が法律で禁止されています。この記事は「世界のビール供給量」の情報を提供する記事であり、酒の飲酒を助言する記事ではありません。また、国により「飲酒に関する法律」が異なります。その国の飲酒に関する法律を厳守してください。
世界のビール
消費量 ランキング
世界のビール消費量
世界一位 チェコ
世界二位 アイルランド
世界三位 オーストリア
世界のビール 供給量ランキング
Beer
Food supply quantity (kg/capita/yr)
各国のビール
情報
ビールの重さ
1キログラム = 1リットルです。
ビールのエネルギー
ビールは1リットルあたり約330~430カロリーです。
ビールの原料
ビールの原料に「大麦」が利用されています。苦みや芳香は「ホップ」と呼ばれる植物が利用されており、ビールの腐敗を防ぐ効果があります。
「アルファ酸」って?
ホップの苦味を表す源です。通常、「数値」で表記されている事が多く、数値が高いほど苦味が強くなります。大体4~8%が基本ですが、10%を超える物も存在します。
「ラガービール」って何?
ラガービールは10℃以下で時間をかけて発酵させる「下面発酵製法」で造られたビールです。「冷たくてさっぱりしたビール」が特徴で、「日本」「ドイツ」ではラガービールが一般的に飲酒されます。
「エールビール」って何?
20℃前後で短時間で発酵させる「上面酵母製法」で造られます。「コクのあるビール」が特徴で、「常温」で飲酒する国が多く存在します。
「世界の大麦生産量ランキング」はこちらになります。よろしかったらご覧ください。
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世界の大麦生産量ランキング
大麦はビールの原料として利用される事が多く、多くの国で生産される。世界全体ではどのくらい生産されるか?
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世界のホップ生産量ランキング
ホップはビールの味を決める植物であり、主にヨーロッパで生産される。世界各国でどのくらい生産されるか?
チェコ
ビール 情報
チェコのビール
チェコ語でビールは「Pivo(ピボ)」です。
ビールの飲酒はチェコのライフスタイル
チェコでは「ビールの飲酒はパンを食べる事と変わらない」と考える人が多く、日常的に非常に多くのビールが飲酒されます。しかし、ビールの飲酒量は世界中で減少傾向にあり、チェコでも飲酒量が減少しています。
ビールの原料「ホップ」を多く生産している
チェコはビールの「苦味」を生み出す「ホップ」を国内で多く生産しています。主なホップ生産地はチェコ北西部「Žatec(ザテック)」であり、国内で生産されるホップの約75%以上がザテックで生産されています。
ザテックで生産されているホップは「Saaz hop(ザーツホップ)」と呼ばれ、世界中で利用される有名なホップです。ザーツホップは「日本」で栽培されるホップにも交配されています。
その他には北部の「Úštěk(ウシュテック)」約で13%、東部の「Tršice(トルシーツェ)」で約11%生産されており、ザテックと共に有名なホップ生産の地です。
気候変動の影響
近年、気候変動の影響と思われる「天候不順」よりホップの生産量が減少しています。需要が追い付かない年は「過去に生産された古いホップ」を利用し、ホップの生産を安定させるために「灌漑農業(人工的に水を引き込む方法)」への切り替えなどがおこなわれています。
チェコの「ピルスナービール」
「ピスルナービール」はチェコ発祥の「ラガービール」です。日本の「ラガービール」の多くがピルスナービールに分類され、爽やかな味わいと苦みがあります。
「ピルスナービール」ってなに?
チェコ西部の「プルゼニ」で生産されたビールです。ヨーロッパでは「エール酵母」で醸造する「エールビール」が主流でしたが、「ラガー酵母」で醸造する「ラガービール」が流行し、「ピルスナービール」が注目を集めるようになりました。
アイルランド
ビール 情報
アイルランドではホップを生産していない
アイルランドのホップ生産は限定的です。隣国のイギリスもホップの生産量は少量になり、大多数が「輸入品」です。
米国産のホップの輸入が多い
アイルランドはとくに「米国産のホップ」の輸入量が多く、国内のビールの生産に米国産のホップが利用される事が多くなります。「ヨーロッパ産」のホップも輸入しており、「α酸(アルファ酸(ホップに含まれる苦みの元)」が多いホップが利用される傾向があります。
アイルランドのビール
アイルランドでは「エールビール」も非常に多く生産されていますが、全体的に「ラガービール」が好まれる傾向があります。
オーストリア
ビール 情報
オーストリアのビール
オーストリアで利用されるドイツ語でビールは「Bier(ビア)」です。
オーストリアの「メルツェンビール」
オーストリアでは「メルツェンビール」というラガービールが有名です。メルツェンビールはα酸が低めのホップが利用されているのが特徴があり、苦味が少なく甘みがあるビールです。
オーストリアのホップ生産
オーストリアのホップ生産は限定的です。隣国の「ドイツ」で非常に多くのホップが生産されており、ドイツやヨーロッパのホップが利用される傾向があります。
ボツワナ
ビール 情報
ボツワナのビール
ボツワナは国内で盛んにビールが生産されており、地元の醸造所が国内外で人気を集めています。
ボツワナの大麦生産
国内でビール産業を支えるのは、国内で生産される「大麦」です。ボツワナの気候や土壌は大麦生産に適しており、非常に多くの大麦が生産されています。
クロアチア
ビール 情報
クロアチアのビール
クロアチア語でビールは「Pivo(ピボ)」です。
クロアチアはワインの有名な地
クロアチアはワイン造りが有名であり、2500年以上前からワインの生産がおこなわれています。ワイン造りは「ギリシャ」から伝わったとされ、アドリア海に面した豊かな土地で「ブドウ」を生産しています。クロアチアは「ブドウ」「マスカット(白ブドウ)」どちらも生産していますが、全体的に「白ワイン」の生産量が多く、国内で生産されるワインの60%~70%が白ワインです。
「ワイン」も飲むけど「ビール」も大好き
クロアチアは「フランス」に次ぐワイン消費国であり、非常に多くのワインが国内で消費されます。自国生産のワインは自国での消費が多く、海外にあまり輸出していません。ビールの輸出量も限定的であり、国内で生産されるビールの90%が国内で消費されます。
ビールの人気は年々上昇しており、国内で消費される酒の半分がビールです。
ポーランド
ビール 情報
ポーランドのビール
ポーランド語でビールは「piwo(ピボ)」です。
ビール大国ポーランド
ポーランドはビールの人気が高く、主に国内に存在する3つの大きなビール製造会社によって生産・販売がおこなわれています。「ラガービール」が好まれる傾向があり、非常にクオリティの高いビールが生産されています。
ポーランドの「ホップ」生産
ポーランドは国内で13種のホップを生産しています。α酸が高いホップから低いホップまで生産されており、国内で生産されるビール生産に利用されます。ポーランドの各地でホップ生産がおこなわれていますが、とくに生産が多いのはポーランド南東部の「Lublin(ルブリン)」であり、ルブリンで生産されるホップはチェコの「ザースホップ」と似た特徴があります。
ルブリンで生産されるホップはα酸が低い傾向がありますが、非常に香が良い特徴があります。
ドイツ
ビール 情報
ドイツのビール
ドイツ語でビールは「Bier(ビーア)」です。
ドイツのホップ生産
ドイツはアメリカに次ぐホップ生産国であり、世界二位のホップ生産国です。ドイツ南部のバイエルン州にある「Hallertau(ハレルタウ)地方」で国内で生産される90%のホップが生産されており、国内で生産されるホップの大多数がハレルタウ地方で生産されています。
ビールの人気低迷
ドイツでは「アルコール離れ」が進行しており、ビールの消費量も大きく減少しています。国内は「高齢化」により健康に問題を抱える人が増加しており、飲酒を控える人が増えています。
世界全体でアルコールの摂取量が低下
「ミレニアル世代」「Z世代」はアルコールの摂取量が少なく、「アルコールを全く摂取しない人」も多く存在します。
「コミュニケーション」の多様化
ヨーロッパでも「コミュニケーション」の形が変化しており、「パブなどで仲間と語り合う」という時代から「ネットを利用したコミュニケーション」へ変化しています。
ルーマニア
ビール 情報
ルーマニアのビール
ルーマニア語でビールは「Bere(ベーレ)」です。
ルーマニアは酒税が低い
ルーマニアは40度を超える酒の酒税が他のヨーロッパ諸国と比べ低く設定されています。
2020年にルーマニアでは「700mlあたり2.09ユーロ(327円 2023年12月)」の税金に対し、一番酒税の高いフィンランドでは「700mlあたり13.66ユーロ(2138円2023年12月)」になり、6倍以上の税金がかけられています。
ルーマニアの伝統的なスピリッツ「ツイカ」
ルーマニアでは「ビール」だけではなく「スピリッツ」も多く消費されます。「プラム」から生産される蒸留酒「ツィカ」が有名であり、ツィカは「食前酒」として食事を楽しむために用意される事が多くなります。「ロシアのウォッカ」なども基本的に「食前酒」として飲酒されます。
「祝いの席」「ビジネスミーティング」でも飲酒される事が多く、「腹を割って話す」「親睦を深める」などの「潤滑剤」として酒が消費されます。
スペイン
ビール 情報
スペインのビール
スペイン語でビールは「Cerveza(セルベーザ)」です。
スペインのホップ生産
スペインは戦時中からホップを「ドイツ」から輸入していましたが、戦争の終結と共に荒廃したドイツから「ホップ」の輸入が非常に困難になり、国内のホップ生産が議論されました。
ホップの生産は基本的に寒冷な地でおこなわれ、温暖な気候を有するスペインは栽培が難しいとされましたが、北東部の「Órbigo (オリビゴ)」が比較的にホップの栽培に適した環境を有しており、ホップ生産がおこなわれるようになりました。
オリビゴで開始されたホップ栽培は急成長し、現在もスペインのホップ生産を支えています。(生産量は多くありません)
ワイン生産
「スペイン」「フランス」「イタリア」など比較的に暖かい土地では「ブドウ」の生産が盛んであり、ワインが多く生産されています。近年、スペインはワインの消費量が減少しており、ビールの消費量が増加しています。
ブルガリア
ビール 情報
ブルガリアのビール
ブルガリア語でビールは「Бира(ビーラ)」です。
ブルガリアのビール
ブルガリアのビール消費量はヨーロッパの中でも非常に多く、国内で国産のビールや輸入ビールなどが多く消費されています。
国内で人気がある酒
「Ракия(ラキヤ)」という果実から作られるスピリッツが人気で、日常的に飲酒されます。ラキアの原料は「アンズ」「スモモ」「ブドウ」「梨」「リンゴ」「マルメロ」「サクランボ」などがあり、そこに「ハチミツ」「クルミ」「バラ」などを加えます。ラキアは「クロアチア」「セルビア」などでも人気があり、日常的に飲酒されます。
ガボン
ビール 情報
ガボンのビール
ガボンで利用されているフランス語でビールは「Bière(ビィエーレ)」です。
ガボンはどこ?
ガボンはアフリカ西部に位置する国であり、南大西洋に面しています。イスラム教徒の割合が低く、一人あたりのビールの消費量はアフリカで一番多く消費されています。
アフリカではどんなビールが人気なの?
「ラガービール」の人気が高く、アフリカの多くの国々が国内でビール生産をおこなっています。原料はアフリカ生産される「ソルガム」を原料にしている国が多く、一般的なビールより濁りがあります。
人口増加が続くアフリカ
アフリカの多くの国々で人口が爆発的に増加しており、「ビール」の消費量は拡大すると思われます。
アイスランド
ビール 情報
アイスランドのビール
アイスランド語でビールは「Bjór(ビィヨール)」です。
ビールの飲酒は禁止されていた
アイスランドは1989年の3月1日までビールの飲酒が法律で禁止されていました。
なぜ禁止されていたの?
アイスランドは1944年に「デンマーク」から独立を宣言し、「アイスランド共和国」として歩み始めましたが、デンマークで多く飲酒されていた「ビール」は「デンマークを印象する飲み物」として政治的に支持されませんでした。
ビールが解禁された3月1日は「ビールの日」として国内で多くのビールが飲酒されます。
アイスランドはビールを生産してるの?
しています。していますが、アイスランドは非常に寒い国であり「大麦」の生産が限定的です。国内で流通するビールは輸入品も多くなります。
日本
ビール 情報
日本のホップの歴史
ホップ生産が開始されたのは「明治時代の北海道」です。明治4年に北海道の開拓の顧問として招かれていた鉱山技師「トーマス・アンチセル」が北海道に自生しているホップを発見し、明治9年にホップの栽培が開始されています。
日本のホップ生産
主に「岩手県」「秋田県」「山形県」などでホップが生産され、大手ビールメーカーが国産のホップを利用してビールを生産をおこなっています。
まとめ
ビールの消費量は減少傾向
ビールの飲酒量は年々減少してきています。飲酒量の減少と共に生産量も減少しており、2013年から全体で8%程度生産量が減少しています。「ノンアルコール飲料」「低アルコール飲料」の消費量が増加しており、「ライフスタイルに合った酒の飲み方」が大きく変化してきています。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
WHO. "Alcohol, recorded per capita (15+) consumption (in litres of pure alcohol), by beverage type" (English) 2000-2024年. ©WHO 2024. 2021年06月10日閲覧
WHOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。