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動物の飼料としても利用!世界のトウモロコシ 生産量ランキング

家畜の飼料・燃料などに加工される
トウモロコシ

トウモロコシは家畜の飼料などに利用される事が多く、トウモロコシの価格の上昇は「肉」の価格上昇に繋がります。「バイオエタノール」へ転換される事も多く、非常に利用価値の高い作物になります。

世界ではどの国がどのくらいトウモロコシを生産しているのでしょうか?

世界のトウモロコシ
生産量 ランキング

世界のトウモロコシの生産量
世界一位 米国
世界二位 中国
世界三位 ブラジル

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世界のトウモロコシ 生産量ランキング
Maize (corn)
Production (t/year)

各国のトウモロコシ
情報

トウモロコシの重さ・エネルギー
とうもろこしの重さは1本約260gで、エネルギーは約124Kalです。

トウモロコシの利用
2019年に当時のトランプ大統領がアメリカの余ったトウモロコシを日本へ 「押し付ける」ように貿易交渉がおこなわれ、日本へ輸入されました。

日本はトウモロコシの多くが「家畜の飼料」として利用されています。家畜の飼料の価格は国内の肉の値段に大きく影響を与えるため、非常に重要になります。

石油や石炭などの燃料価格も家畜を生産する施設の暖房費などを上昇させるため、最終的に生産される肉の価格に影響を及ぼします。

「コーン」「メイズ」の違い
イギリスでは「コーン」が穀物全体を指す言葉であり、トウモロコシを指す場合は「メイズ」になります。

米国
トウモロコシ 情報

米国のトウモロコシ
トウモロコシは英語で「Maize(メイズ)」「Corn(コーン)」です。

アメリカのトウモロコシ生産地
主に中西部の「イリノイ州」「アイオワ州」「インディアナ州」、中北部の「サウスダコタ州」「ネブラスカ州」、西部の「ケンタッキー州」「ミズーリ州」、北西部の「オハイオ州」などで生産されています。特に生産量が多いのはイリノイ州とアイオワ州で、アメリカで生産されるトウモロコシの約30%が生産されています。

日本はアメリカのトウモロコシに輸入依存
日本は国内のトウモロコシ生産量が非常に低く、アメリカから輸入されるトウモロコシに輸入に依存しています。輸入されるトウモロコシの大部分が家畜の飼料として利用され、次いでコーンスターチ(トウモロコシを粉にしたもの)として利用されます。

コーンスターチは何に使うの?
主に「片栗粉」と似たような使い方をします。片栗粉は「ジャガイモ」を原料としており、用途が異なります。片栗粉は温度が低下すると粘土が低くなるため、主にコーンスターチはお菓子などに利用されます。

バイオエタノールとして利用
トウモロコシから自動車の燃料などとして利用可能な「バイオエタノール」を作り出す事が可能です。非常に多くの温室効果ガスを排出する「飛行機」の燃料も持続可能なバイオエタノールへの切り替えがおこなわれており、将来的にすべての燃料がバイオ燃料へ切り替わる可能性があります。

中国
トウモロコシ 情報

中国のトウモロコシ
トウモロコシは中国語で「玉米(ユーミー)」といいます。

中国で増加するトウモロコシの生産
バイオ燃料や家畜の飼料など利用価値の高いトウモロコシの生産量が国内で増加しています。雑穀や豆類の生産量は減少しており、多くの農家がトウモロコシ生産に切り替えをおこなっています。

ライフスタイルの変化
中国のライフスタイルの著しい変化と経済の発展により「肉食」が一般的になっており、家畜の飼料として利用されるトウモロコシの需要が増加しています。

環境問題にも積極的に参加
中国は環境問題に取り組む企業が増加しており、「バイオエタノール」の重要性が上昇しています。国内でバイオエタノールとして利用されるトウモロコシが増加しており、飼料用のトウモロコシの値段も上昇しています。中国共産党は2007年からバイオエタノールの生産の抑制をおこなっており、トウモロコシの価格とうまくバランスをとっています。

ブラジル
トウモロコシ 情報

ブラジルのトウモロコシ
ブラジルで利用されるポルトガル語でトウモロコシは「Milho(ミーユー)」です。

増加するトウモロコシの生産量
ブラジルはバイオエタノールの利用率が非常に高くなっています。海外からの需要も増加しており、トウモロコシの生産量が爆発的に増加しています。

ブラジルのトウモロコシの生産地
主に夏の間に南部の「パラナ州」、南東部の「サンパウロ州」「ミナスジェライス州」、冬の間は西部の「ロンドニア州」、中部の「トカンティンス州」、東部の「バイーア州」「セルジペ州」で栽培がおこなわれます。

トウモロコシの収穫後に大豆の栽培がおこなわれる事が多くなっています。

南半球は収穫時期が違う
ブラジルは南半球に位置し、トウモロコシの収穫時期が北半球と異なります。北半球のトウモロコシの生産量が減少する時期に輸出する事が可能であり、主に海外輸出用のトウモロコシが多く生産されています。

ブラジルのバイオエタノール
ブラジルは1973年に発生した「オイルショック」を期に、車などに利用する燃料を「バイオエタノール」とブレンドする法律が1977年に制定されています。バイオエタノールの混合率は年々上昇し、現在、車に利用する燃料に対し、27%のバイオエタノールを混合させる必要があります。

2020年にヨーロッパでは10%、イギリスでは4.75%のバイオエタノールのブレンドが義務付けられています。

逆に環境破壊を招く恐れも
バイオエタノールは「サトウキビ」「大豆」などから生産されますが、生産段階で多くの「二酸化炭素」を排出します。ブラジルで生産されるバイオエタノールが生産段階で排出される二酸化炭素の量が少ないとされ、「最も環境に良い燃料」と言われています。

アルゼンチン
トウモロコシ 情報

アルゼンチンのトウモロコシ
アルゼンチンで利用されるスペイン語でトウモロコシは「Maíz(マイーザ)」です。

アルゼンチン畜産業
アルゼンチンは家畜を放牧し、牧草を利用した畜産がおこなわれています。牧草を家畜の飼料として利用した場合、国内で利用されるトウモロコシの量が減少し、更に家畜にストレスがかからない畜産法として近年多く取り入られています。

アルゼンチンのトウモロコシの生産地
主に東部の「ブエノスアイレス州」の生産されており、アルゼンチンで生産される80%以上を生産しています。

増加する輸出量
トウモロコシの輸出量は年々増加しており、2019年にアルゼンチンから輸出されるトウモロコシの量がウクライナの輸出量を上回っています。

気候変動による生産量の減少
世界中で気候変動による異常気象が続いており、北米などではトウモロコシの生産量が大きく増減しています。日本は主に北米からトウモロコシを輸入していますが、「アルゼンチン」「ブラジル」などからもトウモロコシを輸入しています。

ウクライナ
トウモロコシ 情報

ウクライナのトウモロコシ
ウクライナ語でトウモロコシは「Кукурудза(ククルーザ)」です。

ウクライナのトウモロコシ生産地
主に中部の「チェルカースィ州」「ポルターヴァ州」、中南西部の「ドニプロペトロウシク州」、中西部の「ヴィーンヌィツャ州」、北部の「キーウ州」、東部の「テルノーピリ州」、北部の「ジトーミル州」、南東部の「ザポリージャ州」、中西部の「フメリニツキー州」、北東部の「ハルキウ州」で多くのトウモロコシが生産されています。

トウモロコシの輸出先
ウクライナは多くのトウモロコシを「中国」へ輸出しています。中国でも多くのトウモロコシを生産していますが、国内で価格が高騰しており、価格の安いウクライナ産のトウモロコシの輸入量を増加させています。

ウクライナはヨーロッパへ輸出していたトウモロコシの量を1/4に削減し、中国への輸出に切り替えています。

中国は過去に米国からトウモロコシを多く輸入していましたが米中関係が悪化しており、輸入量が減少しています。

中国から巨額の投資
中国の「新疆生産建設隊」とウクライナの「KSG Agro」の間でウクライナの300万ヘクタールの土地を利用する協定が2013年に結ばれています。このプロジェクトは中国政府の指導の元におこなわれています。

高騰化する肉の価格
ヨーロッパでは「肉」の価格が高騰化しています。多くの国はウクライナからトウモロコシを輸入しており、家畜の飼料として利用しています。2022年の世界情勢の悪化により、ウクライナからのトウモロコシの輸出が難しくなっており、ウクライナからトウモロコシを輸入している国では飼料の高騰化、肉の価格に影響を及ぼしています。

日本はウクライナのトウモロコシを
輸入していない
日本はウクライナのトウモロコシを輸入していません。主にアメリカ・ブラジル・チリなどからトウモロコシを輸入しています。

インド
トウモロコシ 情報

インドのトウモロコシ
インドで利用されるヒンディー語でトウモロコシは「मक्का(マッカ)」です。

インドのトウモロコシ生産地
主に南東部の「アーンドラ・プラデーシュ州」、北東部の「ビハール州」、南東部の「カルナータカ州」、北西部の「ラージャスターン州」、北部の「ウッタル・プラデーシュ州」でトウモロコシが多く生産されています。

南北で食生活が違う
インドの北部は「パン食」、南部は「米食」になります。トウモロコシはパンの生地として小麦と共に利用される事が多く、消費は主にインドの北側が多くなります。

上昇するトウモロコシの価格
世界的にトウモロコシの価格が上昇しており、インドでもトウモロコシの価格が記録的に上昇しています。国内の農家はトウモロコシの生産量を増加されており、今後、トウモロコシの輸出量が増加すると思われます。

メキシコ
トウモロコシ 情報

メキシコのトウモロコシ
メキシコで利用されるスペイン語でトウモロコシは「Maíz(マイーザ)」です。

メキシコのトウモロコシの生産地
メキシコでは32の州でトウモロコシ栽培がおこなわれていますが、主にメキシコ北西部の「シナロア州」「ハリスコ州」、中部の「メヒコ州」、西部の「ミチョアカン州」、中部の「グアナフアト州」、南部の「ゲレーロ州」、東部の「ベラクルス州」、南東部の「チアパス州」、北部の「チワワ州」、中南東部の「プエブラ州」で生産されています。

メキシコのトウモロコシの種類
メキシコではトウモロコシの粉から作られる「トルティーヤ」が非常に多く消費されます。メキシコでは約60種のトウモコロシが生産されており、国内で消費される以外に海外へ輸出しています。

インドネシア
トウモロコシ 情報

インドネシアのトウモロコシ
インドネシア語でトウモロコシは「Jagung(ジャーグン)」です。

インドネシアのトウモロコシ生産地
主にジャワ島に位置する「東ジャワ州」、中部の「ジャワ州」、スマトラ島の「ランプン州」「北スマトラ州」、スラウェシ島の「南スラウェシ州」、小スンダ列島の「東ヌサ・トゥンガラ州」、ジャワ島の「西ジャワ州」、スラウェシ島の「北スラウェシ州」「ゴロンタロ州」、スマトラ島の「南スマトラ州」でトウモロコシ生産がおこなわれています。

トウモロコシの消費が非常に多い
インドネシアは「米」に次いでトウモロコシが消費が多く、様々な物に加工されています。

トウモロコシの価格を調整
インドネシアはトウモロコシの収穫期に国内のトウモロコシの価格変動を防ぐために各州の農業局から輸入の停止の手続きをおこないます。これにより国内のトウモロコシが適切な価格で販売されています。

南アフリカ共和国
トウモロコシ 情報

南アフリカ共和国のトウモロコシの生産地
主に「Highveld(ハイベルト)」台地でトウモロコシが生産されており、「フリーステイト州」「ハウテン州」「ムプマランガ州」「クワズール」「ナタール州」などで南アフリカで生産されているトウモロコシの約90%が生産されています。

気候変動による影響
南アフリカでは気候変動により気温の上昇が続いています。大規模な干ばつなどが発生しており、今後、南アフリカで生産されるトウモロコシの生産量に大きな影響を与える可能性があります。雨量が減少している地域では「栽培に水が少量で済む植物」に切り替えや農業を辞める人も増加しており、非常に大きな問題になっています。

収入に見合わない
小規模な農家の生産量では収入に見合わないため、単純に売り上げ単価の高い生産物や、生産が安定している生産物に切り替える人が増加しています。

農業はどれくらいの収入を得られるの?
日本では昔の単位で「町(ちょう)=約100mx100m」というものがあり、約1ヘクタールに相当します。日本の農家は平均で1町の農地を有している農家が多くなっています。

米の価格
「1反(31.5m×31.5m)」で収穫できる「米」の量は平均で530kgです。530kgの米から「約14万円程度の収入」を得る事ができます。

肥料・除草剤・農薬・用水路整備や灌漑などにかかる土地改良費・農機具費・賃貸料(小作人の場合)などの様々な経費として「約8万円」ほど支出しています。水田 一反当りの限界利益は6万円程度となる計算になります。(人件費は除く)

フランス
トウモロコシ 情報

フランスのトウモロコシ
フランス語でトウモロコシは「maïs(マイス)」です。

フランスのトウモロコシ生産地
フランスでは全土に渡りトウモロコシ生産がおこなわれており、主に西部の「ペイロワール地域圏」、中部の「サントル=ヴァルロワール地域圏」、南西部の「ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏 」、南東部の「オクシタニア地域圏」「プロヴァンスアルプコートダジュール地域圏」、東部の「オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏」「ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏 」、北東部の「グラン・テスト地域圏」でトウモロコシが生産されています。

ロシア
トウモロコシ 情報

ロシアのトウモロコシ
ロシア語でトウモロコシは「кукуруза(ククルーザ)」です。

ロシアのトウモロコシの生産地
主に南部の「クラスノダール地方」「スタヴロポリ地方」「ベルゴロド州」「ロストフ州」「クルスク州」「ヴォロネジ州」「カバルダ・バルカル共和国」「タンボフ州」「タタールスタン共和国」「リペツク州」などでトウモロコシ生産がおこなわれています。

ロシアのトウモロコシ輸出
ロシアはアフリカ諸国などにトウモロコシを輸出しています。

日本
トウモロコシ 情報

日本はトウモロコシの生産量が低い
日本はトウモロコシを海外からの多く輸入しています。輸入されるトウモロコシは主に家畜の飼料用として利用され、トウモロコシの価格の上昇は肉の価格上昇に直接結びつきます。

まとめ

日本の生産量は限定的
トウモロコシは非常に利用価値のある生産物ですが、日本は利用できる土地が限られているため、家畜の飼料は主に輸入品になります。また、持続可能なバイオエタノールの生産も非常に限定的であり、効率を優先した農業が国内でおこなわれる傾向があります。

トウモロコシの生産量は多くの国々で生産量が増加しており、今後の生産量も世界の人口増加と共に上昇すると思われます。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Maize (corn), Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2021年07月18日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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