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アフリカで生産量が増加!世界のカシューナッツ 生産量ランキング

南米や東南アジアで多く生産される
カシューナッツ

カシューナッツの語源は南米に住む先住民トゥピ族の「アカジュ」という言葉からきており、意味は「ナッツ」です。カシューナッツの殻は皮膚の炎症を起こすため、殻付きの物は売られていません。現在は世界中で人気のあるナッツであり、主に熱帯・亜熱帯で生産されています。

世界ではどの国がどのくらいカシューナッツを生産しているのでしょうか?

世界のカシューナッツ
生産量 ランキング

世界のカシューナッツの生産量
世界一位 コートジボアール
世界二位 インド
世界三位 ベトナム

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世界のカシューナッツ 生産量ランキング
Cashew nuts, in shell
Production

各国のカシューナッツ
情報

カシューナッツの重さ・エネルギー
カシューナッツは一粒約1.5gであり、エネルギーは約10カロリーになります。

カシューナッツは実をつける
カシューナッツは「パプリカ」のような実を付けます。カシュ―アップルは食べる事が可能であり、栽培している国々では食用として利用されています。リンゴの様な香りがするため、「カシュ―アップル」と言われています。

可食部は種の中の「仁」
ナッツの多くは種の中の「仁」という部分が可食部になります。「アーモンド」「クルミ」も同じで、種を食べている訳ではありません。

コートジボワール
カシューナッツ 情報

コートジボワールのカシューナッツ
カシューナッツはコートジボアールで利用されるフランス語で「Noix de cajou(ヌワ・デ・カシュー)」です。

爆発的に生産量が増加
コートジボアールのカシューナッツ生産は爆発的に増加していています。

「綿花」「カカオ」より単価の高いカシューナッツは「金のなる木」と呼ばれ、多くの農家がカシューナッツ栽培に転向しています。カシューナッツはコートジボアールから多く輸出される「カカオ豆」「ゴム」を超え、輸出が多角化しており、多くの経済効果をもたらしています。国内にカシューナッツを加工する工場は少なく、現在、カシューナッツの加工品の輸出が少ない状態です。今後、加工場などが建設され、加工品が増加すると思われます。

カシューナッツの収穫期
コートジボアールのカシューナッツは2月~7月までが収穫期になります。収獲されたカシューナッツは1日~3日間の乾燥が必要で、乾燥は非常に温度管理が重要になります。過剰乾燥はカシューナッツにヒビなどが入る原因になります。

カシューナッツの輸出先
カシューナッツの主な輸出先は主に「インド」「ベトナム」になります。

コートジボアールのカシューナッツ生産地
主に「中部」「北部」で多くのカシューナッツが生産されています。

インド
カシューナッツ 情報

インドのカシューナッツ
カシューナッツはインドで利用されるヒンディー語で「काजू(カジュー)」です。

インドのカシューナッツ生産地
主に西部と東部の「沿岸地域」、南部の「カルナータカ州」、中部の「マディヤ・プラデーシュ州の内陸部」で栽培されています。最大の生産地はインド南西の「ケララ州」でインド国内で生産されるカシューナッツの35%以上、北西部の「マハーラーシュトラ州」で国内で生産されるカシューナッツ15%以上が生産されています。

貴重な油糧種子
油糧種子は「油」の原料となる種子の事であり、「ゴマ」「ナタネ」などが有名です。インドは国内で非常に多くの植物油を生産していますが国内需要が更に高く、カシューナッツも油糧種子の一つとして注目されています。

30種を超えるカシューナッツ
インドで生産されているカシューナッツは30種類を超えています。現在も研究が続けられており、国営の研究所や農業大学の研究により更に栽培しやすい品種や環境に適した品種が開発されています。

カシューナッツの木の寿命は20年
カシューナッツは植木から3年で実をつけ、10年で成熟となります。木の寿命は約20年以上であり、20年を超える樹木は実の生産数が減少します。インドは収穫期が2月~5月であり、実の盗難を防ぐ為に早めに収穫されます。

ベトナム
カシューナッツ 情報

ベトナムのカシューナッツ
カシューナッツはベトナム語で「Hạt điều(ハディウ)」です。

ベトナムのカシューナッツ生産地
主にベトナム南部の「ビンフオック省」「バリア=ブンタウ省」「ドンナイ省」で生産されており、 国内で生産されるカシューナッツの過半数がビンフオック省で生産されています。

ベトナムのカシューナッツの導入
カシューナッツは19世紀にベトナムに導入され、主に家庭菜園で栽培されていました。栽培規模は次第に拡大し、1999年にベトナムカシューナッツ協会(VINACAS)が発足されています。

1988年に3カ所だった加工場は1999年には62カ所に増加し、現在では大規模な工場と小規模の工場含め1000カ所を超える工場が存在しています。

最大の輸入国でもある
ベトナムはカシュ―ナッツの最大の輸入国でもあります。国内に輸入されたカシュ―ナッツは国内で様々な物に加工されています。

フィリピン
カシューナッツ 情報

フィリピンのカシューナッツ
カシューナッツはフィリピン語で「Cashew nut(カシューナッツ)」です。

フィリピンのカシューナッツ生産地
主に西部の「パワラン州」でカシューナッツ生産がおこなわれており、フィリピン国内で生産されるカシューナッツの90%以上がパワラン州で生産されています。

カシューナッツの無駄な生産
パワラン州は低所得者の割合が多く、カシューナッツ農家の多くが貧困層です。カシューナッツはカシュ―アップル・油脂など利用価値の高い植物ですが適切な処理がおこなわれず、果肉部を破棄するなど無駄の多い生産をおこなう農家が部分的に存在します。

タンザニア
カシューナッツ 情報

タンザニアのカシューナッツ
カシューナッツはタンザニアで利用されるスワヒリ語で「Korosho(コローショ)」です。

タンザニアのカシューナッツ生産地
主に中部の「ドドマ州」、中南部の「イリンガ州」、西部の「リンディ州」、南西部の「ムベヤ州」、南東部の「ムトワラ州」、中東部の「モロゴロ州」などで多くのカシューナッツが生産されています。

加工場が少ない
アフリカはカシューナッツの生産量が全体的に増加していますが、加工場が少なく、生産されたカシューナッツが適切に利用されないなどの問題が発生しています。タンザニアは「コーヒー」「綿花」「茶」など様々な物が輸出されており、カシューナッツもタンザニアの経済を支える重要な輸出品の一つです。

インドネシア
カシューナッツ 情報

インドネシアのカシューナッツ
カシューナッツはインドネシア語で「kacang mente(カーチャンメンテ)」です。

インドネシアのカシューナッツ生産地
主に東部の東ヌサ・トゥンガラ州、スウェラシ島の「南東スラウェシ州」、ジャワ島東部の「東ジャワ州」、スウェラシ島の「南スラウェシ州」、ジャワ島中部の「中部ジャワ州」、東部の「西ヌサ・トゥンガラ州」などで多くのカシューナッツが生産されています。

ベナン
カシューナッツ 情報

ベナンのカシューナッツ
カシューナッツはベナンで利用されるフランス語で「Noix de cajou(ヌワ・デ・カシュー)」です。

ベナンはどこ
ベナンはアフリカ大陸の西部の海岸沿いに位置する国です。カシューナッツ生産は主に北部でおこなわていますが、南部でも限定的に生産がおこなわれています。

ベナンのカシューナッツ生産地
主に北西部の「アタコラ県」、中西部の「ドンガ県」、中東部の「ボルグー県」、中南部の「コリネス県」、南東部の「プラトー県」でカシューナッツの生産がおこなわれています。

ベナンのカシューナッツ生産
ベナンでは多くのカシューナッツ栽培がおこなわれており、カシューナッツの生産量は年々増加しています。カシューナッツ生産増加は多くの雇用を生んでおり、20万を超える人がカシューナッツ生産に携わっています。

ブルキナファソ
カシューナッツ 情報

ブルキナファソのカシューナッツ
カシューナッツはブルキナファソで利用されるフランス語で「Noix de cajou(ヌワ・デ・カシュー)」です。

ブルキナファソはどこ?
ブルキナファソはアフリカの西に位置し、北部と西部はステップ気候で砂漠が多くなります。農業は主に南部の「熱帯サバナ気候」でおこなわれています。

ブルキナファソのカシューナッツ生産地
主に西部の「カスカード地方」「上流域地方」、中部の「中西部地方」、南西部の「南西部地方」でカシューナッツ生産がおこなわれています。

ブルキナファソでもカシューナッツの加工率が低い
ブルキナファソでも生産されたカシューナッツの加工率が低く、国内で生産されたカシューナッツの10%以下が加工品として利用されています。

モザンビーク
カシューナッツ 情報

モザンビークのカシューナッツ
カシューナッツはモザンビークで利用されるポルトガル語で「castanha de caju(カスタニャ・デ・カジュ)」です。

モザンビークのカシューナッツ生産地
主に北東部の「カボ・デルガード州」でカシューナッツ生産がおこなわれており、ポルトガルなどに多く輸出しています。

ギニアビサウ
カシューナッツ 生産量

ギニアビサウのカシューナッツ
カシューナッツはギニアビサウで利用されるポルトガル語で「castanha de caju(カスタニャ・デ・カジュ)」です。

ギニアビサウはどこ?
ギニアビサウはアフリカ大陸の西に位置しており、ギニア・セネガルと国境を接しています。

国を支える重要な輸出品
ギニアビサウではカシューナッツが国の経済を支える重要な輸出品です。国民の80%が何らかのカシューナッツ生産に間接的に関与しているとされています。

ブルンジ
カシューナッツ 情報

ブルンジのカシューナッツ
ブルンジはルンディ語フランス語を利用します。カシュ―ナッツはルンディ語「castanha de caju(カシュタナ・デ・カジュ)」と言い、ポルトガル語からの流用になります。

ブルンジはどこ?
ブルンジは東アフリカの内陸に位置する国であり、「ルワンダ」「コンゴ民主主義共和国」「タンザニア」と国境を接している国です。非常に多くの「コーヒー」を生産しており、1997年にはブルネイの輸出品の85%以上がコーヒーで占められていました。

コーヒーの輸出量は2015年に33.6%まで減少しており、経済的に厳しい状態が続いています。

国内の経済を支える重要な輸出品
カシューナッツはブルンジの経済を支える重要な生産品であり、主に「インド」「ベトナム」に輸出されています。ブルネイは主食などの主要作物の栽培も多くおこなっており、基本的に自給自足の農業がおこなわれています。

マリ
カシューナッツ 情報

マリ共和国のカシューナッツ
カシューナッツはマリで利用されるフランス語で「Noix de cajou(ヌワ・デ・カシュー)」です。

1%も満たない加工率
マリでも多くのカシュ―ナッツが生産されていますが加工場が少なく、生産されたカシューナッツの0.5%程度が加工品として利用されます。今後、加工場が増加すると思われますが、交通インフラなども整っておらず、生産量の増加には時間を要すると思われます。

マリのカシューナッツ生産地
主に西部の「カイ州」「クリコロ州」、南西部の「シカソ州」で多くのカシューナッツが生産されています。

まとめ

アフリカで多く生産される
アフリカで多く栽培される主要作物に比べ単価が高く、換金作物として生産量が増加しています。加工所なども増加しており、アフリカでの生産量は今後更に増加すると思われます。

カシューナッツは日本では生産されていません。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Cashew nuts, in shell, Production (t)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2021年09月06日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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