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世界のプラスチックごみ 排出量ランキング

海や土壌へ流出する
マイクロプラスチック

目で確認が難しい直径5ミリメートル以下の非常に小さなプラスチック粒子「マイクロプラスチック」が海や土壌へ流出しており、生態系に影響を与えています。

マイクロプラスチックが与える生態系への影響
マイクロプラスチックは、すでに海洋や土壌に広く分布しており、生態系にさまざまな影響を及ぼしています。魚や鳥が誤って摂取することで生物の健康に害を与えたり、人間の食物連鎖に取り込まれる可能性もあります。また、化学物質を吸着しやすいため、さらなる汚染の原因となることもあります。

一次マイクロプラスチック
最初から小さな粒子として製造されたものです。たとえば、化粧品や洗顔料に含まれるスクラブ粒子や工業用のプラスチックペレットが該当します。

二次マイクロプラスチック
大きなプラスチック製品が時間の経過とともに劣化・分解し、小さな粒子となったものです。たとえば、ペットボトルやビニール袋が紫外線や摩擦によって細かく砕けて発生します。

世界の国々はプラスチックをどのくらい海へ排出しているのでしょうか?

世界
マイクロプラスチック
海への排出量

海へのマイクロプラスチックの排出量
世界一位 フィリピン
世界二位 インド
世界三位 マレーシア

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海へのプラスチック排出量
global riverine plastic emissions into the ocean
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海へのプラスチック排出量
タップ or クリックで数値が表示されます

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世界のマイクロプラスチック
排出量に関する情報

日本の排出量
日本人が海への排出するマイクロプラスチックの量は1人あたり約15gです。他のアジア地域と比較した場合の排出量は少量ですが、先進国と比べた場合の排出量多くなります。

プラスチックの海洋汚染
プラスチックは河川などに捨てられた場合、最終的に海へ流出します。プラスチックは次第にマイクロプラスチックへと変化し、エサと勘違いした生物に取り込まれます。マイクロプラスチックを取り込んでいる生物は非常に多く、最終的に人間が消費します。

プラスチックは消化されるの?
プラスチックは消化されません。人間が食べた場合、プラスチック自体は排泄されますが、有害化学物質などが体内に蓄積される可能性があり、ガなんらかの病気を引き起こす可能性があります。

プラスチックは有害物質?
プラスチックの定義は「人工的に分子を合成し形成した物」であり、様々な物がプラスチックになります。塩素を含むポリ塩化ビニル(PVC)」を燃焼させた場合、有害な「塩化水素(HCl)」が発生します。また、塩素化合物と芳香族化合物(ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなど)が300℃~400℃が燃焼した時に「ダイオキシン」が発生します。

世界はゴミだらけ
人口密度が高い都市部はゴミの管理や廃棄物処理が追いつかず、河川にゴミが流れ込むことがあります。例えば、インドやインドネシアなどが挙げられます。河川を「ゴミ捨て場」として利用する地域も多く、汚染が深刻です。

レジ袋の有料化は効果ある?
あります。レジ袋の有料化は「環境に配慮しなければならないというメッセージ」になる他に「石油資源の利用を減らす効果」「海洋汚染を減らす効果」などがあります。

フィリピン
プラスチック 排出量

フィリピンのプラスチック
フィリピンで利用されるタガログ語でプラスチックは「Plastik(プラスチック)」です。

フィリピンのプラスチックの排出
フィリピンは美しい海を有する国ですが、海へのマイクロプラスチックの流出が多い国です。国内の廃棄物管理システムが十分に整備されていない地域が多ため、リサイクルやプラスチックの利用削減が進んでいません。国民は環境に対する意識が低く、都市部以外では、ごみの分別や適切な廃棄が行われていない場合があります。

適切な処理がおこなわれない
廃プラの処理施設などが不足しているフィリピンでは、国内で排出されるプラスチックの80%以上が適切に処理されていない可能性があります。

日常的に利用されるプラスチック製品
フィリピンでは、使い捨てのプラスチック製品(袋、容器、ストローなど)が広く使われています。これらが廃棄後に分解されてマイクロプラスチックとなるケースが多いです。

廃プラと米を交換できるプログラム
「モンティンルパ市」など一部の地域では「廃プラスチックと米を交換できるプロジェクト」がおこなわれています。このプログラムは2kgの廃プラと1㎏の米を交換する事が可能です。

自然災害の影響
台風や洪水が頻発する地域であるため、これらの自然災害によって廃棄物が一気に河川や海に流れ込むことがあります。

改善に向けた取り組み
フィリピン政府やNGOは、廃棄物管理システムの改善、プラスチック使用の削減キャンペーン、教育プログラムの実施などを通じて問題解決に取り組んでいます。しかし、広範囲での実施と効果的な実行には課題が残っています。

インド
プラスチック 排出量

インドのプラスチック
インドで利用されるヒンディー語でプラスチックは「प्लास्टिक(プラスティック)」です。

廃棄物管理システムの未整備
インドでは急速な都市化と人口増加により、廃棄物の処理が追いついていない地域が多く存在します。ごみの分別やリサイクルシステムが十分に普及しておらず、不法投棄や焼却が一般的です。その結果、プラスチックごみが直接河川や海に流れ込むことがあります。

川の汚染
インドは沐浴をしている風景を見かけますが、ガンジス川やヤムナ川など、主要な河川が廃棄物の流出ルートになっています。

川で水浴びをしないでください。また、シャワーを利用する場合なども注意が必要です。

使い捨てプラスチックの広範な使用
インドでは使い捨てプラスチック製品(袋、包装材、容器など)が広く使用されており、それが不適切に処理された場合、環境中で分解されてマイクロプラスチックとなります。

使い捨てプラスチック禁止
インド政府は2022年から使い捨てプラスチックの利用が禁止されています。レジ袋を含め、スプーン、ストロー、包装フィルム、風船などが禁止されており、廃プラスチックに対する強い取り組みがおこなわれています。

都市部の集中化とインフラの不足
大都市(ムンバイ、チェンナイ、コルカタなど)の沿岸部は高い人口密度を抱えており、大量の廃棄物が発生します。しかし、廃棄物処理インフラが不十分なため、適切に処理されないごみが海洋流出を引き起こしています。

都市部は人口増加により、大気汚染が深刻化しています。

ジュート袋の生産地
インドは「ジュート」という麻素材を多く生産しており、ジュートを利用した「かばん」「買い物袋」などが有名です。先進国などでもジュート素材を取り入れる人が増えており、国内の生産量は増加傾向です。

産業排水と繊維業の影響
インドでは繊維産業が盛んであり、繊維の洗浄や製造過程で発生するマイクロファイバーが工場の排水から海に流れ込むことが指摘されています。その他の産業廃棄物も適切に処理されずに海洋に放出されるケースがあります。

環境意識と規制の課題
環境規制は存在しますが、十分に実施・遵守されていないことが課題となっています。

改善への取り組み
インド政府は使い捨てプラスチックの禁止や廃棄物管理の強化に向けた政策を打ち出しています。また、NGOや市民団体も環境教育や清掃活動を行っていますが、広範囲での改善には時間とさらなる取り組みが必要です。

マレーシア
プラスチック 排出量

マレーシアのプラスチック
マレーシアで利用されるマレー語でプラスチックは「Plastik(プラスチック)」です。

廃プラ輸入禁止
1989年に制定された「バーゼル条約」により、プラスチックを含む廃棄物の移動に厳格なルールが決められています。2021年からマレーシアでは実質的に輸入禁止処置がとられ、違法に送られた廃棄物を輸出国に送り返すなど強い姿勢を見せています。

国内のプラスチック問題
国内に存在する270ヵ所を超える廃プラ処理場の約1/3程度が違法操業をおこなっている可能性があります。地方では埋立地が主要な廃棄物処理方法として利用されており、これらが環境中への流出の原因となります。

不法投棄の問題
プラスチックごみが河川や沿岸地域に不法投棄され、それが海に流れ込むケースが多く見られます。

急速な経済成長と都市化
経済成長に伴う消費活動の増加がプラスチックごみの増加を招いています。都市部の人口集中とインフラの不足が相まって、ごみの適切な処理が困難な状況になっています。

自然災害と降雨量
マレーシアは熱帯気候で降雨量が多く、大雨や洪水によって河川や沿岸地域から廃棄物が海に流れ込みやすい環境です。

近年、気候変動の影響と思われる洪水が頻繁に発生しています。首都のクアラルンプールでは死者がでる洪水が発生しており、大きな問題になっています。

改善に向けた取り組み
マレーシア政府は、プラスチック使用削減や廃棄物管理の改善に向けた政策を進めています。たとえば、一部の州では使い捨てプラスチックの使用禁止が実施されています。

NGOや市民の活動
NGOや市民団体が清掃活動や教育キャンペーンを行い、環境意識を高める取り組みを進めています。

企業の参画
一部の企業では、再生可能な包装材の使用やリサイクルプログラムの導入を行っています。

中国
プラスチック 排出量

中国のプラスチック
中国でプラスチックは「塑料(スーリャオ)」です。

世界最大のプラスチック生産国
中国は世界最大のプラスチック生産国であり、国内外での消費量も非常に多いです。このため、廃棄されるプラスチックごみの量も多くなります。

中国のプラスチックの排出
急速な経済成長を続ける中国は廃プラスチックの排出量も非常に多く、適切な処理が行われてない廃プラも多く存在します。食品包装材やショッピングバッグ、オンラインショッピングの梱包材など、日常的に使い捨てプラスチックが多用されています。2017年から廃プラの輸入禁止処置がとられ、国内では廃プラスチックの分別やリサイクルなどに力を入れています。

河川を通じた流出
中国には長江、黄河、珠江などの大規模な河川があり、これらが海洋にマイクロプラスチックを運ぶ主要なルートとなっています。特に長江は世界でもマイクロプラスチックの流出量が多い河川として知られています。

不適切な廃棄物管理
河川沿いの地域では、ごみの不法投棄や処理の不備が問題で、廃棄物がそのまま河川に流れ込むケースが多く見られます。

繊維産業の影響
中国は繊維製品の主要生産国であり、衣類の洗濯や製造過程で発生するマイクロファイバーが工場排水を通じて海洋に流出しています。

工業廃水の問題
工業地帯では、十分に処理されない廃水が河川や海に流れ込むことがあります。

リサイクルと廃棄物処理の課題
中国には非公式なリサイクル業者が多く存在し、適切でない方法で廃棄物が処理されることがあります。その結果、一部のプラスチックごみが自然環境に放置されます。

政策と規制の強化
中国政府は、使い捨てプラスチック製品の削減や廃棄物管理の改善に向けた政策を進めています。また、一部の地域ではプラスチック製品の使用制限が導入されています。

インフラの整備
廃棄物管理インフラの整備やリサイクル技術の向上が進められています。

技術でリードする中国
廃棄物の処理問題は世界中の問題であり、様々な新しい技術が誕生しています。中国は環境問題に対して力強い取り組みをおこなっており、今後、更に新しい技術などが誕生すると思われます。

インドネシア
プラスチック 排出量

インドネシアのプラスチック
インドネシアでプラスチックは「plastik(プラスチック)」です。

インドネシアのプラスチックの排出
インドネシアは海へと排出される廃プラを「2025年までに70%減少」「2040年までにゼロ」にする計画を発表しています。

インドネシアは17,000以上の島国で構成されており、豊かな海の生態系を有しています。漁業の規模も大きく、環境汚染に対する取り組みが必要です。

フィリピン同様に海に直接接する地域が非常に多いため、廃棄物が海洋に流出しやすい地理的条件にあります。

国内の深刻な廃プラ問題
「ゴミを川に捨てる」「ゴミの回収がおこなわれない」など様々な問題を抱えている地域が多く存在します。国内で非常に多くのリサイクル可能なゴミが排出されますが、廃プラの処理施設が不足するなど、処理しきれないゴミがそのまま廃棄される問題に繋がっています。

不十分な廃棄物処理インフラ
インドネシアの多くの地域では、廃棄物管理インフラが整備されていません。特に地方部や都市周辺では、廃棄物の収集や処理が十分に行われないことが多いです。

都市化と人口増加
ジャカルタやスラバヤなどの大都市では、急速な都市化と人口増加により廃棄物が増加しています。しかし、廃棄物処理能力がその需要に追いついていないため、ごみの不適切な処理が海洋汚染につながっています。

交通渋滞を理由に首都移転が決定されました。人口の集中は交通渋滞を招き、ゴミの回収などにも影響を与えます。

漁業からのプラスチック廃棄物
インドネシアは漁業が盛んで、漁網や釣り具などのプラスチック製品が海洋ごみとなることが少なくありません。

海運と貿易
海運や貿易によるプラスチック廃棄物も、海洋流出の一因となっています。

改善に向けた取り組み
インドネシア政府は、使い捨てプラスチックの削減や廃棄物管理の強化に取り組んでいます。たとえば、一部の都市ではプラスチック袋の使用が禁止されています。

NGOや国際機関の支援
環境保護団体や国際機関が廃棄物管理プロジェクトを進め、海洋汚染の削減に取り組んでいます。

観光地での取り組み
バリ島などの観光地では、清掃活動や観光客への啓発キャンペーンが行われています。

ブラジル
プラスチック 排出量

ブラジルのプラスチック
ブラジルで利用されるポルトガルでプラスチックは「plástico(プラスチク)」です。

ブラジルの廃プラスチック問題
ブラジルは経済成長と共にプラスチックゴミが増加しており、適切に処理されないゴミが川に投棄されるなどの問題に繋がっています。

長い海岸線
ブラジルは7,000kmを超える海岸線を持ち、多くの都市が海岸沿いに位置しています。そのため、都市部から発生する廃棄物が海に流れ込みやすい地理的条件です。

アマゾン川を含む河川網

ブラジルにはアマゾン川をはじめとする多くの大河川があり、これらが内陸部から廃棄物を運び、最終的に海に到達する主要なルートとなっています。

使い捨て品の増加
ブラジルは日本同様に使い捨て製品があふれており、廃プラ問題を助長しています。これらの問題は発展途上国などで大きな問題になっており、何らかの対策が必要と思われます。

不適切な廃棄物処理
多くの都市では廃棄物処理インフラが不十分で、ごみが埋立地に適切に管理されていないことが一般的です。一部では、不法投棄が広く行われています。

リサイクル率の低さ
ブラジルのリサイクル率は約3%と低く、プラスチックごみの大部分が適切に処理されずに廃棄されていることが問題です。

日本のリサイクルのシステムと比べ、世界のリサイクルシステムは非常に効率が悪い印象があります。

繊維産業とマイクロファイバー
ブラジルは繊維製品の生産も盛んであり、製造過程や洗濯時に発生するマイクロファイバーが産業排水を通じて河川や海に流出しています。

急速な都市化と人口増加
リオデジャネイロ、サンパウロ、サルヴァドールなど、沿岸都市では急速な都市化と人口増加により廃棄物の発生量が増加しています。しかし、廃棄物処理インフラがこの増加に追いついていません。

気候条件と自然災害
ブラジルは熱帯気候や温帯気候に属し、降雨量が多い地域が多く存在します。洪水によって河川や都市部に蓄積された廃棄物が海へ流出することが頻繁に起こります。

政策と規制の強化

ブラジル政府は使い捨てプラスチックの削減や廃棄物処理の改善に向けた法律を制定しています。一部の都市では、プラスチック袋の使用禁止が導入されています。

ベトナム
プラスチック 排出量

ベトナムのプラスチック
ベトナムでプラスチックは「nhựa(ㇴア)」です。

長い海岸線
ベトナムは約3,260kmの海岸線を持つため、廃棄物が海に流れ込みやすい地理的条件があります。沿岸部には多くの大都市や産業地帯が集中しています。

主要河川の存在
メコン川や紅河(ホン川)などの大河川があり、これらが内陸部から廃棄物を運び、最終的に海に流れ込む主要なルートとなっています。

リサイクルの未発達
リサイクルの普及率が低く、多くのプラスチックごみが埋立地に送られるか、不法投棄されています。

ベトナムの廃プラ問題
ベトナムは都市化が急激に進んでおり、プラスチック製品の需要が増加しています。国内のスーパーマーケットは2025年までに環境に配慮したレジ袋を利用する必要がある他に、26年からは罰金を設けるなど厳しい対策がとられる予定です。

不十分な廃棄物処理インフラ
ベトナムでは廃棄物処理インフラが未整備な地域が多く、特に農村部や都市周辺では廃棄物の収集や処理が十分に行われていません。

繊維産業の影響
ベトナムは繊維製品の主要生産国であり、衣類の洗濯や製造過程で発生するマイクロファイバーが工場排水を通じて海に流出しています。

漁業と海洋活動
漁業が盛んなため、漁網や釣り具などのプラスチック製品が適切に処理されず、海洋ごみになるケースがあります。

政府の政策
ベトナム政府は、使い捨てプラスチックの削減や廃棄物管理の改善を目的とした政策を進めています。2020年には、プラスチックごみ削減の国家行動計画が発表されました。

バングラデシュ
プラスチック 排出量

バングラデシュのプラスチック
バングラデシュで利用されるベンガルでプラスチックは「প্লাস্টিক(プラスチーク)」です。

主要河川と海岸線
バングラデシュにはガンジス川、ブラフマプトラ川、メグナ川などの大河川が流れ、それらがベンガル湾に注いでいます。この河川が、内陸部からの廃棄物を海に運ぶ主要な経路となっています。

デルタ地帯の特性
バングラデシュは世界最大のデルタ地帯に位置し、低地が多いため、廃棄物が洪水や河川を通じて海に流れ込みやすい環境にあります。

デルタ地帯とは?
河川が海や湖に注ぐ河口付近で、土砂が堆積して形成される地形のことです。この名前は、ギリシャ文字の「Δ」(デルタ)の形に似ていることに由来します。デルタ地帯は、河川によって運ばれた土砂が流速の低下により堆積し、扇形や網目状の地形を形成します。

「メコンデルタ」「ナイルデルタ」など、デルタ地帯は農業が盛んです。

バングラデシュの廃プラ問題
沿岸国であり、プラスチックごみが海に流れるなどの悪影響を及ぼしています。また、バングラデシュはインフラが整っていない地域が多く、プラスチック袋が排水溝や河川を詰まらせ、排水の問題なども発生しています。

ゴミ事情:不法投棄の蔓延
バングラデシュは廃プラの適切な処理以前に、国内で発生するゴミ全般が適切に処理できていません。都市周辺や農村部では、不法投棄が一般的で、これが河川や海へのプラスチックごみ流出を増加させています。

発展途上国の多くがこのような問題を抱えており、先進国の視点で物事を進める以前に、国内に様々な問題を抱えています。

リサイクル率の低さ
バングラデシュではリサイクルの仕組みが十分に発展しておらず、プラスチックごみの大半が再利用されることなく廃棄されています。

ポリ袋の再普及
バングラデシュは2002年にポリ袋を禁止しましたが、その後、適切な代替品が十分に普及せず、依然としてポリ袋の使用が続いています。

繊維産業の影響
バングラデシュは繊維製品の輸出大国であり、衣類の生産過程や洗濯時に発生するマイクロファイバーが産業排水を通じて河川や海に流れ込んでいます。

船舶解体産業
チッタゴン(バングラデシュの第2都市)で盛んな船舶解体業では、廃棄物管理が不十分で、プラスチック廃棄物が直接環境中に流出することがあります。

教育と意識の課題
廃棄物管理やリサイクルの重要性に対する意識が低い地域が多く、適切な廃棄物処理が行われないことがあります。

教育プログラムの不足
特に農村部では、廃棄物管理に関する教育が行き届いておらず、不適切なごみ処理が日常的に行われています。

政府の政策
バングラデシュ政府は、プラスチックごみ削減や廃棄物管理の改善に向けた政策を進めています。たとえば、プラスチック袋の禁止や代替素材の普及を進めています。

タイ
プラスチック 排出量

タイのプラスチック
タイでプラスチックは「พลาสติก(プラスチック)」です。

広い海岸線と主要河川
タイはアンダマン海やタイ湾に面した広大な海岸線を持ち、廃棄物が海に流れ込みやすい地理的条件です。

モンスーン気候
モンスーンによる大雨や洪水が頻繁に発生し、これが廃棄物を河川や海に流れ込ませる要因となっています。

タイのゴミ問題
タイは経済成長を続ける国で、国内で都市化が進んでいます。しかし、急激に成長する経済の裏で「ゴミの処理施設の不足」「自治体の不法投棄」などが問題になっています。

廃プラ輸入の全面禁止は2025年から
タイ政府は2025年から廃プラの全面輸入禁止を決定しています。国内ではレジ袋の使用を控えるなどの目標が掲げられており、国内で環境に対する意識が向上しています。

リサイクル率の低さ
リサイクルシステムが発展途上であり、プラスチックごみの多くが適切にリサイクルされないまま廃棄されています。

屋台文化の影響
タイの屋台文化では、使い捨て容器やストローなどのプラスチック製品が広く使用されており、廃棄物の発生源となっています。

観光客による廃棄物増加
プーケット、パタヤ、クラビなどの人気観光地では、観光客が廃棄物を大量に発生させます。これが適切に管理されない場合、海洋汚染の原因となります。

政府の政策
タイ政府は、使い捨てプラスチックの削減を目指す政策を導入しています。たとえば、プラスチック袋の有料化や禁止措置が一部地域で実施されています。

ナイジェリア
プラスチック 排出量

経済成長する新しいリーダー「ナイジェリア」
ナイジェリアの「ラゴス」は世界最大の人口都市になるだろうと言われており、国内は著しく経済が成長しています。都市化と共に大量のゴミが発生しており、不法投棄がおこなわれるなど様々な問題に繋がっています。

スラム地域と不法居住地
スラムや不法居住地では、廃棄物管理システムがほとんど機能しておらず、プラスチックなどの廃棄物が不法に捨てられ、最終的に海に流れ込む原因となります。

海岸線と主要河川
ナイジェリアはアフリカ西部の海岸に位置し、約800kmの海岸線を有しています。主要な河川(例えば、ニジェール川やベヌエ川)が流れており、これらの河川は内陸からの廃棄物を海に運ぶ役割を果たしています。

河川による流出

ナイジェリアの河川は洪水や降雨により、しばしば多量のごみを海に運び、これが海洋汚染の一因となっています。

観光地での廃棄物の発生
ナイジェリアには美しいビーチや観光地が多く、観光業が盛んですが、観光客の数が増加することで使い捨てプラスチックやごみの量も増え、適切な廃棄物管理が行われない場合、それが海に流れ込むことがあります。

リゾート地とその周辺
観光地のリゾート地では大量のプラスチック廃棄物が発生し、それらが処理されずに海洋に流出することが問題です。

石油産業の影響
ナイジェリアは石油産業が盛んな国であり、石油採掘や精製に関連する廃棄物や化学物質が海洋汚染を引き起こす可能性があります。また、石油の不正規な排水や漏れが海洋環境を悪化させる要因となっています。

漁業と水産業
ナイジェリアの漁業や水産業でも、プラスチック製の漁具やネットが適切に処理されず、海に流れ込むことがよくあります。

教育と意識の欠如
環境に関する教育が不足しているため、廃棄物処理の重要性が広く認識されていません。その結果、廃棄物の適切な処理方法が浸透せず、海にプラスチックが流れ込み続けています。

まとめ

廃プラの排出の多くがアジア
廃プラが海へ排出される問題の多くが「アジア地域」です。これはアジアでプラスチック製品を生産しており、先進国の多くがアジア地域からプラスチックを輸入しています。そのため、この問題は世界的な問題であり「プラスチックの利用を減らす」「リサイクル」などをおこなう必要があります。

わかっているが難しい
廃棄物処理の重要性を理解している人は多いと思いますが、個人に見返りがあるわけではありません。ヨーロッパの多くの国はリサイクルをさせるために「金が還元させるリサイクルボックス」を設置し、リサイクルを普及させています。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

1. Lourens J. J. Meijer, Tim van Emmerik,  Ruud van der Ent, Christian Schmidt and Laurent Lebreton. "More than 1000 rivers account for 80% of global riverine plastic emissions into the ocean" (English) 2021年04月30日. © 2024 American Association for the Advancement of Science. 2024年02月10日閲覧。

サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。