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オーツミルクを牛乳のかわりに!世界のオーツ麦 生産量ランキング

オーツミルクの人気により生産量増加

オーツ麦(エンバク)はオートミールのなどに利用される穀物の一つで、非常に栄養価が高く、健康食品の一つとして日本でも人気が上昇しています。「小麦」「大麦」「ライ麦」などを生産している国の多くはオーツ麦も生産しています。

世界ではどの国がどのくらいオーツ麦が生産されているのでしょうか?

世界のオーツ麦(エンバク)
生産量ランキング

世界のオーツ麦 生産量
世界一位 ロシア
世界二位 カナダ
世界三位 オーストラリア

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世界のオーツ麦 生産量ランキング
Oats

production (tonnes/year)

各国のオーツ麦
情報

オートミールの原料
オーツ麦はオートミールの原料です。オーツ麦を脱穀し、加工したものがオートミールとして消費されています。エネルギーは100g当たり約350~380Kcalです。カロリーは他の穀物とあまり変わりませんがGI値(グリセミック指数 : 血糖値の上昇を示す数値)などが低く、健康食品として扱われる事が多くなります。

パンの原料にもなる
オーツ麦は「パン」の原料としても利用されます。しかし、食感が小麦のパンと比べて固く、「小麦とオーツ麦を混ぜる」など食べやすい工夫をおこなう場合が多くなります。

ヨーロッパではオーツ麦で作られたパンも多く販売されています。

オーツ麦の起源
オーツ麦の起源は地中海近郊・中東・中央アジアとされており、広く野生種が分布しています。ライ麦などと比べると耐寒性がありませんが、小麦か育ちにくい北ヨーロッパなどで多く栽培されていた痕跡が残っています。

オートミールの登場
オートミールとして押麦加工が開始されたのは1870年代で、アメリカで始まりました。1880年代になるとコーンフレークなどで有名な「ケロッグ」がオーツ麦を加えた「グラノーラ」などを販売し、人気は次第に上昇します。

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ロシア
オーツ麦 情報

ロシアのオーツ麦
ロシア語でオーツ麦は「Овес(アビョース)」です。

ロシアのオーツ麦
ロシアは非常に寒冷な土地を有していますが、小麦・大麦・ライ麦など「麦」の生産大国です。生産量は小麦、大麦に次いでオーツ麦を生産しており、パンの原料として利用される他に家畜の飼料などに利用されます。

ロシアは「カーシャ」と呼ばれる「オートミール」が良く消費され、ロシアの朝食の定番メニューです。ロシアのカーシャは「蕎麦」「麦」など様々な雑穀が原料になり、国内で様々なカーシャが販売されています。

体裁による輸出量減
ロシアからの輸入を停止している国が多く、生産された穀物の余剰在庫となっています。

カナダ
オーツ麦 情報

カナダのオーツ麦
英語でオーツ麦は「Oats(オーツ)」です。

カナダのオーツ麦
オーツ麦は寒冷地で栽培する事が可能な穀物ですが、ライ麦のような耐寒性はありません。越冬は困難であり、カナダやロシアなどの寒冷地では春に種まきをおこない、暖かい季節に栽培を行ないます。

日本はカナダから麦を輸入
日本は「小麦」「大麦」「ライ麦」などを米国・カナダ・オーストラリアから輸入しています。

麦は世界中で需要が高く、ロシアやヨーロッパの価格変動は世界全体の麦の価格に影響を及ぼします。そのため、ヨーロッパから麦類の輸入が少ない日本でも価格が変動します。

カナダのオーツ麦生産地
主に中西部の「サスカチュワン州」「マニトバ州」、西部の「アルバータ州」などでオーツ麦が生産されています。

 

オーストラリア
オーツ麦 情報

オーストラリアのオーツ麦
「オートミール」などの消費量は世界的に増加しており、国内のオーツ麦の生産量は大きく増加しています。オーストラリアは南半球に位置しており、収穫時期が一般的に異なるため、需要が減少する時期に提供が可能であり、生産されたオーツ麦は世界中に輸出されています。

オーストラリアのオーツ麦生産地
西オーストラリア州の「南西部地域」、南オーストラリア州の「エアー半島」「ヨーク半島」、ビクトリア州の「西部・東部」、ニューサウスウェールズ州の「リバリーナ地域・中央地域」などでオーツ麦が生産されています。

ポーランド
オーツ麦 情報

ポーランドのオーツ麦
ポーランド語でオーツ麦は「Owies(オービエス)」です。

ポーランドのオーツ麦
ポーランドでは「乳製品」を摂取しない人などが限定的に増加しており、牛乳のかわりに「オーツミルク」などが利用されています。オーツミルクはオーツ麦を粉末にし、水を加えた飲み物で、消費量が大きく増加しています。

日本でも「健康食品」としてオーツミルクの人気が上昇しており、「アーモンドミルク」「豆乳」などと主に消費量が増加してます。

ポーランドのオーツ麦生産地
ポーランドでは全国でオーツ麦の生産が可能ですが、「東部」「山岳地帯」などで生産量が多くなります。

スペイン
オーツ麦 情報

スペインのオーツ麦
スペイン語でオーツ麦は「Avena(アベーナ)」です。

スペインのオーツ麦
スペインは温暖な気候を有しており、国内でオーツ麦を含む様々な麦が栽培されています。また、穀物は「バイオマス」としても利用が可能で、持続可能なエネルギーとして生産量が増加しています。

スペインのオーツ麦生産地
南部のエストレマドゥーラ州「バダホス」、南部のアンダルシア州「セビリア」、中部のカスティーリャ・ラ・マンチャ州「クエンカ」「シウダー・レアル」「トレド」などで生産が多くなっています。

イギリス
オーツ麦 情報

イギリスの麦生産
国内で多くの麦を生産しており、小麦・大麦・オーツ麦の順に生産量が多くなります。ライ麦やトウモロコシなども生産していますが、限定的です。近年、オーツ麦の生産量は減少傾向にあり、小麦や大麦の生産量が増加しています。

イギリスのオーツ麦生産地
イギリス南部、西部、スコットランドの北部などでオーツ麦が多く生産されています。

ブラジル
オーツ麦 情報

ブラジルのオーツ麦生産量
ブラジルで利用されるポルトガル語でオーツ麦は「aveia(アビーエア)」です。

ブラジルのオーツ麦生産地
主に南部で生産されており、南部の「リオグランデスル州」、「パラナ州」「マットグロッソスル州」でオーツ麦が生産されています。

オーツ麦は小麦より低価格
世界情勢の悪化などにより飼料用の小麦の価格が上昇しています。ブラジルではオーツ麦の生産量が増加しており、海外への輸出量も増加しています。

フィンランド
オーツ麦 情報

フィンランドのオーツ麦
フィンランド語でオーツ麦は「Kaura(カウラ)」です。

フィンランドのオーツ麦
「オーツ麦」はフィンランドでも良く消費される穀物であり、オートミールなどは学校給食としても提供されます。ジャムやフルーツ加えて食べる事が多く、オーツ麦を扱った菓子なども多く販売されています。

給食問題
北欧や東欧では一部の学校で「給食を食べない子供」が増加しています。ヨーロッパは各家庭で「弁当」を用意する事が可能であり、学校近くのスーパーなどでランチを購入する子供が多くなります。

ヨーロッパでは肥満や生活習慣病を患う子供が増加しており、学校で提供される給食も栄養が管理されています。「味が薄い」「まずい」など不満をもらす子供が多く、学校給食の人気が低下しています。

ドイツ
オーツ麦 情報

ドイツのオーツ麦
ドイツ語でオーツ麦は「Hafer(ハーファ)」です。

ドイツのオーツ麦生産地
ドイツでは全国でオーツ麦が生産されていますが、南部の「バイエルン州」の生産量が非常に多くなります。

ドイツのオーツ麦
オーツ麦は16世紀まで「ビール」の原料として利用されていましたが、農業が工業化と共に生産量が減少しています。オーツ麦は農業に利用されていた「馬」の飼料として利用されていましたが、現在は限定的です。

中国
オーツ麦 生産

中国のオーツ麦
中国語でオーツ麦は「燕麦(イェンマイ)」です。

中国のオーツ麦生産量
中国でオーツ麦は主に食品や加工品として生産される事が多く、家畜の飼料としての栽培は限定的になります。

主に北東部の「内モンゴル自治区」、東部の「河北省(かほくしょう)」、中東部の「山西省(さんせいしょう)」、中部の「陝西省(せんせいしょう)」、北部の「甘粛省甘粛省)」、中部の「寧夏回族自治区(ねいかかいぞくじちく)」、南部の「雲南省(うんなんしょう)」「貴州省(きしゅうしょう)」、中南部の「四川省(しせんしょう)」で生産されています。

中国では広域に渡ってオーツ麦の生産がおこなわれていますが、比較的に生産環境が厳しい地域で栽培されている事が多く、貧困層などが多くなります。

中国のオーツ麦
中国でも国内の食文化は大きく変化しており、シリアルなどを食べる人が増加しています。

日本
オーツ麦 情報

日本のオーツ麦
日本のオーツ麦栽培は明治時代に北海道で始まりました。主に家畜の飼料として多く栽培されていましたが、戦後に低価格な飼料の輸入が増加すると共に生産量が減少し、現在の生産量は非常に少量になります。

まとめ

オートミールの流行
日本日本でも「オートミール」「グラノーラ」「ミューズリ」などの人気が上昇しています。オーツ麦は「グルテン」の量が少なく、栄養価が非常に高い事から「健康食」としても注目が集まっており、消費量が全体的に少ないアジアでも今後消費量が増加すると思われます。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Oats, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2021年07月23日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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