Image:https://pixabay.com

牛乳を多く消費する国は身長が高い?世界の牛乳 消費量ランキング

日本の牛乳消費量は少ない

日本でも「学生」を中心に「牛乳」が多く消費されますが、世界から比べると日本の牛乳消費量は非常に少なく、「世界の牛乳消費量の平均」を大きく下回っています。

食料供給量(Food supply quantity)とは?
その期間に人間の食料として利用可能な商品の総量になります。データにはその食べ物が加工された物も含まれます。詳しくは©FAO 「食料供給量(Food supply quantity)の定義」をご覧ください。

世界ではどの国がどれくらい牛乳を消費しているのでしょうか?

世界の牛乳
消費量 ランキング

世界の牛乳の消費量
世界一位 マレーシア
世界二位 デンマーク
世界三位 モンテネグロ

var ctx = document.getElementById('myChart').getContext('2d'); var myChart = new Chart(ctx, { type: 'bar', data: { labels: ['マレーシア', 'デンマーク', 'モンテネグロ', 'オマーン', 'エストニア', 'アイルランド', 'スイス', 'アルバニア', 'マルタ', 'カザフスタン'], datasets:[{ label: '2021年 牛乳供給量 (kg) ', data: [1197, 402.13, 396.34, 353.38, 333.33, 316.31, 310.52, 305.94, 285.98, 275.21], borderColor: "rgba(221,221,221,1)", backgroundColor: "rgba(221,221,221,1.8)", } ] } });

世界の牛乳供給量ランキング
Milk - Excluding Butter
Food supply quantity (kg/capita/yr)
↕ボタンで並び替えができます

各国の牛乳
情報

牛乳と身長の関係
牛乳の年間消費が多い国は身長も高い傾向がありますが、「アルバニア」「カザフスタン」「ウズベキスタン」などの平均身長は日本と同じぐらいの身長になります。

牛乳の栄養
牛乳はタンパク質・乳脂肪・乳糖で構成され、カルシウム・カリウム・ヨウ素・マグネシウム・鉄などのミネラル、15種類のビタミンが含まれており、非常に栄養価が高い飲み物です。

日本は「学生」の消費量が多い
世界中で「子供」の栄養のために牛乳が提供される事が多く、日本は「学生」を中心に学校などで提供されています。そのため、「夏休み」「冬休み」「春休み」に大きく消費量が減少する傾向があります。

「世界の牛肉供給量」の記事です。よろしかったらご覧ください。

関連記事

世界の牛肉供給量ランキング

高騰する牛肉の価格。飼料の価格も上昇し、国産牛の価格も上昇している。世界各国でどのくらい牛肉が生産されるか?

続きを見る


デンマーク
牛乳 情報

デンマークの牛乳
デンマーク語で牛乳は「mælk(メルク)」です。

デンマーク産のチーズ
デンマークで生産された牛乳の半分の量が「チーズ」として加工され、生産されたチーズの大多数が外国へ輸出されています。デンマークで生産される乳製品は150ヶ国以上へ輸出されており、世界中で購入する事が可能です。

デンマークの酪農その1
デンマークの酪農は「輸出」に重点が置かれており、国内で生産される乳製品の2/3を海外へ輸出しています。安全管理が徹底的におこなわれ、海外で受け入れやすい体勢が整っており、デンマークの酪農の強みとなっています。

デンマークの酪農その2
デンマークでは日本の「農協」のような協同組合が存在しますが、「マーケティング」に力が注がれており、生産から販売までの包括的なケアがおこなわれています。

北海道の酪農はデンマークの酪農をモデルとしているところがありますが「マーケティング」が非常に弱く、多くの改善点があると思われます。

モンテネグロ
牛乳 情報

モンテネグロの牛乳
モンテネングロ語で牛乳は「Mlijeko(メリェコ)」です。

中東」や「テュルキエ」の
影響を受けるモンテネグロ
モンテネグロの食文化はヨーロッパ諸国と異なり、「中東」「テュルキエ(旧トルコ)」からの影響を受けています。「オスマン帝国」の支配を受けており、国内には「ヨーロッパの文化」「中東文化」が混じった独特の文化が存在します。

イスラム教徒も多い
モンテネグロは国民の大多数が正教徒(正教会)ですが、東部や南部は「イスラム教徒」も多く存在します。「牛乳」「バター」「ヨーグルト」などは「ハラール食品(イスラム教徒が食べる事ができる食べ物)」です。

テュルキエ(旧トルコ)の
バタークリーム「カイマク」
モンテネングロは「カイマク」という「牛乳を煮込んで作ったクリーム状の乳製品」を良く消費します。非常に濃厚なクリームで、乳脂肪分が約60%と非常に高く、独特な風味と濃厚な舌触りがあります。

カイマクは「テュルキエ」発祥の食べ物で、「中東」から「インド」で人気のある乳製品です。牛以外に水牛・羊・ヤギのミルクを利用して作られる事があります。

アルバニア
牛乳 情報

アルバニアの牛乳
アルバニア語で牛乳は「qumësht(キューメシュット)」です。

アルバニアの酪農
アルバニアは国民の24万人以上(人口の1/10程度)が農業従事者であり、そのうちの70%が「酪農家」です。家族経営で酪農おこなう人が多く、酪農の傍ら農業をおこなう「混合農業」もアルバニアでは一般的です。

酪農の規模は小さい
アルバニアの酪農家は平均で1.7頭の牛を飼っており、1頭あたり年間平均3トンの牛乳を生産しています。

安全管理に問題あり
アルバニアは家族経営の酪農家が多く、消費しきれない牛乳の処理に問題を抱えています。牛乳は「保存」「殺菌」などが難しく、安全性が問題視されており、専門家による酪農技術支援・訓練などがおこなわれています。

スイス
牛乳 情報

スイスの牛乳
スイスで利用されるドイツ語で牛乳は「Milch(ミィルヒ)」です。

スイスの酪農
スイスは非常に広大な牧草地を有していますが酪農家の数は少なく、国内に約2万人の酪農家が存在します。約56万頭の牛を飼育しており、2020年に約739万トンの牛乳を生産しています。近年、乳牛の数は減少傾向にありますが、1頭あたりの乳量は増加しています。スイスでは乳牛1頭あたり年間約7,000リットルの牛乳を生産しています。

スイスのチーズ
スイスは非常に「チーズ」が有名です。スイスは年間約22kgのチーズを消費しており、国内で多くのチーズを生産・輸出しています。

カザフスタン
牛乳 情報

カザフスタンの牛乳
カザフスタンで利用されているカザフ語で牛乳は「сүт(スゥト)」です。

カザフスタンの牛乳問題
2022年にカザフスタンは全ての「乳製品」に対し、「生産情報を開示する事が可能なラベルの貼り付け」を義務付けを決定しています。カザフスタンでは国内で違法に取引されている乳製品が11%程度存在しており、これらの乳製品は税金が適切に支払われていません。「生産情報ラベル」の導入は「ロシア」「ベラルーシ」で既に行われています。

乳製品の消費が多い
カザフスタンは「アジア人」が多い国ですが、乳製品を非常に多く消費する国です。国内のスーパーマーケットにはヨーロッパ同等の乳製品が並び、非常に多くの乳製品が消費されています。

エストニア
牛乳 情報

エストニアの牛乳
エストニア語で牛乳は「piim(ピィム)」です。

エストニアの牛乳問題
エストニアは8万頭以上の牛が飼育されており、生産した牛乳の1/4を海外へ輸出しています。国内で販売される牛乳は非常に安い価格で取引されており、「国内のみで商売をする酪農家」に大きな打撃を与えています。

牛乳生産は儲からない
乳牛の飼育や管理には大きな手間がかかります。牛乳は通常安価で取引されており、ヨーロッパの乳牛を専門に扱う酪農家は「生産価格を下回る販売価格」で取引している場合も多く、政府などの支援を受ける酪農家が多く存在します。

どうすれば良いの?
牛乳の単価を上昇させる必要がありますが、安い牛乳を海外から輸入するなど様々な問題が発生します。

「植物性ミルク」への切り替えも
牛乳の消費量・生産量は減少してきており、「植物性ミルク」の消費量などが増加しています。消費者も「環境問題」などに積極的に目を向ける人が増加しており、今後植物性ミルクの消費量は増加すると思われます。

オランダ
牛乳 情報

オランダの牛乳
オランダ語で牛乳は「melk(メルク)」です。

オランダで消費される乳製品
オランダは牛乳・チーズの消費量が多く、購入する食料品の1/6が「乳製品」になります。「イギリス」「アメリカ人」「ドイツ」よりも25%以上の乳製品が消費されており、非常に多くの乳製品が国内で消費されています。

ヴィーガンの増加
オランダでは非常に多くの牛乳が消費されていますが、乳製品を食べない「ヴィーガン」も増加しています。

ヨーロッパのスーパーマーケットには「ヴィーガン専用の食品・乳製品のコーナー」が設置されており、ベジタリアン・健康食品を好む人が購入しています。「植物性ミルク」「豆乳」などの消費も増加しており、今後更に消費が拡大すると思われます。

フィンランド
牛乳 情報

フィンランドの牛乳
フィンランド語で牛乳は「maito(マイト)」です。

スーパーに並ぶ多くの乳製品
フィンランドのスーパーマーケットには乳製品のコーナーに日本の2倍~3倍近くの牛乳・乳製品が陳列しています。フィンランドには「牛乳」を利用した料理が多く存在しており、飲料としても多く消費されます。

フィンランドの牛乳の歴史
フィンランドでは4500年前の石器時代から家畜を飼育していた形跡があり、2500年前から乳製品を消費していた可能性があるとされています。

減少する牛乳消費量
フィンランドでは「大豆」「オーツ麦」「アーモンド」「米」などから生産された「植物性ミルク」の消費が増加しています。牛乳の消費量は年々減少しており、今後も減少する可能性があります。

増加するチーズの消費量
フィンランドでは「チーズ」の消費量が増加しています。ダイエットなどの目的で「炭水化物を控える人」が増加しており、「タンパク質」が多く含まれるチーズが注目されています。

ウズベキスタン
牛乳 情報

ウズベキスタンの牛乳
ウズベキスタンで利用されているウズベク語で牛乳は「sut(スゥト)」です。

ウズベキスタンの乳牛の数
2019年にウズベキスタンでは国内で約300万頭の牛を飼育しています。

厳しい気候での飼育
ウズベキスタンは夏の気温が40度を超え、冬の気温はマイナス20度を下回ります。温度を管理するセンサーなどを取り付け、体調管理などがおこなわれている牛舎が増加しています。

アイルランド
牛乳 情報

アイルランドの牛乳
アイルランドでは「英語」が利用されています。

酪農大国アイルランド
アイルランドは国の2/3が農地として利用されており、広大な牧草地を利用した酪農がおこなわれています。日本では基本的に「輸入飼料」を利用して家畜の飼育がおこなわれており、アイルランドでは輸入飼料にかかるコストが低くなっています。

徹底的な効率化
アイルランドの酪農は大規模酪農家などを中心に「人件費を抑えるために機械化」「機械化による作業効率UP」などが徹底的におこなわれています。アイルランドの平均月収は他国と比べても非常に高い傾向があり、徹底的なコストカットを行う企業が国内に多く存在します。

まとめ

求められる「持続可能」
「持続可能な社会」が世界中で求められており、生産に非常に多くの「二酸化炭素」が排出される「牛乳」などの乳製品にも「持続可能」が求められています。

「牛乳」から「植物性のミルク」の消費に切り替える人も増加しており、先進国では牛乳の消費量の減少がはじまっています。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Food Balance Sheets - Milk - Excluding Butter, Food supply quantity (kg/capita/yr)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2021年06月05日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


NCD Risk Factor Collaboration (NCD-RisC). "Height and body-mass index trajectories of school-aged children and adolescents from 1985 to 2019 in 200 countries and territories: a pooled analysis of 2181 population-based studies with 65 million participants" (English) 2020年11月07日. ©2024 NCD Risk Factor Collaboration. 2021年06月05日閲覧

サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください