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コーディアルの原料に!世界のカシス 【スグリ】生産量ランキング

加工品の利用が多いカシス

カシスは「スグリ」一種で、苦味や酸味が更に強い「黒フサスグリ」になります。ヨーロッパではジャムや果実酒などに良く加工されます。

スグリはどの国がどのくらい生産しているのでしょうか?

世界のスグリ
生産量 ランキング

世界のスグリの生産量
世界一位 ロシア
世界二位 ポーランド
世界三位 ウクライナ

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世界のスグリ生産量ランキング
Currants
Production

出典: ©United Nations Food and Agriculture Organization
データを元にFumib.netがリストを作成

各国のスグリ
情報

出典: ©United Nations Food and Agriculture Organization
2021年のデータを元にFumib.netがグラフを作成

スグリのエネルギー
スグリのエネルギーは100gあたり約50カロリーです。

薬として利用
国によってスグリを「薬」として利用する国も多く、「ハーブ酒」の原料の一つとして利用される事が多くなります。

ケーキや料理のデコレーションとして
スグリは美しい色や形をしており、ケーキなどのデコレーションとして利用される事が多くなります。また、酸味が強く、味付けの「アクセント」として利用されています。

グラノーラなどに加えられる
限定的に朝食などに「グラノーラ」「シリアル」を食べる人が多く、スグリを加える人が存在します。スグリは「ビタミンC」「クエン酸」抗酸化作用がある「アントシアニン」が含まれており、老化防止の効果があると言われています。

スグリの人気は他のベリーと比べると低い
スグリは基本的に他のベリーと比べると甘味が少なく、人気も低くなります。生産量も限定的であり、伝統的にヨーロッパなどで多く生産されています。

ロシア
スグリ 情報

ロシアのスグリ
スグリはロシア語で「Смородина(スマローディナ)」です。

トッピングとして利用
ロシアはケーキのトッピングやジャムなど多くにスグリが利用されます。スグリは非常に酸味が強いため、加工用として扱われる事がほどんどですが、一般な果物としても多く消費されています。

ロシアのスグリ生産地
ロシアの農業は主に北コーカサス地方でおこなわれており、スグリの生産も北コーカサス地方が多くなります。その他に中部の「アルタイ」「シベリア」「極東」などの非常に寒さの厳しい地域でも多くのスグリが生産されています。

スグリは「ダーチャ:別荘」などで「家庭菜園」として栽培される事も多くなります。

ロシア人は辛い食べ物が苦手
ロシア人は辛い物を食べる習慣がなく、辛みの強い食物を避ける傾向(人による)があります。酸味の強い食物は良く消費され、「サワークリームや漬物、スープなど酸っぱい食べ物が多く存在します。

ジャム造りの文化
ロシアは保存食を作る習慣があり、冬になる前に大量のジャムを作ります。スーパーの目立つ場所にジャム用の瓶が山積みされており、冬のシーズンになる前から販売されます。現在では冬でも多くの食べ物が手に入りますが、古くからの風習が現在も続いています。

ポーランド
スグリ 情報

ポーランドのスグリ生産量
スグリはポーランド語で「Porzeczka(ポジェチュカ)です。

ポーランドのスグリ生産
ポーランドは多くのスグリが生産されており、ヨーロッパのスグリ生産の中心地です。

ポーランドのスグリ生産地
主に東部の「ルブリン県」、中西部の「マゾフシェ県」、中部の「ウッチ県」「シフィェンティクシシュ県」などで多くのスグリ生産がおこなわれています。

スグリの輸出先
ポーランドで生産されたスグリは多くのヨーロッパ諸国へ輸出されています。主な輸出先は「ベラルーシ」「イギリス」「ドイツ」「オランダ」「ベルギー」になっています。

ウクライナ
スグリ 情報

ウクライナのスグリ
スグリはウクライナ語で「Смородина(スモローディナ)です。

需要が高い
ウクライナは多くのスグリを生産していますが、国内需要が大きく、国内で生産されるスグリの量では需要を満たしていません。需要を満たすためにウクライナ中部の「チェルカースィ州」でスグリの増産がおこなわれています。チェルカースィ州はスグリの栽培に適した気候を有しており、更に病気に強い品種開発などがおこなわれています。

ウクライナのスグリ生産地
主に中西部の「テルノーピリ州」が最大のスグリ生産地で、非常に多くのスグリが生産されています。

ドイツ
スグリ 情報

ドイツのスグリ
スグリはドイツ語で「Johannisbeere(ヨハニスビーレン)です。

ドイツ語のスグリの語源
ドイツ語のスグリの語源「Johannisbeere(ヨハニスビーレン)」は、スグリがドイツで最初に熟したとされる6月24日の洗礼者「ヨハネ」が語源になっています。

ソースとして利用
ドイツではスグリを肉料理のソースなどにも利用しています。黒スグリはカシスとしてリキュールなどに利用される事が多く、ドイツ国内でスグリを利用した様々な酒が販売されています。

ドイツのスグリ生産地
主に南部の「バーデン=ヴュルテンベルク州」「バイエルン自由州」、西部の「ノルトライン=ヴェストファーレン州」などで多くのスグリが生産されています。

イギリス
スグリ 情報

イギリスのスグリ
スグリは英で「Currant(カーラント)です。

健康食品として利用
イギリスでは健康食やオーガニック食品に関心を持つ人が増加しており、スグリはスムージーやコーディアル(養命酒のようなもの)に利用される事が多くなります。スグリをコーディアルとして利用する国は非常に多く、北欧などでも多くのスグリがコーディアルとして利用されています。

スグリの栽培はイギリスの気候に適している
イギリスは17世紀からスグリ栽培が開始され、18世紀にはイギリス王室が管理する王立園芸協会(RHS)で管理されています。当時は貴族が楽しむ高級な果実として扱われていましたが、19世紀になり子供たちの「ビタミン補給」のために提供され、現在では一般的な果物として扱われています。

イギリスのスグリ生産地
イギリスでは全土でスグリ生産がおこなわれています。

フランス
スグリ 情報

フランスのスグリ
スグリはフランス語で「Groseilles(グローゼリス)です。

フランスでスグリの需要アップ
フランスではスグリやベリーなどの需要が増加しています。自国で生産される以外に隣国の「ポルトガル」「スペイン」などから輸入、アフリカ」「北米」からなども輸入されています。

フランスのスグリの生産地
主に西部の「ローヌ=アルプ地域圏」「フランス中央部」フランス北部」などで多くのスグリが生産されています。

オランダ
スグリ 情報

オランダのスグリ
スグリはオランダ語で「krenten(クランテン)です。

オランダのスグリ生産地
主に南西部の「ゼーラント州」で生産されており、国内で消費されるスグリの多くがゼーラント州で生産されています。

オランダのスグリ生産
オランダは多くの農家が「家庭菜園」の一つとしてスグリ生産をおこなっています。オランダでも古くからスグリを「薬」「ハーブ」の一種として扱っており、現在もコーディアルなど様々な飲み物に利用しています。

乾燥スグリ
オランダはスグリ乾燥させたドライフルーツなどが人気があります。

リトアニア
スグリ 情報

リトアニアのスグリ
スグリはリトアニア語で「serbentų(セルベントゥ)です。

コーディアルとして
リトアニアではコーディアルの生産が多く、滋養強壮や薬として利用されます。

ニュージーランド
スグリ 情報

ニュージーランドのスグリ生産地
主に南島南東部の「北オタゴ地方」、北東部の「ネルソン地方」でニュージーランドで大多数のスグリが生産されています。

生産されたスグリはマレーシアへ
ニュージーランドで生産されたスグリはマレーシアへ多く輸出されています。

オーストリア
スグリ 情報

オーストリアのスグリ
オーストリアで利用されるドイツ語でスグリはJohannisbeere(ヨハニスビーレン)です。

オーストリアのスグリ生産
主に東部の「シュタイアーマルク州」でスグリ生産がおこなわれており、非常に質の良いスグリが生産されています。

スグリの加工品
オーストリアはスグリを利用した「リキュール」などが多く生産されています。

ハンガリー
スグリ 情報

ハンガリーのスグリ
スグリはハンガリー語で「Ribizli(リビズリ)です。

ワインの原料として利用
ハンガリーはスグリを利用した「ワイン」が多く生産されています。スグリを利用したお酒は各国で生産されており、主にリキュールやハーブ酒が生産されていますが、ワインも多く生産されています。ハンガリーは年間約5000本程度のスグリワインが生産されています。

日本
スグリ 情報

日本でも少量のスグリが生産されている
日本では主に青森県・北海道・山形県などでスグリが生産されています。生産されたスグリは加工品として利用される事がほとんどで、ジャムやゼリーなどに利用されています。

まとめ

生産量の増加
スグリの生産は限定的ですが、健康食品の一つとして注目されています。スペインなどでは生産量が増加しており、ヨーロッパでは今後生産量が増加する可能性があります。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Currants, Production (t)" (English) 1961-2021年. ©FAO 2024. 2021年09月09日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。


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