ヤムイモを主食にする国も多い
ヤムイモはヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物です。「ナガイモ」「ヤマノイモ」などがヤムイモに分類され、「サトイモ」とは種類が違います。主食にする国も多く、多くの国で生産しています。
世界でどの国がどのくらいヤムイモを生産しているのでしょうか?
世界のヤムイモ
生産量ランキング
世界のヤムイモの生産量
世界一位 ナイジェリア
世界二位 ガーナ
世界三位 コートジボワール
世界のヤムイモ生産量ランキング
Yams
Production (tonnes/year)
各国
ヤムイモ 情報
ヤムイモの重さ・エネルギー
ヤムイモは100gあたり約120カロリーです。日本のヤムイモは主に沖縄県などで栽培されています。
ヤムイモとは?
ヤムイモはヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物です。「ナガイモ」「ヤマノイモ」などがヤムイモに分類され、サトイモは「タロイモ」に属し、ヤムイモではありません。
アフリカでは主食としれ利用される
アフリカではヤムイモが主食として利用されます。粉状にすり潰したヤムイモに水を加え、餅状にした「Fufu(フフ):国により呼び方が異なる」などの消費が多くなっています。
アメリカでは
「サツマイモ」も「ヤム」と呼ばれる
アメリカでは「サツマイモ」「ヤムイモ」どちらも人気が高く、販売店では同時に販売されている事が多々あり、「どれがどれだか良く分かっていない」事が多々あります。
アメリカでは販売されている「スイートポテト:サツマイモ」は色が白っぽい物もあり、店により名前を間違えて販売されている事も多々あります。
芋の重要性
芋は土の中で成長する植物であり、育てやすい植物です。ジャガイモは飢饉の発生と共に世界に浸透した植物であり、食糧難を乗り越えるために重要な作物の一つです。
ナイジェリア
ヤムイモ 情報
ナイジェリアの主食
ヤムイモはアフリカ大陸で非常に多く消費される根菜であり、ナイジェリアの重要な主食の一つです。ナイジェリアは人口が爆発的に増加しており、ヤムイモの需要は高く、国内供給量が足りていません。増産をおこなっており、今後もヤムイモの生産量は増加すると思われます。
ナイジェリアのヤムイモ生産地
主に南東部の「ベヌエ州」で非常に多くのヤムイモを生産しており、国内で生産されるヤムイモの70%以上がベヌエ州で生産されています。
ヤムイモの価値は高い
ナイジェリアの一部の地域では保有しているヤムイモの大きさ・量で社会的地位を表します。アルジェリアの地方のコミュニティでは、婚姻の際に妻と将来の家族に甲斐性を示すために少なくともヤムイモを200本提供しなければなりません。
ナイジェリアは石油産出国
ナイジェリアは「原油」の産出国であり、主に原油の輸出に力を入れており、国内歳入の80%が石油によるものです。そのため、ヤムイモの輸出はあまり目を向けておらず、輸出量は限定的になります。
2016年の原油価格の下落により、他の輸出品に対し海外輸出量を増加させていますが、現在も原油に依存しています。
ガーナ
ヤムイモ 情報
ガーナのヤムイモ
ガーナは隣国のナイジェリアと比べ生産量が少なくなりますが、ガーナの人口はナイジェリアの1/6程度であり、ヤムイモの生産量も1/6程度になります。(2021年)
ガーナは「西アフリカ」でヤムイモを海外へ輸出している主要国です。
輸出インフラに大きな問題有り
ガーナは国内の交通インフラが整っておらず、輸送に非常に長い期間を要します。国内で生産されたヤムイモはアメリカに届くまで海路で40日以上要するため、30%のヤムイモは腐敗してしまいます。
ガーナのヤムイモ生産量
主に南東部の「ボノ州」、中南部の「ボノ・イースト州」、北東部の「ノース・イースト州」、中南部の「アシャンティ州」「ヴォルタ州」、南西部の「ウェスタン州「」などでヤムイモが多く生産されています。
コートジボワール
ヤムイモ 情報
コートジボワールのヤムイモ
コートジボワールで利用されるフランス語でヤムイモは「Patate douce(パタテ・ドゥース)」です。
コートジボワールの気候
コートジボワールは南北で気候が異なります。北は「サバンナ地帯」で暖かく適度な湿度があり、南は「熱帯雨林地帯」で非常に湿度が高くななります。
人口の約半数が農業従事者であり、GDPの約25%が農業によるものです。
多くの穀物を生産している
国内で多くの主食となる作物を生産しており、ヤムイモの他に「米」「キャッサバ」「トウモロコシ」なども多く栽培されています。ヤムイモは国内で一番多く生産される作物であり、消費量も多くなります。
コートジボワールのヤムイモ生産地
主に北東部でヤムイモが生産されており、北部の「チョロゴ州」、中北東部の「ハンボル州」、北部の「ポロ州」、北東部の「ブンカニ州」、東部の「ゴントゴ州」などで多く生産しています。
ベナン
ヤムイモ 情報
ベナンのヤムイモ
ベナンで利用されるフランス語でヤムイモは「Patate douce(パタテ・ドゥース)」です。
ヤムイモ祭り
ベナンでは毎年8月15日に「イニャム:ヤムイモ祭り」が行われます。何千人ものベナン人と観光客が祭りがおこなわれる「サバルー市」を訪れ、「Mahi(マヒ族)」「Nagot(ナゴット族:ヨルバ人)」「Bariba(バリバ族)」「Dendi(デンディ族)」などの周辺民族によって執り行われます。
ベナンの主食
ヤムイモはベナンの主食であり、ベナンの文化に密接に関わる重要な生産物の一つでありアフリカの多くの地域で消費される「フフ」が主食の一つとして日常的に消費します。
ベナンのヤムイモ生産地
主に中部の「コリネス県」などで多くのヤムイモ生産がおこなわれています。コリネス県には祭りに参加するマヒ族・ナゴット族などが多く暮らしています。
近年、農村部から都市部へ人口が流失しており、ヤムイモ農家の人手不足が問題視されています。
トーゴ
ヤムイモ 情報
トーゴのヤムイモ
トーゴで利用されるフランス語でヤムイモは「Patate douce(パタテ・ドゥース)」です。
トーゴはどこ?
トーゴはアフリカ大陸の西側に存在する国であり、「ガーナ」「ベナン」にはさまれた国です。アフリカのヤムイモ生産量は非常に多く、水資源が限られている地域などで多く栽培されています。
トーゴには湿潤地帯を有している
アフリカ西部は「湿潤地帯:水分が過剰な気候」を有しており、トーゴでは「キャッサバ」「ヤムイモ」「タロイモ」などの根菜作物以外に「バナナ」など水分を多く必要とする植物も生産されています。
アフリカには砂漠地帯も多い
アフリカの降水量が少ない地域では「ミレット(トウジンビエ)」「豆」などが生産されています。近年、水の使用が少なくて済む植物に注目が集まっており、根菜なども水が少なくて済む植物が多くなります。
トーゴのヤムイモ生産地
主に中南部の「高原州(こうげんしゅう)」、中北部の「カラ州」で多くのヤムイモが生産されています。
カメルーン
ヤムイモ 情報
カメルーンのヤムイモ
カメルーンで利用されるフランス語でヤムイモは「Patate douce(パタテ・ドゥース)」です。
カメルーンのヤムイモ生産地
カメルーンでは主に南西部の「南西州」で多くのヤムイモが生産されています。
増加する人口
カメルーンは人口増加が続いています。増加する人口に食料生産が追い付かず、多くの穀物が海外から輸入されています。国内の食料需要を満たすために食料生産が推進されており、カメルーンでは農業従事者に対し「農業指導」がおこなわれています。
中央アフリカ
ヤムイモ 情報
中央アフリカのヤムイモ
中央アフリカで利用されるフランス語でヤムイモは「Patate douce(パタテ・ドゥース)」です。
非常に貧困層が多い国
アフリカの多くの国々に「貧困」が存在しますが、とくに中央アフリカの貧困層は多く、主に農業従事者になります。ヤムイモの他に「ミレット」「キャッサバ」などが多く生産されており、主食として消費しています。
世界情勢の悪化
国内の状況はさらに悪化
2022年に世界情勢の悪化により、燃料費などが高騰化しています。食料の価格などが上昇しており、キャッサバ。ヤムイモなどの国内で生産される重要な食料の価格も上昇しています。
チャド
ヤムイモ 情報
チャドのヤムイモ
チャドで利用されるフランス語でヤムイモは「Patate douce(パタテ・ドゥース)」です。
多くの人が農業に従事している
チャドの国民の80%以上が農業従事者であり、ヤムイモの他に「ソルガム」「ピーナッツ」「ミレット」などの水の使用が少なくてすむ植物の栽培が多くおこなわれています。
増加するヤムイモの生産量
チャドは「ヤムイモ」「キャッサバ」の生産量が増加しています。これらの作物は「干ばつ」の影響を受けにくい作物であり、干ばつなどが発生した場合でもある程度安定した生産量を得る事が可能です。
コロンビア
ヤムイモ 情報
コロンビアのヤムイモ
コロンビアで利用されるスペイン語でヤムイモは「batata(バタータ)」です。
コロンビアのヤムイモ生産地
主に北部の「スクレ県」「ボリーバル県」などで多くのヤムイモが生産されています。ヤムイモは主に貧困地域で多く栽培されており、海外輸出もおこなわれています。
大きく過ぎるヤムイモは輸出に向かない
ヤムイモは土の中で養分を蓄え成長する植物であり、大型に成長する物も多くなります。巨大なヤムイモは輸出に適していないため、植え付けの際に密度を変化させ、ある程度ヤムイモの大きさをコントロールする事が可能になります。
パプアニューギニア
ヤムイモ 情報
パプアニューギニアのヤムイモ
パプアニューギニアでは「英語」「トクピシン語」「ヒリモツ語」を利用しています。
古来から消費されていたヤムイモ
ヤムイモは49000年前から36000年前の人々が狩猟集団社会を形成する中で採取されていた食料の一つとして考えられており、現在も一般的に消費される植物の一つです。
現在は食料が多様化され、様々な食物がパプアニューギニアで消費されますが、「干ばつ」などが発生した際には主要な食物として消費される事が多く、国内で多く栽培されています。
南アフリカ共和国
ヤムイモ 情報
南アフリカのヤムイモ
ヤムイモは南アフリカの多くの地域で生産されていますが、生産量がとくに多い地域は北東部の「リンポポ州」「ムプマランガ州」「北西州」など西部で生産が多くなっています。
南アフリカにはヨーロッパ人の入植者も多い
南アフリカにはヨーロッパの入植者も多く、様々な農業がおこなわれています。
まとめ
アフリカの生産量が多い
ヤムイモは多くのアフリカの国々で栽培されています。水資源の少ない場所や「干ばつ」が発生しやすい地域での栽培が多く、現在も主要な食物の一つです。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Yams, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2023年08月24日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。