Image:https://pixabay.com

Life

なぜ水がなくなるのか?世界の水不足と消費量ランキング

水の利用は人間だけでは無い

世界中で水資源の減少が懸念されていますが、その原因は何なのだろうか?また、私たちの生活とどのように関わっているだろうか?この記事では、水資源の減少理由と課題、そして世界の水の消費状況について考えます。

地下水の利用
世界は雨が少ない地域も多く、「地下水」が多く利用します。地下水は農業で大量に利用され、利用により地下水位が低下し、将来的に枯渇する可能性が極めて高いと予想されています。

農業で利用される水
農業は世界の水消費量の約70%を占めていると言われています。例えば、米や小麦などの穀物を育てるために大量の水が必要です。さらに、灌漑システムの非効率な運用が水資源の無駄遣いを引き起こしていることも課題の一つです。

肉食」は水を大量消費する
人間は生きるために他の生物を食べ、その生命を繋いでいます。体を構成する成分の約60~70%が「水」であり、動物や植物は水を必要とします。動植物を食べる人間は間接的に動植物が消費した水を消費した事になり、大量の水を消費しています。

間接的に水が使用されるため目に見えませんが、1kgの「牛肉」を生産するのに必要な水の量は「約15,000~20,000キロ」です。このような水を「バーチャルウォーター」と呼びます。

輸入品は生産国で水が使用される
海外からの輸入品も目に見えませんが、生産に多くの水が利用されます。生産国は雨が少ない地域も含まれ、生産国だけではなく、消費国もこれらの問題について考える必要があります。

世界の水
取水量ランキング

世界の水の取水量
世界一位 インド
世界二位 中国
世界三位
米国

水の取水量
Freshwater withdrawal (Millionm3/year)
→スクロールします
↕ボタンで入れ替えができます

国名水の取水量
2021年
百万㎥
全体
取水
2021年
国内
取水
2021年
工業
取水
2021年
農業
取水
2021年
世界3,948,717.92 9.23 13.14 15.12 71.58
インド647,500.00 44.78 7.36 2.23 90.41
中国568,480.00 20.21 20.13 17.73 62.14
アメリカ合衆国444,396.11 15.77 13.14 47.20 39.66
パキスタン264,190.00 480.35 5.26 0.76 93.98
インドネシア222,635.00 11.03 10.69 4.10 85.21
イラン92,950.00 72.33 6.65 1.18 92.18
メキシコ89,944.00 21.99 14.77 9.55 75.68
フィリピン89,000.36 18.58 10.32 13.44 76.23
ベトナム81,862.00 22.78 1.47 3.75 94.78
日本78,400.00 18.23 18.90 13.15 67.94
エジプト77,500.00 7,750.00 13.87 6.97 79.16
ブラジル67,310.00 1.19 24.16 14.53 61.31
ロシア64,820.00 1.50 26.46 44.79 28.76
トルコ58,400.00 25.73 11.83 2.00 77.05
タイ57,307.00 25.53 4.78 4.85 90.37
ウズベキスタン42,484.00 260.00 4.95 4.14 90.91
イラク42,423.70 120.52 15.88 10.65 73.47
ペルー38,550.00 2.35 5.81 9.11 85.08
アルゼンチン37,690.00 12.91 15.48 10.59 73.93
カナダ36,253.00 1.27 14.42 74.15 11.43
バングラデシュ35,870.00 34.16 10.04 2.15 87.82
チリ35,368.00 4.00 3.99 5.13 90.89
イタリア33,645.00 18.44 27.12 22.72 50.16
ミャンマー33,231.00 3.31 9.95 1.49 88.56
コロンビア29,331.73 1.37 12.17 1.09 86.74
韓国29,197.00 45.02 24.64 16.43 58.93
スペイン29,020.00 26.10 15.71 18.95 65.33
スーダン26,935.00 673.38 3.53 0.28 96.19
トルクメニスタン26,245.00 1,867.97 2.61 4.64 92.75
ドイツ25,792.57 24.11 41.53 54.30 4.17
フランス24,671.55 12.34 21.72 64.34 13.94
カザフスタン24,585.00 38.21 18.82 18.49 62.69
サウジアラビア23,380.00 974.17 13.05 5.39 81.56
ベネズエラ22,621.10 2.81 22.64 3.51 73.85
南アフリカ20,890.00 46.63 17.44 21.24 61.32
アフガニスタン20,282.00 43.02 1.00 0.83 98.17
シリア13,964.40 195.80 8.80 3.67 87.53
マダガスカル13,457.50 3.99 2.91 1.19 95.89
アゼルバイジャン12,967.86 159.80 3.15 4.61 92.24
スリランカランカ12,946.00 24.52 6.22 6.42 87.36
ナイジェリア12,472.00 5.64 40.08 15.75 44.17
オーストラリア11,440.00 2.33 14.03 18.14 67.84
タジキスタン10,602.00 16.71 9.21 16.26 74.53
モロッコ10,573.00 36.46 10.19 2.03 87.78
エチオピア10,548.10 8.65 7.68 0.48 91.84
ギリシャ10,224.00 17.63 16.72 2.90 80.37
エクアドル9,915.80 2.24 13.04 5.54 81.43
ニュージーランド9,875.00 3.02 10.20 24.21 65.59
アルジェリア9,802.00 87.15 34.41 1.83 63.76
ネパール9,497.10 4.79 1.55 0.31 98.14
ウクライナ9,459.00 17.17 28.07 40.94 31.00
ポーランド9,267.00 17.29 21.31 64.54 14.15
北朝鮮8,657.80 12.92 10.43 13.23 76.35
イギリス8,419.00 5.81 73.95 12.00 14.05
オランダ7,946.20 72.24 25.48 73.48 1.04
ルーマニア7,864.00 18.56 16.15 52.31 31.54
キルギス7,707.00 15.75 2.92 4.39 92.69
ラオス7,350.00 3.86 1.77 2.31 95.92
ドミニカ共和国7,137.00 30.37 9.42 7.27 83.31
キューバ6,958.00 18.25 24.43 10.63 64.94
マレーシア6,707.00 1.16 24.45 29.90 45.65
ポルトガル6,129.53 16.13 14.41 29.83 55.76
リビア5,720.00 817.14 12.01 4.80 83.19
マリ5,186.00 8.64 2.06 0.08 97.86
タンザニア5,184.00 6.17 10.17 0.48 89.35
ブルガリア5,076.00 24.17 16.86 70.03 13.10
セルビア5,051.00 60.08 13.60 73.87 12.53
ジンバブエ4,909.68 40.05 11.14 1.66 87.20
ハンガリー4,672.60 77.88 14.11 74.13 11.76
ベルギー4,223.00 35.19 16.71 82.13 1.16
ケニア4,032.00 19.48 12.28 7.51 80.21
チュニジア3,864.00 92.11 22.73 1.73 75.54
ウルグアイ3,660.00 3.97 11.20 2.19 86.61
イエメン3,565.00 169.76 7.43 1.82 90.74
コスタリカ3,446.83 3.05 32.16 7.12 60.72
グアテマラ3,324.10 3.04 25.12 18.14 56.74
ソマリア3,298.00 54.97 0.45 0.06 99.48
オーストリア3,140.00 5.71 25.67 70.38 3.95
セネガル3,061.60 11.87 8.64 0.05 91.31
フィンランド3,000.00 2.80 14.29 57.14 28.57
アルメニア2,967.00 43.26 20.26 3.71 76.04
ノルウェー2,642.49 0.69 27.54 40.51 31.96
ニジェール2,583.31 73.81 7.48 1.50 91.02
スウェーデン2,483.00 1.45 33.80 61.27 4.93
パラグアイ2,413.00 2.06 15.00 6.38 78.62
アラブ首長国連邦2,300.00 1,533.33 53.58 0.75 45.67
ボリビア2,204.91 0.73 11.47 1.45 87.08
カンボジア2,184.00 1.81 4.49 1.51 94.00
エルサルバドル2,118.00 13.55 34.72 19.01 46.27
レバノン1,812.00 37.75 13.04 48.91 38.04
スイス1,704.00 4.22 53.24 37.44 9.33
オマーン1,634.00 116.71 6.79 12.43 80.78
ジョージア1,608.98 2.77 33.20 20.19 46.61
ホンジュラス1,607.00 1.77 19.60 7.09 73.30
アイルランド1,581.00 3.23 64.01 33.40 2.53
ザンビア1,572.00 1.96 18.45 8.27 73.28
北マケドニア1,568.89 29.05 13.74 1.55 31.53
イスラエル1,530.00 204.00 38.17 4.00 48.40
モザンビーク1,473.00 1.47 25.25 1.70 73.05
ハイチ1,450.00 11.15 13.10 3.52 83.38
ガーナ1,448.60 4.78 20.46 6.49 73.06
ガイアナ1,444.70 0.60 4.24 1.41 94.34
ベラルーシ1,425.00 4.19 42.04 30.18 27.79
マラウイ1,356.80 8.41 10.55 3.52 85.94
チェコ1,349.00 10.26 46.48 50.78 2.74
モーリタニア1,348.20 337.05 7.07 2.36 90.58
ジャマイカ1,340.19 12.38 73.43 9.50 17.06
ニカラグア1,273.02 0.81 14.91 0.05 85.04
パナマ1,211.40 0.89 62.66 0.51 36.83
東ティモール1,172.00 14.27 8.45 0.17 91.38
コートジボワール1,162.00 1.51 27.54 20.83 51.64
カメルーン1,088.40 0.40 22.68 9.61 67.71
エスワティニ1,068.00 40.45 3.87 1.94 94.19
エストニア999.75 7.87 7.21 92.29 0.50
デンマーク976.43 16.27 40.98 5.02 54.01
スロベニア931.00 4.99 18.58 81.10 0.32
ヨルダン925.62 135.72 45.02 3.34 51.65
ギニア890.00 0.39 25.84 6.74 67.42
チャド879.60 5.86 11.79 11.79 76.42
プエルトリコ875.00 12.32 24.31 72.22 3.47
モルドバ846.00 52.22 20.05 73.06 6.89
ブルキナファソ818.00 6.54 45.92 2.65 51.43
アルバニア796.00 2.96 27.89 1.26 70.85
クウェート770.10 -35.86 1.86 62.27
アンゴラ705.70 0.48 45.27 33.95 20.78
コンゴ民主共和国683.60 0.08 68.01 21.47 10.52
クロアチア665.00 1.76 43.91 48.50 7.58
南スーダン658.00 2.53 29.33 34.19 36.47
ウガンダ637.00 1.63 51.49 7.85 40.66
スリナム615.90 0.62 8.00 22.00 70.00
ルワンダ610.00 6.42 37.70 1.64 59.18
モーリシャス604.00 21.96 48.76 1.49 49.75
エリトリア582.00 20.79 5.33 0.17 94.50
スロバキア566.27 4.49 52.72 41.90 5.37
シンガポール498.70 83.12 45.00 51.00 4.00
モンゴル462.40 1.33 9.80 35.94 54.26
パプアニューギニア392.10 0.05 57.00 42.74 0.26
ブータン337.90 0.43 5.03 0.89 94.08
トリニダード・トバゴ336.20 8.76 62.00 33.64 4.36
パレスチナ334.80 41.23 56.43 8.90 49.22
ボスニアおよびヘルツェゴビナ306.45 0.86 ---
アイスランド290.00 0.17 28.75 71.15 0.11
ナミビア281.90 4.58 25.35 4.86 69.79
ブルンジ280.10 2.78 15.39 5.36 79.26
リトアニア254.39 1.65 53.81 23.73 22.46
カタール250.00 446.43 62.39 4.30 33.31
キプロス235.00 30.13 37.72 5.88 62.28
ボツワナ233.62 9.73 54.82 11.79 33.39
トーゴ223.00 1.94 63.09 2.83 34.08
シエラレオネ212.20 0.13 52.31 26.15 21.54
ラトビア181.21 1.07 48.93 20.53 30.53
ギニアビサウ175.00 1.09 17.95 6.26 75.79
カーボベルデ171.53 57.18 55.27 2.20 42.53
モンテネグロ160.90 -59.91 39.03 1.06
バーレーン155.10 3,877.50 63.44 3.25 33.31
リベリア145.90 0.07 54.97 36.60 8.43
ガボン139.10 0.08 60.89 10.14 28.97
ベナン130.00 1.26 61.97 12.82 25.21
ガンビア101.60 3.39 40.55 20.87 38.58
ベリーズ101.00 0.66 11.29 20.99 67.72
ブルネイ92.00 1.08 164.67 5.76
フィジー84.90 0.30 29.80 11.31 58.89
中央アフリカ共和国72.50 0.05 82.90 16.55 0.55
バルバドス70.00 87.50 24.69 7.65 67.65
ルクセンブルク47.80 4.78 100.00 0.00 0.00
コンゴ共和国46.00 0.02 69.47 26.17 4.36
レソト43.80 0.84 45.66 45.66 8.68
セントルシア42.90 14.30 29.14 0.00 70.86
サントメ
プリンシペ
40.90 1.88 35.94 1.47 62.59
マルタ39.53 78.28 61.70 1.63 36.67
ドミニカ20.00 10.00 95.00 0.00 5.00
赤道ギニア19.80 0.08 79.80 15.15 5.05
ジブチ19.00 6.33 84.21 0.00 15.79
グレナダ14.10 7.05 85.11 0.00 14.89
セントクリストファー
ネイビス
12.20 50.83 98.72 0.00 1.28
セーシェル11.29 -65.69 27.74 6.57
コモロ10.00 0.83 48.00 5.00 47.00
セントビンセント
グレナディーン諸島
7.90 7.90 99.98 0.02 0.00
モナコ5.00 -100.00 0.00 0.00
モルディブ4.70 15.67 94.92 5.08 4.55
アンティグア・バーブーダ4.40 8.46 62.61 21.74 15.65
アメリカ領サモア-----
アンドラ-----
アルバ-----
バハマ-----
バミューダ-----
イギリス領ヴァージン諸島-----
ケイマン諸島-----
チャンネル諸島-----
キュラソー-----
フェロー諸島-----
フランス領ポリネシア-----
ジブラルタル-----
グリーンランド-----
グアム-----
香港-----
マン島-----
キリバス-----
コソボ-----
リヒテンシュタイン-----
マカオ-----
マーシャル諸島-----
ミクロネシア連銀-----
ナウル-----
ニューカレドニア-----
北マリアナ諸島-----
パラオ-----
サモア-----
サンマリノ-----
シント・マールテン-----
ソロモン諸島-----
アフリカ東部、南部100,105.99 5.04 10.36 6.11 83.51
アフリカ西部、中部32,374.34 1.71 24.72 8.88 66.40
アラブの国々230,583.92 203.78 13.81 5.98 80.23
カリブ海の国々2,333.10 0.65 8.81 7.86 83.33
中央ヨーロッパおよびバルト諸国31,826.22 12.72 20.26 63.26 16.48
東アジアおよび太平洋1,209,028.26 12.03 15.12 12.55 72.33
ヨーロッパおよび中央アジア470,001.87 6.64 19.58 28.34 50.77
欧州連合184,980.84 13.60 24.42 43.59 32.00
ラテンアメリカおよびカリブ海372,418.39 2.69 15.62 8.95 75.43
中東および北部アフリカ293,512.25 127.01 12.80 5.06 82.11
北米480,649.11 8.48 13.24 49.23 37.53
OECD加盟国1,011,738.47 7.93 16.38 34.00 49.08
その他の小国5,411.61 1.82 22.34 23.58 55.94
太平洋諸島小国--29.80 11.31 58.89
南アジア990,627.70 49.98 6.69 1.85 91.46
サブサハラアフリカ132,480.34 3.41 13.87 6.79 79.33

[1]
水の取水量
タップ or クリックで数値が表示されます

[1]
*データを元にFumib.netが制作
*サイズをスマホ用に最適化しています
*表示されるまでに少し時間がかかる場合があります

各国の水
情報

人一人が利用する1日の水の量
世界で一人が利用する水の量は平均で「約180~200リットル」です。

重さに換算すると?
一人が1日に利用する水の量が平均で180~200リットルの場合、重さに換算すると「180~200キログラム」です。

1立方メートルの場合、

1立方メートル(m³) = 1,000トン(kg)です。

10^9 ㎥は10の9乗であり「1,000,000,000(10億)m³」です。

1立方キロメートルはどれくらい?
10億m³は、「1km³」です。

1立方キロメートル( km³) = 1,000,000,000 m³

滋賀県の琵琶湖は「約27.5 km³」水量があり、茨城県の霞ケ浦は「約0.848 km³」の水量です。

1位の「インド」は、琵琶湖に換算すると「23倍」の水量が年間に使用されています。日本の場合、琵琶湖の「2.8倍」の水が1年間に使用されている事になります。

地下水が減少している国はどこ?
中国、アメリカ、メキシコ、チリ、サウジアラビア、イラン、アフガニスタン、タイ、南アフリカなどで地下水の水位が低下しています。

近年の「気候変動」により、多くの地域で干ばつが発生しています。例えば、降雨量が減少することで河川や湖の水量が減り、地下水も減少傾向にあります。地球温暖化によって蒸発量が増加していることも、さらなる水不足を招いています。アフリカや中東では深刻な水不足が報告されています。

間接的に消費される水
バーチャルウォーター

間接的に利用される水
水は地球上に存在する生物に必要なものであり、人間が消費する「肉」「野菜」「穀物」の生産には多くの水が利用されます。間接的に利用される水は「バーチャルウォーター」と呼ばれ、非常に多くの水が地球上で利用されます。

肉の生産に必要なバーチャルウォーター
牛肉1kg = 15,000~20,000kg
羊肉1kg = 8,000~10,000kg
豚肉1kg = 6,000~8,000kg

作物の生産に必要なバーチャルウォーター
砂糖1kg = 200kg
野菜1kg = 300~400kg
果物1kg = 900~1,000kg

これらの水が「生産段階」に使用され、輸入は「生産に使用された水」も輸入された事になります。(実際には消費されているので目には見えません)

500gの牛肉の牛肉を生産するのに必要な水の量は,、約8000リットルです。ペットボトルで例えると、2リットルのペットボトルなら4,000本分、500mlペットボトルなら16,000本分です。小さな家庭用プールだと、おおよそ7000~10000リットルくらいの水を入れることがあるので、小さいプール1つ分くらいの量と考えられます。イメージがわきましたか?

500gの牛肉を生産するのに必要な飼料の量は、おおよそ7~10kgの飼料とされています。つまり、500gのステーキを食べる事は、8,000リットルの水と、8キロの穀物を間接的に消費している事になります。

インドの水
消費量

インドの水消費量
2021年に、インドは647.50k㎥の水を使用しており、琵琶湖で例えると、約23.54倍の水を利用しています。

インドで利用されるヒンディー語で水は「पानी(パーニェ)」です。

インドの水資源
インドは長さ3,180kmの「インダス川」を含む12本の主要な河川があり、国内に400以上の川が存在しています。世界全体で利用される水の「6%」がインドで利用されています。

モンスーンが生命線
インドは6月~9月の「モンスーンシーズン(季節風)」に雨が降り、降水量の75%がモンスーンシーズンに集中します。近年、インドは「干ばつ」が多発しており、モンスーンの期の雨量減少や、貯水池の水量の減少などが問題になっています。

減少する地下水
インドは近年「地下水」の水位が低下しています。インドの農業は河川を利用する以外に地下水を利用した「灌漑農業」も一般的におこなわれ、多くの地下水が農業に利用されます。インド人口が増加しており、国内で生産される作物の生産量を増加させています。それに伴い、地下水の利用も増加しており、地下水の水位の低下が大きな問題になっています。

世界で利用される地下水の約25%がインド
インドでは年間約245~260立方キロメートルの地下水が抽出されており、この量はアメリカや中国を大きく上回ります。インドは世界最大の地下水利用国であり、世界の地下水抽出量の約25%を占めています。

インドでは、総水使用量の約80%以上が農業用水として使われています。稲作や小麦などの高水需要作物が中心で、特に灌漑による地下水の使用が多いです。

急激な人口増加と都市化
インドの人口は14億人を超え、都市部の拡大により飲料水や工業用水の需要が増加しています。

過剰利用と水位低下
地下水の過剰な汲み上げにより、多くの地域で水位が急激に低下しています。例えば、パンジャーブ州やハリヤーナ州では、年間水位が0.3~1メートル程度下がる地域もあります。

このままだと、間違いなく地下水が枯渇します。

中国の水
消費量

中国の水消費量
2021年に、中国は647.50k㎥の水を使用しており、琵琶湖で例えると、20.67倍の水を利用しています。

中国語で水は「水(シュイ)」です。

中国の川
中国は「東部」に主要な河川が7本、「西部」に2本存在しており、国内全体で45,203の河川が存在します。中国最大の川は「揚子江(ようすこう)」であり、長さは6,300kmです。

優れた生産能力
国内で様々な農業がおこなわれ、河川の水を利用した農業は、主に中部から東部の「珠江(しゅこう)デルタ」「長江(ちょうこう)デルタ」でおこなわれます。西部は雨が少ない地域が多く、地下水を利用した農業や、「牧畜」などがおこなわれています。

農業(約60%):灌漑が中心。
工業(約25%):製造業が多くの水を消費。
生活用水(約15%):都市部と農村部で格差あり。

年間約6000億立方メートルの水が利用されます。

地下水の減少
「河北省(かほくしょう)」などで地下水が低下しており、将来的に問題になる可能性があります。中国の都市部は生活用水の多くが地下水を利用しており、地下水の水位は年々減少しています。

北部地域(華北平原、北京、河北など):水資源が極めて不足。
南部地域(長江流域、華南地域):水資源が豊富だが洪水のリスクあり。

地下水利用の現状
中国の全体的な水需要の20~25%が地下水に依存しています。特に北部平原(河北省、山東省など)は農業や都市供給のために地下水利用が非常に多く、中国は世界で3番目に地下水を多く利用している国(インド、アメリカに次ぐ)です。

人口が多く、国民全体の地下水の利用量が多いですが、一人あたりの水の取水量は普通です。

地下水の課題
過剰な地下水の汲み上げにより、華北平原などでは、地下水位が毎年1~3メートル程度低下しています。

●「地盤沈下」や「地下水枯渇」が進行
●農薬や工業廃水による地下水汚染が深刻。特に重金属(カドミウム、鉛)やヒ素の汚染が懸念
●沿岸地域では地下水の過剰利用により海水が地下水層に侵入(塩水化)

中国は技術力がありますが、都市部と地方で大きな情報のミスコミニケーションなどが多く、国内で多くの問題を抱えています。

水資源は南部に集まっていますが、北部は水不足が慢性化しています。南部の水を北部に送る事が出来るようなシステムが必要です。

米国の水
消費量

米国の水消費量
2021年に、米国は444.39k㎥の水を使用しており、琵琶湖で例えると、16.15倍の水を利用しています。

米国の川の数
米国には25万を超える河川が存在しており、アメリカ最長の川は4,090kmの「ミリーズ川」です。

一人当たりの水の利用量が多い
米国が水の使用量が非常に多いのは、「庭への散水」が多いからと言われています。米国は州により「庭の芝刈り」が法律で義務化されており、罰金刑がある事から頻繁に「庭の手入れ」をおこないます。米国は一日に平均1,200リットルの水が消費されており、そのうちの「30%」が庭への散水に利用されています。

「芝刈り」「ハウスキーピング」を代行しておこなう会社も多く、200USD~550USD(25000円~64000円 2022年4月)程度で芝刈りを代行しています。

庭の手入れを行った場合、300USD程度のペナルティがあります。ご近所とのトラブルが多く、手入れを行った場合、通報されます。

米国の水の利用の割合
農業:米国の水使用量の約40%が灌漑用に使われています。
発電:火力発電や原子力発電の冷却に大量の水が使用されます(全使用量の30~40%程度)。
家庭用:家庭用水の消費は約12%で、シャワー、トイレ、芝生の灌漑などに使用されています。

米国の地下水の減少
中部の「グレートプレーンズ」、「カルフォルニア州のセントラルバレー」などの地下水の減少が問題になっています。

気候変動の影響
干ばつや豪雨など、極端な気象現象が増加しており、水資源の分布や量に大きな影響を与えています。特に西部地域(カリフォルニア州やネバダ州)は慢性的な干ばつに苦しんでいます。

水質汚染
農業からの肥料や農薬、都市排水、産業廃棄物などによる水質汚染が深刻です。フロリダ州や中西部では「赤潮」や「デッドゾーン」と呼ばれる現象が広がっています。

インフラの老朽化
米国の上下水道インフラの多くは老朽化しており、漏水や破損が頻発しています。修繕や新しいインフラへの投資が必要ですが、資金不足が課題となっています。

人口増加と都市化
人口増加や都市化に伴い、一部の地域では水資源が枯渇する恐れがあります。特に南西部の都市では地下水の利用に依存しており、持続可能性が懸念されています。

地下水の状況
オガララ帯水層: 米国中西部の大規模な地下水資源ですが、過剰な灌漑利用により急速に枯渇しています。この帯水層は農業にとって非常に重要ですが、回復には何百年もかかるとされています。

地盤沈下: 地下水の過剰汲み上げにより、一部の地域で地盤沈下が発生しています(カリフォルニア中央部など)。

汚染問題: 地下水もまた汚染にさらされています。農業の排水や工業廃水が地下に浸透し、有毒物質や硝酸塩による汚染が問題です。

インドネシアの水
消費量

インドネシアの水消費量
2021年に、インドネシアは222.63k㎥の水を使用しており、琵琶湖で例えると、8.09倍の水を利用しています。

インドネシア語で水は「air(アイル)」です。

インドネシアの川の数
主要な河川が170存在しており、河川の総数は6,000を超えます。インドネシアで一番長い川はカリマンタン島に存在する「カプアス川」であり、長さは1,143kmです。

インドネシアの水使用割合
農業用水:全体の消費量の約70~80%が農業灌漑に使われています。米やパーム油などの農業生産が主な利用目的です。
家庭用水:約10~15%が家庭用に使用され、飲料水や日常生活の洗濯・調理・清掃などに利用されています。
工業用水:約5~10%が工業生産、特に製造業や鉱業のプロセスに使用されています。

気候変動
気候変動による影響で雨季と乾季のバランスが崩れ、洪水や干ばつが頻繁に発生しています。洪水は都市部での排水システムの問題を悪化させ、乾季には農業生産に深刻な影響を与えます。

インドネシアの水質汚染
川の「水質汚染」が深刻な問題であり、西ジャワ州に存在する「チタルム川」は「世界一汚い川」と言われています。「産業廃棄物」「家庭から出るゴミ」で川が汚染されており、川に生息する生物の60%が死滅しています。

チタルム川は米農家の「灌漑用水」としても利用されており、米の生産量が減少するなど大きな被害が出ています。

適切におこなわれないゴミ処理
家庭ゴミの処理が適切に行なわれていない事が多く、日常的に家庭から出るゴミを川に捨てるなど、不適切な方法でゴミの処理をおこなっています。

インドネシア政府も川の水質汚染問題を注視しており、対策が求められています。

都市化と人口増加
都市部の人口増加に伴い、水需要が急増していますが、インフラ整備が追いついていません。ジャカルタなどの都市では水不足に加え、地下水の過剰利用が問題となっています。

地下水の利用状況:多くの都市部では地下水が主な飲料水源となっていますが、過剰な汲み上げにより地下水の枯渇が進んでいます。特にジャカルタでは、地下水の利用が原因で地盤沈下が深刻化しています。

地盤沈下の深刻化
ジャカルタでは年間数センチメートルの地盤沈下が観測されており、一部の地域では海面上昇と相まって洪水リスクが高まっています。

汚染の広がり
地下水もまた深刻な汚染にさらされており、不適切な廃棄物処理や汚染された河川からの浸透によって硝酸塩や病原菌が含まれるケースが増えています。

パキスタンの水
消費量

パキスタンの水消費量
2021年に、パキスタンは189.59k㎥の水を使用しており、琵琶湖で例えると、6.89倍の水を利用しています。

パキスタンで利用されるウルドゥー語で水は「پانی(バーミィ)」です。

パキスタンの川
パキスタンには28の河川があり、そのうち5つは非常に大きな河川です。パキスタンで一番長い河川は、3,180kmの「インダス川」であり「インド」「中国」をまたいで流れる河川です。

農業用水の利用が多い
パキスタンは水の利用量が多く、一人当たりの水の利用量は日本の2倍以上です。農業大国のパキスタンはインダス川に沿った灌漑農業をおこなう地域が多く、天候不順により水不足が頻繁に発生しています。

パキスタンの水の使用割合
パキスタンは主に農業用水として水を消費しています。全体の水使用量の約90%が農業に利用されており、特に灌漑が中心です。人口増加に伴い、都市部での家庭用および工業用水の消費も増加していますが、農業の占める割合が依然として高いです。

深刻な水不足
「気候変動」の影響と思われる「干ばつ」「熱波」などの異常気象が多発しており、人々の命を脅かす「深刻な水不足」が2025年までに発生すると警告されています。

水の安全性が低い
パキスタンは「日常的に利用する水」の安全が確保できていません。水の飲料により頻繁に「下痢」「肺炎」などが引き起こされており、大都市でも水質の安全性が懸念される場合もあります。

水の飲料により、学校など人が集まる場所で下痢や体調不良が発生する場合も多く、問題になっています。

パキスタンの課題
人口増加と都市化:2030年までに人口が3億人を超えると予測され、水需要のさらなる増加が見込まれています。
気候変動:気温上昇、氷河の融解、降水パターンの変化により、利用可能な水資源の安定性が脅かされています。
インフラの老朽化:灌漑システムやダムなどのインフラが古く、水の無駄が多いです。
地下水の枯渇:地下水の過剰利用が続いており、多くの地域で地下水位が急速に低下しています。
水質汚染:産業排水や未処理の生活排水による水質悪化も深刻な課題です。

灌漑技術(滴下灌漑など)の導入、雨水採取や地下水補充技術の促進、インフラの改修などが必要です。パキスタンは近い将来に深刻な水危機に直面する可能性が高いです。

イランの水
消費量

イランの水消費量
2021年に、イランは92.95k㎥の水を使用しており、琵琶湖で例えると、3.38倍の水を利用しています。

イランで利用されるペルシャ語で水は「اب(アービィ)」です。

イランの川
6つの主要な河川と31の一般的な河川が存在します。イラン最長の川は1071.82kmの「アラス川」であり、「テュルキエ:旧トルコ)」「アゼルバイジャン」「アルメニア」をまたぐ河川です。

イランの水資源
イランはカスピ海沿岸域、ザグロス山脈の西部や南部側で年間1,000mmを超える降水量がありますが、中央部・東部は砂漠地帯が広がっており、年間の降水量が100mmに満たない地域などが存在します。

農業で利用される水は地下水
主に「地下水」を利用した「灌漑農業」がおこなわれています。地下水源の利用は国の許可が必要になりますが、4割を超える農家が無許可で地下水を利用しており、現在も無許可で井戸を設置する人が多く存在します。

イランの水の使用割合
農業用水:イランの水の約90%が農業に使用されており、特に灌漑用水の需要が高いです。イランは乾燥地帯でありながら、多くの地域で効率の悪い灌漑方法が用いられています。
都市用水と工業用水:残りの10%程度が都市部の家庭用水や工業用水に使用されていますが、人口増加と都市化が進むにつれて、これらの水需要が増加しています。
1人当たりの水利用量:イランの1人当たりの水利用可能量は約1,400立方メートルとされており、水ストレスの基準に近い状況です。

降水量の減少
1990年代から気候変動の影響と影響と思われる雨不足が多発しています。約8600万人(2022年)を抱えるイランの人口は年々増加を続けており、更なる水不足で市民と政府が衝突するなど大きな問題に繋がっています。

地下水の状況
●地下水はイランの水供給の重要な部分を占めていますが、過剰な利用と不適切な管理により、多くの地域で地下水位が急速に低下しています。
●イラン全土で毎年数十億立方メートルの地下水が過剰に汲み上げられており、多くの井戸が枯渇しています。
●特に干ばつが頻発する地域では地下水の依存度が高いため、地下水位の低下が農業や生活に深刻な影響を与えています。
●塩分濃度が高い地下水の存在も問題で、一部地域では農業や飲料用に適さない地下水が増加しています。

メキシコの水
消費量

メキシコの水消費量
2021年に、メキシコは89.54k㎥の水を使用しており、琵琶湖で例えると、3.25倍の水を利用しています。

メキシコで利用されるスペイン語で水は「agua(アーグア)」です。

メキシコの川
メキシコで一番長い川は「リオ・グランデ川」であり、アメリカの「コロラド州ロッキー山脈」から「メキシコ湾」へ流れる川で、河川の長さは3,057kmです。26の大きな河川が国内を流れており、2本が「アメリカ」、1本が「グアテマラ」をまたいで流れています。

メキシコの水使用割合
農業用水:メキシコでは全体の水使用量の約76%が農業に使用されています。特に、農業用灌漑が中心的な用途です。
都市用水:15%程度が都市部での家庭用水として利用されています。人口増加や都市化の進展により、都市用水の需要が増え続けています。
工業用水:9%が工業用水として使用されており、工業化が進む地域ではさらなる増加が見込まれます。
1人当たりの水利用可能量:メキシコの1人当たりの年間水利用可能量は約3,800立方メートルとされていますが、地域による偏りが大きく、水資源の利用可能性が均一ではありません。

地下水の利用
メキシコは主に地下水を農業用水としても利用しています。とくに乾燥した地域では地下水が利用されますが、国内では気候変動のの影響と思われる様々な問題が発生しており、持続可能な水の利用を求められています。

過剰利用:地下水の過剰な汲み上げが進んでおり、多くの地域で地下水位が急速に低下しています。北部の乾燥地帯では特に深刻で、いくつかの地域では持続可能な利用が困難な状況です。
地盤沈下:地下水の過剰な汲み上げにより、メキシコシティなどでは地盤沈下が深刻な問題となっています。
水質問題:一部の地下水は過剰な塩分や重金属汚染により、飲料水や農業用水としての利用が制限されています。

改善策はあるのか?
灌漑効率の向上:滴下灌漑やスプリンクラー灌漑など、水を効率的に利用できる技術の導入を推進。
雨水の利用:雨水の収集や利用を促進し、地下水の過剰な利用を抑える。
地下水管理の強化:地下水ポンプの規制や、地下水位のモニタリングを行い、持続可能な利用を実現する。
水質汚染の防止:産業廃水や生活排水の適切な処理を義務付け、水質改善を図る。
地域間の水資源配分の最適化:北部や中央部の水不足地域に対し、南部の豊富な水資源を効率的に供給するためのインフラ整備を行う。

インフラを整えるのに金が必要です。水問題は後回しにする国が多くなりますが、問題が拡大する前に取り組む必要があります。

フィリピンの水
消費量

フィリピンの水消費量
2021年に、フィリピンは85.86k㎥の水を使用しており、琵琶湖で例えると、3.25倍の水を利用しています。

フィリピンで利用されるタガログ語で水は「tubig(トゥービ)」です。

フィリピンの川
ルソン島「ヌエヴァ・ヴィスカヤ州」から流れる「カガヤン川」がフィリピンで一番長い河川であり、長さは520kmです。フィリピンには420を超える河川が存在し、そのうちの18本が大河川です。

カガヤン川は漁業や水を利用した灌漑農業が盛んにおこなわれており、非常に重要な河川の一つです。

フィリピンの水の使用割合
農業用水:フィリピンでは全体の水使用量の約70~80%が農業に利用されています。特に米作りが盛んな地域では灌漑用水の需要が非常に高いです。
都市用水:約10~15%が都市部での家庭用水に利用されています。人口増加や都市化の進行に伴い、都市用水の需要が増加しています。
工業用水:残りの5~10%が工業用水として使用されています。特に工業化が進む地域では工業用水の需要が拡大しています。
地域別の状況:水利用は地域によって偏りがあり、都市部では水供給が比較的安定している一方で、農村部や離島では十分な水供給が確保されていない場合があります。

災害大国
フィリピンは日本同様に「台風」「地震」「洪水」「津波」などが発生する国です。国の災害対策は脆弱であり、対策が必要です。

フィリピンの水問題
気候変動:気温上昇や台風の頻発、降雨パターンの変化により、洪水や干ばつが増加し、水資源の管理が複雑化しています。
人口増加と都市化:都市部での急速な人口増加により、飲料水や生活用水の需要が急増していますが、供給インフラが追いついていません。
農業用水の効率性:農業用水の浪費が多く、効率的な灌漑技術の導入が遅れています。
水質汚染:未処理の生活排水や工業排水、農業からの肥料や農薬による汚染が深刻で、河川や湖、地下水の水質が悪化しています。
水資源の不均衡:都市部では過剰利用の問題がある一方、農村部や離島では十分な水供給が確保されていない地域があります。

ベトナムの水
消費量

ベトナムの水消費量
2021年にベトナムは81.86k㎥の水を使用しており、琵琶湖で例えると、2.97倍の水を利用しています。

ベトナム語で水は「nước(ヌォク)」です。

ベトナムの川
ベトナムには2,360本の河川が存在します。ベトナム最長の川は4350.05kmの「メコン川」であり、「中国」「ミャンマー」「ラオス」「カンボジア」をまたいだ非常に長い河川です。

ベトナムの水の使用割合
農業用水:ベトナムでは全体の水使用量の約80~90%が農業に使用されています。特に、米の生産が盛んなデルタ地域(メコンデルタや紅河デルタ)では灌漑用水の需要が高いです。
都市用水:約5~10%が家庭用水として利用されています。都市化が進む中で、都市部での水需要が年々増加しています。
工業用水:約5%が工業用水として利用されており、特に工業化が進む北部や南部の都市で需要が増加しています。
地域別の状況:水資源はデルタ地域に集中していますが、中部や山間部では水の確保が難しい地域もあります。

汚染された河川の問題
水質汚染が大きな問題になっています。「産業排水」「農薬」「化学肥料汚染」「生活排水」「プラスチックごみ」など様々な問題を抱えており、汚染が深刻な地域も存在します。

ベトナムの農業
「雨季の降水量の増加」「乾季の降水量の減少」などの問題が発生しており、とくに乾季の水不足が深刻な問題になっています。乾季には灌漑農業で稲作などをおこなっており、水不足による生産量の減少などが危惧されています。

地下水の利用
地下水は、特に都市部や農村部で飲料水や灌漑用水として広く利用されています。地下水の過剰な汲み上げが進んでおり、メコンデルタなどでは地下水位の低下が深刻な問題となっています。また、地下水の過剰利用により、メコンデルタを中心に地盤沈下が発生しており、洪水リスクが増加しています。

塩水の進入
メコンデルタ地域では海面上昇や地下水汲み上げの影響で、塩水が地下水に浸入する「塩水化」が進行しており、農業や飲料水の供給に悪影響を及ぼしています。

日本の水
消費量

日本の水消費量
2021年に日本は、78.40k㎥の水を使用しており、琵琶湖で例えると、2.85倍の水を利用しています。

日本の川
日本は川を「一級河川」「二級河川」「準用河川」「普通河川」の4つにわけています。

一級河川とは?
一級河川は「国が管理する川」です。日本の国土にとても重要で、国民の経済上特に重要な川に指定されている河川です。一級河川は13,994本の川が指定されています。

二級河川とは?
二級河川は「都道府県が管理する川」で、一級河川以外の重要な川に指定されている河川です。二級河川は7,090本の川が指定されています。

準用河川とは?
準用河川は「市町村が管理する川」で、比較的に重要な川に指定されている河川です。準用河川は14,314本の川が指定されています。

普通河川とは?
一級河川・二級河川・準用河川に属していない川になります。

日本の水の利用量は多い
日本では一人あたり1日約180~200リットルの水を使用しており、ヨーロッパなどの先進国と比べ約2倍以上の水が利用されています。とくに「風呂」に利用される水が多く、1日に利用される水の40%が風呂に利用されています。

日本の水の利用割合
農業用水:全体の水利用量の約67%が農業に使用されています。特に水稲栽培に大量の水が必要であり、農業用水のほとんどが灌漑に使われています。
工業用水:約24%が工業用水として利用されています。製造業や化学工業、発電用冷却水などで大量の水が使用されています。ただし、再利用率が高いため、実際の使用量は効率的です。
生活用水:約9%が生活用水として家庭や公共施設で使用されています。一人当たりの家庭用水の消費量は減少傾向にありますが、高齢化や生活スタイルの変化により、水質の多様なニーズが生じています。

エジプトの水
消費量

エジプトの水消費量
2020年にエジプトは77.50k㎥の水が使用されており、琵琶湖の2.81倍の水を利用しています。

エジプトで利用されるアラビア語で水は「ماء(マー)」です。

エジプトの川
エジプトには川が1本しか存在しません。エジプトに存在する川は「ナイル川」であり、6650kmの長さを誇り、世界一です。

ナイル川はエジプトの総水供給量の約90%以上を占めています。国内における雨水の供給量は極めて少なく、地下水や海水淡水化も利用されていますが、全体の割合は小さいです。

古代に「ナイルデルタ(ナイル川の河口)」が7本存在していましたが、現在は枯渇しており、2本です。

エジプトは雨が降らない
エジプトはほどんど雨が降りません。首都の「カイロ」は年間降水量が10mmを下回る年もあり、「ほぼ雨が降らない都市」です。エジプト北部の「アレクサンドリア」では年間降水量200mm程度の雨が降ります。

水資源が少ない国の農業
エジプトは農業大国です。非常の多くの農作物を生産しており、国民の多くが農業に従事しています。これらの農業は「ナイル川」を利用した灌漑農業や地下水を利用しており、限られた水を最大限に活用した農業をおこなっています。

地下水を利用した農業
砂漠が広がる場所でも地下水が存在しており農業が可能ですが、人口上昇により水の使用量は増加し、地下水の水位は低下しています。

アフリカの多くの国々は降水量が少なく、「水の利用が少ない農業」が必要です。「キマメ」など水の利用が少ない植物に注目が集まっており、「ケニア」「タンザニア」などでも多く栽培され、主食の一つとして消費されています。

エジプトの水の利用割合
農業用水:全体の水使用量の約80~85%が農業に利用されています。エジプトは農業依存度が高く、灌漑が必要な土地が広範囲にわたります。
生活用水:約10~12%が生活用水として使用されています。都市部の水需要が増加しています。
工業用水:残りの約3~5%が工業用水として使用されています。工業化が進む中で水需要が増加していますが、農業用水に比べると割合は少ないです。

ウズベキスタンの水
消費量

ウズベキスタンの水消費量
2020年にウズベキスタンは58.90k㎥の水が使用されており、琵琶湖の2.17倍の水を利用しています。

ウズベキスタンで利用されるウズベク語で水は「suv(スブ)」です。

ウズベキスタンの川
ウズベキスタンで一番長い河川はは2540kmの「アムダリヤ川」であり、「アフガニスタン」「トルクメニスタン」「タジキスタン」をまたいだ川です。アムダリア川の他に「シルダリヤ川」「ゼラフシャン川」がウズベキスタンの主要な河川です。ウズベキスタンにはこれらの河川を含め、14の河川が国内に存在します。

綿花の生産による水の利用
ウズベキスタンは「綿花」の生産が盛んであり、全世界で生産されている綿花の5%程度がウズベキスタンで生産されています。

水の使い過ぎで湖が消えた
綿花は大量に水が必要な作物であり、綿花の栽培に利用された「アラル海」は急激に水量が減少し、現在はほぼ枯渇しています。現存するアラル海は塩分濃度が高く、周辺に「塩害」などの土壌汚染を引き起こしています。綿花栽培は「旧ソビエト連邦」から続く農業体勢であり、ウズベキスタン政府は新たな作物生産に力を入れるなど、旧体制からの脱却に力を注いでいます。

ウズベキスタンの水の使用割合
農業用水:ウズベキスタンでは全体の水利用量の約90%以上が農業用水として消費されています。特に綿花、トウモロコシ、小麦、米などの灌漑が必要な作物が多く、これらの作物が水利用の大部分を占めています。
ウズベキスタンは世界でも綿花の生産量が多い国であり、そのため水資源の消費は非常に高いです。灌漑のための水のほとんどがアムダリヤ川とシルダリヤ川から供給されています。
生活用水:約5~6%が生活用水として利用されています。都市部では、生活用水の需要が増加しており、特にタシュケントなどの大都市では水供給に対する需要が高まっています。
工業用水:約3~4%が工業用水として使用されています。ウズベキスタンの工業セクターでは、水の消費が比較的小さいものの、今後工業化が進むとともに水需要は増加することが予想されます。

まとめ

深刻化する水問題
人口増加に伴う水需要の増加に対処するためには、「持続可能な水資源管理」が不可欠です。水が少ない国でも爆発的に人口が増加している国も多く、地下水の利用を管理し、適切な計画・政策を導入することが必要不可欠です。節水技術の向上や、生活排水の再利用など、先進国では様々な技術が生まれていますが、発展途上国や世界全体で考える必要があり、何らかの対策をおこなう必要があります。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

1. WORLD BANK GROUP. "World Development Indicators - Annual freshwater withdrawals" (English) 2021年. © 2025 The World Bank Group. 2025年01月25日閲覧。
WORLD BANK GROUPのデータアクセス、ライセンスに関しての情報はこちら (English) です。

サムネイル:Pixabay
ライセンスに関しての情報はこちら (English) です。

-Life