日本は世界の野菜の
約0.8%程度の野菜を生産する
日本は非常に多くの野菜を国内で生産しており、世界で生産される野菜の0.8%程度が日本で生産されています。
世界ではどの国がどのくらいの野菜を生産しているのでしょうか?
世界のやさい
生産量ランキング
世界の野菜の生産量
世界一位 中国
世界二位 インド
世界三位 米国
世界の野菜 生産量ランキング
Vegetables Primary
Production (tonnes/year)
出典: ©United Nations Food and Agriculture Organization
データを元にFumib.netがリストを作成
各国
野菜 情報
2021年のデータを元にFumib.netがグラフを作成
野菜の摂取量
日本人の平均野菜摂取量は男性288g、女性273g、平均値が281gです。国が定める1日の野菜摂取量の目安は350gであり、20%程度足りません。
日本古来の野菜
日本で消費されている野菜の多くが海外から渡ってきた野菜であり、日本古来から存在する野菜は「ダイコン」「ナス」「ミョウガ」などになります。大根はヨーロッパでは「Daikon(ダイコン)」という名で売られている事があり、比較的にエキゾチックな野菜の一つです。
江戸の味覚とされた「五白」にもダイコンが入っており、昔から好まれた野菜の一つだったと思われます。
江戸の五白
「米」「豆腐」「大根」「鯛」「白魚」であり、江戸の料理でよく利用される白い食材です。「米」「豆腐」「大根」は江戸の三白と呼ばれます。
日本で好まれる野菜
「タマネギ」「ジャガイモ」「キャベツ」「ネギ」などが好まれる傾向があります。
日本の野菜自給率
日本はカロリーベースという特殊な方法で国内の食料自給率が計算されており、大豆などの「油」として利用される食材などの生産量が非常に低くなります。
国内の野菜自給率は80%近く、非常に多くの野菜が国内で生産されています。詳しくは下記の「日本の野菜生産量」をご覧ください。
中国
野菜 情報
中国の野菜
野菜は中国語で「蔬菜(シューサイ)」です。
様々な野菜の生産量が世界一
中国は国内の人口が14億人を超える国であり、国内で様々な野菜が生産されており、野菜・果物の生産量で世界一を誇ります。
中国の中に小さな世界が存在していると言っても過言ではありませんが、中国の食料自給率は中国人全体に対して7割程度と言われています。特に大豆と油脂類の生産量が国内需要を賄えず、多くを輸入品に頼っています。
中国の野菜の自給率は100%を超えています。日本の野菜自給率は約80%で、多くを輸入品に頼ってます。
中国の野菜生産地
中国ではとくに東部の「山東省(さんとんしょう)」、中南部の「湖南省(こなんしょう)」「江南省(こうなんしょう)」で多く野菜が多く生産されています。
インド
野菜 情報
インドの野菜
野菜はインドで利用されるヒンディー語で「सबजी(サブジー)」です。
インドの野菜自給率は100%を超えている
インド国内では様々な宗教が信仰されていますが、約8割がヒンドゥー教です。ヒンディー教は菜食主義者が非常に多く、インドの国民の2億人が菜食主義者です。野菜の自給率は中国同様に100%を超えており、国内で様々な野菜・果物が生産されています。
中国や日本同様に大豆や油脂類の自給率が不足しています。
インドの野菜生産地
インドではとくに北西部の「ウッタル・プラデーシュ州」「ビハール州」、西部の「マハーラーシュトラ州」、北西部の「グジャラート州」、北部の「パンジャーブ州」「ハリヤーナー州」「ウッタラーカンド州」「ヒマーチャル・プラデーシュ州」、東部の「西ベンガル州」、南東部の「オリッサ州」などで野菜の生産量が多くなっています。
西ベンガル州とウッタル・プラデーシュ州が非常に広い面積の農地を有しています。
米国
野菜 情報
米国の食料自給率
アメリカは全体の食料自給率は100%を超えていますが、野菜の食料自給率は85%を超えており、多くの野菜を他国から輸入しています。中国・インド・日本などの生産量が低い大豆を非常に多く生産しており、世界中に輸出しています。大豆は「バイオ燃料」なども利用が可能で、北米・南米で生産量が増加しています。
アメリカの野菜生産地
主に西部の「カルフォルニア州」「アリゾナ州」、東部の「フロリダ州」での野菜の生産量が多く、これらの州で米国で供給されている野菜の75%以上が生産されています。
テュルキエ
野菜 情報
テュルキエ(旧トルコ)の野菜
野菜はテュルキエ語で「Sebze(セブゼ)」です。
テュルキエの食料自給率
テュルキエは温暖で乾燥した気候で、野菜や果物の生産に適した土地を有しています。米・トウモロコシのなど主食となる穀物の自給率が低い傾向がありますが、全体の食料自給率は100%を超えていています。生産された野菜・果物は他国へも多く輸出されています。
テュルキエでは温暖な気候で、非常に多くの野菜や果物が生産されていて、他国にも多く輸出されています。
テュルキエで最も生産されている野菜
テュルキエで最も生産量が多い野菜はトマト・キュウリ・スイカの生産量が非常に多くなっています。
ベトナム
野菜 情報
ベトナムの野菜
野菜は ベトナム語で「rau quả(ザオクア)」です。
ベトナムの野菜自給率
ベトナムは野菜の自給率が1980年代に95%まで上昇しましたが高齢化・人手不足などの労働力不足により、野菜の供給量が低下しています。野菜の自給率は年々減少し、2004年に80%まで減少しています。米の自給率は非常に高く、ベトナム全体の食料自給率は100%を超えています。
メコン川・紅河を利用した農業
ベトナムでは紅河(こうが)流域の紅河デルタ・メコン川流域のメコンデルタ・南部で多くの農業がおこなわれています。
ナイジェリア
野菜 情報
ナイジェリアは人口が増加中
アフリカ西部のナイジェリアでは人口が増加しており、2050年には世界4位、2100年には世界3位に増加すると考えられています。ナイジェリアの最大都市「ラゴス」は将来的に世界一の人口を抱える都市になるとされていますが、犯罪率や貧困層が多く問題になっています。
ナイジェリアの野菜生産地
主に熱帯雨林気候を有しており南部でおこなわれています。北部はサバナ気候で非常に乾燥しており、農業は限定的です。生産量が一番多い野菜は「トマト」になります。
エジプト
野菜 情報
エジプトの野菜
野菜はエジプトで利用されるアラビア語で「الخضروات(アルファドゥラーワット)」です。
エジプトは雨が降らない
エジプトはほどんど雨が降りません。首都の「カイロ」では年間降水量が10mmを下回る年もあり、「ほぼ雨が降らない」国です。エジプト北部の「アレクサンドリア」では年間降水量200mm程度の雨が降ります。
水が無い国でどうやって野菜を作るの?
エジプトは農業大国です。非常の多くの野菜を生産しており、国民の多くが農業に従事しています。これらの農業は「ナイル川」を利用した灌漑農業や地下水を利用しており、限られた水を最大限に活用した農業をおこなっています。
エジプトの野菜生産地
エジプトの農業は主にナイル川の下流「ナイルデルタ」地域でおこなわれています。様々な作物が生産されており、輸出も多くなっています。
砂漠地帯は基本的に地下水を利用した農業
砂漠地帯が広がる地帯でも地下水が存在しており、農業が可能です。しかしこれらの地域で水の使用は地下資源の減少に繋がります。アフリカは降水量が少ない地域が多く、「水の利用が少ない農業」が必要になります。「キマメ」などは水の利用が少なく、「ケニア」「タンザニア」で多く栽培されており、主食の一つになっています。
エジプトの食料自給率
小麦は約60~70%・米は100%・油(食用)は20~30%・牛肉は50~60%・鶏肉は100%です。
メキシコ
野菜 情報
メキシコの野菜
野菜はメキシコで利用されるスペイン語で「verdura(ベルーダ)」です。
メキシコで生産量が多い野菜
メキシコは農業大国で、様々な作物を国内で生産しています。とくに生産量が多くなっている野菜は「トマト」「ピーマン」「タマネギ」「トウモロコシ」「キュウリ」です。
難しくなる農業
メキシコは気候変動の影響と思われる寒暖の差が大きくなっており、ハリケーンなどが多発しています。生産量が著しく減少するなど農業にも深刻なダメージを与えており、なんらかの対策が必要になります。
ロシア
野菜 情報
ロシアの野菜
野菜はロシア語で「овощ(オーバシィ)」です。
増加する温室栽培
ロシアは非常に寒冷な土地を有しており、野菜の生産は主に南西部の「北カフカス地方」を軸にして野菜生産がおこなわれています。近年、ロシアでは「温室栽培」が積極的におこなわれており、ロシア西部の「リペツク州」などで多く導入されています。
冬は野菜を輸入する
ロシアの冬は非常に厳しく、野菜の栽培に適していません。冬は温暖な気候を有している「エジプト」「中国」「テュルキエ」「イスラエル」「アゼルバイジャン」などから多くの野菜が輸入されており、国内の需要を満たしています。
ロシアの食料自給率
ロシアの食料自給率は非常に高く、主食としている「ジャガイモ」の自給率は2020年に約89%です。野菜の自給率も85%を超えており、非常に多くの野菜が国内で生産されています。
スペイン
野菜 情報
スペインの野菜
野菜はスペイン語で「verdura(ベルーダ)」です。
スペインの野菜生産地
主に南部の「アンダルシア州」、南東部の「ムルシア州」「カスティーリャ=ラ・マンチャ州」などで多く野菜が生産されており、これらの地域では「温室栽培」もおこなわれています。温室栽培で育てられる野菜は主に輸出用になり、ヨーロッパ各国へ輸出されています。温室を利用して栽培される野菜は主に「トマト」「ナス」などの「ナス科の野菜」「カボチャ」「コショウ」になります。
輸出大国
スペインは米国・中国などと共に非常に多くの野菜を輸出しています。主な輸出先はヨーロッパ各国で、ヨーロッパの多くの国々ではスペイン産の野菜が販売されています。
日本
野菜 情報
日本の食料自給率
日本の食料自給率は37%と公表されていますが、これはカロリーベースという計算方法になります。カロリーベースでの算出方法は特殊で、
1人1日当たり国産供給熱量(国産の食料でまかなわれているカロリーの割合)/ 1人1日当たり供給熱量(1日に必要なカロリー2,269kcal)
から換算されます。
日本は油脂などの原料となる「大豆」などの生産量が非常に低く、自給率が7%程度です。アメリカなどから非常に安い価格で大豆などが輸入できるため、国内で生産されている大豆は非常に少なくなります。
野菜の自給率は79%、芋類の自給率は63%、食用穀物の自給率が63%、肉類の自給率が50%程度です。
まとめ
アジア圏の野菜生産
野菜の生産量はアジア圏が多く75%を超えています。その中でも中国の野菜生産量が多く、世界で生産される野菜の半数が中国で生産されています。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
FAO, FAOSTAT. "Crops and livestock products - Vegetables Primary, Production (t)" (English) 1961-2022年. ©FAO 2024. 2021年08月18日閲覧。
FAOの利用規則はこちら (English) です。
サムネイル:Pixabay
ライセンスに関してはこちら (English) をご覧ください。