世界には全滅危惧種として登録されている動物が多く存在しており、日本の「イヌワシ」や「タンチョウ」なども全滅危惧種に登録されています。これらの鳥は「人間が快適に暮らすために変化させた環境」「自然災害」「気候変動」など様々な要因で絶滅の危機に瀕しており、保護が必要です。
世界にはどの国にどのくらいの全滅が危惧される鳥が存在するのでしょうか?
インターネットを通して絶滅危惧種の違法売買などがおこなわれるケースがあります。見つけた場合は管理者、または警察に連絡してください。絶滅危惧種はワシントン条約で保護されています。たとえ違反している事を知らなくても罪になります。絶対に取引をおこなわないで下さい。
ワシントン条約規制対象種(出典: 経済産業省)
世界の鳥
絶滅危惧種が多い国
世界の鳥 絶滅危惧種の数
世界一位 インドネシア
世界二位 ブラジル
世界三位 コロンビア
世界の鳥 絶滅危惧種が多い国
Threatened endemic bird species
国 | 全滅危惧種 (種) 2022年 | |
1 | インドネシア (Indonesia) | 162 |
2 | ブラジル (Brazil) | 155 |
3 | コロンビア (Colombia) | 102 |
4 | 中国 (China) | 94 |
5 | ペルー (Peru) | 93 |
6 | インド (India) | 93 |
7 | フィリピン (Philippines) | 91 |
8 | 米国 (U.S.A) | 88 |
9 | エクアドル (Ecuador) | 86 |
10 | メキシコ (Mexico) | 69 |
12 | タイ (Thailand) | 68 |
13 | ニュージーランド (New Zealand) | 67 |
14 | オーストラリア (Australia) | 66 |
15 | マレーシア (Malaysia) | 66 |
16 | ミャンマー (Myanmar) | 59 |
17 | ロシア (Russia) | 58 |
18 | アルゼンチン (Argentina) | 55 |
19 | 南アフリカ共和国 (South Africa) | 54 |
20 | ベトナム (Vietnam) | 51 |
21 | 日本 (Japan) | 50 |
22 | ボリビア (Bolivia) | 47 |
23 | タンザニア (Tanzania) | 46 |
24 | コンゴ民主共和国 (Democratic Republic of the Congo) | 46 |
25 | ケニア (Kenya) | 46 |
26 | ベネズエラ (Venezuela) | 44 |
27 | ブルネイ (Brunei) | 39 |
28 | バングラデシュ (Bangladesh) | 38 |
29 | パプアニューギニア (Papua New Guinea) | 38 |
30 | ネパール (Nepal) | 38 |
31 | マダガスカル (Madagascar) | 37 |
32 | エチオピア (Ethiopia) | 35 |
33 | フランス領ポリネシア (French Polynesia) | 34 |
34 | チリ (Chile) | 34 |
35 | 韓国 (Korea) | 34 |
36 | ナミビア (Namibia) | 34 |
37 | アンゴラ (Angola) | 33 |
38 | カメルーン (Cameroon) | 32 |
39 | モザンビーク (Mozambique) | 32 |
40 | コスタリカ (Costa Rica) | 25 |
41 | ソロモン諸島 (Solomon Islands) | 21 |
42 | ソマリア (Somalia) | 20 |
43 | パナマ (Panama) | 19 |
44 | ニューカレドニア (New Caledonia) | 17 |
45 | ポルトガル (Portugal) | 17 |
46 | ハイチ (Haiti) | 17 |
47 | フィジー (Fiji) | 14 |
48 | スリランカ (Sri Lanka) | 14 |
49 | サントメ・プリンシペ (Saint Thomas and Prince) | 14 |
50 | ミクロネシア連邦 (Micronesia) | 13 |
51 | コモロ (Comoros) | 13 |
52 | セーシェル (Seychelles) | 13 |
53 | プエルトリコ (Puerto Rico) | 12 |
データを元にfumib.netがリストを作成
日本にも非常に多くの絶滅危惧種が存在します!
各国の鳥の絶滅危惧種
全滅危惧種について
絶滅危惧にはカテゴリーがあります。
「絶滅している
(Extinct :EX)」
「野生種が絶滅している
(Extinct in the Wild:EW)」
「深刻な絶滅危機:絶滅危惧IA類
(Critically Endangered:CR)」
「絶滅危機:絶滅危惧IB類
(Endangered:EN)」
「危急な状態:絶滅危惧II類
(Vulnerable:VU)」
「絶滅の懸念
(Near Threatened:NT)
「低懸念
(Least Concern :LC)」
「情報不足
(Data Deficient :DD)」
「未評価(Not Evaluated :NE)」
これらは「レッドリスト」と呼ばれ、国際自然保護連合(IUCN)によって管理されています。
動物の進化について
環境の変化でまず発生するのは「食料がなくなる」ことです。食料が無くなった場合、その種は食料を求めるために移動する必要があります。全ての動物はその場所に適応するために進化してきたと考えられています。人間が破壊した環境も多く、それらが原因で絶滅の危機に瀕している動植物も多く存在します。
種が絶滅した事で他の環境に影響を与える可能性(例えば捕食者が消え害獣が増えるなど)もあり、絶滅危惧種の保護はその環境を維持する事にもなります。
インドネシア
鳥の全滅危惧種
インドネシアの鳥の絶滅危惧種
2022年にインドネシアには1722種の鳥が存在しています。固有種は507種で、全滅危惧種は162種になります。
鳥の楽園
インドネシアは温暖な気候を有しており、世界一固有種が多い国になります。
野鳥の保護活動
インドネシアは「鳥の絶滅危惧種の保護」だけではなく森林の状態の監視、自然保護などが優先しておこなわれています。鳥類は環境の変化に非常に敏感で、少しの環境の変化が絶滅を加速させる恐れがあります。政府や野鳥の保護団体などにより特別区などの管理がおこなわれていますが、数が減少している種も多く存在しています。
絶滅危惧種の売買
違法に絶滅危惧種が高額で取引されているケースも多く、絶滅の加速に繋がっています。
ブラジル
鳥の全滅危惧種
ブラジルの鳥の絶滅危惧種
2022年にブラジルには1816種の鳥が存在しています。固有種は256種で、全滅危惧種は155種になります。
新種の発見
南米に存在する鳥の60%のアマゾン地帯に生息しているとされています。毎年新たな種の発見があり、今後更に新種が増えると思われます。
気候変動問題
気候変動の影響と思われる森林火災などが多発しており、アマゾンの森林の多くが失われつつあります。森林の減少により絶滅した種も存在すると思われ、森林の保護活動や再生に力を注ぐ必要があると思われます。
森林の減少は地球の温暖化を更に加速するとされており、深刻な問題の一つになっています。
コロンビア
鳥の全滅危惧種
コロンビアの鳥の絶滅危惧種
2022年にコロンビアには1864種の鳥が存在しています。固有種は94種で、全滅危惧種は102種になります。
世界一鳥多くの種類の鳥が存在する国
コロンビアは非常に多くの鳥が生息しており、「世界一多く鳥が多く存在する国」です。世界に存在する鳥の 1/5がコロンビアに生息しているとされ、主にアマゾン地帯で生息しています。
コロンビアの国土の半分以上がアマゾン地帯
コロンビア・ベネズエラ・ガイアナ・スリナム・フランス領ギアナ・ブラジルにまたがる「ギニア高地」はアマゾンの熱帯雨林が広がっており、コロンビアの国土の2/3を占めています。
コロンビアには5,000mを超える山岳地帯・乾燥地帯・熱帯雨林など様々なバイオームが存在します。鳥たちは個々の環境にあった場所を住処としています。
中国
鳥の全滅危惧種
中国の鳥の絶滅危惧種
2022年に中国には1286種の鳥が存在しています。固有種は67種で、全滅危惧種は94種になります。
渡り鳥の減少
中国は秋から冬にかけてロシアなどから多く鳥が越冬のために中国へやってきます。中国では越冬のためにやってきた鳥の乱獲などが多く、多くの種が絶滅の危機に面しています。中国政府や保護団体は越冬のためにやってきた鳥たちのために「米などの作物を一定量残す」「野鳥の狩猟禁止」などの全滅を防ぐ取り組みがおこなわれていますが、将来的に絶滅する可能性があります。
また、気候変動などの影響と思われる気温上昇などにより鳥の生息地などが変化しており、様々な対策が国内で検討されています。
ペルー
鳥の全滅危惧種
ペルーの鳥の絶滅危惧種
2022年にペルーには1861種の鳥が存在しています。固有種は139種で、全滅危惧種は93種になります。
ペルーにも非常に多くの鳥が存在する
ペルーは南米に位置しており、様々なバイオームが国内に存在します。鳥の種類は非常に多く、国内にはブラジルを超える鳥の種類が観測されています。国内には南米にしか存在しない美しい鳥が多く存在しますが、「アンデスコンドル」などが著しく減少しています。
減少する理由
アンデスコンドルなどは「野生生物の死骸」などを食料としています。ペルーには危険な野生生物が農地などを荒らすため、「毒物」などによって処分される事が多々あります。その死肉を食べたアンデスコンドルなども多く発見されており、大きな問題になっています。
インド
鳥の全滅危惧種
インドの鳥の絶滅危惧種
2022年にインドには1210種の鳥が存在しています。固有種は76種で、全滅危惧種は93種になります。
気候変動問題
インドでは気候変動の影響と思われる干ばつなどが国土の40%以上で発生しており、湿地などで生息する鳥の数が減少しています。インドにも【ロシア】などから多くの渡り鳥などが越冬のためにやってきますが、個体数が著しく減少しており、将来的に全滅する可能性があります。水不足は農業などにも大きな影響を与えており、何らかの対策が必要とされています。
記録的な熱波
インド国内では猛烈な熱波により、気温が50度を超えるなど生物が生活するのに非常に厳しい環境になっています。熱波の原因は海面の水温上昇による影響などで、インド国内だけではなく多くの国々で記録的な熱波を観測しています。
フィリピン
鳥の全滅危惧種
フィリピンの鳥の絶滅危惧種
2022年にフィリピンには594種の鳥が存在しています。固有種は258種で、全滅危惧種は91種になります。
島の数は7000を超える
フィリピンでは主にルソン島・ミンダナオ島・パラワン島で多くの固有種が確認されています。フィリピンは7,109の島々からなる島国ですが、実際は7500を超えるとも言われており、多くの鳥の住処となっています。
新たな固有種の発見も多く、今後更に増加すると思われます。
米国
鳥の全滅危惧種
アメリカの鳥の絶滅危惧種
2022年にアメリカには828種の鳥が存在しています。固有種は71種で、全滅危惧種は88種になります。
アメリカの鳥の固有種
アメリカにも国内に様々な環境が存在し、多くの鳥の固有種が存在します。全滅を危惧される「コンドル」なども存在しますが、保護活動により個体数が増加しています。
エクアドル
鳥の全滅危惧種
エクアドルの鳥の絶滅危惧種
2022年にエクアドルには1622種の鳥が存在しています。固有種は42種で、全滅危惧種は86種になります。
エクアドルの鳥の絶滅危惧種
エクアドルから西へいったところには「ガラパゴス諸島」が存在します。ガラパゴス諸島は火山の噴火によって生まれた島々で、海面上昇により将来的に沈むといわれています。実際に島の浸食が始まっており、ガラパゴス諸島に住む多くの固有種が絶滅の危機に瀕しています。ガラパゴス諸島には鳥以外の動物や魚なども多く存在し、陸に住む生物の約80種が固有種とされています。植物は180種以上が固有種とされ、固有種の楽園のいとつになります。
止まらない海面上昇
世界中で海面上昇の問題は深刻化しています。【エジプト】の北に位置する「アレクサンドリア県」は海面上昇によりビーチが消失し、海面沿いに築かれた都市は将来的に飲み込まれる可能性があります。アレクサンドリア県は非常に人口が多く、国内で大きな問題になっています。
メキシコ
鳥の全滅危惧種
メキシコの鳥の絶滅危惧種
2022年にメキシコには1100種の鳥が存在しています。固有種は128種で、全滅危惧種は69種になります。
メキシコの鳥の全滅危惧種
メキシコではチドリ目ウミスズメ科に属する「セグロウミスズメ」「シエラ・マドレ・スズメ(Sierra Madre sparrow)」などが全滅の危機に瀕しています。メキシコでは主に「農業」による土地の改良などがおこなわれ、土地の環境が大きく変化しています。とくに海岸地域の環境変化は大きく、動植物の数が減少しています。
まとめ
気候変動の影響
現在地球全体で「気候変動」の影響と思われる環境の変化が顕著にみられ、多くの生態系へのダメージが深刻化しています。絶滅危惧種は環境の変化などで大きく数を減らした種も多く、気候変動を止める活動は絶滅危惧種の保護にも繋がります。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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