人の移動には莫大なエネルギーを要します。飛行機は温室効果ガスの排出量が非常に多く、削減が世界中で求められています。
世界ではどのくらい移動により温室効果ガスが排出されているのでしょうか?
✔記事の内容
各国の飛行機などによる温室効果ガス排出量
飛行機などによる温室効果ガス排出量
飛行機など移動による温室効果ガス排出量世界一はアメリカ、世界二位は中国、世界三位はインドです。

飛行機など移動による温室効果ガス排出量
Greenhouse gas emissions by Transport
国 | 温室効果ガス 排出量(t) | |
1 | アメリカ (America) ![]() Population: 335,624,927 | 1,710,000,000 |
2 | 中国 (China) ![]() Population: 1,406,473,280 | 843,500,000 |
3 | インド (India) ![]() Population: 1,402,862,229 | 265,300,000 |
4 | ロシア (Russia) ![]() Population: 145,872,300 | 240,200,000 |
5 | 日本 (Japan) ![]() Population: 125,810,000 | 207,500,000 |
6 | ブラジル (Brazil) ![]() Population: 211,049,500 | 198,500,000 |
7 | カナダ (Canada) ![]() Population: 37,411,000 | 172,400,000 |
8 | ドイツ (Germany) ![]() Population: 83,517,000 | 161,000,000 |
9 | メキシコ (Mexico) ![]() Population: 120,575,500 | 155,900,000 |
10 | サウジアラビア (Saudi Arabia) ![]() Population: 34,268,500 | 136,900,000 |
11 | インドネシア (Indonesia) ![]() Population: 274,522,988 | 134,500,000 |
12 | イラン (Iran) ![]() Population: 82,913,900 | 130,600,000 |
13 | フランス (France) ![]() Population: 65,129,700 | 121,900,000 |
14 | イギリス (U.K) ![]() Population: 67,530,200 | 120,500,000 |
15 | イタリア (Italy) ![]() Population: 60,550,100 | 101,700,000 |
16 | 韓国 (Korea) ![]() Population: 51,225,300 | 101,300,000 |
17 | オーストラリア (Australia) ![]() Population: 25,203,200 | 96,100,000 |
18 | スペイン (Spain) ![]() Population: 46,736,800 | 88,800,000 |
19 | トルコ (Turkey) ![]() Population: 83,429,600 | 79,000,000 |
20 | タイ (Thailand) ![]() Population: 69,625,600 | 69,200,000 |
21 | マレーシア (Malaysia) ![]() Population: 31,949,800 | 62,800,000 |
22 | エジプト (Egypt) ![]() Population:100,388,100 | 56,000,000 |
23 | 南アフリカ共和国 (South Africa) ![]() Population: 58,558,300 | 55,400,000 |
24 | ポーランド (Poland) ![]() Population: 37,887,800 | 53,300,000 |
25 | ナイジェリア (Nigeria) ![]() Population: 200,963,600 | 50,800,000 |
26 | アルゼンチン (Argentine) ![]() Population: 44,780,700 | 46,500,000 |
27 | パキスタン (Pakistan) ![]() Population: 216,565,300 | 46,200,000 |
28 | アルジェリア (Armenia) ![]() Population: 43,053,100 | 45,100,000 |
29 | ベネズエラ (Venezuela) ![]() Population: 28,515,800 | 40,000,000 |
30 | ベトナム (Vietnam) ![]() Population: 96,462,100 | 36,900,000 |
31 | アラブ首長国連邦 (AUE) ![]() Population: 9,770,500 | 34,600,000 |
32 | フィリピン (Philippines) ![]() Population: 108,116,600 | 33,300,000 |
33 | コロンビア (Colombia) ![]() Population: 50,339,400 | 31,500,000 |
34 | オランダ (Nederland) ![]() Population: 17,097,100 | 30,100,000 |
35 | チリ (Chile) ![]() Population: 18,952,000 | 26,400,000 |
36 | ベルギー (Belgium) ![]() Population: 11,539,300 | 26,000,000 |
37 | イラク (Iraq) ![]() Population: 39,309,800 | 25,300,000 |
38 | ウクライナ (Ukraine) ![]() Population: 43,993,600 | 24,400,000 |
39 | オーストリア (Ausria) ![]() Population: 8,955,100 | 23,500,000 |
40 | ペルー (Peru) ![]() Population: 32,510,500 | 22,300,000 |
41 | リビア (Libya) ![]() Population: 6,777,500 | 21,200,000 |
42 | スウェーデン (Sweden) ![]() Population: 10,036,400 | 20,000,000 |
43 | チェコ (Czech) ![]() Population: 10,689,200 | 18,000,000 |
44 | イスラエル (Israel) ![]() Population: 8,519,400 | 17,600,000 |
45 | ギリシャ (Greece) ![]() Population: 10,473,500 | 17,200,000 |
46 | モロッコ (Morocco) ![]() Population: 36,471,800 | 17,100,000 |
47 | エクアドル (Ecuador) ![]() Population: 17,373,700 | 16,700,000 |
48 | ルーマニア (Rumania) ![]() Population: 19,364,600 | 16,500,000 |
49 | ポルトガル (Portugal) ![]() Population: 10,226,200 | 16,100,000 |
50 | スイス (Switzerland) ![]() Population: 8,591,400 | 16,000,000 |
51 | カザフスタン (Kazakhstan) ![]() Population: 18,551,400 | 15,100,000 |
52 | ニュージーランド (New Zealand) ![]() Population: 4,783,100 | 14,600,000 |
https://www.climatewatchdata.org/data-explorer/historical-emissions
各国の飛行機などによる温室効果ガス排出量
2016年、温室ガスは世界全体で50,610,000,000トン排出されています。飛行機など移動により発生した温室効果ガスの排出量は7,870,000,000トンで、全体の15.55%が飛行機など移動により温室ガスが発生しています。

アメリカの飛行機などによる温室効果ガス排出量
アメリカでは飛行機など移動により1,710,000,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で飛行機など移動により発生した温室効果ガスの21.72%がアメリカにより発生しています。
公共交通機関の利用は、エネルギーを節約する事ができる最も効果的な方法の1つです。公共交通機関の使用によりエネルギー効率の高い電力や機器の使用、一度に大量の人を運ぶなど、非常に大きなエネルギーの削減をおこなう事が可能です。車で20マイルの通勤から既存の公共交通機関に切り替える事により削減できるエネルギーは、一人あたり年間のCO2排出量を1日あたり20ポンド(9.07㎏)、1年で48,000ポンド(21,772.43㎏)以上削減できます。
1台の車の利用から公共交通機関の利用に切り替える事により、二酸化炭素排出量の30%の節約を実現できます。
移動手段を公共交通機関に切り替える事により、年間37,000,000,000ルトンの二酸化炭素を節約する事が可能です。490万世帯またはワシントンDCのすべての世帯の電力から生じる排出量に相当します。(KCATA)
アメリカは非常に大きく、移動に飛行機や車を利用する事が一般的になっています。大陸を横断できるような高速鉄道など、新たなインフラを整える必用があり、非常に大きなコストがかかると思われます。
中国の飛行機などによる温室効果ガス排出量
中国では飛行機など移動により843,500,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で飛行機など移動により発生した温室効果ガスの10.71%が中国により発生しています。
2000年から2014年にかけて、中国の7つの都市(上海市、北京市、広州市、成都市、西安市、太原市、ウルムチ市)のGDP、人口、旅行などの移動が増加しています。移動の変化で最も大きな変化は、広州以外の都市では、自家用車の利用が公共交通機関(バスやタクシー)の利用よりもはるかに多い事です。2006年以降、自家用車の台数は大幅に増加していて、利用に拍車がかかっています。中規模やそれ以下の都市における自家用車の利用率は大都市よりも高く、平均で10%から23%利用率が増加しています。
人の移動が増加した事に伴い、CO2の総排出量と1人当たりのCO2排出量が増加しました。北京市、上海市、広州市などの第1層都市と呼ばれる都市では、人の移動によるCO2排出量の増加率は他の都市と比べるとゆるやかです。これは公共機関を利用した移動が多くなっている事により、CO2の排出量が低くなっている事が要因になります。その他の都市は爆発的に増加しています。バス、タクシー、自家用車のCO2排出量は増加していて、とくに自家用車の利用が増加しています。2014年には、7都市の自家用車のCO2排出率は全体の65%〜88%に達しています。(ScienceDirect 2019年)
インドの飛行機などによる温室効果ガス排出量
インドの運輸部門は、国の温室効果ガスの総排出量の約10%を占めています。乗用車のエネルギー消費量は、年間3.7〜5.5%増加、貨物輸送のエネルギー消費量は年間4.6〜7.2%増加していて、車の利用率の増加が顕著になっています。
自動車から排出されるPM2.5や二酸化炭素が増加しており、2050年に排出されるPM2.5の約3分の1が自動車によって排出、CO2の排出量は2010年と比較して7倍に増加すると予想されています。インドは脱炭素化に向けて力を入れていますが、先進国と比べ状況が違い、脱炭素には抜本的な改革が必要と思われます。(CEEW 2018年)
インドのエネルギー利用は化石燃料が主に使用されています。人口の爆発的増加により、太陽光などの再利用可能なエネルギーの供給量をはるかに上回り、今後も化石燃料の利用、依存が悪化すると思われます。
インドの都市部でのバスの利用が促進されているようです。
ロシアの飛行機などによる温室効果ガス排出量
ロシアでは飛行機など移動により240,200,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で飛行機など移動により発生した温室効果ガスの3.05%がロシアにより発生しています。
2021年7月2日、ロシアでは「温室効果ガス排出の制限について」(連邦法第296-FZ)に関する法律が制定しています。この法律は、気候変動に関するパリ協定に基づくロシアの義務を履行するために制定され、温室効果ガスの排出を削減しながら、ロシア経済の持続可能でバランスの取れた発展していくために制定されています。具体的な内容は、2030年までにCO2の排出量を1990年比で70%削減するという目標に向かい力を注ぐ事、年間15万トン以上のCO2、2024年1月1日時点で年間5万トン以上のCO2を排出する企業に対し、温室効果ガス排出に関する年次報告書(2023年以降)を管轄機関に提出することを義務付けです。(CMS-Law-Now 2021年)
ロシアは他の国々と若干方向性が違いますが、環境問題に対する意識が高く、企業なども気候変動や温暖化問題に対する取り組みに力を入れています。
守られなければ粛清されるかもしれません。
日本の飛行機などによる温室効果ガス排出量
日本では飛行機など移動により207,500,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で飛行機など移動により発生した温室効果ガスの2.63%が日本により発生しています。
車社会の日本。日本はトヨタ自動車などが本当に環境に優しい水素車(FCV)などを推進してきましたが、バッテリー車の普及の波にのまれ、トヨタ自動車でも多くのバッテリー車などが2021年から2022年にかけて発表されています。水素はFCV用として天然ガスなどから作るのが現実的で、また最も安価になります。水素を作る段階でCO2が発生しますが、他のガソリン車やEV車と比べ排出量が低いとされています。再生可能エネルギー(風力、水力、太陽光など)利用して水素を作ればCO2の排出量はほどんど発生しないため、日本では太陽光を利用した水素ステーションなどの実証試験がおこなわれています。
日本では国内移動に非常に多くの航空機が利用されています。航空機から排出される温室効果ガスの排出量は非常に多く、ある程度削減していく必要があると思われます。
まとめ
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。