気候変動により森林火災などが増加しています。温室効果ガスは土地の利用変化によっても非常に多く排出され、問題になっています。
世界で森林破壊や土地利用変化によってどのくらい温室効果ガスが排出されているのでしょうか?
✔記事の内容
各国の森林破壊や土地利用変化による温室効果ガス排出量
森林破壊や土地利用変化による
温室効果ガス排出量
森林破壊や土地利用変化による温室効果ガス排出量世界一はインドネシア、世界二位はザンビア、世界三位はブラジルです。

森林破壊や土地利用変化による温室効果ガス排出量
Greenhouse gas emissions by Land-Use Change and Forestry
国 | 温室効果ガス 排出量 (t) 2016年 | |
1 | インドネシア (Indonesia) ![]() Population: 274,522,988 | 1,360,000,000 |
2 | ザンビア (Zambia) ![]() Population: 17,861,000 | 452,930,000 |
3 | ブラジル (Brazil) ![]() Population: 211,049,500 | 329,210,000 |
4 | タンザニア (Tanzania) ![]() Population: 58,005,500 | 214,820,000 |
5 | ナイジェリア (Nigeria) ![]() Population: 200,963,600 | 185,340,000 |
6 | コンゴ民主共和国 (Democratic Republic of the Congo) ![]() Population: 86,790,600 | 167,090,000 |
7 | 南スーダン (South Sudan) ![]() Population: 11,062,100 | 148,740,000 |
8 | パラグアイ (Paraguay) ![]() Population: 7,044,600 | 147,140,000 |
9 | インド (India) ![]() Population: 1,402,862,229 | 126,430,000 |
10 | カメルーン (Cameroon) ![]() Population: 25,876,400 | 120,060,000 |
11 | ミャンマー (Myanmar) ![]() Population: 54,045,400 | 110,370,000 |
12 | アルゼンチン (Argentine) ![]() Population: 44,780,700 | 101,880,000 |
13 | ボリビア (Bolivia) ![]() Population: 11,513,100 | 94,960,000 |
14 | ベネズエラ (Venezuela) ![]() Population: 28,515,800 | 94,600,000 |
15 | アンゴラ (Angola) ![]() Population: 31,825,300 | 89,250,000 |
16 | カナダ (Canada) ![]() Population: 37,411,000 | 83,930,000 |
17 | ペルー (Peru) ![]() Population: 32,510,500 | 71,440,000 |
18 | イラン (Iran) ![]() Population: 82,913,900 | 67,080,000 |
19 | ボツワナ (Botswana) ![]() Population: 2,303,700 | 55,510,000 |
20 | スーダン (Sudan) ![]() Population: 42,813,200 | 46,220,000 |
21 | パプアニューギニア (Papua New Guinea) ![]() Population: 8,776,100 | 42,630,000 |
22 | コロンビア (Colombia) ![]() Population: 50,339,400 | 41,620,000 |
23 | モザンビーク (Mozambique) ![]() Population: 30,366,000 | 40,020,000 |
24 | コンゴ共和国 (Republic of the Congo) ![]() Population: 5,380,500 | 40,010,000 |
25 | ジンバブエ (Zimbabwe) ![]() Population: 14,645,500 | 36,130,000 |
26 | エクアドル (Ecuador) ![]() Population: 17,373,700 | 33,930,000 |
27 | ガイアナ (Guyana) ![]() Population: 782,800 | 32,890,000 |
28 | カンボジア (Cambodia) ![]() Population: 16,486,500 | 29,990,000 |
29 | ホンジュラス (Honduras) ![]() Population: 9,746,100 | 29,660,000 |
30 | パキスタン (Pakistan) ![]() Population: 216,565,300 | 28,640,000 |
31 | ウガンダ (Uganda) ![]() Population: 44,269,600 | 27,410,000 |
32 | マダガスカル (Madagascar) ![]() Population: 26,969,300 | 26,750,000 |
33 | ラオス (Laos) ![]() Population: 7,169,500 | 26,400,000 |
34 | チャド (Chad) ![]() Population: 15,946,900 | 25,310,000 |
35 | エチオピア (Ethiopia) ![]() Population: 112,078,700 | 23,070,000 |
36 | タイ (Thailand) ![]() Population: 69,625,600 | 19,960,000 |
37 | バングラデシュ (Bangladesh) ![]() Population: 163,046,200 | 19,560,000 |
38 | モンゴル (Mongolia) ![]() Population: 3,225,200 | 19,520,000 |
39 | ギニア (Guinea) ![]() Population: 12,771,200 | 16,620,000 |
40 | 中央アフリカ (Central African Republic) ![]() Population: 4,745,200 | 16,240,000 |
41 | ネパール (Nepal) ![]() Population: 28,608,700 | 14,370,000 |
42 | 北朝鮮 (North Korea) ![]() Population: 25,500,000 | 14,030,000 |
43 | ソマリア (Somalia) ![]() Population: 15,442,900 | 13,200,000 |
44 | メキシコ (Mexico) ![]() Population: 120,575,500 | 11,480,000 |
45 | ベナン (Benin) ![]() Population: 11,801,200 | 10,640,000 |
46 | ガーナ (Ghana) ![]() Population: 30,417,900 | 9,580,000 |
47 | グアテマラ (Guatemala) ![]() Population: 17,581,500 | 9,320,000 |
48 | ブルキナファソ (Burkina Faso) ![]() Population: 20,321,400 | 8,810,000 |
49 | パナマ (Panama) ![]() Population: 4,246,400 | 8,380,000 |
50 | ナミビア (Namibia) ![]() Population: 2,494,500 | 8,060,000 |
51 | コートジボワール (Ivory Coast) ![]() Population: 25,716,500 | 7,550,000 |
52 | シエラレオネ (Sierra Leone) ![]() Population: 7,813,200 | 6,680,000 |
日本 (Japan) ![]() Population: 125,810,000 | 4,460,000 |
https://www.climatewatchdata.org/data-explorer/historical-emissions
各国の森林破壊や土地利用変化による温室効果ガス排出量
2016年、温室効果ガスは世界全体で50,610,000,000トン排出されています。森林破壊や土地利用変化により発生した温室効果ガスの排出量は3,220,000,000トンで、全体の6.36%が森林破壊や土地利用変化により温室効果ガスが発生しています。

インドネシアの森林破壊や土地利用変化による温室効果ガス排出量
インドネシアでは森林破壊や土地利用変化により1,360,000,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で森林破壊や土地利用変化により発生した温室効果ガスの42.23%がインドネシアにより発生しています。
PRW(Pew Research center)でおこなわれた調査によると、インドネシアで気候変動を「非常に心配している」と述べた人は国内で41%で、非常に多くの人が気候変動に対して不安を抱えています。インドネシアも気候変動により大雨などが発生し、人、建物、作物など非常に大きな被害に見舞われています。(Carbon Brief 2019年)
気候変動に不安を感じているか?
気候変動に対し不安を感じている人の割合
国 | 不安度 (%) |
アメリカ | 51 |
フランス | 56 |
イギリス | 41 |
ポーランド | 19 |
ロシア | 33 |
ウクライナ | 29 |
レバノン | 67 |
トルコ | 37 |
イスラエル | 24 |
インド | 76 |
フィリピン | 72 |
ベトナム | 69 |
韓国 | 48 |
日本 | 45 |
マレーシア | 44 |
オーストラリア | 43 |
インドネシア | 41 |
中国 | 18 |
ブラジル | 86 |
メキシコ | 66 |
ナイジェリア | 61 |
世界平均 | 54 |
インドネシアの化石燃料
インドネシアには、世界の熱帯雨林の10%と熱帯泥炭地の36%が含まれています。泥炭地とは植物の成長と腐朽などが長い年月をかけ蓄積し、湿地となった土地です。炭素を多く含んでおり、泥炭(石炭と泥の中間みたいなもの)などの化石燃料が存在しています。インドネシアの泥炭地は最大20倍の炭素を保持できる土壌を持ち、泥炭地は約280億トンの炭素を保有していると推定されています。これは世界の化石燃料排出量のほぼ3年に相当します。(Carbon Brief 2019年)
ザンビアの森林破壊や土地利用変化による温室効果ガス排出量
ザンビアでは森林破壊や土地利用変化により452,930,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で森林破壊や土地利用変化により発生した温室効果ガスの14.06%がザンビアにより発生しています。
ザンビアの環境破壊
ザンビアはアフリカ大陸の南部に位置する共和国です。ザンビアでは森林破壊が進行していて、大きな懸念事項の一つになっています。森林減少率は年間79,000〜150,000ヘクタールと推定されており、世界で最も森林減少率が高い国の1つです。土地利用、土地利用変化、森林破壊が温室効果ガスの主な排出源になっており、ザンビア国内の温室効果ガス総排出量の73%を占めています。
ザンビアの環境対策
ザンビア政府は2030年までに2010年比の推定3800万トンの温室効果ガスを軽減する計画を発表していて、環境の保全に力を注いでいます。国有林を伐採する者も多く、監視システムを州単位で設置する必要があるとされています。この計画は0.14ドル(約15円)/トン、1400,000ドル(約1億6千万円 2022年)の予算がかけられています。(Green Climate Fund 2020年)
ブラジルの森林破壊や土地利用変化による温室効果ガス排出量
ブラジルでは森林破壊や土地利用変化により329,210,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で森林破壊や土地利用変化より発生した温室効果ガスの10.22%がブラジルにより発生しています。
ブラジルの環境破壊
2020年、ブラジルでは「メガファイア」とよばれる大規模な森林火災などが発生していています。森林破壊は1年前に比べ55%増加しており、世界中で環境破壊による気候変動が危惧されています。ブラジルでは2030年までに15mヘクタールの牧草地を回復し、2030年までに作物、家畜、森林など500万ヘクタールを回復させる事を約束しています。
ブラジルの環境対策
ブラジルでは1973年に発生した「オイルショック」を期に、車などに利用する燃料にバイオエタノールをブレンドする法律が1977年に制定されています。バイオエタノールの混合率は年々上昇し、現在燃料に対し、27%のバイオエタノールを混合させる必要があります。
ヨーロッパは2020年に10%・イギリスでは4.75%のバイオエタノールのブレンドが義務付けられています。
バイオエタノールは「サトウキビ」からも生産され、ブラジルで生産されたサトウキビから加工されたバイオエタノールが最も環境に良い燃料と言われています。
タンザニアの森林破壊や土地利用変化による温室効果ガス排出量
タンザニアでは森林破壊や土地利用変化により214,820,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で森林破壊や土地利用変化により発生した温室効果ガスの6.67%がタンザニアにより発生しています。
タンザニアの温室効果ガスの排出の主な発生源は、土地利用、土地利用変化および林業で、タンザニアの全体の排出量の約3分の2を占めています。
その他の温室効果ガスを排出している主な要因は、農業、廃棄物および産業の過程で発生する温室効果ガスが多くなっています。(タンザニア政府 統計局 2019年)
ナイジェリアの森林破壊や土地利用変化による温室効果ガス排出量
ナイジェリアでは森林破壊や土地利用変化により185,340,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で森林破壊や土地利用変化により発生した温室効果ガスの5.75%がナイジェリアにより発生しています。
ナイジェリアの環境破壊
ナイジェリアでは自然が豊かな国で、熱帯気候には1000種を超える動物達が存在します。しかし、ナイジェリアの熱帯雨林は2000年から2005年の間に、原生林の55.7%を失い、この期間に世界で最も森林破壊がおこなわれた国です。2005年以降も森林破壊は続いていて、2010年から2019年にかけて、ナイジェリアは86,700ヘクタールの熱帯林を失っています。(Carbon Brief 2018年、Global Forest Watch)
ナイジェリアの環境対策
2006年、ナイジェリア政府は、森林破壊を抑制するために国有林政策を導入し、すべての州で対策が実施されました。しかし、森林減少は無慈悲に現在も続いています。
2019年、ムハンマド・ブハリ大統領は、ニューヨークで開催された国連気候サミットで、ナイジェリアで2,500万本の植林を行う」と約束しています。
まとめ
土地の利用変化は森を切り開き、農地へと新たに開拓など、新たな土地の利用で非常に多くの温室効果ガスが排出されます。温室効果ガスを防ぐには正しい知識を、それをおこなえる行動力と経済力が必要になり、簡単な事ではありません。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。