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世界の製造業による温室効果ガスの排出量

世界には様々な製造業が存在し、多くの温室効果ガスが廃出されています。

世界では製造業や建設業から排出される温室効果ガスはどのくらいなのでしょうか?

記事の内容

世界の製造業による温室効果ガスの排出量ランキング
各国の製造業による温室効果ガスの排出量

世界の製造業による温室効果ガスの排出量

製造業・建設業による温室効果ガス排出量世界一中国世界二位はインド世界三位はアメリカです。

世界の製造業・建設業による温室効果ガスの排出量
Greenhouse gas emissions
by Manufacturing & Construction

温室効果ガス
排出量
(t)
2016年
1中国
(China)
Population: 1,406,473,280
2,840,000,000
2インド
(India)
Population: 1,402,862,229
533,800,000
3アメリカ
(America)
Population: 335,624,927
433,600,000
4日本
(Japan)
Population: 125,810,000
190,300,000
5ロシア
(Russia)
Population: 145,872,300
187,800,000
6サウジアラビア
(Saudi Arabia)
Population: 34,268,500
110,800,000
7イラン
(Iran)
Population: 82,913,900
91,400,000
8ドイツ
(Germany)
Population: 83,517,000
89,200,000
9ブラジル
(Brazil)
Population: 211,049,500
85,700,000
10インドネシア
(Indonesia)
Population: 274,522,988
84,200,000
11韓国
(Korea)
Population: 51,225,300
73,000,000
12アラブ首長国連邦
(AUE)
Population: 9,770,500
68,200,000
13カナダ
(Canada)
Population: 37,411,000
64,000,000
14ベトナム
(Vietnam)
Population: 96,462,100
62,400,000
15メキシコ
(Mexico)
Population: 120,575,500
61,900,000
16カザフスタン
(Kazakhstan)
Population: 18,551,400
55,400,000
17トルコ
(Turkey)
Population: 83,429,600
51,100,000
18南アフリカ共和国
(South Africa)
Population: 58,558,300
50,300,000
19タイ
(Thailand)
Population: 69,625,600
49,500,000
20パキスタン
(Pakistan)
Population: 216,565,300
41,800,000
21オーストラリア
(Australia)
Population: 25,203,200
38,700,000
22フランス
(France)
Population: 65,129,700
37,600,000
23ウクライナ
(Ukraine)
Population: 43,993,600
37,600,000
24イギリス
(U.K)
Population: 67,530,200
36,400,000
25イタリア
(Italy)
Population: 60,550,100
34,700,000
26アルゼンチン
(Argentine)
Population: 44,780,700
30,000,000
27マレーシア
(Malaysia)
Population: 31,949,800
29,600,000
28スペイン
(Spain)
Population: 46,736,800
29,500,000
29エジプト
(Egypt)
Population:100,388,100
28,600,000
30ポーランド
(Poland)
Population: 37,887,800
28,100,000
31ベネズエラ
(Venezuela)
Population: 28,515,800
25,300,000
32オランダ
(Netherlands)
Population: 17,097,100
23,900,000
33オマーン
(Oman)
Population: 4,975,000
23,800,000
34ベルギー
(Belgium)
Population: 11,539,300
19,200,000
35クウェート
(Kuwait)
Population: 4,207,100
17,600,000
36フィリピン
(Philippines)
Population: 108,116,600
16,800,000
37バングラデシュ
(Bangladesh)
Population: 163,046,200
15,100,000
38北朝鮮
(North Korea)
Population: 25,500,000
15,100,000
39チリ
(Chile)
Population: 18,952,000
15,000,000
40コロンビア
(Colombia)
Population: 50,339,400
14,700,000
41カタール
(Qatar)
Population: 2,832,100
13,600,000
42シンガポール
(Singapore)
Population: 5,804,300
12,400,000
43ルーマニア
(Romania)
Population: 19,364,600
11,700,000
44チェコ
(Czech)
Population: 10,689,200
11,700,000
45オーストリア
(Ausria)
Population: 8,955,100
11,500,000
46ウズベキスタン
(Uzbekistan)
Population: 32,981,700
11,100,000
47アルジェリア
(Armenia)
Population: 43,053,100
10,900,000
48イラク
(Iraq)
Population: 39,309,800
8,900,000
49ペルー
(Peru)
Population: 32,510,500
7,800,000
50フィンランド
(Finland)
Population: 5,532,200
7,500,000
51スロバキア
(Slovakia)
Population: 5,457,000
7,300,000
52モロッコ
(Morocco)
Population: 36,471,800
7,100,000
出典: CAIT Climate Data Explorer via. Climate Watch 2016年
https://www.climatewatchdata.org/data-explorer/historical-emissions

各国の製造業による温室効果ガスの排出量


2016年、温室効果ガスは世界全体で50,610,000,000トン排出されています。産業により温室効果ガスの排出量は6,110,000,000トンで、全体の12.07%が製造業や建設業により温室効果ガスが発生しています。

温室効果ガスの排出原因の記事はこちらになります。よろしかったら一緒にご覧ください。


中国の製造業による温室効果ガスの排出量


 中国は製造業や建設業により2,840,000,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で産業により発生した温室効果ガスの46.48%が中国から発生しています。

中国の温室効果ガスの発生


 中国は爆発的な人口増加により都市の拡大、都市部の土地の不足により、高層ビルの建設が続いています。2010年以降、世界全体でおこなわれた建物建設の約半分が中国国内でおこなわれています。建物は解体されるまでの約30年、建物の建設・保全や修繕・解体など全てのプロセスの中で非常に多くの温室効果ガスが排出されます。中国では2001年から比較して、約3倍以上の温室効果ガスが排出されています。(出典: Carbon Brief 2020年)

中国の新たな温室効果ガス


 温室効果ガスの排出は、「建築材料の製造と輸送・建物の建設・保守・解体からの排出される物」と定義されていますが、実際は照明の使用、暖房・冷房などの日常的に利用される電気によっても温室効果ガスの排出しています。間接的に発電所の化石燃料の利用に繋がり、温室効果ガス排出にを排出しています。(出典: Carbon Brief 2020年)

室効果ガスの削減


 温室効果ガスの削減は「産業廃棄物」の処理に焦点があてられています。実際は生産された物が、どのように利用されるか、間接的にどのようなものが消費されるかなど、削減は様々な方法で可能だと研究者は述べています。温室効果ガスの削減は廃棄物の処理だけではなく、生産段階から温室効果ガスの排出を考慮する必要があります。(出典: Carbon Brief 2020年)

インドの製造業による温室効果ガスの排出量


 インドは製造業や建設業により533,800,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で産業により発生した温室効果ガスの8.73%がインドから発生しています。

インドの温室効果ガスの発生


 インドは爆発的な人口増加に伴い、建物の建設が増加、建設材料の製造などの需要も増えており、温室効果ガスの排出の20%から25%が建築材料製造業などから排出されています。今後20年間で、インドのCO2排出量は50%増加すると予測されており、世界最大になります。(出典: RMI India 2021年)

インドの製造業の温室効果ガスの削減


 建築業界が2050年までに脱炭素化を目指す場合、世界の建築の「バリューチェーンマネージメント」(価値連鎖)を現在の5倍に増加する必要があります。バリーチューンマネージメントとは、原材料や部品の調達・製品の加工と組み立て・配送・マーケティング活動・顧客への販売・アフターサービスなどの一連の動作の中で、それぞれの過程がどのような価値を生み出すかに主眼をおいた考え方です。温室効果ガスは全ての過程の中で発生し、この全ての過程から排出される温室効果ガスの徹底的な管理を行うことにより、脱炭素化に繋がります。

 インドのセメント産業は、2010年のレベルから2050年までに温室効果ガスの排出を45%削減することを目指しています。(出典: RMI India 2021年)

アメリカの製造業による温室効果ガスの排出量


 アメリカは製造業や建設業により433,600,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で産業により発生した温室効果ガスの7.09%がアメリカから発生しています。

アメリカの温室効果ガスの発生


 米国の温室効果ガス排出量23%は、製造業・食品加工業・鉱業・建設業などから発生しています。温室効果ガスは工場で生産に利用された化石燃料の使用や、鉄・鋼・セメントなどを生産する段階で発生しています。

 さらに発電所で生産された電力を製造業や建設業が利用する事により、間接的な温室効果ガスを排出します。これらの電力使用は、米国の総電力1/4を占めています。直接排出と間接排出の総排出量は29.6パーセントにもなり、非常に多くの温室効果ガスを排出しています。(出典: C2ES 2021年)

アメリカの製造業の温室効果ガスの削減


 2020年、「米国イノベーション製造法」(AIM)が議会によって制定されています。規制対象の炭化水素化合物(HFC)の生産と消費の85%を段階的廃止し、15年にわたって実施されます。これらのHFCとその代替品を管理し、次世代技術への移行などが促進されています。

日本の製造業による温室効果ガスの排出量


 日本は製造業や建設業により190,300,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で産業により発生した温室効果ガスの3.11%が日本から発生しています。

日本の温室効果ガスの発生


 日本も様々な製造業や建設業が国内に存在しており、直接的な温室効果ガスの排出や、発電所などの利用により、間接的に非常に多くの温室効果ガスを排出しています。

日本の製造業の温室効果ガスの削減


 日本は脱炭素化に向けて以下のような目標が掲げられています。

水素

 2050年までに水素のコストをLNG(液化天然ガス)よりも低下させる

自動車とEV

 2030年までに新車販売の20%から30%を「電気自動車」「プラグインハイブリッド車」にする - 日本の自動車生産業は既に多くの電気自動車を発表しています。

炭素リサイクル

 「環境配慮型コンクリート」の価格を2030年に既存のコンクリートと同じレベルに引き下げる - 環境配慮型のコンクリートは二酸化炭素をコンクリートの中に閉じ込めたコンクリートです。セメントの生成時に発生するにCO2の割合を上回るため、環境に非常に優しいコンクリートになります。

洋上風力

 協議を実施 - 政府はどこに洋上風力を設置するかなどの協議、民間は国内調率やコスト目標の確約

半導体・通信

 2030年までに高精度な半導体の採用、実装および拡大する

航空

 2050年までに日本の技術と燃料を採用したカーボンニュートラル航空機の採用を推進

燃料・アンモニア

 2030年までに石炭火力発電で20%のアンモニアを同時燃焼

原子力

 2030年までに国際協力に基づく小型モジュール式原子炉技術を実証し、同じく2030年までに高温ガス冷却原子炉で水素製造のための部品技術を確立、国際核融合研究および工学であるITER(国際協力によって核融合エネルギーの実現性を研究するための実験施設)を通じて、研究開発を行うメガプロジェクトおよびその他の国際協力

運送

 2028年までにゼロエミッション船を実用化、2050年までに海運部門で水素やアンモニアなどの代替燃料に転換

家と建物

 2030年度までに平均してZEH「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」(省エネ住宅)とZEB「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」(エネルギー使用がゼロまたはマイナスになる建物)になる住宅と建物の建設、560万メートルトンの二酸化炭素を吸収するのを支援

ロジスティクスと人の流れ

 検討中

インフラ

 エネルギーを節約、下水道システムで再生可能エネルギーを使用することにより、2030年までに約134万トンの二酸化炭素排出量を削減

資源のリサイクル

 廃棄物からの温室効果ガス排出量を2050年までに実質的にゼロに削減

ライフスタイル

 2050年までに脱炭素化されたエネルギー「プロシューマー」 を一般化させる - プロシューマーとは、「プロデューサー」(生産者)と 「コンシューマー」(消費者)を一体化させた言葉で、つくる側、提供する側にも関わる消費者の事

食品、農業、林業、水産業、および二酸化炭素吸収源

 2050年までに、農業・林業・漁業における化石燃料からの二酸化炭素排出量を削減

(出典: 経済産業省)

ロシアの製造業による温室効果ガスの排出量


 ロシアは製造業や建設業により187,800,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で産業により発生した温室効果ガスの3.07%がロシアから発生しています。

ロシアの製造業による温室効果ガス発生


 ロシア国内には様々な製造業や建設業が存在し、多くの温室効果ガスが発生しています。

ロシアの製造業の温室効果ガスの削減


 ロシアは温室効果ガス排出量を2050年までに1990年と比べ36%削減し、20億トンのCO2の削減を目標に掲げています。具体的には、エネルギー分野やその他の産業に省エネ技術を導入・廃棄物処理の量を増やし、メタンを適切に処理・エネルギー効率の高い製品の生産と使用を奨励・火災や害虫からの森林の保護し、森林伐採などを減らす事があげられています。(出典: ロシア連邦経済開発省

まとめ


 生産業や建設業は一つ一つのプロセスの中に様々な温室効果ガスの排出の可能性があります。同時に温室効果ガスの制限も可能で、一つ一つのプロセスを徹底的に管理する必要が将来的に必要になると思われます。

 今回は以上です。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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