温室効果ガスは「建物」からも多く排出されています。暖房や冷房など、快適に建物の中で暮らすにはエネルギーを間接的に利用する必要があります。
世界で建物による温室効果ガスはどのくらい排出しているのでしょうか?
✔記事の内容
各国の建物による温室効果ガス排出量
世界の建物による温室効果ガス排出量
建物による温室効果ガス排出量世界一中国、世界二位はアメリカ、世界三位はロシアです。

建物による温室効果ガスの排出量
Greenhouse gas emissions by Buildings
国 | 排出量 (t) 2016年 | |
1 | 中国 (China) ![]() Population: 1,406,473,280 | 525,100,000 |
2 | アメリカ (America) ![]() Population: 335,624,927 | 496,500,000 |
3 | ロシア (Russia) ![]() Population: 145,872,300 | 156,300,000 |
4 | ドイツ (Germany) ![]() Population: 83,517,000 | 135,100,000 |
5 | イラン (Iran) ![]() Population: 82,913,900 | 134,500,000 |
6 | 日本 (Japan) ![]() Population: 125,810,000 | 120,200,000 |
7 | インド (India) ![]() Population: 1,402,862,229 | 109,200,000 |
8 | イギリス (U.K) ![]() Population: 67,530,200 | 84,700,000 |
9 | カナダ (Canada) ![]() Population: 37,411,000 | 73,400,000 |
10 | フランス (France) ![]() Population: 65,129,700 | 69,700,000 |
11 | イタリア (Italy) ![]() Population: 60,550,100 | 63,600,000 |
12 | トルコ (Turkey) ![]() Population: 83,429,600 | 54,000,000 |
13 | 韓国 (Korea) ![]() Population: 51,225,300 | 51,400,000 |
14 | ポーランド (Poland) ![]() Population: 37,887,800 | 44,400,000 |
15 | アルジェリア (Armenia) ![]() Population: 43,053,100 | 28,800,000 |
16 | スペイン (Spain) ![]() Population: 46,736,800 | 27,400,000 |
17 | ウズベキスタン (Uzbekistan) ![]() Population: 32,981,700 | 26,700,000 |
18 | ウクライナ (Ukraine) ![]() Population: 43,993,600 | 25,500,000 |
19 | オランダ (Netherlands) ![]() Population: 17,097,100 | 24,900,000 |
20 | インドネシア (Indonesia) ![]() Population: 274,522,988 | 23,100,000 |
21 | ベルギー (Belgium) ![]() Population: 11,539,300 | 22,500,000 |
22 | メキシコ (Mexico) ![]() Population: 120,575,500 | 21,800,000 |
23 | 南アフリカ共和国 (South Africa) ![]() Population: 58,558,300 | 21,200,000 |
24 | アルジェリア (Armenia) ![]() Population: 43,053,100 | 20,700,000 |
25 | ブラジル (Brazil) ![]() Population: 211,049,500 | 20,400,000 |
26 | パキスタン (Pakistan) ![]() Population: 216,565,300 | 18,700,000 |
27 | トルクメニスタン (Turkmenistan) ![]() Population: 5,942,100 | 16,700,000 |
28 | カザフスタン (Kazakhstan) ![]() Population: 18,551,400 | 16,200,000 |
29 | オーストリア (Ausria) ![]() Population: 8,955,100 | 14,700,000 |
30 | スウェーデン (Sweden) ![]() Population: 10,036,400 | 13,000,000 |
31 | ベトナム (Vietnam) ![]() Population: 96,462,100 | 12,300,000 |
32 | チェコ (Czech) ![]() Population: 10,689,200 | 11,200,000 |
33 | ハンガリー (Hungary) ![]() Population: 9,684,700 | 10,400,000 |
34 | バングラデシュ (Bangladesh) ![]() Population: 163,046,200 | 9,000,000 |
35 | イラク (Iraq) ![]() Population: 39,309,800 | 9,000,000 |
36 | ルーマニア (Romania) ![]() Population: 19,364,600 | 8,400,000 |
37 | フィリピン (Philippines) ![]() Population: 108,116,600 | 7,900,000 |
38 | オーストラリア (Australia) ![]() Population: 25,203,200 | 7,700,000 |
39 | アイルランド (Ireland) ![]() Population: 4,882,500 | 7,600,000 |
40 | モロッコ (Morocco) ![]() Population: 36,471,800 | 6,900,000 |
41 | アゼルバイジャン (Azerbaijan) ![]() Population: 10,047,700 | 6,700,000 |
42 | タイ (Thailand) ![]() Population: 69,625,600 | 6,500,000 |
43 | チリ (Chile) ![]() Population: 18,952,000 | 5,900,000 |
44 | ギリシャ (Greece) ![]() Population: 10,473,500 | 5,600,000 |
45 | ベネズエラ (Venezuela) ![]() Population: 28,515,800 | 5,400,000 |
46 | ベラルーシ (Belarus) ![]() Population: 9,452,400 | 4,900,000 |
47 | サウジアラビア (Saudi Arabia) ![]() Population: 34,268,500 | 4,900,000 |
48 | コロンビア (Colombia) ![]() Population: 50,339,400 | 4,700,000 |
49 | アンゴラ (Angola) ![]() Population: 31,825,300 | 4,300,000 |
50 | スロバキア (Slovakia) ![]() Population: 5,457,000 | 4,200,000 |
51 | マレーシア (Malaysia) ![]() Population: 31,949,800 | 4,100,000 |
https://www.climatewatchdata.org/data-explorer/historical-emissions
各国の建物による温室効果ガス排出量
2016年、温室効果ガスは世界全体で50,610,000,000トン排出されています。建物により温室効果ガスの排出量は2,720,000,000トンで、全体の5.37%が建物により温室効果ガスが発生しています。

「温室効果ガスの排出原因」の記事はこちらになります。よろしかったら一緒にご覧ください。
中国の建物による温室効果ガス排出量
中国では建物により525,100,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で建物により発生した温室効果ガスの19.30%が中国から発生しています。
中国の100万人以上の都市
中国には「100万人を超える都市」が102ヵ所存在しています。
中国の人口が多い都市
州 | 市 | 人口 | |
1 | - | 上海市 | 2691万人 |
2 | - | 北京市 | 2038万人 |
3 | - | 重慶市 | 1577万人 |
4 | - | 天津市 | 1355万人 |
5 | 広州 | 広州市 | 1323万人 |
中国の建物からの温室効果ガスの排出
中国では非常に多くの人口により、自宅や商業ビルなど電気の利用や暖房・冷房の利用による間接的な温室効果ガスが多く排出されています。温室効果ガスは「年収の高い地域」で排出量が高く、豊かな暮らしと並行して多くの温室効果ガスが排出されています。
中国では「ビルの緑化・グリーンビルディング」を推進しています。ビルと植物を共存させ、緑のカーテンなどにより日差しの低減・二酸化炭素を吸収する事により、少しでも温暖化ガスを低減させるという計画になります。
アメリカの建物による温室効果ガス排出量
アメリカでは建物により496,500,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で建物により発生した温室効果ガスの18.25%がアメリカから発生しています。
アメリカの100万人以上の都市
アメリカには100万人を超える都市が10ヵ所存在しています。
アメリカの人口が多い都市
州 | 市 | 人口 | |
1 | ニューヨーク | ニューヨーク市 | 880万人 |
2 | カルフォルニア | ロサンゼルス市 | 389万人 |
3 | イリノイ | シカゴ市 | 274万人 |
4 | テキサス | ヒューストン市 | 230万人 |
5 | アリゾナ | フェニクス市 | 160万人 |
アメリカの建物からの温室効果ガスの排出
住宅・商業ビルを含む建物による暖房・冷房・調理に化石燃料(間接的に利用されるものを含む)が使用されています。米国の温室効果ガス総排出量の約12.5%が、これらの化石燃料の利用により排出されています。(出典: Resource for the future 2021年)
ロシアの建物による温室効果ガス排出量
ロシアでは建物により156,300,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で建物により発生した温室効果ガスの5.74%がロシアから発生しています。
ロシアの100万人以上の都市
ロシアには100万人を超える都市が12ヵ所存在しています。
ロシアの人口が多い都市
州 | 市 | 人口 | |
1 | モスクワ | モスクワ | 1038万人 |
2 | レニングラード | サンクトペテルブルグ | 502万人 |
3 | ノヴォシビルスク | ノヴォシビルスク | 141万人 |
4 | スヴェルドロフスク | エカテリンブルグ | 134万人 |
5 | ニジニ・ノヴゴロド | ニジニ・ノヴゴロド | 128万人 |
ロシアの建物からの温室効果ガスの排出
ロシアは、建物で利用される一次エネルギー消費が38%を占めています。一部の科学者は、ロシアのエネルギー節約に大きな可能性があるとしていますが、寒さが厳しいロシアでは暖房の使用が必須になり、ビルの緑化も非常に難しいと思われます。
ドイツの建物による温室効果ガス排出量
ドイツでは建物により135,100,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で建物により発生した温室効果ガスの4.96%がドイツから発生しています。
ドイツの100万人以上の都市
ドイツには100万人を超える都市が4ヵ所存在しています。
ドイツの人口が多い都市
州 | 市 | 人口 | |
1 | ベルリン | ベルリン | 352万人 |
2 | ハンブルグ | ハンブルグ | 178万人 |
3 | バイエルン | ミュンヘン | 145万人 |
4 | ノルトラインヴェストファーレン | ケルン | 106万人 |
5 | ヘッセン | フランクフルト | 73万人 |
ロシアの建物からの温室効果ガスの排出
ロシアは2020年までに「二酸化炭素の排出量」を1990年比で40%減を掲げており、その目標を達成しています。(出典: The Guardian 2021年)しかし、Covid-19により大きく景気が後退しており、景気の回復と共に大きく二酸化炭素の排出量も増加すると予想されます。ヨーロッパでもパンデミック以降、「リモートワーク」が推進され、自宅で仕事をする人が増加しています。オフィスの利用を減らす事は、「無駄な電力」の利用が減少し、温室効果ガスの排出も減少します。
イランの建物による温室効果ガス排出量
イランでは建物により134,500,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で建物により発生した温室効果ガスの4.94%がイランから発生しています。
イランの100万人以上の都市
イランには100万人を超える都市が6ヵ所存在しています。
イランの人口が多い都市
州 | 市 | 人口 | |
1 | テヘラン | 715万人 | |
2 | ラザヴィー・ホラーサーン | マシュハド | 230万人 |
3 | エスファハーン | エスファハーン | 154万人 |
4 | アルボルズ | キャラジ | 144万人 |
5 | 東アーザルバーイジャーン州 | タブリーズ | 142万人 |
イランの建物からの温室効果ガスの排出
イランは人口の75%が都市部に住んでおり、二酸化炭素の排出は、イランの都市部上位10都市が主な原因になっています。エネルギー消費量は、1990年から2019年の間に5〜8%増加して、世界平均の約5倍になります。特に都市部の建物のエネルギー消費量が非常に多く、世界平均の約2.5〜4倍です。70%が公共の建物による消費で、エネルギーの最大60%が公共の建物により消費されています。
まとめ
電気の利用は間接的に二酸化炭素の排出につながります。電気をこまめに消す事(電化製品による)や、オフィスの利用を控える事、緑化などは二酸化炭素の排出低減につながり、環境の保全につながります。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。