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航空・荷物の輸送による温室効果ガス排出量

 飛行機は、燃料を化石燃料に依存しているため、非常に多くの温室効果ガスが排出しています。

 飛行機や荷物の輸送により、どのくらい温室効果ガスが排出されているのでしょうか?

 今回の記事内容

世界の航空・荷物の輸送による温室効果ガス排出量ランキング
各国の航空・荷物の輸送による温室効果ガス排出量

航空・荷物の輸送による温室効果ガス
排出量ランキング

航空・荷物の輸送による温室効果ガスの排出量世界一シンガポール世界二位はアメリカ世界三位はアラブ首長国連邦です。

航空・荷物の輸送による温室効果ガス排出量ランキング
Greenhouse gas emissions by Aviation and shipping

温室効果ガス
排出量
(t)
2016年
1シンガポール
(Singapore)
Population: 5,804,300
174,900,000
2アメリカ
(America)
Population: 335,624,927
127,600,000
3アラブ首長国連邦
(AUE)
Population: 9,770,500
78,600,000
4中国
(China)
Population: 1,406,473,280
57,100,000
5オランダ
(Netherlands)
Population: 17,097,100
50,800,000
6韓国
(Korea)
Population: 51,225,300
48,700,000
7ロシア
(Russia)
Population: 145,872,300
48,200,000
8イイギリス
(U.K)
Population: 67,530,200
41,000,000
9スペイン
(Spain)
Population: 46,736,800
36,100,000
10ドイツ
(Germany)
Population: 83,517,000
34,800,000
11日本
(Japan)
Population: 125,810,000
34,700,000
12ベルギー
(Belgium)
Population: 11,539,300
25,700,000
13フランス
(France)
Population: 65,129,700
22,200,000
14インド
(India)
Population: 1,402,862,229
20,400,000
15イラン
(Iran)
Population: 82,913,900
20,300,000
16サウジアラビア
(Saudi Arabia)
Population: 34,268,500
19,300,000
17ブラジル
(Brazil)
Population: 211,049,500
17,800,000
18イタリア
(Italy)
Population: 60,550,100
17,000,000
19タイ
(Thailand)
Population: 69,625,600
16,600,000
20パナマ
(Panama)
Population: 4,246,400
14,700,000
21オーストラリア
(Australia)
Population: 25,203,200
14,400,000
22メキシコ
(Mexico)
Population: 120,575,500
13,900,000
23南アフリカ共和国
(South Africa)
Population: 58,558,300
13,800,000
24トルコ
(Turkey)
Population: 83,429,600
13,100,000
25スウェーデン
(Sweden)
Population: 10,036,400
8,800,000
26マレーシア
(Malaysia)
Population: 31,949,800
8,200,000
27ギリシャ
(Greece)
Population: 10,473,500
8,100,000
28オマーン
(Oman)
Population: 4,975,000
6,800,000
29クウェート
(Kuwait)
Population: 4,207,100
6,400,000
30マルタ
(Malta)
Population: 440,400
6,000,000
31カタール
(Qatar)
Population: 2,832,100
5,500,000
32ポルトガル
(Portugal)
Population: 10,226,200
5,400,000
33スイス
(Switzerland)
Population: 8,591,400
5,100,000
34アルゼンチン
(Argentine)
Population: 44,780,700
11,950,000
35コロンビア
(Colombia)
Population: 50,339,400
5,100,000
36ベトナム
(Vietnam)
Population: 96,462,100
5,000,000
37デンマーク
(Denmark)
Population: 5,771,900
4,900,000
38フィリピン
(Philippines)
Population: 108,116,600
4,100,000
39ベネズエラ
(Venezuela)
Population: 28,515,800
3,800,000
40ニュージーランド
(New Zealand)
Population: 4,783,100
3,600,000
41インドネシア
(Indonesia)
Population: 274,522,988
3,600,000
42スリランカ
(Sri Lanka)
Population: 21,323,700
3,500,000
43ペルー
(Peru)
Population: 32,510,500
3,400,000
44イスラエル
(Israel)
Population: 8,519,400
3,400,000
45カナダ
(Canada)
Population: 37,411,000
3,200,000
46アイルランド
(Ireland)
Population: 4,882,500
3,000,000
47イラク
(Iraq)
Population: 39,309,800
3,000,000
48トリニダード・トバゴ
(Trinidad and Tobago)
Population: 1,395,000
2,800,000
49ポーランド
(Poland)
Population: 37,887,800
2,600,000
50パキスタン
(Pakistan)
Population: 216,565,300
2,600,000
51オーストリア
(Ausria)
Population: 8,955,100
2,400,000
出典: CAIT Climate Data Explorer via. Climate Watch 2016年
https://www.climatewatchdata.org/data-explorer/historical-emissions

各国の航空・荷物の輸送による
温室効果ガス排出量

 2016年、温室効果ガスは世界全体で50,610,000,000トン排出されています。航空・荷物の輸送による温室効果ガスの排出量は1,240,000,000トンで、全体の2.45%が航空・荷物の輸送により温室効果ガスが発生しています。

 温室効果ガスの排出原因の記事はこちらになります。よろしかったら一緒にご覧ください。

シンガポールの航空・荷物の輸送による
温室効果ガス排出量


 シンガポールでは航空・荷物の輸送により174,900,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で航空・荷物の輸送による温室効果ガスの14.10%がシンガポールから発生しています。

シンガポールの航空・荷物の輸送


 シンガポールは非常に小さな国ですが「アジアの物流の中心地」で、非常に多くの輸送品がシンガポールを経由して世界中に発送されています。

シンガポールの温室効果ガス低減の取り組み


 シンガポールは規制当局や企業と協力して、航空・海運業界向けのより環境に優しい燃料を模索しています。環境に優しい燃料の使用は、温室効果ガス排出量を削減するための非常に重要になります。シンガポールにある「バンカリング港」は世界最大規模で、非常に多くの輸送がおこなわれています。環境に優しい燃料は、通常の燃料と比べ費用が高くなりますが、運輸業界全体が気候変動に真剣に取り組む必要があり、高騰する燃料の費用を考慮する必要があります。

 環境に配慮した輸送用燃料は、既存の燃料の3倍の費用がかかると予想されており、輸送コンテナあたり燃料に400ドルを費やすと、コンテナあたり800ドルの追加する必要があります。これらは最終的に消費者が負担する必要があり、お店に並ぶ品物の値上げに繋がります。(出典: The Straits Times 2021年)

アメリカの航空・荷物の輸送による
温室効果ガス排出量


 アメリカでは航空・荷物の輸送により127,600,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で航空・荷物の輸送による温室効果ガスの10.29%がアメリカから発生しています。

どのくらい飛行機が利用されているか?


 1960年には、1億人の乗客が飛行機で旅行しましたが、当時は非常に高価な交通手段とされ、ごく一部の人々が利用していました。2017年には、世界全体の年間総乗客数は40億人になっています。(出典: EESI 2019年)

アメリカの温室効果ガス低減の取り組み


 航空・海運業界からのエネルギー消費と温室効果ガス排出量の増加を減速させるために、さまざまな短期・中期・長期の緩和オプションがアメリカでは利用可能です。オプションが実装された場合、2050年までに世界の航空から「BAU」(⦅Business as usual⦆の訳。環境対策をおこなわないで、通常運転された場合からの比較)レベルを50%以上、世界の海運会社から60%以上削減される可能性があります。

アラブ首長国連邦の航空・荷物の輸送による
温室効果ガス排出量


 アラブ首長国連邦では航空・荷物の輸送により78,600,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で航空・荷物の輸送による温室効果ガスの6.33%がアラブ首長国連邦から発生しています。

アラブ首長国連邦の温室効果ガス


 アラブ首長国連邦は「石油産出国」の印象がありますが、実際には石油がとれません。整えたインフラなどにより非常に多くの観光客・金融業で成り上がった国で、航空業界はアラブ首長国連邦の「防波堤」として重要な産業になります。

アラブ首長国連邦の温室効果ガス低減の取り組み


 アラブ首長国連邦の空港は、ドバイとアブダビの2つの主要ハブを経由する長距離の国際線・トランジット旅行客などの利用が多く、温室効果ガスの排出量は非常に多くなっています。ドバイ国際空港は、2019年に世界で最も海外旅行に利用された空港で、8,640万人の乗客が利用しています。

 アラブ首長国連邦の航空会社は、部分的にSAF(⦅ Sustainable aviation fuel⦆持続可能な燃料で、植物を発酵させて作ります。)を使用してフライトを実施しています。

 2019年にエミレーツ航空は、ドバイを拠点とする航空会社としては初めてのジェット燃料とSAFの混合物を使用した燃料を使用しています。SAFは、フィンランドで生産された食用油から生産された物になります。

中国の航空・荷物の輸送による
温室効果ガス排出量


 中国では航空・荷物の輸送により57,100,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で航空・荷物の輸送による温室効果ガスの4.60%が中国から発生しています。

中国の温室効果ガス


 将来的に航空機による温室効果ガスの排出量の増加は、アジアの新興経済国が増加すると予想されており、中国でも更に航空機の利用が増加すると思われます。中国では2050年までに航空機による温室効果ガスの排出量が4倍にも増加すると思われ、何らかの対策が必要になります。(出典: Carbon Brief 2020年)

中国の温室効果ガス低減の取り組み


 2016年までに中国の航空からのCO2排出量が1979年比で91倍に増加しています。このまま航空機の使用が増加し、何も対策を行なわなかった場合、CO2排出量は2050年までに約4倍になります。バイオ燃料を25%利用した場合、40%二酸化炭素が低下し、50%バイオ燃料を利用した場合には60%低下します。(出典: Carbon Brief 2020年)

 中国の経済を動かすのには、政治家などの太いパイプが必要になります。国家主席などが航空機のCO2削減に動き出した場合、中国の航空業界は激変し、削減に大きな力が注がれますが、現在は静寂が続いています。

オランダの航空・荷物の輸送による
温室効果ガス排出量


 オランダでは航空・荷物の輸送により50,800,000トンの温室効果ガスが発生していて、世界で航空・荷物の輸送による温室効果ガスの4.09%がオランダから発生しています。

オランダの温室効果ガス


 オランダはヨーロッパの生産品の輸出がおこなわれており、非常に多くの温室効果ガスが排出されています。

オランダの温室効果ガス低減の取り組み


 オランダでも非常に多くの温室効果ガスが排出されており、温室効果ガス低減へ向けて持続可能な航空燃料の生産・新し市場の開発・他の航空業界との差別化をは図るために様々な取り組みがおこなわれています。

まとめ


 航空業界が持続可能な燃料の利用など温室効果ガスの低減へ取り組みが強化されたのは近年になります。爆発する人口により、航空機の利用は今後増加すると思われ、それに対しCO2を削減されるのは非常に至難だと思われます。しかし、人々の意識は温暖化によって変わり始めていて、航空業界も環境問題に対し、真剣に取り組む必要があります。

 今回は以上です。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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