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世界の魚 全滅危惧種が多い国

絶滅危惧種は国際自然保護連合(IUCN)が管理しており、個体数の減少・保護が必要な生物を「レッドリスト」として登録しています。

「魚」は陸の生物と違い、移動する種も多く把握が非常に困難ですが、漁獲量の制限をおこない、種を守る取り組みなどが世界的におこなわれています。

世界は全滅が危惧される魚(固有種)がどのくらい生息しているのでしょうか?

インターネットを通して絶滅危惧種の違法売買などがおこなわれるケースがあります。見つけた場合は管理者、または警察に連絡してください。絶滅危惧種はワシントン条約で保護されています。たとえ違反している事を知らなくても罪になります。絶対に取引をおこなわないで下さい。

ワシントン条約規制対象種(出典: 経済産業省)

世界の魚
全滅危惧種が多い国

世界の魚 絶滅危惧種が多い国
世界一位 オーストラリア
世界二位 ブラジル
世界三位 南アフリカ

世界の魚の全滅危惧種
Fish species threatened

絶滅危惧種
(種)
2022年
1オーストラリア
(Australia)
16
2ブラジル
(Brazil)
10
3インドネシア
(Indonesia)
7
4フィリピン
(Philippines)
5
5台湾
(Taiwan)
4
6メキシコ
(Mexico)
4
7米国
(U.S.A)
4
8日本
(Japan)
3
9パプアニューギニア
(Papua New Guinea)
3
10コンゴ民主共和国
(Democratic Republic
of the Congo)
2
11マダガスカル
(Madagascar)
2
12中国
(China)
2
13イエメン
(Yemen)
2
14フランス
(France)
2
15ギリシャ
(Greece)
2
16チリ
(Chile)
2
17コロンビア
(Colombia)
2
18エクアドル
(Ecuador)
2
19モーリタニア
(Mauritania)
1
20ソマリア
(Somalia)
1
21ロシア
(Russia)
1
22インド
(India)
1
23マレーシア
(Malaysia)
1
24ミャンマー
(Myanmar)
1
25テュルキエ
(Turkiye)
1
26アイルランド
(Ireland)
1
27ベリーズ
(Belize)
1
28コスタリカ
(Costa Rica)
1
29パナマ
(Panama)
1
30バミューダ諸島
(Bermuda)
1
31ケイマン諸島
(Cayman Islands)
1
32ペルー
(Peru)
1
出典: ©IUCN
データを元にfumib.netがリストを作成

各国の魚の全滅危惧種

リストについて
●「ハタ(Groupers)」
●「ニシン・イワシ(Herrings, Anchovies, etc)」
●「タツノオトシゴ・ヨウジウオ(Seahorses, Pipefishes)」
●「チョウザメ(Sturgeons)」
●「ベラ・ブダイ(Wrasses, Parrotfishes)」
●「サメ・エイ(Sharks, Rays)」

にカテゴライズされています。その他の海洋生物は含まれません。

リストはその国に生息する「固有種」の中の絶滅危惧種です。


全滅危惧種について
絶滅危惧にはカテゴリーがあります。

「絶滅している
(Extinct :EX)」

「野生種が絶滅している
(Extinct in the Wild:EW)」

「深刻な絶滅危機:絶滅危惧IA類
(Critically Endangered:CR)」

「絶滅危機:絶滅危惧IB類
(Endangered:EN)」

「危急な状態:絶滅危惧II類
(Vulnerable:VU)」

「絶滅の懸念
(Near Threatened:NT)

「低懸念
(Least Concern :LC)」

「情報不足
(Data Deficient :DD)」

「未評価(Not Evaluated :NE)」

これらは「レッドリスト」と呼ばれ、国際自然保護連合(IUCN)によって管理されています。

オーストラリア
魚の全滅危惧種

オーストラリアの絶滅危惧種
2022年にオーストラリアには270種の固有種・16種の魚の絶滅危惧種が生息しています。

魚の調査には時間がかかる
オーストラリアでは海水魚・淡水魚の個体が減少している種が増加しています。

「絶滅危惧種としての登録」には非常に長い期間を要するため、登録前の種に対して保護が必要とされています。オーストラリアに生息している魚で絶滅が確認された魚はまだ存在しませんが、気候変動の影響と思われる「水温上昇」が急速に進行しており、魚に大きなダメージを与えています。国内では調査などが続けられていますが、今後多くの種が絶滅する危険性があり、絶滅危惧種として登録されていない種も保護する必要があります。

気候変動の影響
オーストラリアでは「山火事」などが頻発しており、「灰による一時的な水質の変化」「灰が水面を覆う」などの問題が発生しています。「干ばつ」なども多発しており、「気候変動」を介して様々な問題が「魚」の生態系に影響を与えています。

ブラジル
魚の全滅危惧種

ブラジルの絶滅危惧種
2022年にブラジルには37の固有種・10種の魚の絶滅危惧種が生息しています。

調査はあまりおこなわれていない
ブラジルは「アマゾン」「カンポ・セハード(ブラジル高原のサバナ気候)」など様々な環境を有しており、国内に様々な動植物が生息しています。非常に多くの魚も生息していますが、調査はあまりおこなわれていません。

ブラジルの気候変動
乾季には「落雷」「野焼き」によって「カンポ・セハード」などを中心に「火災」が発生する事が多いブラジルですが、近年「気候変動」などの影響と思われる「干ばつ」などの発生が増加しており、非常に火災が発生しやすい状態に陥っています。また、干ばつは世界中で多発しており、火災により多くの森林が失われています。

インドネシア
魚の全滅危惧種

インドネシアの絶滅危惧種
2022年にインドネシアには45の固有種・7種の魚の絶滅危惧種が生息しています。

水質汚染
インドネシアでは一般家庭から排水される「水」が適切に処理されていないケースが多く、「川」「湖」などが汚染されています。また、「鉱物の採掘所」などから流失する「廃棄物」などが川に放出されているケースもあり、環境汚染に繋がっています。

インドネシアは魚だけではなく、非常に多くの「動植物の固有種」が生息しており、水の汚染はこれらの生物に対しても大きな影響を与えています。

絶滅した魚
インドネシアの固有種「チタラロピス(Chitala lopis)」が国際自然保護連合(IUCN)により、2020年に絶滅したと宣言されています。インドネシアには多くの「チタラ種(Chitala)」が生息していますが、乱獲などにより個体数が減少しており、さらなる全滅に繋がる可能性があり注意が必要です。

フィリピン
魚の全滅危惧種

フィリピンの絶滅危惧種
2022年にフィリピンには5種の魚の絶滅危惧種が生息しています。

フィリピンの魚の絶滅危惧種
フィリピンでは「タンスイイワシ(Sardinella tawilis):タウィリスとも」が「ルソン島タール湖」に生息しており、「絶滅の危機:絶滅危惧IB類(Endangered:EN)」に指定されています。

このイワシは「淡水」に生息する「イワシ」で、「オイルサルディーン」に加工される事が多く、個体数が著しく減少しています。また、2021年にはタール湖の近くに存在する「タール火山」の火山活動が活発化しており、タンスイイワシの絶滅を防ぐために個体が一時的に保護されています。

淡水で生息が可能な「イワシ」は非常に稀で、日本では「カライワシ」が河川などで確認されていますが、基本的には海水魚になります。

海水魚は淡水でも生きられるの?
「海水」「淡水」は「塩分」の濃度が異なり、魚は体内の塩分の濃度を一定にする必要があります。海水魚も「体の寄生虫」などを落とすために淡水へ上がる事がありますが、5分~10分程度になります。

台湾
魚の全滅危惧種

台湾の絶滅危惧種
2022年に台湾には7種の固有種・4種の魚の絶滅危惧種が生息しています。

台湾の固有種
台湾には「タイワンマス(Taiwanese salmon)」という「サケ」の固有種が生息・絶滅の危機に瀕しており、「深刻な絶滅危機:絶滅危惧IA類(Critically Endangered:CR)」に指定されています。タイワンマスは水温が20度を超えない涼しい気候を好み、生息地が限られています。国内ではタイワンマスが「国宝」とも呼ばれており、大切に扱われています。

現在は保護活動がおこなわれていますが、「気候変動」などに伴い「気温の上昇」が続いており、住みにくい環境になりつつあります。

保護による個体数の増加
台湾では「雪覇国家公園(シェイパ国立公園)」など多くの保護区を設けており、絶滅危惧種の保護活動を続けています。保護活動の中で個体数は増加傾向にあり、今後も個体数は更に増加すると思われます。

メキシコ
魚の全滅危惧種

メキシコの絶滅危惧種
2022年にメキシコには21種の固有種・4種の魚の絶滅危惧種が生息しています。

メキシコで全滅が危惧される淡水魚
メキシコでは魚の「乱獲」、水の「汚染」などが進行しており、多くの「淡水魚」が絶滅の危機に瀕しているとされています。国内では生態系を守るために2018年から「水資源を守る法令」が設立されており、今後さらに魚の保護活動などがおこなわれると思います。

また、「灌漑農業」の水源として利用される「地下水」の水位などが低下しており、生態系に与える影響が深刻化しています。

1/3以上の淡水魚が絶滅の危機にあるとも
メキシコでは国内に生息する淡水魚は将来的に「1/3以上が絶滅の危機に瀕する可能性」があるという調査結果が発表されています。メキシコでは現在も「伝統料理」などに多くの淡水魚が利用されており、淡水魚の減少は日常生活に支障が出る可能性が深刻化しています。

メキシコの人口は増加傾向にありますが、淡水魚を保護は漁獲量を減少される必要があり、一部の地域では「食生活を大きく変化させる必要」があるかもしれません。

米国
魚の全滅危惧種

米国の絶滅危惧種
2022年にアメリカには38種の固有種・4種の魚の絶滅危惧種が生息しています。

絶滅危惧種の「チョウザメ」
アメリカの「チョウザメ(Shortnose sturgeon)」は古くから東海岸沿いに生息しており、産卵期には川を北上します。古くから漁がおこなわれていましたが乱獲が続き、2004年に絶滅危惧種に登録、現在は「危急な状態:絶滅危惧II類(Vulnerable:VU)」に登録されています。

チョウザメは「サメ」という名前がついていますがサメではありません。

キャビアとして利用
チョウザメからとれる「キャビア」は人気食材で、チョウザメの減少によりキャビアの価格が高騰しています。キャビアは【ロシア】などでも人気が高く、違法に乱獲される事が多くなっています。

日本
魚の全滅危惧種

日本の絶滅危惧種
2022年に日本には23種の固有種・3種の魚の絶滅危惧種が生息しています。

海水温の上昇
近年、「気候変動」の影響と思われる災害が多発しています。とくに問題視されているのは「海水温の上昇」で、日本近郊では「熱帯地方と同等の水温」になりつつあります。これに伴い「台風」などが頻繁に発生しており、大きな災害が日本で頻発しています。

海水温の上昇は海で生活する生物にも大きな影響を与えており、「漁業」などに大きな影響を与えています。

魚は「変温動物」
魚は「変温動物」であり、外気温(魚の場合は水温)により体温が変化する生物です。

これらの生物は温度変化に弱く、水温の変化に対応する事ができません。水温上昇に伴い、日本の魚は北に移動している傾向があり、今後さらに水温が上昇した場合、日本近郊での漁業が難しくなる可能性があります。

パプアニューギニア
魚の全滅危惧種

パプアニューギニアの絶滅危惧種
2022年にパプアニューギニアには12種の固有種・3種の魚の絶滅危惧種が生息しています。

パプアニューギニアの絶滅危惧種
パプアニューギニアに生息する「クロモグルンダ(Black mogurnda)」はパプアニューギニア西部の位置する「クツブ湖(Lake Kutubu)」に生息する固有種で、「深刻な絶滅危機:絶滅危惧IA類(Critically Endangered:CR)」に指定されています。

クロモグルンダは「カワアナゴ科」の近縁種になります。

パプアニューギニアの都市化
パプアニューギニアでは都市化が続いており、首都の「ポートモレスビー」などでは人口増加と共に「生活から排水される汚水」などが問題になっています。

コンゴ民主共和国
魚の全滅危惧種

コンゴ民主共和国の絶滅危惧種
2022年にコンゴ民主共和国には5種の固有種・2種の魚の絶滅危惧種が生息しています。

コンゴ民主共和国はどこ?
アフリカの内陸部に位置しており、「コンゴ川」「カサイ川」「タンガニーカ湖」「ムウェル湖」「マイ=ヌドンベ湖」などの水源が存在しています。国内に広大な「熱帯雨林」を有しており、様々な動植物が生息しています。

人口増加するコンゴ民主共和国
コンゴ民主共和国の人口は約9000万人と非常に多く、現在も人口増加が続いています。国内には多くの民族が暮らしており、「森林」と共存しています。「コンゴ川]の土手沿いなどの人口が増加しており、廃棄物などによるダメージが深刻化しています。

まとめ

海水温度の上昇
魚類の管理・保護は難しく、野生種に関してはほぼ不可能です。近年日本近海でも水温の上昇が続いており、これまでおこなってきた漁が不可能になりつつあります。これらの問題の解決には「水温を下げる」必要があり、簡単に実行する事は不可能です。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

サムネイル: 「Pixabay」から商用利用可能な写真を加工・利用しています。

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