「女性管理職が少ない」とよく話題に上がりますが、日本では「昇進」を望まない女性が多く、世界でも似たような傾向があります。
世界では女性の管理職の割合はどのくらいなのでしょうか?
世界の女性管理職
割合
世界の女性管理職の割合
世界一位 タイ
世界二位 カンボジア
世界三位 ラオス
世界の女性社長やマネージャーの割合
Firms with female top manager (%)
国 | 女性の社長 マネージャー 割合(%) | |
1 | タイ (Thailand) ![]() | 64.80 2016年 |
2 | カンボジア (Cambodia) ![]() | 57.30 2016年 |
3 | ラオス (Laos) ![]() | 43.10 2018年 |
4 | ミャンマー (Myanmar) ![]() | 41.10 2016年 |
5 | モンゴル (Mongolia) ![]() | 38.90 2019年 |
6 | セントビンセント グレナディーン (Saint Vincent and the Grenadines) ![]() | 38.60 2010年 |
7 | 南アフリカ共和国 (South Africa) ![]() | 36.20 2016年 |
8 | バハマ (Bahamas) ![]() | 33.20 2010年 |
9 | クルディスタン (Kurdistan) ![]() | 32.90 2019年 |
10 | ラトビア (Latvia) ![]() | 32.60 2019年 |
11 | ベネズエラ (Venezuela) ![]() | 31.10 2010年 |
12 | リトアニア (Lithuania) ![]() | 30.70 2019年 |
13 | フィリピン (Philippines) ![]() | 29.90 2015年 |
14 | ブルガリア (Bulgaria) ![]() | 28.80 2019年 |
15 | ホンジュラス (Honduras) ![]() | 28.00 2016年 |
16 | エルサルバドル (El Salvador) ![]() | 28.00 2016年 |
17 | ポーランド (Poland) ![]() | 27.80 2019年 |
18 | ナミビア (Namibia) ![]() | 27.40 2014年 |
19 | エスワティニ (Eswatini) ![]() | 27.40 2016年 |
20 | ニカラグア (Nicaragua) ![]() | 27.00 2016年 |
21 | クロアチア (Croatia) ![]() | 27.00 2019年 |
22 | 東ティモール (East Timor) ![]() | 27.00 2015年 |
23 | ボリビア (Bolivia) ![]() | 26.30 2017年 |
24 | ブータン (Bhutan) ![]() | 26.30 2015年 |
25 | カザフスタン (Kazakhstan) ![]() | 26.00 2019年 |
26 | ベナン (Benin) ![]() | 25.90 2016年 |
27 | ベリーズ (Belize) ![]() | 25.50 2010年 |
28 | バルバドス (Barbados) ![]() | 25.40 2010年 |
29 | ロシア (Russia) ![]() | 24.30 2019年 |
30 | ジャマイカ (Jamaica) ![]() | 24.10 2010年 |
31 | グレナダ (Grenada) ![]() | 24.00 2010年 |
32 | セントルシア (Saint Lucia) ![]() | 23.70 2010年 |
33 | パナマ (Panama) ![]() | 23.50 2010年 |
34 | カメルーン (Cameroon) ![]() | 22.90 2016年 |
35 | エクアドル (Ecuador) ![]() | 22.90 2017年 |
36 | シリア (Syria) ![]() | 22.80 2009年 |
37 | ソロモン諸島 (Solomon Islands) ![]() | 22.60 2015年 |
38 | エストニア (Estonia) ![]() | 22.50 2019年 |
39 | ベトナム (Vietnam) ![]() | 22.40 2015年 |
40 | インドネシア (Indonesia) ![]() | 22.10 2015年 |
41 | ハンガリー (Hungary) ![]() | 22.10 2019年 |
42 | ルワンダ (Rwanda) ![]() | 21.80 2019年 |
43 | 北マケドニア (North Macedonia) ![]() | 21.30 2019年 |
44 | ドミニカ共和国 (Dominican Republic) ![]() | 21.20 2016年 |
45 | ベラルーシ (Belarus) ![]() | 21.10 2018年 |
46 | セントクリストファー ネイビース (Saint Kitts and Nevis) ![]() | 21.10 2010年 |
47 | トリニダード・トバゴ (Trinidad and Tobago) ![]() | 20.80 2010年 |
48 | リベリア (Liberia) ![]() | 20.40 2017年 |
49 | ペルー (Peru) ![]() | 19.90 2017年 |
50 | パラグアイ (Paraguay) ![]() | 19.60 2017年 |
51 | ブラジル (Brazil) ![]() | 19.40 2009年 |
日本 (Japan) ![]() | 約14% 2021年 |
http://data.worldbank.org/data-catalog/world-development-indicators
各国の女性管理職
割合
「管理職に女性が少ない」は差別ではない
「女性の管理職が少ない」と良く話題に上がりますが、これは差別では無く「女性が管理職を望まない」という要因があります。2020年におこなわれた意識調査では昇進を望まない女性は約75%・50代は80%を超えており、大多数の女性が昇進を望んでいません。
つまり、女性の管理職が少ないのは「女性が望んでいない」事が理由の一つとしてあげられます。
起業したい女性は多い
「起業」したいと考える女性は40%を超えています。日本で実際に起業すると考えている人は6%程度ですが、男性も12%程度とあまり多くありません。
男女の格差を示す指数
ジェンダー不平等指数(Gender Inequality Index: GII)は「国連開発計画」が公表している「人間開発報告書」のひとつで、2010年から導入された男女格差を測定するための指標です。0~1で指数を表し、0が完全に平等で、1が完全に不平等になります。
2019年に日本は0.075と非常に低く男女がほぼ平等ですが、アフリカでは0.5を超えている国も多くなっています。一位はスイスの0.025で、最下位はイエメンの0.795です。
世界男女格差指数
男女格差指数(Gender Gap Index: GGI)は「世界経済フォーラム」が2006年より公表している「世界男女格差レポート」で、世界の各国の男女不均衡を示す指標です。経済、教育、医療、政治の4つ、14項目のデータに関して男女比を計算しています。こちらも0~1で指数を表していますが、1が完全に平等で、0が完全に不平等になります。
2021年、日本の指数は0.656と非常に高く政治分野と経済分野で大きく男女差があります。一位はアイスランドの0.892で、最下位はアフガニスタンの0.444です。
タイ 女性管理職
割合
タイの女性管理職の割合
2016年にタイでは女性社長やマネージャーの割合64.80%です。
2013年の男女比率は女性が1に対して男性が0.96と、男性が若干少なくなっています。
なぜ男女比率が違うの?
多くの国は男女比率が1:1ですが、タイや日本のように「少しだけ女性の割合が多い傾向」がある国が存在します。これは様々な要因がありますが、一番の要因は「女性の方が男性より長寿」という事があげられます。
また、多くの国では「戦時中に多くの男性が死亡」している国も多く、男性の数が女性より大きく少ない国も存在します。主に【旧ソビエト連邦】に属していた国が多く、現在も女性の比率の方が高くなっています。
小規模なビジネスを営む女性が多い
タイなどのアジア圏では「屋台」などを営む女性を多く見かけます。女性が活躍できる場が非常に多く、小規模なビジネスを営む女性が非常に多く存在します。
女性議員の割合は低い
2021年のタイの女性議員の割合は14%で、日本より少なくなっています。世界平均は25%で、「女性が活躍できていない」状況にあると思われます。
女性議員の割合が50%を超える国もあるの?
あります。法律で議員の男女比が50%に設定されている国も多くなっています。先進国の多くは20~30%程度であり、多くの女性が活躍しています。
カンボジア 女性管理職
割合
カンボジアの女性管理職の割合
カンボジアでは女性社長やマネージャーの割合57.30%です。
2013年の男女比率は女性が1に対して男性が0.953と、男性が若干少なくなっています。
カンボジアでも女性が活躍している
カンボジアも「屋台」などが非常に多く、多くの女性が「経営者」「管理職」として働いています。女性議員の割合も20%近く、日本よりも高い割合になります。
非常に貧しい国
カンボジアはアジア圏でも非常に貧しい国の一つです。教育を受けている人は増加傾向にありますが、教育を受けていない人も多く単純作業に従事している傾向があります。
ラオス 女性管理職
割合
ラオスの女性管理職の割合
ラオスでは女性社長やマネージャーの割合43.10%です。
ラオスの女性
ラオスの農村地域では多くの女性が主要な稼ぎ手となり家庭を支えていますが、低賃金・重労働を強いられているケーズが多くなっています。
独立の支援活動などもおこなわれている
社会経済開発者協((SEDA‐Laos)などが提供する「マイクロファイナンスプログラム:貧しい人々向けに小口の融資などの金融サービスを提供」などにより、女性のビジネスの確立・管理・マーケティングなど様々なトレーニングが「女性の自立支援」のためにおこなわれています。
女性議員は多い
2021年のラオスの女性議員の割合は22%で比較的に多くなっています。
ミャンマー 女性管理職
割合
ミャンマーの女性管理職の割合
2013年の男女比率は、女性が1に対して男性が0.943と、男性が若干少なくなっています。
女性出家者「ティラシン
」
ミャンマーは「仏教」を主体とする国で「ティラシン:女性の出家者」など女性が社会的に高い地位を得る場合もありますが、出家者も圧倒的に男性が多く、女性の出家者は一部になります。
女性議員の割合は上昇していた
ミャンマーの女性議員の割合は近年上昇しており、2021年に17%を超えています。しかし、2021年に発生したクーデターにより政府は「軍事政権下」におかれています。
モンゴル 女性管理職
割合
モンゴルの女性管理職の割合
モンゴルでは女性社長やマネージャーの割合38.90%です。
モンゴルの教育水準は上昇している
モンゴルは2010年に中等教育を受けている25歳以上の女性は83%で、他のアジア諸国と比較しても高い水準になります。モンゴルは旧ソビエト連邦の影響を受け1924年に社会主義国を樹立、女性は平等に教育を受ける権利を獲得しました。
現在も流暢にロシア語を使用できるモンゴル人が多く、「遊牧民」という印象はステレオタイプになります。
女性議員の割合も高い
2021年のモンゴルの女性議員の割合17%を超えています。
まとめ
世界では約25~35%の割合で女性が管理職についています。男性より少ない数字になっていますが、管理職を望まない女性も多く存在します。
個人的な考えですが、「女性を管理職につかせる」のではなく、「管理職に付きたくなるような社会作り」が必要だと思います。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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